月別アーカイブ: 2019年5月

NHKのネット同時配信に求められるもの

2019年5月29日、参議院本会議でNHKにテレビ番組のインターネット常時同時配信を認める改正放送法が可決、成立しました。この事を受けて、NHKは今年度中にもネット向けの新サービスを開始する予定だそうです。

基本的には受信料を払っている人に向けてのサービスだそうですが、払っていない人が利用しようとした場合に、現在のBSのように受信料の支払いを促すメッセージを付けて流すような方法も検討されているということです。現状ではテレビ番組のネット視聴について、いわゆる「見逃し配信」を無料で利用できる「TVer」の存在や、インターネット放送として常時中継も可能なAbemaTVもある民放系のサービスが先行しており、テレビを見る習慣がない人にとっては、NHKはスマホユーザーに見捨てられるのではという危機感があったのではないかと考えることもできるでしょう。

というのも、今現在のネット関連のテレビ放送を見る環境というものはそこそこ整っており、テレビをわざわざ用意せずとも大型のモニターとインターネット環境があれば一通りの情報を得ることができるだけでなく、映画・スポーツといったそれまでテレビの独占状態だったソフトもネットで十分カバーできるようになっています。

NHKは今回の決定を受けて早急に常時・同時インターネット配信に着手するでしょうが、問題になってくるのがその受信料のコストを利用者がどう考えているかということになります。

ちなみに現在、NHKの受信料は地上波のみの視聴をする場合、2ヶ月分2,520円(口座振替・クレジットカード払の場合)になっているので、1ヶ月では1,260円の受信料がかかる計算になります。今後テレビを持たず、インターネットでの配信しか見ない人に対して別の料金プランが出てくるかどうかもよりますが、シビアな目で見ればこの金額を毎月払うだけの「価値」があるのかということが、これからネットを通じて多くのサービスを契約している人にとっては鍵になってくるのではないでしょうか。

具体的に比較検討するために、無料のものを含めてネットでの動画配信サービスについてそのコストを見ていきたいと思います。

・YouTube 無料(一部にはライブ配信の「ウェザーニューズ」なども)
・日テレNEWS24 無料
・TBS NEWS 無料(Yahoo!よりアクセス可能)
・AbemaTV 無料(テレビ朝日系列のインターネット放送局)
・TVer 無料(民放の見逃し配信)
・GYAO 無料(一部作品レンタルは有料)
・Hulu 月額933円(日本テレビ系)
・Netflix 月額800円(ベーシックプランSD画質(480p))~画質で他プラン有
・dtvチャンネル 月額750円(CS放送など)
・DAZN 月額1,750円(docomo契約と同時決済なら月額980円)
・Amazonプライム・ビデオ 年額4900円(月額500円)その他特典あり

まだまだ他のサービスもありますが、基本的に無料のサービスを使いながらプロ野球・Jリーグ中心に見たければDAZNを追加、見たい映画や独自制作の番組がある場合には有料のネット配信サービスに追加で加入しても月額で2千円を切ります。果たしてNHKの地上波放送を加入促進のメッセージを入れないで見るだけのために月額1,260円を出す価値があるのか、すでにテレビ離れを起こしてしまった人たちはシビアに今後の状況を見ているのではないかと思われます。

ネットでの同時配信というのはメリットも大きいものの、多くの人が当り前に動画を見るようになるとネットのトラフィックが増え、今まで以上に通信集中によるアクセスのしにくさが出てくると、見たいと思っている人に情報を届けることができなくなるような事も考えられます。無料のサービスならそうした不具合も仕方がないと諦めることができるかも知れませんが、しっかり料金を取った上で見られなくなる状態が起こったらNHKは受信料としてスマホのみでの視聴利用をしている人に返金してくれるか? という状況になった場合、恐らくそうした事はできないと回答することも考えられます。その辺がネットでの常時・同時インターネット配信の難しいところだと思うのですが、今回の決定はもしかしたらネットユーザーにとってテレビに完全に決別する契機になってしまうかも知れないということもあります。

そして今後は、NHKが常時・同時インターネット配信を行なうことで、民放のサイトでも同様のサービスを行なう可能性もあるということです。民放の場合は何らかの追加料金が必要になるのか、広告料をあてにして無料で行なうのかわかりませんが、NHKが走り出そうとしている今、これからのテレビ番組におけるネット配信の状況は大きく変わっていくでしょう。私達利用者は、そうした流れを感じつつ、今後を見ていく必要があります。

「子どもの安全をどう守る」とともに考えたい「大人の自制心」

川崎市の登戸駅周辺で起きた複数の子どもと大人を巻き込んだ殺傷事件は、関東一帯で米国大統領の訪日に合わせた警備体制の中で起こってしまいました。今回の事件はいわゆる自爆テロのような事件ではありませんでしたが、犯人とされる人物は刃渡りの長い包丁を隠し持っていたと言われ、犯行のために手袋をするなど、挙動不審な人物というだけではなかなか警備の網にひっかかることは難しく、改めて市民の安全を警備で守ることの難しさというものを感じることになっていました。

