カテゴリー別アーカイブ: 防災関連ニュース

防災に関する新たな話題や、画期的な新製品の紹介などをこちらで行ないます。

北海道地震でのエコノミークラス症候群

北海道で起きた最大震度7の地震について、ようやく火力発電所が動き電気が普通に使えるようになったことで、今後への不安の一つは解消しつつあるということは正直に言ってホッとしています。ただ、このブログは車中泊というジャンルを扱うものだけに、今回の地震による避難生活で、車中泊をしたことによる「エコノミークラス症候群」で、血栓ができて健康的な被害を受けた人がどのくらいいたのかということは大変気になっていました。

そんな中、地元の新聞の社会面を読んでいたら「エコノミークラス症候群8人か」という見出しが目に付きました。詳しく内容を読んでいくと、どうやらこの文章を書いている状況の中ではエコノミークラス症候群によって重篤な被害を受けた方は今回の地震ではおられなかったようでそちらの方でもホッとしました。

その詳しい内容はというと、主な震源の近くの場所である厚真・安平・鵡川(むかわ)の各地区で9月17日と18日に運動の機会が少なかったり、足にむくみがあったりした高齢者ら約100名を旭川医科大の東信良医師のチームが診察した結果が報告されていたのです。

それによると約100名中足の静脈に血の塊(血栓)が見付かった人が16人いて、その中で地震による避難生活が原因で血栓ができたと思われる人が7名いたということです。これは、翻って考えると通常の生活をしていてもずっと座ってテレビを見ていることの多い高齢者の方は血栓ができる可能性があるということでもあり、災害に関係なく思い当たるような行動をしていたり、家族にそんな生活パターンの人がいる場合には散歩に連れていったり体操をさせるなど、ずっと同じ姿勢でいないよう気を付ける必要があるということでもあります。

ここまでの内容では「エコノミークラス症候群8人か」という見出しと矛盾すると思いますが、実は医師の診断ではないところでエコノミークラス症候群と考えられる症例が一つあったということでもあります。それは、厚真中央小学校に設けられた避難所において、83才の女性が立ち上がろうとした際にふらついて転倒した事故があり、消防が出動したということです。そこから運ばれた病院で、エコノミークラス症候群の疑いが出されたということで、この方も避難所生活によるエコノミークラス症候群とおぼしき患者であるとカウントしたようです。

この例からわかることは、血栓ができた場合、しっかりと立つことができず、ふらついて転倒する可能性があるということです。誰か常にその様子を見ている人がいればいいですが、そうでない場合転倒することによって最悪の場合頭から倒れてしまったら本来足の治療だけで済むところが、大変な状況に変わってしまうことも十分にあり得るということになります。

ただ、今回のケースの場合はどの方についても命を脅かすようなことにならなかったというのは不幸中の幸いと言うべきでしょう。そうは言ってもあくまでこれらのことは結果論でしかないということもあるので、車中泊での避難生活を長くしなければならない時にはフラットなスペースを車内に作り座席を倒すだけで寝るということは避けるとともに、狭い場所で多くの人が寝ざるを得ない場合にはずっと車内にいることは避け、散歩や体操など体を動かすことを心掛け、トイレの心配はありますが水分もしっかり補給することも考え、足のむくみやふらつきを感じた時には早めに専門医の診察を受けることをお勧めします。


北海道胆振東部地震に関してのSNSによるデマを検証すると

北海道胆振東部地震に関するSNSでの発言を分析された方がいて、その内容が毎日新聞に載っていました。熊本地震の時に「ライオンが動物園から逃げ出した」というような外に出て避難生活を送っている人に対するいやがらせのようなデマのTweetは、その後大きなニュースになり当局もしっかり発信元の人間を特定して罰する方向にあることをアナウンスしたこともあり、同様の人騒がせで恐怖を与えるようなデマはここまで見付かっていないということですが、それでも「拡散希望」という文句を付けて不確かな情報をツイートするような事例はあったようです。

私も気になってツイッターをチェックしていましたが、その中で気になったのは恐らく地元のリーダー的存在であるような人物が情報まで自分から発信しようと功を焦って水道に関する情報を発信したところ、発言の全てが間違いとは言えないものの、役所に問い合わせをしたら思いきリ否定されてしまった立憲民主党の地元議員のツイート問題がありました。

今回はたまたま立憲民主党だったということで政治的な思惑もあってかその発言についてかなり「間違った情報を立憲民主党が出した」という事が改めて一人歩きして、発言した議員の方は地元住民の方だけでなく党の関係者の方にも多大な迷惑を掛けてしまいました。ここでは別にどの政党だからということは言うつもりはありませんが、きちんとした情報網も持たない人が義憤からだとしても、読んでみていい加減な情報を出されると多くの人が迷惑をするということを学んでいただき、情報発信は専門家に任せるか、出すなら徹底的に情報の裏を取れるような体制がなければ発信を控えるべきだと思います。これは、一般のユーザーでも同じで、毎日新聞では今回の地震で広く拡散された流言に近いツイートについて紹介しているのでここでも紹介します。

(引用ここから)

<拡散希望 NTTの方からの情報です。只今道内全域で停電しているため電波塔にも電気がいかない状況なので携帯電話もあと4時間程度したら使えなくなる可能性がでてきたそうです。 なるべく1人で行動せず家族や仲間、友人などと共に複数で安全な場所に避難して下さい>

(引用ここまで)

このツイートについては「正しい情報」と「あやふやな情報」が混じっています。また、それらしい「災害時の注意呼び掛け」もあります。毎日新聞ではこのツイートをそこまで強く非難していないような感じですが、一目で嘘とわかるデマよりもこのツイートは罪が深いのではないかと思っています。では具体的に引用した内容について分けて考えてみたいと思います。

・正しい情報

停電により携帯電話の基地局に電気が来ないと、4時間かどうかはわからないものの時間の経過とともに基地局を動かせる予備電源が切れれば、その基地局を利用した通話・通信ができなくなる。

・災害時の注意呼び掛け

なるべく一人で行動せず、複数での避難を呼び掛け

・あやふやな情報

その1 「NTT」とツイートにあるがどこの営業所、ならびに担当者からの情報なのか?
その2 その事が具体的に書かれた公式のツイートおよび公式ウェブページへのリンクはあるのか?
その3 北海道全域で停電していると言っても地域によっては基地局に電力を供給しているところもあるかも知れない。ツイートで示されている「電波塔」とは具体的にどこのことか?
その4 具体的な場所が一切出て来ない中で、なぜ4時間という携帯電話が使えなくなる可能性があるという時間だけが具体的に書かれているのか?

