先日のブログで紹介したスズキのアルトエコの低燃費技術を使ったトールワゴンタイプの軽自動車「パレット」の後継車「スペーシア」は燃費のカタログ値で29.0km/lということで、今後それなりに注目を集めることでしょう。私も次の車を探して行く中でいろいろ調べていっているのですが、残念ながら私が購入したいと思っているダイハツアトレーやスズキエブリィのような商用ワンボックスタイプの車にはこうした低燃費の仕組みであるCVTを使ったシステムというのは将来的にはわかりませんがすぐには搭載されなさそうだということがわかってきました。
というのも、ミッションの繋ぎめを失くしたCVTの技術は登場してから旧来のミッションと比べるとそれほど時間が経過しておらず、現在でも改良が進められている状態にあるといえます。従来のミッションと比べるとまだ耐久性が十分とは言えないというのがまず一つあり、また軽のワンボックスは大量の荷物を乗せて運ぶ事を前提に作られているため、現状では発進時のトルクがATを上回らないデメリットを考えると、最大積載量近くの荷物を積んで坂道を上る際などの安全性が確保できないという事もその原因と言われています。
ちなみに、以前私が乗っていたMH23SのワゴンRは、オートマでしたがCVTではなく4ATでした。同時にマニュアルの5MTもラインアップにありましたが、フルモデルチェンジした現在のMH34Sになって、ミッションはCVTのみになってしまいました。これは、ワンボックスの軽自動車を除く他のメーカーの軽自動車と共通の流れでしょう。私の場合、荷物を載せても車中泊のための道具を乗せるくらいで一人で出る事が多いためその点については問題ないと思いますが、果たしてどのくらいの年間走行距離でCVTを酷使するかという懸念材料は捨て切れません。
というのも、トランスミッションが故障してしまった場合どうなるかを考えてみると、気にしすぎと言われるかも知れませんが、かなり不安になるのですね。もし保証期間を過ぎてトラブルを起こし、交換ということになるとちょっとやっかいです。一般的に中古の部品が出回るにはそれなりの時間がかかり、新しい車が解体業者に入るパターンの多くが事故によるものである事を考えると、そこでお目当ての中古のCVTを見付けるのは困難になるでしょう。もしあっても流通している数も少ないので高くなるでしょうし、すぐに直して乗りたいということならディーラー経由で新品部品と交換する方が現実的です。そうなったら一体いくらかかるのか、ちょっと考えたくありませんね(^^;)。
同じCVTの場合でも発売されて10年以上経過した車ならば、乗りつぶすような形で廃車にする状況も増えるでしょうし、解体業者によって主要な部品は取り置きされている可能性は高いのでそこまでの出費にはならないでしょうが、旧来のミッションの場合は更に多くの部品が流通しているので、比較的簡単に中古パーツを探すことはできると思います。単に部品を外しただけのパーツだけではなく、分解して再度組み上げたリビルトパーツなら動作確認も済んでいて初期不良にも対応できますので、比較的安心して乗せ換えることができる気がします。車自体トラブルが皆無で乗り続けられれば言うことはありませんが、こればかりは乗り続けてみないとわからないところもあるのが正直なところです。そんな中、ある意味「枯れた技術」を採用している車の方がトラブルがあってもそれを安く改善して長く乗り続けるのには適していると私には思えます。
ただし、日本の軽自動車のメーカーがミッションをCVTに全面的に移行する理由というのもそれなりにあるわけで、遠出はそんなにしないで走行距離もそれほどないような場合は新しいものをある程度の期間で乗り換えて行く方が快適で何よりも楽しいことも確かです。私の場合は軽自動車でもかなりの長距離を走らせることを前提に車を選ぼうと思っていますので、現状では限りなく新車に近い状態で軽自動車を物色する場合、いろいろ考えてはみたものの、結局アトレーかエブリィの二択になってしまうのかなと思えてきてしまいました(^^;)。これから車を選ぼうと思われている方で、特に新車でなく中古車を購入しようと思われている方は、こんなことも参考にされて選ばれるのがいいかなと思います。