以前から語られているように、政府のハコモノ行政について今や無批判に受け入れる人ばかりではなく、多くの場面において批判されるところですが、今や直売所であったり、観光スポットとして認知されている道の駅事業だけは全国的に隆盛を誇っており、人や物が集積することによってさらなる経済効果を生んでいるといえましょう。しかも、テレビや雑誌などで紹介されることによって、しばらくは廃れる気配すらないと言っていいでしょう。
車中泊が基本の旅では旅の目的地が宿泊地となるような道の駅巡りはおすすめではあるのですが、ディメリットも出てくるのですね。高速道路に乗って旅をする場合というのは、長時間運転が続き疲れてしまった時のためにサービスエリアやパーキングエリアがあります。もちろん、そこで車中泊している方も多いとは思いますが、今の完全にイベントスペースと化した道の駅と比べると、満車で入れなくなるような事は年末年始やゴールデンウィークなどの大渋滞が発生する状況でなければそれほど考えなくてもいいでしょう。単に体を休めたいだけだったら、トイレと自動販売機しかないパーキングエリアを利用するという使い分けもできます。
ところが、高速道路のないところや、高速料金を節約して下道を走り続けるような旅を楽しんでおられる方および、高速代を節約して下今道を走らざるを得ないトラックドライバーの方たちは、今のような道の駅のあり方について、勘弁してくれと思っても仕方がないような状況もあります。
駐車スペースを広く取ってくれている道の駅なら問題ないのですが、広さが限られた道の駅の場合、トイレ休憩に寄ることもできないくらい観光客が押し寄せていることも珍しくありません。長時間の運転に疲れ果てて休憩を取りたくてもなかなか休憩場所がなく、やっと見付けた道の駅にも入れないのでは、休憩施設としての役割はどうなったのかとも思ってしまいます。
私のいる静岡県はとにかく横に長い県で、通過するために通った方は(特に高速道路を使わずに)うんざりする方も多いかと思います。ただ、静岡を通る国道は、そのほとんどを信号のないバイパスを経由して通り抜けることができます。東京方面からですと国道246号から国道1号に入った方が楽だと思いますが、そこにある道の駅はというとそれほど数は多くないのですね。246号線沿いの「ふじおやま」を通って国道1号に入り、富士川の手前にある道の駅「富士」を通り、そこからは静岡市郊外の「宇津ノ谷峠」までありません。この道の駅はそれほど駐車場も広くなく、周辺がハイキングコースになっているので、シーズンは結構込んでいます。そこからさらに西に進むと道の駅は「掛川」までありませんが、この道の駅は農作物の直売が有名なので、いつもかなりの車で混雑しています。そして静岡県の最西端にある浜名湖のそばに道の駅「潮見坂」がありますが、一つ一つの道の駅がかなり離れているので、途中で眠くなったりトイレに行きたいような場合はコンビニを利用するしかないのが現状です。
そういった事があるのかどうかはわかりませんが、最近になって宇津ノ谷峠と掛川の間、国道一号線藤枝バイパスの谷稲葉インターチェンジ敷地内に「谷稲葉うぐいすパーキングエリア」という休憩施設ができました。道路脇にあるのではなく、いったんインターから下道に降りる途中にある施設です。実際に行ってみたところ、名前のように高速道路にある何の施設もないパーキングエリアのような施設で、単純に休憩のために作られていることからある種の方にとっては便利だろうと思いますので、写真付きで紹介します。
写真のようにかなり広い大型用の駐車場が確保されていて、駐車スペースの他はトイレがあるだけです。
しかし、このトイレがかなり存在感があって立派なのですね(^^;)。ただ、中の様子はというとそれほど広いものでもありません。
この施設は大型トラックの休憩を目的にして作られたものなのらしいので、普通車や二輪車の駐車スペース(手前の小刻みな線引きが二輪車用のスペースです)は場所的に冷遇されているのも特徴です(^^;)。広大な大型車の駐車スペースの裏にこのようにして存在していますが、今後ここの駐車スペースの存在が広く知られるようになると、これだけのスペースではちょっと足りなくなるのではないかとも思えます。
このパーキングエリアは最初にも書いた通り、トイレ以外は何もありません。近くにコンビニでもあればいいのですが、ぱっと周辺を見わたしたところ蕎麦屋がある程度で、ちょっと国道1号線の本線に出て必要な場合は買出しに行く必要は出てくるでしょう。逆に言うと夜は仮眠のための施設として便利に使えるのではないかと思います。今後車中泊の旅で静岡県を走りぬけようと思っておられる方は、ぜひチェックされることをおすすめします。