このように、引用した書き込みは「正しい情報」と「災害時の注意呼び掛け」を前後に散りばめることで信用させ、曖昧な部分を読んでいる人に感じさせないようにし、不安だけを拡散させることを狙った極めて悪質なツイートだと言えるでしょう。今後、同じような災害が起きた場合も、こうした事例に基づいて巧みに多くの不安にかられる人間の心をコントロールしようとする輩は出現すると思いますので、その場合はツイートの発言元に質問をしてみるのも効果的です。

「NTTのどこに聞いた情報ですか?」
「電波塔とはどこの電波塔ですか?」
「基地局には規模の大小のものがあると思うのですが、なぜ全てのタイムリミットが4時間なのですか?」

こうした質問には当然答えられないと思います。それは読む人を納得させるだけの情報ソースを発信者が持っていないからです。ですから、逆に自分がツイートで拡散を希望するような内容の書き込みをする場合、単なる伝聞ではなく実際に助けを必要とする人に対峙し、窮状を語ってもらった様子を写真や動画にしてツイートに添付するくらいしないと大多数の人の納得は得られないかも知れません。

また、今回の地震ではツイッターだけでなく個人やグループでのやり取り用のツールとして使われているLINEを使ってのデマも相当回ったということです。これも毎日新聞の記事からになりますが、

(ここから引用)

「午前8時付近に大きな揺れが予想されているようです(自衛隊情報)」

(引用ここまで)

これだけ見ると、「自衛隊情報」というお墨付きのような文字が最後に書き加わえられているものの、内容は世界でまだだれも予言したことのない「地震の直接的な予言」です。内容が荒唐無稽なものであっても、まだ私たちがインターネットという通信手段がない頃に流行った「不幸の手紙」「チェーンレター」のようにLINE利用者の間で拡散されていったことはここで紹介しておきたいと思います。

もし、若年層の間で大人が知らないうちにこんな荒唐無稽なデマが回ってきたら、しっかりと「こうした情報は間違いである」ということを大人が伝えてあげる必要があります。最後に、典型的なデマの主なものと、その情報がなぜデマと判定できるか、その根拠について書いておきます。なお、事例については毎日新聞の記事中にある関谷直也著「『災害』の社会心理」(KKベストセラーズ)にある事例をそのまま使わさせていただきます。

(1)被害流言 「被災地に窃盗団が向かっている」などの偽情報。

地元警察や市町村からの発表でないと信憑性に乏しく、さらに遠征してくる窃盗団がいるだけでは被害を受けていない状態なので現場を押さえなければ摘発のしようがありません。そもそも窃盗団は具体的に被災地の中のどこに向かったのか? という情報がなければ警戒のしようもありません。どちらにしても被災者全員の不安を煽るデマだと見なした方が無難でしょう。

(2)災害再来流言 次に災害が来る時刻や場所を予告する

最初の地震が前震なのか、それとも本震なのかは余震の様子を観察して実際に来てみないとわからないというのが熊本地震の様子を見て私が思ったことです。今の科学ではそんな都合のいい時に細かい時間や場所まで予知することがいつから可能になったのか、きちんとした予知をして必ず地震を言い当てる方がいたら紹介して欲しいです。「予言を具体的な日時・場所を示して行なっている書き込みはデマ」という原則は変わらないのではないでしょうか。

(3)後予知流言 「地震雲」などの気象現象や動物の異常行動から余震の危険を煽る

これも(2)に重なりますが、地震雲や動物の異常行動から地震を予知するのに、具体的な日時・場所と連動していたとしたら、これは本当になぜその日時・時間・場所を細かく指摘できるのか、その根拠を教えて欲しいくらいです。地震が起こった後になって事前にこんな雲が出ていた、動物が異常な行動を取ったと言うことは簡単です。そうではなく、事前の観察によって完全なる地震予知ができる時が来ればいいのですが、そこまで認められていないということも確かなのです。

(4)災害予知流言 災害前や大きな地震の起きた別の場所で地震が起こるなどと予言する

こちらについても具体的な日時・場所が示された内容の場合、デマと認識せざるを得ません。ただ、唯一南海トラフ巨大地震については、「南海トラフ地震に関連する情報」を気象庁が発表する場合があります。その場合は南海トラフ全域を対象に地震発生の可能性の高まりについてお知らせすることはありますが、その際は気象庁の公式ツイートかウェブページから情報の確認をすればいいだけです。とにかく「予知」についての具体的な情報を「拡散希望」と付けて出すものを見付けた場合は、むやみに拡散しないことがまずは大事だろうと思います。


深夜の地震に対策はできるか

2018年9月6日の午前3時過ぎに発生した最大震度7(厚真町)の地震は、夜が明けて被害の状況がわかってくるにつれて大変な事が起こったと思える地震で、罹災されてしまった方々にはお見舞い申し上げます。地震の今後についての具体的な情報は、このようなブログおよびSNSに書かれた情報をうのみにせず、公共の報道によるものを優先させて避難する際の判断基準にして下さい。大きいものか来るかどうかはわかりませんが、これだけ大きい地震になると、必ずと言っていいほど余震が来ます。また、熊本地震のように今後大きな地震が改めて起こる可能性も0ではありません。まずは体の安全を確保できる場所に避難し、ライフラインや食料などに関する情報はラジオからの近くて確実な情報を得るようにして下さい。

