防災ラジオについての考え方 その5 使用電池は「単三」と「単四」ならどちらが便利か?

今回はラジオに使う電池(内蔵充電池でなく乾電池)について書いてみようと思います。この電池問題というのは、過去の大きな地震が起きた際に色々な問題があったので、その記録としても書いておこうと思います。

今から30年前の阪神大震災の時には、今あるような防災用のラジオというのは無かったのではないかと思います。ラジオ創生期にはテレビの代わりに家に置かれていたホームラジオの時代でしたが、第二次世界大戦後にラジオは一家に一台から一人一台という形に変化し、ラジオも乾電池で動く「トランジスタラジオ」が大いに普及しました。

その後、通勤ラジオとして電車の中でも聞けるようなものであるとか、ラジカセを持ち出すとかはあったものの、災害用ということでは、乾電池式のトランジスタラジオを災害用に流用するような形であったように思います。

それが、阪神大震災が起きそこでのラジオの重要性を感じたメーカーが出してきたのがまだ手回し発電がない頃の防災用ラジオでした。その歴史はソニーのラジオが時代を作ってきたようにも感じます。まず阪神大震災が起こった年1995年9月1日に出たのがICF-B100というモデルで、電池で動くのですが、電池ボックスの形状が変わることによって「単一」「単二」「単三」それぞれ2本あればどの型の電池でも使えるというものでした。さらに電池が切れた時のために、長期間性能を維持できるリチウム電池を常時セットできるようになっていて、4種類の電池が使用できました。実際、大きな地震が起きた場所ではお店から単三電池が一気になくなったということが起きていて、単三電池のみしか使えないラジオを持っていても使えなかったという意見をくんだ製品であったろうと思います。

翌年に単三電池しか使えないものの、別にリチウム電池をセットして使える後継機のICF-B50が出ましたが、さらに翌年(1997年)ついに今に続く手回し発電機内蔵のICF-B200が発売されたのですが、手回し発電のラジオについては改めて稿を設けることにして、今回は今主流となっている小型ラジオ用の電池の中で「単三」か「単四」のどちらを選ぶのかという点について色々と書いていきたいと思います。

災害時に備えるための乾電池というのは、以前であれば「単一」や「単二」を使ったラジオや懐中電灯が普通に使われていたのですが、今では乾電池を使うにしても「単三」か「単四」という感じに落ち着いてきている感じがします。かつては、単三はみんなが使っているので買い占められることによって非常時および、災害に不安を感じる人たちが買いに走る状況の中では手に入れるのが難しいという面がありました。実際、東日本大震災でも震源地から離れた私の住む場所でも普通のお店で単三電池が無いという話がある中、単四電池は入手できたので、支援物資として単四電池とそれで動くラジオ(手回し発電用)を現地で被災した友人に送ったりしました。そんな経験もあり、以前は単三と比べると比較的入手しやすい単四電池を使ったものの方が良いと考えていたこともあったのですが、今は水やポリタンクは無くなっても電池はそうそう無くならないという感じもします。

最初に結論じみた事を言ってしまうと、現代では乾電池については「大は小を兼ねる」ということが言えると思います。単四電池を使うタイプのラジオを持っている人のところに単三電池があっても、その電池はラジオを聞くのに使えません。しかし、単三電池を使うタイプのラジオを持っている人のところに単四電池が届いた場合は、あるグッズを利用すれば単四電池を使って単三仕様のラジオを聞くことは可能になります。

それが、単四を単三でも使えるようにする電池アダプター(スペーサー)です。こういったものは100円ショップでも見ることができると思いますが、私は家電量販店で購入しました。こんなものでも、一般的に2本の電池で動くラジオであれば、このスペーサーを2つ持っていれば、単三2本で動くラジオを持っていれば、単三電池が入手できない場合でも単四電池をアダプターに入れてラジオを使えるということになります。

もちろん、単四電池を使ったラジオの方が本体をより小さくできるわけですが、単三と単四と容量を比べると単三使用の方が長時間放送を聞き続けることができますし、いざという時に単四電池も使えるということになると、あくまで防災用という点で考えればその優位性は明らかでしょう。

過去には単一や単二を使って長時間鳴らすことができるラジオが主流ではあったものの、エネループが普及している状況の中で、電池といえば今は多くの電池は単三・単四電池に寄っているということもあるので、このブログでは防災ラジオで乾電池が使えるものについては、単三でも単四でもスペーサーを使えば使える可能性のある単三電池採用のものを推しておきます。

※今回の一連の投稿をリンク付きでまとめてみました。まとめて読みたかったり、前後の内容を確認したいという方がおりましたら、ぜひともお役立て下さい。

☆防災ラジオについての考え方

前説 なぜあえて防災ラジオについての知識が必要なのか
その1 そもそも小型ラジオには外部アンテナの有無が大事
その2 イヤホン専用ラジオよりスピーカー内蔵のものを買おう
その3 チューニングはアナログ・デジタルどちらにするべきか
その4 AMとFMのどちらが防災ラジオとしては大切か
その5 使用電池は「単三」と「単四」ならどちらが便利か?
その6 使用できる電源パターンにはどんなものがあるのか?
その7 内蔵電源は充電池よりキャパシタ(コンデンサ)
その8 電源回りの機能とその限界について認識しておこう
その9 使わなくてもイヤホンは一緒に持ち歩くことが大事
おわりに 時代とともに理想の防災ラジオのスペックは変わっていく

カテゴリー: ラジオ | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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