事件を報道した直後のテレビでは、いかにして今回のような事件が起きた場合に身を守るかということを中心に報じているのが目に付きましたが、ここではあえて、加害者になり得る「大人」に犯行を思いとどまらせるという立場から考えてみることも必要なのではないかと思います。どういうことかというと、銃を発射することはないものの、大人が刃物を持って暴れる中では安全に避難することは難しく、全く気付かない中で後ろから襲われたら、屈強な体力を持つ大人であっても安全とは言えないでしょう。今回の事件は交通事故でもなく、その後の報道によるとピンポイントでスクールバスから降りた児童とその周辺の大人を狙って襲撃し、その後の展開で逃げようとは思わずに覚悟を決めで自決するような思い詰めた大人の引き起こした事件になるので、何とかそんな行動を止めるような事前の策がないかという風な考え方です。

このような事件はまれにではありますが、日本でも起こることがあります。欧米のように銃を持って手当りしだいに乱射することで多数の被害者を出す事件こそ起こりませんが、今回のように刃物を持って大人数の弱者の群れを襲うような事件が起こったり、車を凶器代わりにして歩行者の列に突っ込むような暴挙に出るケースも過去にはありました。今回の犯人は絶命してしまったのでその動機を自白することはできませんが、過去の事件をヒントにして考えることは可能かも知れません。

更に範囲を広げて考えてみると、今回の事件のように無関係な一般人に危害を加えることはなくても、小規模な社会システムを巻き込む個人の行動というのはそこそこあります。例えば、私達が毎日利用している電車を止めて通勤通学の足に大きな影響を与えるような行動を取るような人は後を絶ちません。電車のホームにドアを設置し、東京オリンピック・パラリンピックの期間中にはホームの監視を人海戦術で行うことで悪質な飛び込みは防ぐことはできると思いますが、監視の目が緩むことでいわゆる事故的にホームから落ちることは減っても、ホームの柵を乗り越えて線路に下りるようなところまでは、完全には防ぐことはできないでしょう。

今の社会では残念ながら、立場が弱く直接的に救わなくてはいけない幼児や児童・高齢者へのサポートはあっても、青年~中年にいたる引きこもりの人や、働いていてもそこでストレスを溜め込んでいるような大人の心のケアを社会が面倒を見るところまではとてもできないので、そうしたサポートから漏れた人へのセーフティネットなどは現状の日本の社会では夢のまた夢でしょう。そんな中で社会に適応できない人は不安だけが増大し、普通の精神状態では全く考えないような事をしでかすことも起きてしまっているというのが実情ではないかと思います。

今回の川崎での事件についても犯人の男は事前に何かしでかすのではないか? という行動を取っていたという情報も出てきています。多くの場合は実際に行動を起こすまでに至らないのがほとんどなのでしょうが、社会が個人に多少でも歩み寄る中である程度社会の存在を感じてもらうことができれば、同じ行動を起こそうと思ったとしても迷いは出てくるのではないでしょうか。この方法で全く今回のような事件を防ぐことができない事はわかっていますが、やはり悪いのは加害者の方であるのは間違いないので、加害者予備軍に事件を起こさせないようなスタンスで、一見しっかりしていそうな「大人」の心に関するケアについて考えていくことも必要なのではないかと感じるところです。

「牛丼」より「豚丼」という人もいる

元々は日本の誇るべきファーストフードである「牛丼」がアメリカ産の牛丼に適した肉が狂牛病の広まりの影響で日本に一時期輸入できなくなり、その代替メニューとして作られた「豚丼」ですが、牛丼チェーンの中でも早くからメニューとして提供してきた「すき家」での販売が終了するということがニュースになっています。

牛がだめだから豚にして出そうということ自体が安易なものとは言え、豚肉にはビタミンB1が豊富に含まれているので、運動や勉強で疲れた時にはガツガツと食べることで疲労回復の効果があると言われています。

一般的に「豚丼」と言うと北海道の帯広発祥のものを思い出しますが、その豚丼はロース肉を厚切りにして豪華に丼に載ったものでした。私が最初に北海道を旅行した時に元祖と言われるお店で食べましたが、それからしばらく食べることがなく、それ以来自宅で調理して食べた焼肉丼もどきを別にすれば、地元のお店で初めて食べた「豚丼」が「すき家」の代替メニューとしての豚丼だったのでした。

牛丼チェーンの豚丼は、北海道の豚丼とは違って薄く切った豚バラ肉を煮込んで作る、牛丼と作り方も真似たものですがこれがおいしくて栄養補給にもなるということで、私自身は牛丼チェーン店に行ってもつい「豚丼」を注文するようになってしまいました。車中泊旅行の際にも、車の運転に疲れた体に豚丼が染み込んで行くような感じで、思い出しただけでもまた食べたくなります(^^)。

日本人と「豚」というのは本当に身近で、最近でもとある食材の代用として別の「豚丼」が食べられています。近所にある「鰻屋」さんでは「豚蒲焼丼」として、お店のタレで甘辛く煮た豚バラ肉をうなぎに見立てて提供しているところがあります。最近は養殖用のうなぎの稚魚が漁れなくなり、現在の「うな重」「うな丼」の価格はびっくりするくらいに跳ね上がっています。そんな中、庶民が日常的に食べられる価格で提供することができる「豚蒲焼丼」は個人的にも今年の夏の夏バテ解消食として大いに期待している一品です。

