防災関連ニュース」カテゴリーアーカイブ

防災に関する新たな話題や、画期的な新製品の紹介などをこちらで行ないます。

エネループ発売20周年によせて今の充電池状況と合わせてその使い方を考える

かつて三洋電機が販売した充電式乾電池「エネループ」が新発売されたのが2005年11月14日だそうで、先日販売開始から20年が経ったということで、ネットニュースの記事になっていました。

私自身はエネループが発売される前から充電式単三電池のお世話になっていました。まだニッカド電池(ニッケル・カドミウム電池)と呼ばれていた頃でしたが、専用充電器で何度も充電して使えるものの、弱点も色々あるものでした。

当時は民生用のデジタルカメラが発売された時期に重なり、まだ充電池と言えばニッカド電池が主だったので、一部の携帯型音楽プレーヤーに使われていた「ガム型電池」ではなく、単三のアルカリ電池4本を入れて使うのが普通の時代でした。

私自身も多量に購入したアルカリ電池を使い捨てていたのですが、さすがにこれは環境に悪いということになり、まずはニッカド電池を購入して動くかどうか試したところ、何とかカメラとして使えたことから、徐々にその本数を増やしていきました。しかし、ニッカド電池の場合、充電したまま使わないと放電してしまい、いざ外に出で撮影しようと思ったところまた一から電池の充電をしなければならなかったり、残量が心配だからとまだ空になっていない状態で充電をすると「メモリー効果」という症状が出て、当初の容量まで満充電できずに途中で充電が止まってしまう不具合がありました。ですから細かな充電管理が欠かせなかったのですが、そんな時に出てきたのが「エネループ」だったのです。

エネループになってニッカド電池から「ニッケル水素電池」に仕様が変更され、放電しにくくなり、メモリー効果も起こりにくくなったので、デジカメ用の電池としてかなり重宝しました。しかし、皮肉なことにデジカメが小さくなるに従って充電池は専用のリチウムイオン電池に変わり、単三電池対応のデジカメは一部の一眼レフが頑張っていたくらいで、一気に廃れてしまいました。

そんな事で、かなりの量のエネループを持っていて使うことになったことで、このエネループを他の家電で流用しようとして色々と試すうち、もはやマンガン電池・アルカリ電池を買わなくなりました。お金の面もありますが、多量に出てきてなかなか捨てられない電池のゴミを出すことなく、いまだに昔の電池で出力が弱くなったものはリモコンに転用するなどして使い続けています。

今使っているのは、電動歯ブラシ・電気かみそり・ラジオ・LEDヘッドランプ・ランタンなどかなり多くの種類になります。そのおかげで、乾電池仕様の家電も長く使うことができるようになり、ゴミの減量化にも一役買っています。
さらに、エネループ充電器についてはUSBケーブルを接続することで充電できるものを使うようになったので、モバイルバッテリーやポータブル電源にソーラーパネルから充電したものを接続して間接的にエネループをソーラーパネルから充電することもできるようになりました。

これはエネループの話ではありませんが、極小のソーラーパネル(750mWくらい)に単三のニッケル水素電池を入れて充電するセット(「バイオレッタ・ソーラーギア」で検索すると製品が出てきます)を買って一時期使っていたことがあります。ただ、極小パネルだと空になった状態から満充電するには、下手をしたら外に出しっ放しにして一週間以上かかるくらいのものでした。

それでも、昔からある家電に使われている単三および単四電池がそのまま使えますし、昨今のソーラーパネルからポータブル電源に蓄電することが簡単に早くできるようになったことから、今ではモバイルバッテリーにUSB対応充電器を接続してエネループを充電するという流れによって、小容量のポータブル電源でも有効に使うことができるようになりました。

今後、ナトリウムイオン電池が単三型や単四型になり、安全に使用できるということになれば、もしかしたら汎用電池で使える小物家電も増えていくのではないかと思ったりもします。ぜひ、進化系のエネループとして高出力で安全なものが出てくれると嬉しいなと思います。

家のカギを失くした場合の用心に改めてスペアキーを作ってもらった顛末

先日に引き続き自宅の玄関回りの話になるのですが、昨日思うところあって自宅のスペアキーが無いことに気付きまして、改めて先日お世話になったカギ屋さんに出向き、家族分のスペアキーの作成をお願いしました。日々生活していて各々カギは持っているので、何事もなければ問題ないのですが、たまたまネット上に上がっていたニュース特集の見逃し配信を見ていて、定期的に取材される「カギのトラブルの実態」というものを目にしました。

