ここまで、私の考える防災ラジオについて色々と書かせていただきましたが、これを書いている2025年3月現在において、おすすめの防災ラジオとしては以下に挙げるような条件を満たすものになりました。ただ、今後の状況によってはその条件は変わる可能性がありますので、その点はご留意下さい。
・FM受信用のロッドアンテナがあるもの。外部アンテナ端子があればなお良い
・イヤホン専用でなくスピーカーが付いているもの
・チューニングは電池持ちを考えればアナログ式。ただアナログチューニングが不安ならDSP(デジタル)ラジオに
・対応バンドはAMとワイドFMの両方が聞けるもの
・使用電池は「大は小を兼ねる」ので単三電池使用のものを
・電源は「乾電池」「手回し」で充分だがコンセントやモバイルバッテリーで動くものもあるので確認を
・手回し充電でためる先は「ユーザー交換不可な充電池」より「スーパーキャパシタ」内蔵のものを
・付加機能のスマホへの手回し充電・本体内蔵のソーラーパネルでの充電機能への過度な期待は禁物
今まで書いてきたことを箇条書きにしてまとめると、こんな感じになると思います。これはあくまでも私のおすすめであって、絶対的な価値観ではありません。ただ、買ってからしまったということにならないように極力自分のおすすめを書いたつもりです。あとは、日常的に持ち出すのか、自宅に置いておいて使うのかによっても変わってきますね。
今回は、一般的な非常用持出袋に入れて家の中だけでなく避難所などでも使うことを想定して書きます。その場合、どうしても見ず知らずの他人と一緒になりますので、様々な対策が必要になる場合があります。あまり考えたくないことですが、ラジオを持って避難していない人にとっては、自由に好きな時にラジオを聞きたいと思った場合、自分の持っている防災ラジオが盗まれてしまう可能性も実際あるようです。そのため、ラジオに名前を書くという対応策があるのだという話もあります。他にはなくなっても探せるようにタグを付けておくとか、各自工夫する必要も出てくるかと思います。
状況によっては、目立たずに自分の身に付けておけるサイズで聞くことを強いられる可能性もあるので、非常用持出袋にはラジオだけを入れないで、ラジオの存在を隠すためにイヤホンを入れておくということは、どんなラジオを購入した場合にも使えるテクニックです。
イヤホンは、スマホ用の有線イヤホンの流用でもいいですし、アナログ機器をワイヤレス化できる機材も売っているので、普段遣いのワイヤレスイヤホンで使うことも可能ではありますが、頻繁にワイヤレスイヤホンを充電することが難しいかも知れないので、素直に有線イヤホンを用意しましょう。
外に多くの人がいる中でラジオを聞く場合、特に避難所では直接大切な情報が入ってくることもありますので、両耳タイプのものでなく、片耳のイヤホンの方が色々便利ではないかと思います。ラジオの付属品の中にイヤホンがある場合もありますので、付属品でイヤホンの有無を購入前にチェックしておくと、後から改めて買い足す手間もなくなります。
こうしたイヤホンは、他の用途でも使うことが可能になります。普段スマホで音楽を聞くのにワイヤレスイヤホンを使っている方は、あえて有線イヤホンを準備しているということはないと思います。より少ない電力でスマホを使いたい場合、災害時においては有線イヤホンの方がやはり便利になりますし、FMラジオ付きのスマホは、イヤホンのコードをアンテナ代わりに使うので、いざという時の二台目のラジオとしてスマホを使うこともできます。普段は使わなくても、避難した場合に使えるようにしておくことで、色々とできることは増えますので、ぜひラジオとイヤホンを一緒に入れておくことをおすすめしたいと思います。
※今回の一連の投稿をリンク付きでまとめてみました。まとめて読みたかったり、前後の内容を確認したいという方がおりましたら、ぜひともお役立て下さい。
☆防災ラジオについての考え方
・前説 なぜあえて防災ラジオについての知識が必要なのか
・その1 そもそも小型ラジオには外部アンテナの有無が大事
・その2 イヤホン専用ラジオよりスピーカー内蔵のものを買おう
・その3 チューニングはアナログ・デジタルどちらにするべきか
・その4 AMとFMのどちらが防災ラジオとしては大切か
・その5 使用電池は「単三」と「単四」ならどちらが便利か?
・その6 使用できる電源パターンにはどんなものがあるのか?
・その7 内蔵電源は充電池よりキャパシタ(コンデンサ)
・その8 電源回りの機能とその限界について認識しておこう
・その9 使わなくてもイヤホンは一緒に持ち歩くことが大事
・おわりに 時代とともに理想の防災ラジオのスペックは変わっていく