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日々の訃報の中から自分の記憶に残したい人について書いていくことで故人を偲びたいと思います。

望月三起也さんは漫画家でありサッカー界の恩人だった

日本の漫画というのは一つの方向から発展してきたものではないところが面白いと常々思っています。手塚治虫氏を師と仰ぐ雑誌「漫画少年」から出て来た人だけが日本の少年漫画の主流になったというわけではなく、貸本漫画という全く別の方向から大家になった水木しげる氏、さいとうたかを氏のような方もいらっしゃったり、少年漫画だけでも大変多岐に渡る作家さんがいらっしゃいました。

日本の漫画がこれだけの隆盛を極めたのには、一つの流れだけではなく、一方で週刊少年ジャンプ連載の人気投票ありきの流れだけでなく、ガロのような編集者の眼力だけで評価されるような作家の作品も同じように読まれてきたことと無縁ではないでしょう。

私自身が小さい頃に読んでいた漫画雑誌はさすがにガロではありませんでしたが(^^;)、週刊の漫画誌としてはマガジンでもサンデーでもジャンプでもチャンピオンでもない「少年キング」でした。今となってはなぜキングを選んだのかもわかりません。

ちなみに私が読んでいた頃の少年キングはまだ「銀河鉄道999」の連載も始まっていない頃で、自転車で日本一周することを漫画にした荘司としお氏の「サイクル野郎」や、単身アメリカへ出掛け、そこでその当時の日本の事を全くわからずにギャグ漫画を日本に送っていた森田拳次氏の連載があったり、日野日出志氏のホラー漫画でないギャグ漫画が載っていたりと、かなり他とは違う漫画誌だったということは覚えています。

そして、当時の少年キングでの人気ナンバーワンと言えば、やはり今回紹介する望月三起也氏の「ワイルド7」だったのでした。昔の漫画ということでかなりどぎつい表現などもありましたが、荒々しいアクションの面白さと主人公の面々が様々な戦いの中でどんどん殉職していくというのは子供心にトラウマになりかけましたが、夢中になって読んだことを覚えています。

先日の新聞で、その望月三起也氏が亡くなったことを知りました。新聞の訃報欄には漫画家としての業績しか書かれていませんでしたが、私が思うに望月三起也氏のこの世に残したものというのは漫画以上にサッカーというスポーツを日本におけるメジャースポーツになるまで応援し続けた功労者だという風に映ります。

望月三起也氏が選手兼監督として関わったサッカーチーム「ザ・ミイラ」は、芸能人も選手として名をつらね、大きなサッカーの試合の前座として人集めのためにチャリティーで試合を行なっていました。私の今住んでいる静岡県ではまだJリーグ発足前からサッカーが盛んな土地だったので、何かの企画でサッカーの試合があると、よく「ザ・ミイラ」が試合にやってきたことを覚えています。

メキシコオリンピックで活躍した杉山隆-さんと親しかったことから静岡にもやってきていたのかも知れませんが、サッカーに興味がなくてもサッカーをやる芸能人に興味を持って見にきてくれるならと地道なサッカーの普及活動をやったことで多くの人がサッカー自体の面白さに気付き、今のワールドカップに連続出場できるまでの実力が付いてきたと言ったら言い過ぎでしょうか。

サッカーのワールドカップ予選もこれから最終予選に向けて、期待が高まっていくことと思います。望月三起也さんのインタビュー記事を読むと必死になってボールを追いかける一生懸命さが好きだという事でした。女子チームのオリンピック出場が叶わなかったのは、望月氏のおっしゃる懸命さにかけていたのではないかと今になって思ったりするわけですが、今後の男子代表チームが、そうした懸命にボールを追いかける姿を見せてくれることが日本チームをワールドカップに導くのではないかと思ったりするのです。

故人のご冥福をお祈りします。