それこそ、「すき屋」ではかつて「豚かばやき丼」をメニューとして載せていたのですが、今では代替品でない「うな丼」および「うな牛」(期間限定メニュー)といううなぎと牛丼の上を一緒に丼に載せたメニューが売りになっているので、あえて豚肉にはこだわっていないのかも知れませんが、今後は安くて栄養のある豚丼にもっと注目が集まっても不思議ではないような気もするのですが。

ただ「すき家」の今回の豚丼提供終了という事の背景には、看板メニューである牛丼が問題なく提供できている中で、牛丼とは違う食材で作る丼を提供するためには簡易的なレトルトパックを開封して作るような形になってしまっていて、牛丼のように鍋から作るという手間は掛けられない分、牛丼の代替として作っていたものと比べると明らかに味が落ちるということがあったようにも思います。

個人的にはこの夏を乗り切るためには、お店で食べられないなら自分で作ってでも各種豚丼を作って食べる気満々なのですが、どこかのチェーン店が本気で作った「豚丼」が出たら食べてみたいですが、今回の「すき家」のニュースの反応を感じたどこか別のチェーンが動くのか動かないのか、そんな事も頭の片隅に置きながら庶民の味方「豚丼」についてアンテナを張っていこうかと思っています。

ファーウェイはなぜ新しく「NM Card」なる規格を作ったのか

前週からアメリカのトランプ大統領が国賓として日本を訪問することになり、かなりの警備が行なわれたようですね。私は大統領来日前の木曜日に東京周辺に出掛けていたのですが、広場には警察官が立ち、駅のコインロッカーも利用できなくなっているところはあったものの駅のゴミ箱は使えたので、飲み終わったペットボトルの処理に困ることはありませんでしたが、東京に旅行した方や東京を生活の基盤にされている方は今週末から週明けにかけて、不便になったところもあったのではないかと思います。

今回の日本国政府のおもてなしの姿を見るにつけ、トランプ大統領を本気で怒らせたら、いかに国を代表する企業といえども、一気に潰されてしまうのではないかという恐怖を感じたのは私だけではないでしょう。それほど大統領が来日前に発表された中国のHuawei社への規制強化はものすごいプレッシャーであり、今後Huaweiがそのまま潰されてしまうのか、それともアメリカに対抗する何らかの策を持っているのか、今後の状況から全く目が離せなくなってきました。

実のところ、先日のブログでHuaweiのスマホが今まで利用していた基本ソフトのAndroid OSの提供を米グーグル社が停止するということがニュースになったことを書きましたが、その後、基本ソフトだけでなくiPhoneをのぞく他のスマホの標準になっているSDカードなどの規格を策定する規格団体のSDアソシエーションがHuaweiをメンバー企業から除籍するということが発表され、さらにスマホの通信には必須とも言えるWi-Fi規格を策定する規格団体のWi-Fi Allianceが、アメリカの大統領令を受けて「一時的に制限した」ことを表明したということがニュースになりました。

団体から離脱したからと言って両方のサービスが自社スマホで使えなくなるというわけではないのですが、自社製品のサポート面が一部できなくなり、さらに自社に有利なような規格に誘導するということは不可能になるため、Huaweiの他社と比較しての競争力は、このままでは落ちていくことは目に見えています。ここまでHuaweiを狙い撃ちにするというのは、現在テレビ東京系で流されているドラマ「スパイラル」で描かれる狙われた企業のような感じもするのですが(もちろん、企業の規模はとんでもなく違いますが(^^;))、それだけ米国は中国の動きを警戒し、絶対通信機器・ネットでの覇権を渡すまいとしてなりふり構わない行動をしてきているなと感じます。

ただ、こうしたニュースを読んで腑に落ちたのが、新しいHuaweiのスマホにmicroSDカードに変わって採用された「NM Card」がどんな経緯で登場してきたのかということでした。国の体制の違いにより、グローバル企業ではなくあくまでも中国共産党の意を汲んでの活動を余儀なくされるかも知れないHuaweiは、近い将来に自国と米国とが貿易に関する問題で揉めた場合、OSを含めたあらゆる米国産の技術を使えなくなるという場合を想定していたのではないかということです。

先日紹介した非米国産の「Kirin OS」についてももはやすぐにでも搭載スマホを出してきそうな勢いですし、本体以外に様々なデータを収納できるメモリカードをSDカードを採用しないスマホを出し、かと言って全てクラウドおよび本体メモリに保存するような仕様のiPhoneとも違うということになると、自社で独自の仕様を持ったカードを作るしかないと決断したのでしょう。

アマゾンのNM Cardの価格を見るとまだかなり高いですが、中国国内での利用を考えると今後多くのメーカーが社外品のNM Cardを出してくるようになれば、当然価格は安くできます。さらに、SDカード端子に接続を可能にするアダプタを出すだけで、完全にサポートされることはできないものの、何とか今までのカードリーダーも使えるようになるので、新たなメモリカードの勢力競争が行なわれていくことが予想されます。