自動ロックされるドアで(自分で取り付けたスマートロックの機能で一定時間経過後にカギが閉まる設定にしていたそう)、カギもスマホも持たないで外出してしまい中に入れなくなったケースや、キーホルダーを付けない裸のカギを無造作にポケットに入れて落とし、家族もスペアキーを持たずに一緒に買い物に出たことで部屋に入れなくなったケースもありました。ちなみに、テレビに出ていた業者さんは「カギの救急車」さんでしたが、出張しての作業の場合部品交換などなくても1万5千円(税抜)くらいの費用はかかっているようでした。

というのも、その番組で出てきたトラブルの中に、「急にドアが開かなくなった」と連絡があり、家の中にいる依頼者の元へ掛け付けたものの、何と玄関の外に置いてあった物干し竿がちょうどロックを掛けるように斜めにドアのところに挟まって、それが原因で中からドアが開かなかったという考えられないトラブルが紹介されていたのですが、その際も費用はしっかりと取られていたのでした。なお、その依頼者はお金を払うついでにあえてそのドアに付いているカギのメンテナンスを頼んでいました。

今後もし私が緊急的にカギの解錠をお願いする可能性としては、自動ロックされるドアではないので、持ち出したカギを落としてしまったり、カギを持って行くのを忘れて家族が外出して閉め出されるようなケースが考えられます。で、出した結論が普段使いでないスペアキーを用意しておくというのがいちばんてっとり早い気がしたので、ドアの歪みを直してもらった鍵屋さんで家族の分を含めスペアキーを作ってもらいました。

旅行の時などはできるだけカギを落とさないようにしまう場所にも注意はしていますが、バッグの中に入れているとバッグごと失くしてしまう(盗難含む)可能性もあります。そこで、今のところ財布の中に入れるか、信頼できる親戚に預けていざという時に連絡して開けてもらうようにするかといった感じですが、旅行中はバッグと財布は別の場所に入れて行動することが多いので、私の場合はお財布の中に入れておく方が、すぐにスペアキーを出すことができるのでトラブルにはなりにくいかなと思います。

今後は、ドアがスムーズに開くようになったということもあるので外付けのスマートロックを付けてスマホからカギを掛けたり開けたりできるようにすることも考えていますが、スペアキー自体は邪魔にもならないし、外からの鍵開けを依頼する場合に作業に支障をきたす原因にもなるという話も最初に紹介したニュースでやっていたので、今回はスマートロックの導入は考えずにスペアキー作成を依頼しました。全く部品交換のない場合でも、自宅まで来てもらっての作業を依頼する場合、いわゆるボッタクリの業者でなくても一回最低1万5千円~2万円くらいはかかってくるので、全くスペアキーを作っていない場合、まずは作っておくことを個人的にはおすすめしたいです。

空の旅で使うのに便利だと思われてきた富士山静岡空港の平面駐車場には水没のリスクあり

一昨日の台風の影響で、私の住む静岡県で複数回にわたって線状降水帯が発生し、さらに竜巻とおぼしき突風が吹き、大きな被害が出たのですが、今回の大雨によって改めて明らかになったことがあります。それが、富士山静岡空港の無料駐車場の水没です。

地方空港としてその存在意義はあるのか、建設当初から疑問の声が挙がっていましたが、車で出掛けて車を空港駐車場に置いたまま飛行機を利用して現地を旅している間の駐車料金が一部無料というのはそれなりの魅力があります。過去には沖縄や福岡・長崎への旅に富士山静岡空港を使った時には無料駐車場を利用し、旅のコストを下げることができました。

ただ、もし今回の大雨が静岡県を襲う前に出発し、雨が上がった時に空港に戻るような日程で出掛けていた人がいたら、到着時にさあ自宅へと自分の車が駐車してある場所に戻ったら、そのあまりの様子に相当ショックを受けてしまうのではないでしょうか。

空港の駐車場は平面で屋根もなく、鍵は自分が持っているので移動もできないので、もはやどうしようもありません。今回の大雨で水没した駐車中の車は恐らく全て廃車の憂き目を見るのではないでしょうか。空港側にその損害を請求もできないので、唯一の対策としては自然災害に対応する車両保険に入るしかありません。ただ、古い車の場合、再購入できるくらいの保険に入ることができない可能性もあります。

そう考えると、大雨や台風が予想される中での旅を強行することのリスクおよび、立体でなく平面屋根なしの駐車場に数日間駐車するリスクという事もちゃんと考えて利用するようにしないと、楽しい旅の終わりがとんでもない事になってしまう可能性が出てきます。