ラジオはスマホのアプリを使っても同じ内容を聞くことができますが、このサイトではあえて電池で動いたり、ハンドルを回して充電することのできる普通のAMラジオの利用を推奨します。スマホでラジオを聞くと長時間聞くとなると電池の消耗がとにかく激しくなって肝心な知り合いとの連絡を取ろうとしたらスマホの電池が切れたなんてことも起こります。その点、小型ラジオの場合には新品の電池を入れればかなり長く付けっぱなしにしても大丈夫ですし、手回し充電ラジオなら必要な時に必要な時間だけ聞くことができます。

さらにAMラジオの大きな災害における特徴として、積乱雲が自分のいる地域に近づいて雷が落ちる危険がある場合には、誰でもわかるノイズが入るので、そのノイズを聞いてその場から逃れることができます。ここ数日の天気予報では不安定な天気も気になりますし、今回の地震で崩れた場所に雨が降ると、更に崩れるようなことも起こるかも知れません。

今回の地震では様々な不幸な事情が重なって北海道全域で停電になってしまっています。こうした状況を考えると、写真のようなライトの付いた手回し式のラジオが一台あると、ラジオに白いレジ袋をかぶせてライトを点灯させれば光が広がってラジオを聞きながらランタンのようにも使えますし、100円ショップでも売っている汎用のUSBケーブルを接続すれば携帯・スマホの充電もわずかながらですが行うこともできます。「暗さ」と「無音」の恐怖を和らげてくれるものとしては、今回直接の被害に遭っていない方でもぜひ一台は用意していただいた方がいいのではないかと思います。

さて、今回のような深夜も深夜に起こった地震の場合、私を含めてほとんどの人が翌日のために寝ていると思います。今回の地震により被害を受けた方の中には、寝ていてタンスの下敷きになってしまったというような形もいますが、まず考えなければならないことは、自分の寝ている部屋にタンスなどがある場合はタンスを移動するか自分の寝る場所を移動するかして、何かが倒れてきても怪我をする心配のない場所で寝るようにする寝室の配置を考えることが大切になるでしょう。

今回最大震度を記録した厚真町で起こった大規模な地すべりの映像を見ていると、人間の力ではどうにもならない大きな自然の力のすごさを感じてしまいますが、本当に被害に遭われた方にはお見舞い申し上げるとともに、今後直接の災害に関係ないところで命の危険が出た場合に回避できるような避難の仕方についても十分に気を付けていただきたいと思います。やむを得ず狭い車の中で仮眠を取る場合には、ずっと車内に留まるのではなく、外に出て体を伸ばすなど、エコノミークラス症候群にならないような運動についても行なうようにするとか、トイレの問題が現地でも起こっているとは思いますが飲める水が手に入ればしっかりと水分補給を行なうことも大切です。

今後は停電もある程度は解消し、情報収集もいつものようにスマホでできるようになることが予想されますが、熊本地震の時にも具体的な日時を指定して大きな地震が来るとか(こんな予言が当たるなら午前3時8分という時間に大きな地震が来ることを簡単に予想できていたはずです)、動物園から猛獣が逃げ出したとか様々なデマがSNSで拡大してしまいました。

もしこのようなネットの書き込みを見たら、その内容をテレビ局やラジオ局に報告し、本当の情報なのかどうかを放送上で明らかにしてもらうようにするのが効果的ではないかと思います。早いうちにそうしたデマでありそうな書き込みを発見した場合、「○○の発言はデマである」ということの方が大きく拡散されることになれば、デマに踊らされる人を減らすことができるかも知れません。これはむしろ、被災地以外にお住まいの人の方が見付けやすいと思いますので、今度の地震ではそのようなデマの拡散が起きないことを願うばかりです。


台風を甘く見ずに外出を控えることの大切さ

昨日の台風21号の被害は関西をはじめとし、かなり大きな被害が出たようです。テレビで不要不急の外出はしない事を訴えていましたが、そうした警告を聞かずに外へ出てしまった人の事故がニュースになったりと、いつもそのような形になってしまうのは残念でした。私のいる静岡は、雨もそこそこ降りましたが、風が強くてさすがに必要のない外出は控え、テレビで状況を逐一見ていました。すると、ニュースの主ではないものの、実に気になる状況に出くわしました。

YouTubeなどに自ら動画をアップし、その動画が元となって本人が確定され逮捕される事件が後をたちませんが、その種の行為の元をたどると、テレビカメラに群がって自分が映ろうとするあまり無茶をする輩がいて、この点だけはいつの世も同じだと思います。

昨日の大阪を通過した台風21号の状況を伝えるニュース番組の中で、とある人物は透明な合羽を着て、しっかりと中継のカメラに目線を一瞬合わせました。中継リポーターは合羽の他にヘルメットを被り、できるだけ道路上に出ないように建物の軒下からリポートをしていましたが、問題なのはその人物は合羽の他に透明なビニール傘を差していて、中継時にはすでに傘が壊れた状態であったということです。

しばらく時間を置いてまた同じ場所からの中継になりましたが、そこでテレビカメラは、100%という確証はないものの、先程の人物が持っていたと思われる壊れたビニール傘が交差点のある横断歩道の中ほどに風に吹かれて彷徨っている姿を映し出していました。