恐らく日本の方はあえてNM Cardの方に乗る方は現在ではいないと思いますが、もし動画撮影でももたつかないような高速対応が安いカードでもそれなりにできるような変化が起こった場合、一部の人はSDカードから乗り換えるような事も考えられます。過去に起きたこうした記録メディアの覇権を争う企業間競争は、あくまで民間の企業の中での争いでしたが、今回の争いは米国と中国の国家の威信を賭けた争いになるため、負けた方の記録メディアが駆逐されるかというとそうではなく、中国を含む同盟国でのシェアは今後NM Card一色になることは間違いありません。そうなると、SDカード陣営は中国とその同盟国内でのシェアを無くしただけではなく、常にNM Cardよりも高性能な規格をSDカード側が作っていかないと、米国を含む同盟国のユーザーからNM Cardに乗り換えられる常なる危険を自ら生んでしまったということになり、このメモリカードに限っては米国は先走ってしまったのではないかと現時点では思わざるを得ません。

今後の覇権争いの中では当然、日本でもNM Cardを使うと中のデータが壊れたり、知らない間に中国にデータが渡ってしまうというまことしやかな話が流れることになるでしょう。しかし、メモリカード自体はネットに接続されていませんから、ネット環境がないところでデータのやり取りに使うだけなら耐久性の心配はあるものの、カードの中味を盗み見られる危険というものはネット接続を避けるようにすればSDカードと同じように保護できるのではないかという気がします。

とにかくどんな結果になっても、一般論として言うならば、自分を含めたユーザーとしては安全な上で安くて使いやすいものでさえあればどの規格になっても文句を言うすじあいのものではなく、今まで使ってきた規格も簡単に変えてしまうことも厭いません。ただ、正しい選択をユーザーにさせるために、どちらの陣営も間違った情報でユーザーを撹乱させるような手法で覇権を奪いに行くべきではないでしょう。もちろん今までの経緯を見ると、そうした可能性も否定できないため、センセーショナルなニュースが出ることになっても決して慌てず、騒動が落ち着いてからハード及びソフトの買い替えを検討する慎重さというものが必要になってくるのではないでしょうか。

2019年日本の夏の暑さが気になる5月の天候

たまたま先日、今年の夏に避暑に行くにはどこがいいかという話に仲間うちでなった時、「北海道に行く」と言った友人がいたので、「北海道も場所によっては相当暑くなるよ」という話をしたばかりだったのに、昨日の北海道の5月では考えられないような猛暑のニュースには驚きました。

2019年5月26日に最高気温39.5℃を記録したのはサロマ湖のある佐呂間町で、5月の最高気温に限っては全国一の気温だということで、この時期に体温以上の暑さは相当堪えたろうなと思われます。この「佐呂間町」というのは実は「北海道で一番暑い場所」であるというデータを持つ町でもあったといことを今回の事があって初めて知りました。

北海道というと、どうしても冬の最低気温全国一位というような話題の方が広く知られているのですが、今回の記録前の北海道内での最高気温記録は、同じ佐呂間町で2018年7月31日の最高気温36.4℃でした。

改めて、気象庁のホームページにある観測史上の最高気温のデータを見ていくと、同率の順位の地点を含めて第19位タイまでのデータが掲載されています。第19位でも気温が40.2℃と、今回の佐呂間町の気温は届かないわけですが、今年の夏はこのような気象状況が続いた場合、ついに北海道でも40℃を越える地点が出てくるのではないかというようなところまで来てしまったと言えるかも知れません。

ちなみに、データの中で昨年の夏に最高気温を記録したところは以下の通りになります。

・第1位 埼玉県 熊谷 41.1℃ 2018年7月23日
・第2位 岐阜県 美濃 41.0℃ 2018年8月8日
・第2位 岐阜県 金山 41.0℃ 2018年8月6日
・第6位 新潟県 中条 40.8℃ 2018年8月23日
・第6位 東京都 青梅 40.8℃ 2018年7月23日
・第13位 新潟県 三条 40.4℃ 2018年8月23日
・第15位 愛知県 名古屋 40.3℃ 2018年8月3日

こうしてみると、7月下旬から8月下旬まで日本のどこかで最高気温が40℃以上になる可能性が今年も来年も十分にあり得ることがわかります。とりあえず今年も40℃以上になる新しい場所が増えたり、同じ場所でも今までの記録を更新する可能性があるのかをじっくり見ていかなければならないと思いますが、2020年の東京オリンピックは7月下旬から8月上旬の開催で、パラリンピックは8月下旬から9月上旬の開催予定になっていますので、期間中に記録更新の可能性も十分に有りえます。

まさか梅雨に入る前にこんな暑くなるデータが出てしまうとは全く思わなかったので、今年の夏は昨年以上に暑さ対策が必要になりそうですね。外で運動や仕事をされる方は細心の注意を図りつつ塩分・水分の補給を考えなければなりませんし、無理をして炎天下で動くことも考えなければならないでしょう。この夏は熱が車の中に籠もりそうな場所での車中泊も危険な事になっていくかも知れないので、これからの季節に車中泊をする場合には例年にも増して様々な点で注意しつつ、気温が下がらない場所での車中泊は避け、無理そうだと感じたら宿泊施設を利用するように予定を変えたりすることも必要かも知れません。とにかく、今年の夏に車内で寝ていて熱中症になるような事には十分注意しながら車での旅を楽しいものにして欲しいと思います。

