東日本大震災から14年が過ぎ、阪神大震災から30年が経過しました。現在、日常的な情報収集のグッズというのはインターネットを利用したスマホ一択というくらいに進化してきています。今後、低高度を飛ぶ通信衛星とスマホを直接やり取りできるような通信環境が当り前に使えるようになれば、もはやいかにしてスマホを使い続けられるようにスマホの電源を何とかすることによって、今回説明する「防災ラジオ」の出番はなくなってしまうことも考えられます。そしてそういう世界はもうすぐそこに来ていると実感できる時代に私たちは生きています。
今回は「ラジオ」というキーワードで色々と考えていきたいと思っているのですが、スマホの電波が安定して使えている状況であれば、ラジオを取り出して放送を聞くよりも、スマホアプリやブラウザを利用してインターネットラジオを聞く方が個人的にはおすすめだと思います。今回は防災ラジオとの比較で考えますが、持ち運びをすることを考えると、ラジオ自体のサイズはそれほど大きくは作れないので、感度があまり良くなく、さらにノイズに弱く近くの放送局でも全く聞こえなくなる可能性があるのが防災および携帯ラジオであるのです。
しかしインターネットラジオの場合、ノイズとは無縁で、本来はモノラル放送であるはずのAM放送の同時配信ではステレオで音質の良い状況で今放送されているラジオを聞くことができます。さらに、ラジコの場合、プレミアム会員(有料)になると地域の放送だけでなく全国の民放局を聞くことができます。こんなことはどんな優秀なラジオでも不可能です。昼夜関係なく全国の放送局を自由に聞けるのは、インターネット網の発達あってのことで、こうした事と同じことを防災ラジオに期待することは無理です。
しかし、それでも単体のラジオをスマホと一緒に持ち運び、情報収集の補助として使うというのは、テレビと違ってラジオはスマホと比べると極めて電気を使わないで利用可能だからです。手回し発電でスマホを満充電することはまず無理なのに、防災ラジオの場合手回し発電をすれば数十分から1時間くらい連続で聞けるというのは、ラジオというハード自体がそれほど電気を食わないで使えるからということで、電力を得ることが全くできない場合の望みになります。ただ、果たしてそこまで停電が続いて電気が使えない極限状況というものが起こるのかというのが、防災ラジオを用意するか否かの分かれ道になることは確かでしょう。
今回は、スマホ以外に防災ラジオを備える場合の考え方について、自分で忖度することなくまとめてみることにしました。長くなるので項目ごとに分けて書くようにしますが、ネットで「防災ラジオ おすすめ」と検索して出てくるサイトに書かれていないような事をたくさん書けるように構成してみますので、興味のある方はぜひ今後の内容をご覧ください。なお、全ての内容を書き終えましたら、全体を見られるようなリンクを改めてはらせていただきますので、どうぞよろしくお付き合い下さい。
※今回の一連の投稿をリンク付きでまとめてみました。まとめて読みたかったり、前後の内容を確認したいという方がおりましたら、ぜひともお役立て下さい。
☆防災ラジオについての考え方
・前説 なぜあえて防災ラジオについての知識が必要なのか
・その1 そもそも小型ラジオには外部アンテナの有無が大事
・その2 イヤホン専用ラジオよりスピーカー内蔵のものを買おう
・その3 チューニングはアナログ・デジタルどちらにするべきか
・その4 AMとFMのどちらが防災ラジオとしては大切か
・その5 使用電池は「単三」と「単四」ならどちらが便利か?
・その6 使用できる電源パターンにはどんなものがあるのか?
・その7 内蔵電源は充電池よりキャパシタ(コンデンサ)
・その8 電源回りの機能とその限界について認識しておこう
・その9 使わなくてもイヤホンは一緒に持ち歩くことが大事
・おわりに 時代とともに理想の防災ラジオのスペックは変わっていく