その番組のコメンテーターのうちの一人は、恐らくそうした状況を憂いた部分もあったのでしょう。「こんな状況で外に出てくること自体が間違っている」というような事を言っていて、もし重いものが飛んできて頭に当たったら、下手をしたら命にかかわるからと、中継映像に映っていた人物を批判していましたが、さらに言わせてもらえば、自分で壊した傘を回収せずに街の中に置いたままにしてその場から去るというような行為は、全く関係ない他人の命を危険にする可能性があります。今後、様々な災害の中継で同じような事が起こるかも知れませんが、YouTubeでも身元が明らかになって「身バレ」する世の中でありますから、テレビに出て顔を晒してしまえば、自分でネットにアップしなくても誰かによってその様子は世界中でいつでも見られるようにされて晒される危険性があることを改めて認識すべきでしょう。それは、もしかしたら台風の威力よりもさらに人にダメージを加えるのではないかとも思えます。

今回は関西国際空際で、空港施設だけでなく、空港に向かう橋がタンカーとの衝突で壊れるなど、空港利用者にとっては大変な災難になってしまったようです。外からの交通が遮断される中、コンビニには大行列ができているのを見て、どうしても台風がやってくる時期に空港を使うようになった方なら、何かしらの準備をして出ていかないと今回のような事になった時に困ります。もしコンビニで何も買えなくても水と簡単に食べられるものくらいは用意すべきでしょうし、また最悪の場合空港のフロアで一夜を明かさなければならない可能性もありますから、キャンプ用品の空気で膨らむマットと枕、そして簡易寝袋か寝袋の代わりになるレインコート・ポンチョのようなものも荷物に入れておけば、翌日体の節々が痛いということもなくなります。

基本的には出掛けずに状況を見守ることが一番ですが、もしやむを得ず外出する場合には、しっかりと帰れなくなった時の対策を考えた上で出掛けることが大切になります。外の様子を見に行くだけで何の用意もせずに出掛けるというのは、もし何かあったら自分で責任を負うことになりますので、その点にもご注意を願います。


「防災の日」に起こった「関東大震災」を知る

「防災の日」ということで毎年防災訓練が行なわれていますが、9月1日がなぜ防災の日となったかということを考えると、「関東大震災」が同日に起こったことがあるのですが、さすがに1923年(大正12年)に起こったことなので、なかなか実感がわかないというのが正直なところです。

私個人としては、たまたま静岡県内のユースホステルを訪れていた時に、天城山の麓にある「いろり荘」を訪れた際に実際に関東大震災での体験を聞く機会に恵まれました。すでに伝説のオヤジはお亡くなりになった後でしたが、その跡を継いでユースホステルを切り盛りしていたおばあちゃんが一人で切り盛りをしていて、当時は寝床の設営や整理整頓、食事の後の食器の洗い方まで小言を言われましたが(当時のユースホステルでは配膳から後片付けまで宿泊者が行なうことが当り前だったのです)、食事の後の就寝前の時間に様々な話をしている時にこの関東大震災の話題になったのでした。

この地震の名前は「関東大震災」と言い、東京での被害が大きいので都内での直下型地震と思われがちですが、本震の震源地は相模湾で、熱海では津波が12メートルも来たことが記録されています。当時、おばあちゃんは横浜にいたそうで震度は6とか7とか言われていますが、とにかく地面に亀裂が入る「地割れ」が起こったことが鮮明な記憶として残っていると言うことでした。

それと同時に、本当に地震は怖いという事をしみじみ語ってくれたのですが、関東大震災の本当の怖さは地震による火災にありました。これは、おばあちゃんの体験した横浜での状況と東京では違ったかと思いますが、横浜でも火事により被害に遭った方は多かったようです。この地震は数々の偶然がもたらした大惨事だと言われています。

というのも、今年の9月1日は土曜日ですが、1923年の9月1日も土曜日で役所などは午前中に終りになったことで、人が帰ってしまったことが被害を増やした点の一つではないかとも言われています。さらに、今年は今まさに台風が日本に近づく中で昨日もかなり強い風が吹いていましたが、1923年の9月も台風が来る前でかなり風が強かったという記録があります。

地震の発生時刻は午前11時58分で、その揺れは10分も続いたという話も残っています。実はこれは、本震の直後にさらに2つの大きな地震が起こった「三つ子地震」とも言われています。地震の揺れは関東だけでなく東北や関西にまで及び、それだけ大きな揺れだと言われていますが、当時の煮炊きはかまどや七輪というように、今の電気やガスのようにスイッチを切ればすぐに火元にならないものでなく、水を掛けてもまだ火種がくすぶり続ける薪や炭を主な燃料として使っていたこともあり、死者が10万人以上でそのほとんどが火災によるものという未曽有の災害となってしまったのです。

大火の恐ろしさというのは、少し前に起こった新潟県糸魚川での大火の様子を見るとおわかりかと思います。普通の火災だと火元の家とその隣家が燃えるだけで鎮火することが多いですが、強い風により火の粉が舞って火元から離れた場所からも火の手が上がったためあれだけの大火になってしまいました。火の粉が飛んでも周辺に何もない公園などが多く整備された街づくりでなく密集した住宅がある地域では、次々に火の手が上がるようなことは、今後も考えておかなければなりません。

特に今年の防災の日というのは、土曜日であることと台風による風が強いということで、何かいやな予感がしてしまうのですが、今回は地震ではなく台風による被害が全国で起こる恐れもあります。実際に避難訓練に参加される方は、今後もし何かの災害に巻き込まれたケースを想定しつつ、集落や地域での備蓄品やトイレなどの設備の確認をしておくのもいいかなと思います。ただ、関東大震災の場合、避難のために逃げた場所に火が押し寄せて多くの人が犠牲になったということもあるので、避難所であっても本当に大丈夫なのが自分で考えて行動することも忘れてはいけないでしょう。


若さゆえの「無謀」が取り返しの付かないことに

2018年は多くの台風が発生し、日本列島を通過することで、風雨による被害を受けています。この文章を書いている時点で、台風20号が四国に上陸する恐れがあるということで、テレビのニュースでは厳重警戒を呼び掛けています。