オリンパスの防水・防塵デジカメは「TG-6」で販売継続

先日、オリンパスから修理不能になったコンパクトデジカメの代替品として、防水・防塵デジカメのTG-5の新品を送ってもらって使っていますが、この時すでにメーカーでは販売を終了していました。噂として次代機の「TG-6」が出るのではないかと言われていましたが、実際に販売のアナウンスがないうちは、TG-5でこのシリーズが終了してしまう可能性もあっただけに、今回海外ではありますが後継機の「TG-6」が発表されたというのは大変ありがたいことです。

ちなみに、TG-6の価格はTG-5とほとんど変わらず、TG-5自体の価格も新製品が出たからと言ってそう下落することはないので(最安値は4万円弱くらいで推移)、この夏のレジャーにオリンパスの防水デジカメを買おうと思っていた方はTG-6の方を選ぶ方がいいと思います。今回の発表の内容を見て、TG-5からの進化について見ていきたいと思います。

・モニター画面の画質向上(46万→104万ドット)
・センサー前のガラスに反射防止ARコーティング(フレア・ゴースト対策)
・顕微鏡モードの改善(最短撮影距離1cmで被写体を44倍以上に拡大可能)
・ダイヤル「P」「A」でも顕微鏡モードに入ることができるようになった。
・深度合成の枚数を3枚から10枚まで(TG-5は8枚)から選べるようになった。
・デジタルフィルターが14種から16種へ。
・水中顕微鏡モードが追加。
・水中撮影時のホワイトバランス調整3種追加。
・常時2倍テレコン利用可能。
・タイムスタンプ機能(写真に日付と時間を刻印する)。

ハード的な改善点としては「モニター画面の画質向上」と「センサー前ガラスコーティング」が主な違いですが、サイズや基本性能、電池の型式などはTG-5とほとんど変わりません。その多くの改善点がソフト的な変更ということになっているので、そこまで旧型ユーザーもがっかりすることはないだろうと思いますが、基本性能が変わっていないマイナーチェンジ版だからこそ、TG-6の吐き出す画というのは今までのカメラと同じだと思って購入して問題ないわけなので、このカメラはもはや完成型といえるのかも知れませんね。

なお、今回新しくTG-6用として出たアクセサリーでTG-5でも使えるという、レンズ保護目的の「LB-T01レンズバリア」が出るそうです。回転させることでレンズ窓が開き、使わない時のレンズ前のガラスを保護してくれる純正のアクセサリーになるということで、この発表の方が個人的には嬉しかったりします。

今回発表になったTG-6は、現在のコンパクトデジカメのセンサーサイズとしてはかなり小さい1/2.33型のカメラとしては出力する画像は良好で、価格の高さがネックにはなるものの防水スマホのように天候を気にせずに使いたい場合には購入の候補となるでしょう。雨になると水が入る恐れがあって使えないのが普通のデジカメなので、その後レンズ交換式のデジカメや高級コンパクトデジカメを買い足しても、サブカメラとしてずっと長く使えるカメラにはなると思います。センサーサイズを大きくして実売価格が大幅に上がってしまっては、なかなか買おうにも買えないカメラになってしまいかねないので、今回のマイナーチェンジは良かったのではないかと思っています。日本で発売開始になったら、まずはアクセサリーのレンズバリアだけは確保したいですね。

海外テレアポのアルバイトの行く末

先日、タイの警察が日本から詐欺のための電話を掛ける集団を拘束し、日本の警察に引き渡したということがニュースになりましたが、ニュース映像を見ると、全体的に悪いことをやったという感じでうなだれているのではなく、普通に話をしていて妙に明るいのは何だったのだろうという疑問がありました。

そんな時、たまたまテレビニュースの特集で、「甘い言葉の高額バイトにご注意」というような題のニュース特集を見る機会がありました。その特集で取材した電話による詐欺集団の電話を掛ける係の「掛け子」を募集するとは直接言わないものの「海外へ行ってマニュアルに沿って電話を掛けるだけで一日10万円の収入になる」と甘い言葉で誘っている人がいることを明らかにしました。この事実はテレビ局のディレクターが身分を隠して高額バイトの内容を聞くうちに(内容は録音・録画してニュースソースとして流していました)明らかになったものです。

その後、どんな手を使ったのかはわかりませんが、電話の先のバイト勧誘の人にテレビの記者が自分の素性を明かし、募集した仕事の実態について取材することに成功したのです。その内容というものは、私の想像の範囲を越える事実でした。というのも、バイトを申し出を受け入れ、手配された通りに海外に行くと、毎日10万円あると言われた報酬はなく、同じように集まってきた人とともに複数の部屋に押し込められて電話を掛け続けさせられるという事が本当のところらしいというのです。いわゆる「高額なテレアポスタッフ募集」に応募すると、全ての場合で今回のような事になってしまうことはないかも知れませんが、こうした事が平然と語られるのは実に恐ろしいことです。

高額のバイトに応募するような人というのは潤沢な貯金があるわけではないでしょうから、日本に帰るお金がなければその場所からも出られずに、いわゆる「営業成績」を上げられずにいるとその部屋からも追い出されてしまう恐怖から馬車馬のように働かされ、ずっと飼い殺しのように過ごさなければならないかも知れません。最初に紹介したタイで摘発された詐欺電話の掛け子集団というのが、もしそうして集められ、日本にいつ帰れるかどうかもわからない中でずっと働き続けていたとしたら、冒頭のように捕まったことで地獄から解放されたという想いがあっての態度だったのかも知れません。

