以前紹介したソニーのマルチメディア端末でゲーム機のPSPで使えるカーナビソフトは、新しく出たPS Vita対応のものが出てくるのかとハード発売の前から期待していたのですが、これを書いている2012年10月末の段階でも発売されることがなく月日が流れてしまいました。最初にPSP用のカーナビソフトとして登場したMAPLUSというカーナビソフトは、こうした状況に業を煮やしたかのごとくスマートフォンアプリ版のカーナビアプリとして、PSP版から機能を継承したアプリを発売開始するような状況になっています。
スマートフォンとゲーム機を比べてみると、ハード単体での価格というのはゲーム機の方が安いとは言うものの、スマートフォンで動くカーナビアプリをインストールできる白ロムのスマートフォンまで範囲を広げて比べてみると、かえってスマートフォンを導入した方が安上がりになる可能性すらあります。そして、スマートフォンで使えるカーナビアプリはさまざまあって、グーグルマップを使ったナビゲーションの場合はネット接続をすることによって地図をネット上から入手するためSIMカードなしでは使いものにならないのですが、地図を最初にダウンロードするタイプのカーナビアプリもあり、その場合SIMカードなしの状態でも問題なく動きます。
今回私が導入してみたカーナビアプリ「NAVIelite」(android版とiOS版の両方提供あり)には単なるナビゲーションに加えてVICSという渋滞や通行止め情報をリアルタイムに表示してくれる機能があります。この機能だけはSIMカードを入れておかないと使えませんが、およそ4GBの地図データをダウンロードすることによって小型ナビとそれほどそん色ない使い勝手が実現できるようになりました。利用料金は年間3,800円と各種アプリの中では高額の部分に入るかも知れませんが、新しく高性能で安価なアプリが出れば乗り換えも簡単ですし、一般のカーナビで地図の更新にお金がかかることを考えると、それほど高いものでもありません。なお、iPhone用のカーナビアプリ「マップルナビS」の場合、さらに安く1,400円で(現在キャンペーン価格で半額の700円で導入でき、2014年春版までの地図データ更新に対応)利用できるのでおすすめです。
このような流れを見ていくと、PS Vitaでのカーナビソフトをわざわざ発売して商売するよりも、スマートフォン用に直接取引のできるアプリとして開発した方がいいと考えるところが多くなったということが言えるかも知れません。スマートフォンを持たなかったり、設定がめんどくさいという方の場合は単体の小型カーナビを購入すればいいので、今の時代にあえてゲーム機のソフトとしてカーナビを導入する意味がなくなっていると言えるかも知れません。
しかし、もしPS Vitaが発売された当初にカーナビソフトが一緒に発売されていたとしたら、やはり普通のカーナビの地図更新料は高いので、ゲームソフトの形で地図が提供される分安く買えたゲーム機によるカーナビはそれなりに購入する人は多かったのではないでしょうか。私の場合は発売当初に購入しようと思ったところキングジムのポメラDM100が出たのでそれを先に買ってしまい現在に至るのですが(^^;)、充電しながら使用する場合はACアダプターにつながないとならないので、車載時には家庭用コンセントをつなぐためのインバーターが必須になることと、メモリカードが新しい規格になり買い直しを余儀なくされるということでハードとしての購入意欲自体が萎えてしまいました。
というわけで、私はスマートフォンに新アプリを導入したことにより、ゲーム機をカーナビ代わりに使うパターンをあえて継続する必要もなくなったのですが、うまくソニーが展開していけばスマートフォンに対抗できるマルチメディア端末としてゲーム機だけでない利用法を広めることもできたかも知れないと思うと残念ですね。これから安くカーナビを揃えたいと思う方は、ある程度スペックのあるdocomoのスマートフォンの白ロムを買ってアプリで実現するのが個人的にはおすすめです。