台風20号は8月22日の段階ではまだ私の住んでいる静岡県中部にはそこまで影響を与えるほどの事はなく、予想では8月23日から24日にかけて、台風本体の雲ではなく、それに派生した雲による雨の影響が心配されていました。そんな中で、恐らく8月22日の夜から23日の未明にかけて(その時刻にはまだ周辺では雨も降っていませんでした)普通では考えられない行動を取っていた大学生がいたらしいことがニュースになっていたのです。

その大学生は男女3人(女性一名・男性二名?)で22日の夜に大学から近い海岸に自転車で向かったらしく、現場に残したあったスマホの中には夜に行なったと思われる花火の様子が記録されているものの、現場の海岸には自転車とサンダル、荷物が残っているものの三名の姿はなく、もしかしたらかなり以前から時化ていた海にさらわれてしまったのではないかということで、警察や消防が捜索をしたそうですが、徐々に台風の影響で雨や風が激しくなる中、台風が通過するまでは本格的な捜索は難しくなると思われます。

元々静岡県の駿河湾に面する海岸は遊泳禁止の浜が多く、急に深くなっていることから波消ブロックに当たる波がひどく、今回の現場周辺を車で通過するだけでも海の潮がかかってくるほど大きい波が普通に来ます。

もし、波消しブロックの入っている海岸で花火をし、台風による海岸に押し寄せる波を甘く見て大きな波を間近に見ていた時に大変に大きな波がやってきて流されてしまったとしたら、生命にも関わる事故になってしまいます。そうではないことを祈りたいですが、そもそも現地が晴れていても駿河湾の近くを通っている東名高速道路の清水~富士間が通行止になるほど台風による波が高いことはこのブログでも紹介してきたのですが。

また、同じ静岡大学の学生が、ほぼ同じ海岸で台風の時期にバーベキューをやっていて波にさらわれ、2名が死亡するという悲惨な事故も過去に起こっています。恐らくそうした事もあるので、大学の入学時にはきちんと大学近くの海岸の危険性は周知されていたと思うのですが、特に海の事を知らないような地域からやってくる学生にとっては「そんな大ゲサな」と思う事もあると思います。しかし遊泳禁止である海岸にはそれなりの理由があり、迫力たっぷりの大波は遠くから見ている分には大丈夫かも知れませんが、直接海岸に降りて見ようとしたら常に波にさらわれてしまう危険と隣り合わせであることは全国どこの海岸でも同じだと思います。

車で旅をしている時でも海岸道路を通っていて、波が打ちつけるものすごい迫力につい車を止めて間近に海の様子を見たいと思ってしまう方もいるかも知れません。しかし興味本位で海を見に行くという行為は、たとえ台風が通り過ぎたとしても今回の事故と同じようなことに巻き込まれる危険性があることを忘れないで下さい。波が荒いうちは決して近くまで行って見に行かないということを車での旅の途中でも守って、とにかく波浪警報・波浪注意報の出ている海岸を甘く見ないように少なくともこのブログを読んでいる方は自重して行動するようにしていただきたいと思います。


ボランティアの全国行脚をする尾畠春夫さんの車中泊術に学ぶ

山口県周防大島町で行方不明になっていた2才児を捜索するために大分から掛け付け、見事に発見した尾畠春夫さんは、この文章を書いている時点ではまさに時の人としてもてはやされています。警察や地元の消防団が人海戦術で探しても見付からなかった幼児を30分で見付けたことに、私自身も本当にこの人は偶然見付けたのだろうか? と思いました。

もしかしたら、週刊誌などはそうした疑念を元にして単なる美談ではない話をでっち上げるような報道もされるかも知れませんが、今回の捜索だけでなく日本国内で大きな災害が起きた時には手弁当で押しかけるようにボランティア活動を繰り返している事実を考えると、今後その活動が注目されることによって今回の事についての真実も見えてくるのではないかと思います。

ところで、私が今回の事件で注目したのが尾畠さんは現地の人達の生活には介入せず、自分のボランティア活動を行なうための費用や活動拠点は自ら用意しているということです。普通、ボランティアという事で出掛けても、住民の方々から活動のお礼として飲み物や食事、お風呂や宿泊のような「お接待」を申し出られた場合、ついその言葉に甘えてしまいがちです。もちろん、住民の方はそれだけ感謝の念を何とかして伝えようと思ってご接待をしてくれると思うのですが、「ボランティアの方には何かしらのお礼をしなければならない」という想いがあるとしたら、これは違うのではないかと思います。というのも、災害に遭って日々の暮らしにも困るような方については、そうしたお接待のために用意する品々を買うのも負担になりえるからです。

今回、テレビカメラの前で幼児の祖父と話をしている中で、何とかしてお風呂にでも入ってもらおうとする祖父の申し出をことごとく断り、そのまま帰っていく姿をニュースで見ましたが、それが尾畠さんのポリシーということで、もし今後私たちがボランティアとして困っている人がいる場所へ向かうような場合にはぜひ参考にしたい行動の一つです。さらに、これだけ頻繁に全国に出掛けて長期間のボランティア活動を行うことができるというのは、「車中泊」ありきだということにも親近感を覚えます。

私が今乗っている車は1300ccのホンダフィットという乗用車ですが、ボランティアとして全国に出向く尾畠さんは、後部座席を倒せば大人一人が十分に足を伸ばして寝られるだけのスペースを簡単に作れることでエコノミークラス症候群になる心配なく車中泊ができ、さらに車を持つコストが最も低いと思われる軽ワゴン車を使って全国を回っているとのことです。費用については主に年金があてられているということですが、日々の食費がどのくらいかということにも寄りますが、元魚屋さんということでご自身で簡単な調理をすることができるという風に仮定すると、車の中で買ってきたものを食べる程度では、それほどお金も掛からずに現地に出向き、活動を継続することができるでしょう。さらに現地の方へ申し出をすることが必要になりますが、車を停めて車中泊をする場所さえ現地で確保することができれば、住民の方々とトラブルが起きるリスクも減らすことができます。