結局のところ日本に残るのも、海外に行って戻って来られないのも地獄で、悪い人たちは人間の弱さに漬け込んでさらなる悪い状況に引きずりこもうとしている実態があることをたった10分くらいのニュース特集で知ることになってしまいました。

冒頭の詐欺で逮捕された人が、昨日一斉に日本に帰ってきたことがニュースになっていましたので、一連の事はすべてつながっているのかも知れませんが、海外で生活しながら高収入というのはいかにも怪しい謳い文句です。そこまで高額ではなくても、何の技術も資格もない応募者に地域の相場よりかなり高い給料を出すというのは、まずは周りの人に評判を聞くなり、キーワードを使ってネットで調べてみるなりすれば、その仕事がブラックなのか犯罪的な行為に近いものなのか、それとも犯罪そのものなのかということを冷静に判断することができると思うのですが。

とは言え、まだまだ自宅にいる時に特に休みの日などは「詐欺ではないか?」と思われる電話が自宅にも掛かってくるのが現実です。私の場合は実在の地方テレビ局の名前を出したアンケートということで掛かってきたのですが、これも海外から掛けたものだったのかとにかく回線状況が悪く「何言ってるかわからないんですが(^^;)」と何回も言ったら向こうから切られてしまい、被害を未然に防ぐことができました。こんな経験はニュースソースにもならないくらい多くのご家庭に電話が掛かってきているのが現実だと思うので、多額の報酬を提示されて冷静にならないうちにこの世界に飛び込んでしまう人も結構まだいるのではないかと思えます。

ネットの世界ではあらゆるものがオークションやフリマで売られ、買うことができるようになり、全てのものがお金で買えるというような感覚になる中、楽をしてお金を得る手段があれば私も教えて欲しいですが(^^;)、何の問題もなく高収入な案件というのはごく限られた人しかありつくことができないだろうと思いますので、くれぐれ冷静に自分で考えてから行動することを忘れないようにしてもらいたいですね。

タブレットでのブログ書き

今回の内容は、渋滞にはまってしまった高速バスの中で書いています。バスにはテーブルもあるので持参した小型ノートから書いてもいいのですが、ほぼスマホを使っている人しかいない中で、さらに隣の席の人がご飯を食べている隣のテーブルでパソコンを広げたくないというところもあります。今後パソコン以外のハードからブログの更新をしなければならない状況もあるかもしれませんので、今回はタブレットで文字を打ちながら気付いたことなどを書いていこうと思います。

もちろん、パソコンのキーボードから打った方が文字入力は早いのですが、今回のようにまともにパソコンを使える場所に到達するまで時間がかかったり、大きな災害によってスマホしかネットに繋がるハードがない場合はスマホないしはタブレット単体で文字入力及びサイトへのアップまでこなさなければいけません。そのために大切なのが、フリック入力などスマホの画面上での入力に日頃から慣れておくことでしょう。このブログは、だいたい2000字くらいはいつも書いているのですが、普段スマホで文字入力をしないまま同じクオリティを維持するのは相当に大変です。私が使っているのは、ローマ字の母音を基本に子音の頭文字が配置されている「アルテ日本語入力キーボード」の「アルテローマ字入力」ボードです。これを使って両手親指での入力をしているのですが、一部フリック入力になりますが、パソコンでローマ字打ちをしている人なら、その延長で習得できると思います。

またこれは私だけかもしれませんが、キーボードの入力の場合、頭に浮かんだフレーズをすぐに画面に出してしまうため、ひんぱんに推敲を行うのが普通なのですが、タブレットでそれなりの速度で入力していると、入力速度が遅いため入力しているうちに頭の中で直しつつ文章を完成させられるということもあります。結局のところ、どんな書き方でも書き終えたら再度読みなおしておかしいところを直さなければならないので、焦らずに頭の中で自分の考えをまとめながらスマホの画面と向き合った方が長文も何とか書いていけるという感じでしょうか。

あと、今回は使いませんでしたが紙のメモを併用し、重要な点をわかりやすく表現する助けにすることも、これは特にパソコンが全く使えないような場合には必要かと思います。現在は高速バスのコンセントから電源を供給し、充電の心配を全くしない中で書いているのですが、災害になれば常に電池の残量を気にしながらの作業になりますので、推敲して完成した原稿を打つことになります。場合によっては完成した原稿を音読して音声入力を行い、誤認識した箇所だけ後で直すようにしたほうがスマホの電池は減らないかもしれません。

ここまでタブレット単体で書くのに2時間もかかってしまいましたが、これは高速バスで移動中の事なので、自宅に戻ってから改めて書き始める大変さを思うとむしろうまい車内での時間の使い方ではなかったかと思います。特にスマホでの長文入力をほとんどされない方の参考になれば幸いです。

移動スーパーの一過性でない進化を望む

先日、私の住む地方のニュースで、静岡県牧之原市のスーパーが一台で1000品目の品物を積み込むことができる軽トラの「移動スーパー」を一台増やしたということがニュースになっていました。