この富士山静岡空港は山を削った標高の高い場所にあるので、なぜ敷地内の駐車場が冠水するのか? という風に思う人もいるかも知れませんが、排水設備が今回のような大量の雨が降った場合、その排水能力を超えてしまい、今回の場合は駐車場に水が溜まってしまったということらしいです。日帰り見学用の駐車場は平面でも問題ないと思いますが、空港利用者が停めるための駐車場は立体にするとか考えた方が良いのではないかと思いますね。

実際、今後旅の計画を立てる際に富士山静岡空港まで車で行って無料駐車場に停めたまま旅に出発するようなプランは考えていたので、少なくとも梅雨の時期や台風の来る時期の利用については、そもそも富士山静岡空港を使わないことも考えた方が良いかなと本気で思えてきました。同じように空港に車を停めて旅に出るような旅行を計画されている場合、事前にハザードマップを確認した上で、空港から少し離れていても水没の危険性が少ない場所にある平面駐車場に停めるとか、有料でもあえて立体駐車場に停めるようにするとか、帰ってきたら車が水没していて身動きが取れなくなるような事にならないような配慮は必要かと今回の事で思いました。

いざという時に「買えば良い」という選択肢は無くなることを考えて災害対策を

ようやく津波についての警報・注意報が解除されました。結果から言うと津波自体に対して直接的な人的・物的な被害についてはなかったものの、焦って車を置きに行って崖から車が転落してしまったり、避難所に行く中で熱中症になってしまったというような事はありました。今回の場合は、津波の原因となる大きな地震のマグニチュードが当初8.0から8.8へと訂正されたことで、より大きなエネルギーが放出されたと考えられたことで、警報が出たわけですが、警報が出たことで色々な影響が出てきました。

太平洋岸を中心に公共交通機関が運休になり、さらには海沿いを中心に多くの商店が休業となりました。これは、何よりも自分の命が大事という考えに基づき、いざという時に頼りになるはずのコンビニを含むフランチャイズのチェーン店でもお店を開け続けさせるような事をしなかったからだと思われます。

そんなわけで、避難をした場所での対応がされないと、食事や水という生活には必要なものも手に入らないような状況になったわけです。今回は津波警報が出たものの、停電や断水にはなりませんでしたが、生活必需品が手に入りずらい状況になったところもあるのではないでしょうか。

今後、もし地震・津波だけでなく台風の接近に伴って電車や高速道路が計画的に被害の出る前にストップした場合、そうした計画運休・通行止に合わせるような形でコンビニやファーストフードを含む商店も同じように店を閉めるというような事も普通に考えておくことが大切になってくるのではと思っています。

具体的には、買い物に行かなくても数日は家の中で生活できるくらいの食料の備蓄や、トイレットペーパーなどをなくなるぎりぎりまでそのままにしないで、今使っている分が無くなっても使えるような予備を用意しておくなどの事です。

これは、日用品以外にももし停電してしまった場合のライトやラジオの用意、さらにはそれらを動かす電池、スマホを使い続けるためのモバイルバッテリー、ポータブル電源を用意するだけでなくきちんと充電しておくことも含まれます。

何もない時は必要な時にはコンビニやスーパー、100円ショップで安くそれなりに使えるものが買えますが、今回の事でそうした便利なチェーン店は、ひとたび災害についての警報が出たらお店が閉まってしまって必要なものを買うことができなくなる可能性があるという当り前の事を、しっかりと認識することが大事だということですね。改めて今回の津波に関する情報を受けての社会の状況はどう変わるかわからないということを肝に銘じました。

状況の変化によって、他の日用品はあっても特定のもの(水とか電池とか)が全く買えなくなるような状況もあります。それほど高くないものであれば、置ける場所があればいざという時に慌てないで済むように家に予備用に少し多めに置いておいたり、食料については常温保存ができるものをローリングストックすることを心掛けることも良いかも知れません。一気にやるのではなく、日々の買い物の中で少しずつを目指して今自分にとって足りないと思えるものを揃えていくように今は考えています。

真夏の日差しがさす中での津波警報発令での高台避難について色々な想定外が起こった

災害対策というのは本当に難しいと改めて思った今回の日本列島に出た津波警報についての対応でした。東日本大震災で高台に避難できずに失なわれた多くの人命の記憶は今も多くの人の中にあり、そのための避難場所として盛り土がされた場所が多く作られているのですが、そこにはただ広い空間が広がっているのみで、場所によっては日差しを遮るものがありません。