さらに現地で車中泊をしてボランティア活動をすることのメリットとしてあるのは、作業を終了し食事をすればその場所がそのまま寝床になるので、すぐに寝られて朝は早朝から活動することも可能になることです。これは、普通の宿舎に泊まってボランティア活動をする場合と違って、特に夏は日中が活動に適さないくらい暑くなるので、まだ涼しい朝の貴重な時間を活動にあてられるというメリットです。

さらに、今回の場合は尾畠さんが幼児を見付けた時に地元の人や警察の捜索活動が始まっていたのかがわかりませんが、人がそこまで多く山に入っていない早朝だからこそ、ちょっとした現場での違和感に気付いて幼児の発見につながったということも、もしかしたらあったのかも知れません。全ての生活の拠点を車の中に集約することで、普通の旅の時でも時間を有効に使えるということは車中泊の旅をしていると実感するところですが、集団でなく個人で小回りが効く活動をする場合、車中泊前提で出掛けるというのはそれなりに役に立つこともあるということが今回わかったような気がします。

ただ、尾畠さんのように全国を回っていて、どこへ行ってもそれなりの「顔」になっている人ではない場合、いきなり車で乗り付けて「ボランティアします」と言っても早朝のまだ暗いうちからごそごそしていると、いわゆる火事場泥棒の類と誤解される可能性もあります。実際に私達が行く場合は、ボランティアの受け入れ先に事前にアポイントを取って、少なくとも車を安全に駐車できる活動拠点が提供されるかどうかの確認くらいはすべきでしょうし、現地には活動を行なう前日の夕方くらいまでには到着し、現地スタッフとの打ち合わせを行なった上で活動をしないと、逆に現地の人にうさんくささだけを与えてしまうことにもなりかねません。現地の人の役に立ちたいと思って出掛けても、逆に現地の人にあまり良く思われないということにならないように十分ご注意下さい。


倉敷市の段ボールベッド導入の英断と「次の段階」

TBS系の「報道特集」というニュース番組の取材で、西日本豪雨の被害を受けた地域の中で、かなり早い時期に住民の方々が過ごしている避難所において、全て段ボールで作られた「段ボールベッド」および、ラップの芯のように固い筒を組み合わせ、そこに布を通すことでカーテンのようにうまく仕切りにしたパーティションキットの導入の様子をレポートしていました。

学校の体育館などに避難した住民の方々は、今でも直接床に寝るようになっているところが多いのですが、これだと床面のホコリが舞い上がり、そのホコリを直接吸ってしまうことによる体調不良が出る恐れがあるばかりか、硬い床に直接寝ることでエコノミークラス症候群によって体内に血栓ができてしまう恐れもあります。また、床に直接座ったり寝転ぶと立ち上がるのが大変ですが、高さのあるベッドならいったん座った状態から簡単に立ち上がることができます。そうした避難所の環境を少しでも良くするために段ボールベッドをすぐ避難所に設置できた背景には、過去に新潟大学まで行ってブログで紹介させていただいた新潟大学の榛沢和彦氏らが関わっているダンボールベッド供給のためのプロジェクトの方々が倉敷市長宛にファクシミリを送り、その内容について有益な事業だと感じて市長が即決したためだと番組では紹介されていました。

これは、それこそ東日本大震災前後の大規模な災害が起こった後の避難所内や、避難所に入らずにシートがフルフラットにならない車の中で車中泊を続けることによってせっかく助かった命がエコノミークラス症候群や感染症で失なわれてしまう事について、段ボールベッドである程度は対策可能だということが知られてきたということが言えるでしょう。避難所を使っている人にとっても家族単位で他人の目を避けられる空間ができ、手足を伸ばして寝られ、さらに寝ていて起き上がる時にも体への負担が少ない段ボールベッドはいわゆる「災害後の災害関連死」を防ぐためには有効であることは確かなのですが、それこそ私のブログで段ボールベッドのことを紹介させていただいた時にコメントとして指摘していただくほど、別の危険があるということも考えなければいけません。それが、避難所から火が出た場合にどうやって段ボールベッドへの延焼を食い止め、避難所にいる人達の命を守るかという問題です。

火災が起こる原因は様々ですが、ここではあえて「放火」の可能性については除外して考えます。過去に火事の一番の原因として恐れられたのが「タバコ」で、特にベッドサイドでの寝タバコによる火災はあの「ホテルニュージャパン火災」の原因にもなりました。ただ、現在の日本は喫煙者は公共の場所でタバコを吸えないような形に法律も変わりつつあり、避難所にいる人達の喫煙に対する意識の変化もあるので、昔と比べるとタバコが原因で火災が起こることは少なくなりました。また、タバコを吸わないとマッチやライターの用意もいらないので、まだマッチやライターの扱い方を知らずにいたずらをして火災になってしまう可能性も減ってきているとは思います。避難所では禁煙を徹底することも十分有りでしょうし、どうしても喫煙所を設ける時にはできるだけ人のいる場所から離して喫煙所を設置し、ライターは喫煙所から持ち出さないようにするなど、タバコによる火災を避難所で起こさないように最初から災害マニュアルの中に入れておくことも必要でしょう。

また、地震の後の避難所設置において、ライフラインが復旧していても漏電の可能性やガス管のひび割れなどはないのか、しっかりと確認してから避難所として使うことも大事でしょう。もしこうした確認をしないで漏電による火災を出してしまったら、それは自然災害ではなく人災と言えます。