今回ニュースになった移動販売車というのは、徳島発の全国で移動スーパー事業を展開する「株式会社とくし丸」の車両を使っています。たまたま5月19日のCBCで放送された「BACKSTAGE」でその仕事の内容が紹介されましたのでご覧になった方もいるかも知れません。まだTVerでは視聴可能なので、興味のある方は会社のホームページにリンクを張っておきますので詳しい内容はそちらからご覧下さい。

https://www.tokushimaru.jp/

過疎化する地域で日常的に使う品や食料品を購入するのには、自分で車を運転できない場合(昨今の社会問題化している高齢者の免許返納の動きの影響も十分にあります)、普通は親族を頼りにするわけですが、すでに一緒に住んでいなければ頃合いを見て車などで迎えに行く必要があり、お年寄りが行きたい時に常に行けるわけではありません。また、大きなスーパーではお店への送迎サービスがあったり、地域の人々の中で一台の車に乗り合わせて買い物に行くようなこともあるかも知れませんが、どちらも自分の都合に合わなかったりすることもあるでしょう。

お弁当の宅配も有料サービス及び、地域のボランティア活動の中で行なわれてはいますが、いつもお弁当だと私だって長く続くうちにはいわゆる「食べる楽しみ」というものが失なわれてくるかも知れませんし、自分で好きなものを好きなだけ買うということをしたいというニーズに合い、さらにネットスーパーやネットショッピングのようなインターネットを使ってのサービスを使えなかったり、そもそも高い通信費と端末代を出してまでしたくないという人たちは過疎地域だからこそたくさんいるので、「とくし丸」のような移動スーパーの事業が成り立っていくわけです。

こうした「移動スーパー」の事業は一過性のものなのか? という議論もありますが(とくし丸のホームページでも先細りの業界であるという風に紹介されていました)、考え方を変えるといわゆる「買い物難民」のためだけに存在するのはもったいないという気もするのです。というのも、この「とくし丸」は毎日ではないものの毎週2回決まったコース内を巡回して買い物を希望する人の自宅前まで行くという触れ込みなのですが、例えば村の集会場に立ち寄ることがネット上の運行情報などで確認できるなら、レジャーで巡回ルートの近くを訪れて買い物のために遠回りする手間を省いたり、キャンプや車中泊をする場所を「とくし丸」が巡回するコースの近くで車中泊をすることにし、その夜の食事や翌日の朝食の具材を移動スーパーで手に入れることができれば、すでにそれなりの用意がしてあっても、買い忘れや土地の名物なども現地で入手することもできるかも知れません。

当然、まだそんな「買い物難民」を差しおいて先に買ってしまうような事は私自身はとてもできませんので、できれば地域の集落を回った後に残ったものの中から何か購入できるものがあればルート販売先でない部外者でも購入ができるような立ち寄り場所を増やす仕組みや、ネットで事前に注文したものを現地で受け取れるようにできるサービスがあれば、過疎地域の住民だけでないニーズが生じ、その分の利益で巡回の範囲を広げることもできるようになってくれればさらなる展開も期待できるのではないでしょうか。

ただ、このサービスをもっと円滑に進めるための問題があります。テレビ番組で紹介された内容を見ていると、その全てが現金決済のようでした。地域のお年寄りは何よりネットの利用ができないのでこうした移動スーパーを使っているのですが、スーパーに行けないということは、農協や郵便局についても歩いて行けるならいいのですが、そうでなければ改めて買い物のためのお金をどのように用意すべきかということになります。こればっかりは「とくし丸」のドライバーの方でも人のキャッシュカードで現金を出す代行というのはやれないでしょう。さらに多くのお宅を訪れて現金決済をする場合は、銀行に手数料を払って十分な金額の両替をしてから配送ルートを出発しなければならないということにもなります。

買い物のために年金が出たら全て出して家に置いておくというのも一つの方法でしょうが、それだと盗難や詐欺に引っかかったりして年金を根こそぎ盗られてしまう可能性もありますので、できればお金を使わない決済に移行することができればいいのにと思うことはあります。移動販売の方が払う決済手数料の安いデビットカードを使ってもらったりすることができれば、いちいちお金を下ろしに行かなくても済むのですが、問題は移動スーパーの方にそうした決済手段を用意するというコストが掛けられるかという事もあるでしょう。現在は一応ソフトバンク3G回線を使ってデビットカード決済のできる端末はあるようですが、そもそもとくし丸の業務で現金以外の決済が認められていないかも知れませんし、決済のほとんどが現金ならそうした用意も無駄ということになるので、兼ね合いが難しいところはあるでしょう。

今後は現金がなくても買い物をしたいという人が増えれば、電子マネーで決済を行ないたいという人も出てくるかも知れませんが、そうした事を普通に行なうにはまだモバイルインターネットの普及が山間部まで展開しなければなりませんし(電子マネー決済にはネット環境が必要)、何より電子マネーを使いたい人が安い金額でスマホを維持できるようにならないと、毎月のスマホ料金が高すぎて買い物を控えなければならないような事になるのもナンセンスです。

現在はこれでもかというくらい電子マネーを一般ユーザーに使わせようと様々なキャンペーンやマスコミによる宣伝もどきのようなニュースまで多く流されていますが、本当に現金に代わるものとして普及させたいなら、大手キャリアは「通話+電子マネー利用プラン」というような格安プランでも作らないと、過疎地域のお年寄り達や電子マネーを使うことを考えて主にスマホを使いたいという人にはとても電子マネーは普及しないでしょうし、加盟店が電子マネーを使うための手数料を取り過ぎればそもそも電子マネー決済サービスを提供するお店も少なくなってしまいます。中国でQRコード方式の電子マネーが日本と比べて普及しているのは、決済の手数料が日本よりはるかに安いからということもあるそうなので、電子マネーを本気で普及させたいなら、日本全国どこでも安く使えるようなインフラの整備についても、こんな所から考えていく必要があるのではないかと思います。

Huaweiスマホの非Android化の影響は?

アメリカと中国の貿易摩擦は意外なところにも影響を及ぼしてきているようで、最近のニュースでは中国のスマホメーカーであるHuaweiに米国政府の意を汲んだGoogleがAndroid OSの提供を中止するというニュースが入ってきました。さすがにすでに売られている製品についてGoogle Playが使えなくなるということはないとは思うのですが、OSのバージョンアップがどうなるかは正直わかりませんし、今後のHuaweiのスマホはOSに中国産のものを搭載したものだけになる可能性もあるということになります。

この種の話をすると、どうしても国対国、さらには国家間のイデオロギーの対立という形で話が進んでしまうきらいがありますが、私自身の考えとしてそこまでイデオロギーで引っ張られるのもどうかと思います。スマホ自体は電池の劣化とともに買い替えるものですが、特にスマホについてはそこまで特定のメーカーの性能を愛したり信頼したりするものとしてはAppleのiPhone・iPadのようにOSがそのままメーカーの製品になっているものには適用されるぐらいでしょう。私はiPhone信者とまでは言えないので使えるスマホなら何でもいいと考える方ですが、今後の事を考えると中国のiPhoneを愛するユーザーは関税が上がることでiPhoneを手に入れ難くなってしまう状態はいくら国同士の対立があるとは言っても辛いものがあるのではないかとはたからみていても思います。

日本におけるスマホの勢力について考えてみると、Huaweiおよび中国のスマホメーカーががAndroidスマホから撤退したとしても、国内メーカーおよび台湾・韓国のメーカーもあるわけですし、そこまで不便になるかということはないと思います。ただ改めてHuaweiのスマホの機能を見た時に、それなりの痛手は感じてしまうことがあります。いわゆる「格安スマホ」でも、2年ないし3年でどっちみち買い換えを促されるなら、性能と価格とのバランスが取れたものにしたいと思うのは人情で、そうしたバランスが取れているメーカーの一つがHuaweiなわけで、今後の日本国内でのSIMフリースマホの消費動向について影響が心配されるところです。

現状でのHuaweiの評価としては、価格のわりには高機能・高性能なスマホを出しているというイメージで、特にカメラの性能については複数レンズを搭載したnova lite 3あたりが「おサイフケータイ」を使わない人なら十分な性能で、2万円台で新品を購入できるSIMフリーのスマホとしてはおすすめの一台になるのですが、今後は同じくらいの性能かそれ以上のハードが出たとしてもOSがネックになり購入対象から外す人も出てくるでしょう。それが仁義なき国際企業の戦いだと言ってしまえばその通りなのですが、今後格安のSIMフリースマホを探す場合、国内・海外のSIMフリースマホを出している中国以外のメーカーがリーズナブルでもそれなりに使えるモデルを出してくれればいいのですが、このままSIMフリースマホの価格が上がることになると、安くスマホを持ちたいと思っているMVNO利用者にとっても懐が痛いことになるかも知れません。

さらに、現状でも大手キャリアは割賦契約でスマホを購入する場合の毎月割引くようなプランを行なわないという政府のお達しに従ってスマホを売るようになっているので、ガラケーからスマホに乗り換えを勧められた場合、今よりも選択肢が狭くなるとともに、高額な端末に行かざるを得ない状況も出てくるでしょう。高い買い物をしなければならない時に、月々の負担を抑えるためには、スマホ代金の支払回数を今よりも増やして購入せざるを得ない人も出てくるのではないかと思えますが、そうなるとますます同一の通信業者に長期間縛られるような状況も出てくるのではないかとも思えますね。

私などは最初から中古でも使えそうな端末を中心に買っていく気満々なので、計画的なスマホの買い替えについてはそこまでの金銭的な負担は出ないと思っていますが、ただ現在使っているスマホが急に壊れた時に代替機をどうするかという問題は出てくると思うので、特に新品のスマホやタブレットを購入する際には、「欲しい時」に買うのではなく、セールなどでの「安い時」に買っておくというような形に軌道修正していく必要があるかも知れません。今後、競争相手の少なくなるであろう国内・海外のSIMフリースマホを製造するメーカーがどんな製品ラインナップを出してくるかという事にも関わってきますので、それこそ、HuaweiがAndroidでない中国産OSを入れた端末を日本で売るのかということも含めて、なおさら今後の日本におけるHuaweiの状況から目が離せなくなりそうです。

この「中国産OS」についてまだはっきりとした事はわかりませんが、今後Huaweiのスマホに搭載されるという「Kirin OS」という中国産らしいOSがあるのですが、Linuxベースのものであると言われています。その出来がどのくらいのものかということも注目し、今後スマホの「第三のOS」となるのか、イデオロギー的な事とは関係なく、様々な角度からその内容と影響を見ていくことも必要ではないかと思います。