以前はこのように火災が起こらないように原因になるものをシャットアウトしていけば、何とかなるのではないかと思っていたのですが、実はここ数年でちょっと深刻な火災の原因になるかも知れないグッズが台頭してきました。災害の後には情報収集のためのツールとしてほぼ全ての家庭で持つ人がいるのがスマートフォンやタブレット端末だと思うのですが、スマートフォンを充電する「モバイルバッテリー」が原因の火災事故がニュースにもなっているのが気がかりなのです。

問題は劣化したりきちんとした製法で作られていない不良のバッテリーを使い続けることもあるのですが、もう一つの問題は、カバンの中でスマホと接続した状態のままで長時間放置したことにより、モバイルバッテリーやスマホ自体の温度が著しく上昇し、ショートして発火するようなことが日本でも起きています。

実はこれと同じような状況が避難所の段ボールベッドの上でも起こりかねないという事があります。布団や毛布を掛けて寝ながらモバイルバッテリーにスマホをつないだままにしてスマホを使っていて、そのまま寝てしまうような事があると、相当モバイルバッテリーやスマホの温度が上がってしまう可能性があります。たまたまそのようにして使っていたモバイルバッテリーがショートしやすい不良品だったとしたら、今の避難所でも常にバッテリーから発火する火災が起きるかも知れない状況があるということがおわかりでしょう。そして、現状の段ボールベッドではいったん火が付いてしまったら、過去に美術作品として作られたおがくずが充満した木製ジャングルジムで火災が起き火がすぐ回ってしまったように、避難所に暮らす人の生命に危険が出てきてしまいます。

タバコと違ってスマホを充電するなとは避難所では言えないでしょうから、それこそ避難所内で充電する場合には避難所の方で用意した安全なモバイルバッテリーを運営者の方で管理して満充電したものを渡すようなルールが必要になってくるかも知れませんが、そうしたルールを知らなかったり、自分の持っているバッテリーを隠れて使われるとどうしようもありません。もしボヤでも避難所内で起こってしまった場合、テレビや新聞のニュースでセンセーショナルに報道されるかも知れず、そうなると火災で燃え広がる危険性がある段ボールベッドでは恐いという人の意見が起こり、また元の床に直接寝る状況にもなりかねません。

そんな中、紙なのに燃えにくいという防災用段ボールというものを開発した企業があって、実際に防災用ということで地方自治体に売り込んでいるという話があるのを知りました。その内容は以下のリンクからご確認下さい。

http://www.rengo.co.jp/news/2013/13_news_015.html

もし今回の段ボールベッドを製造・発送している業者と燃えにくい段ボールの技術を持っている業者がタッグを組み、いざという時には燃えにくい段ボールで作った段ボールベッドやパーティションキットが避難所に設置されるベッドのデフォルトになるようなら、多少は安心できます。ただ、現状よりも製造コストは高くなってしまうでしょうから、そのコスト高分を誰が負担するのかということも考えなければいけません。

海外のように家族ごとにテントを支給し、中にキャンプ用のコットを設置してもいいとは思いますが、そこまでの資金力を持った地方自治体というのは稀だと思うので、やはり単価の安い段ボールベッドのアイデアは葬って欲しくありません。実際問題、段ボールの上でモバイルバッテリーが発火することを想定して、ベッドの天板だけを燃えにくい段ボールにした場合どうなるのかとか、あるいは全く別の新たな防火対策を考えられるのか、まだまだ改善の余地があるのではないかとも思えます。そんな風に少しでも快適に避難生活を送れ、さらに安全性も高めるような方法についても多くの人が考えてよりよい結果が出ることを期待するところです。


災害と鉄道との関係を改めて考える

私は学生時代、車を持たなかったり長距離を運転する自信がないということもあってまだ国鉄時代のローカル線を利用して旅をしていました。今回の西日本豪雨で被害を受けた中国地方の山間部もかなり乗ったのですが、国鉄がJRになるとともにいわゆるローカル線は廃線になったり、第三セクターによる別会社で運営されるような形で存続するかという形になり、魅力的な鉄道乗りつくし旅が行なえる周遊券も無くなるにしたがって、徐々に自分の車を使っての旅にシフトしていったという経緯があります。

おかげで車中泊を一応のメインテーマとしたこんなブログを書けているわけですが、車の旅を中心にしていると、体調を崩したり眠くてどうしようもなくなった時にはその場から一歩も進めなくなるのは仕方ないことだと言いつつも、やはり寝ていても目的地に向かって進んでくれる鉄道の有難さというのも実感する時もあります。

今回の西日本豪雨の影響で、2018年7月18日現在、大阪方面からの山陽本線は三原まで通じているものの、三原から広島の手前の海田市まで不通で、海田市から山口県の柳井までは通じていて、柳井から徳山までが不通になっています。JR西日本の発表では、山陽本線の全線開通は11月中を目指すという風に話していますが、貨物については不通区間については海上輸送とトラックで代替輸送が行なわれているものの、かなり長期間不便な代替輸送を強いられそうな感じになっています。

JR西日本の復旧計画では、まずは幹線である山陽本線の復旧を目指すということのようですが、もう一つ気になるのが今回被害が大きかった山間部を通っていた地方交通線の復旧をJR西日本がどう考えているかということです。

今回の大雨で不通になっている中国地方の山間部を走る地方交通線のうち、かなり悲観的な見通しが発表されたのが以下の3つの路線です。

・芸備線(備中神代駅(岡山県新見市)→三次駅(広島県三次市)→広島駅)
・福塩線(福山駅(広島県福山市)→塩町駅(広島県三次市))
・木次線(宍道駅(島根県松江市)→備後落合駅(広島県庄原市))

これらの路線では鉄橋が流されたりして、今だに手を付けられないような箇所も少なくないとのことで、全線復旧に1年以上かかるという話はあったものの、具体的にいつまでに全線開通になるかという時期について発表されることはありませんでした。

実際にこれらの路線を生活の足として使っている方からしてみると、現在でも交通が止まって大変なのに、今後への展望が交通機関についても見えてこないというのは相当不安になっているのではないでしょうか。JR西日本の発表の中では「復旧を念頭に置く」と述べつつも、「今後も激甚化する災害の脅威を受けるエリア、協議は必要」としてJR西日本だけではなく地元の自治体や地方住民との協議次第というような認識も示しているので、最悪の場合、そのまま廃線の方向になってしまう可能性もあります。

こんな話を聞くと、メインの幹線沿いに住んでいる人についてはすぐに復旧させる見込みを出すため安心できるものの、改めて地方と都市との格差というものを感じてしまいます。この辺が昨日書いた物流とは違うところで、現在郵便局はJRと同じように民営化されたと言っても、全国で同じサービスを提供することは法律によって定められているので、現在においても歩いてしか配達できない家が一戸だけのところでもきちんと郵便が届く状況はキープされ、物流に新規参入する楽天のような企業も、そうした郵便の配達網を一部利用させてもらうことで全国一律のサービスを利用者に対して展開することができています。

しかし、今の日本では地方交通線について、商売にならなければJRは廃線にするか、第三セクターによる地方運営の鉄道に変わらざるを得ない状況になってしまっています。東日本大震災で壊滅的な影響を受けた岩手県の三陸鉄道が復旧したという事例はあるものの、今回挙がった3つの地方交通線がどうなってしまうのかで、少々大げさではあるかも知れませんが今後地方は見捨てられてしまうか否かがわかってくるのではないかと思っています。

個人的には今回被害を受けられた方々の生活再建が成るように、住宅問題だけでなく交通問題も民間と公が一緒になって解決に向けて進んで行ってくれることを祈っています。


突発的に全国で起こる地震にどう対応すべきか

週末から昨日にかけて、日本国内において様々な場所において大きな地震が発生しています。報道では千葉県を中心に地震が起きやすい状態であるという報道がされていて、実際最大震度4クラスのものが連続して起きていたのですが、そんな中、千葉とは離れた群馬県渋川市で震度5という恐らく群馬県では初めての大きさの震度の地震が発生しました。

群馬県の私の知り合いは地震についての危機感というものをあまり持たない人が結構いて、静岡での数々の地震対策にびっくりしていたことを改めて思い出したのですが、群馬県では火山の噴火もあり、全国どこでも地震の対策については考えおかないといけないなと思っていたら、昨日の大阪府を震源とするマグニチュード6.1というかなり大きな地震が起こったことで、さらにその思いは強くなりました。

今回の大阪府を震源とする地震というのは、起こった場所によってその被害が大きくなったと言えます。同じくらいのクラスの地震が山の中や海底で起こった場合には別の被害の恐れはあるものの、ここまで多くの建物や交通機関に影響が出ることはなかったと思われます。しばらくは携帯電話もつながりにくくなっているようですし、改めていざという時にどういう連絡手段を確保しておくかということも考える必要がありそうです。

今回の地震では現地では緊急地震速報が出る前か同時くらいに大きな揺れが来たようですが、私のいる静岡県ではしばらくして十数秒という長い時間ゆっくりと家が揺れました。ここまで揺れが伝わってくるということはかなり大きな地震だということがわかったのですが、テレビでは最大震度6弱と言いながら具体的な被害の様子を発信できず、あくまで直近ということで言えば多少伝わるのにタイムラグがあったとしてもYouTubeのウェザーニュースチャンネルの中で現地から写真付きで被害状況を発信する状況からただならない被害が出ているということを感じることができました。もし大きな地震が起こった場所と離れている所に住んでいて、実家が地震の被害を受けているのか心配になったら、テレビと同時にネットに端末を接続してウェザーニュースを見ながら状況を把握するのがいいだろうと思います。

地震発生当初は固定・携帯とも電話がつながりにくい状況になりがちです。後から地元の人の話としてニュースで紹介されたコメントにインターネットなら何とかつながったという話も出ていたので、安否確認が必要な場合はまずは災害専用伝言板への投稿および、メッセージアプリによる文字による呼び掛けをした上で、何とかスマホが使える状況だったらメッセージアプリを通じて通話を行なえるように考えておいた方がいいのかも知れません。だだ、現地ではスマホの充電ができない状況かも知れないので無理に長い時間音声通話をすることはスマホの電池を減らすだけなのできちんと確認を取ってからするのがいいでしょう。

今回の地震の被害映像を見る中で、古い壁が崩落したりブロック塀が一気に倒れてそれに当たったり覆いかぶさるような形で重大な怪我をした人がいるという話も出てきています。特に、小学生の児童が被害に遭ったというニュースが有りました。なぜ学校は通学路について、災害に遭わないような道を案内できなかったのか大変残念に思います。今回被害に遭わなかった他の地方の方でも、小さなお子さんがいらっしゃるご家庭は、何はともあれお子さんの通われる通学路のチェックを行ない、明らかに古い塀・壁や家屋(瓦や外壁の落下の恐れがある)がある道はできるだけ通らず、通る場合でも壁に沿って歩かなくてもいい道に必要があれば変更すべきです。

そして、ご家庭での寝床において、寝ている時に大きな地震があった場合タンスや本棚が倒れてきて自分の体を直撃したり家具の倒れた中に入ってしまって脱出ができなくなることがないように、予想される家具が倒れてくる場所に寝床を作らないように必要があれば家具の移動などを行なっていただきたいと思います。

今回の被害に遭われた地方にお住まいの方々におかれましては、本当にお見舞い申し上げます。今後の余震の状況によっては最初の地震でかなりもろくなっている場所がさらに崩壊する危険があります。今後雨の天気が予想されることからシートを被せるために作業したり、被害状況を写真に収めるようなことで外に出る場合でも、ヘルメットをかぶったり足元に注意して危険な場所には近づかないなど、細心の注意を払って行なうようにして下さい。