昨日は日本全国でかなり気温が上がり、兵庫県丹波市柏原では観測史上最高の41.2℃を記録しました。ただ、そのニュースが霞んでしまうほど、その日の朝急に起こった、ロシアのカムチャッカ半島東方沖で起こったマグニチュード8.7の大地震の影響で日本の大平洋岸に出た津波警報は、複雑な地形によって何度も津波が起き、さらに一回目より二回目の方が大きくなるなど、なかなか津波警報が解除されず、朝方から避難した人たちは一日中日差しが強く気温も高い場所で警報が解除されるのを待つような形になってしまいました。

津波によって命を落とさないために高台に避難するというのは大事な事ではあるのですが、今回の場合は扇風機やクーラーもなく、さらには日差しを遮るものもない避難場所で日中のほとんどの時間をじっと警報解除を待つだけの時間を過ごすことになったため、熱中症での命の危険が出てきてしまったのです。

今回の場合、日本国内での地震の揺れはなく、ライフラインが遮断されているわけではないためプレハブの防災倉庫に大型扇風機やスポットクーラーを入れておき、非常用のコンセントにつないで、さらにはテントやタープを出してある程度暑さを和らげるための処置はできたと思うのですが、恐らくそうした装備を持っていなかった場所も多くあると思いますし、もし日本国内で大きな地震が起き、ライフラインが寸断された中でこうした冷房装置は動かせるのか? (その場合発電機やガソリンの備蓄も必要)になります。

逆に、東北や北海道の真冬に同じ事が起こった場合、極限の寒さにどう備えるのか? という事についても考える必要があるでしょう。本当に、今回は何の災害も起こらなくてもその日差しだけで災害級の状態になってしまっていたので、今後はこうした複合的な避難場所で命の危険を防ぐためにはどうするのかということについても考える必要があるのではないかと強く思いました。

そんな中、今回の避難してきた人たちの多くは、車の窓に日差しを遮るシェードを付けて、エアコンを付けたままアイドリングして車の中で過ごすような感じで過ごしていた人もいました。今回はあくまで日本国外で起こった地震による津波警報なので、それほど長期間の影響はないと思われたかも知れませんが、それにしても一日中ずっと車の中にいると、エコノミークラス症候群になってしまう可能性もあり、個人としての対策も考えたいところです。

私の場合、さすがにエアコンを長時間動かすのは無理なので、DCモーター駆動のサーキュレーターとポータブル電源を持ち出し、保冷剤を入れたクーラーボックスにペットボトル飲料をたくさん入れて避難し、気化熱を利用したタオルを使いながら体を冷やしつつ警報解除を待つような事はできるかと思いますが、日陰を作るというのは今の装備ではできません。

今後は、車に付けて日陰を作ることのできる「カーサイドタープ」の導入についても考え、その中に以前から用意しているコットとメッシュのインナーテントを設置するような事についても考えてみたいですね。この組み合わせなら車での夏キャンプもできそうですし(積極的にやりたくはありませんが)、今後に向けての対策についても色々考えてみたいです。

「ハンディファン」による火事が心配なのわかるが嘘の内容で啓発はできない

2025年7月23日に、東京都品川区にあるマンションの部屋から出火し、5人の怪我人が出たという火事のニュースがありました。この内容はネットニュースで知りましたが、その内容を報じたニュースの中で地元警察が「部屋で充電をしていたハンディファンから出火した」としていました。

最近、うだるような暑さでハンディファンを手で持ったり首からぶら下げたりして歩いている姿をよく見掛けますが、粗悪な品であったり古いものだったり、急に落として損傷したものについては内蔵されているバッテリーが出火や爆発を起こす可能性があるという事を啓発するニュースも多く流れていました。

私自身はハンディファンは持っていませんが、USBでモバイルバッテリーと繋いで利用することのできる簡易ファンは持っています。バッテリー内蔵型の製品の場合、年をまたいで使っているうちにトラブルに巻き込まれる可能性もあるので、その点には注意しようとは思っています。

ただ、最初に紹介したニュースには続きがありまして、先に発表された「火元は充電していたハンディファン」というのはどうやら見当違いであったということが後の調査でわかったのです。

本当の火事の原因は、絶縁された部分が損傷した延長コードから発火し、さらに延長コードの上には衣装ケースや布団が積み重なっていて、そこから火が燃え広がったということを改めて発表したのでした。

もちろん、リチウムイオン電池自体の管理の重要性に異論を挟むことはありませんが、その事を声高にアナウンスすることにより、今回のような別の原因である、まだリチウムイオン電池が生まれていない頃から言われていた延長コード・タコ足配線・プラグ部分のホコリなど、火事が起こるリスクについて現場検証で見逃されるという事になると、やはり問題かと思います。

恐らく、火事の原因を原場で調べるうちに焼け焦げたハンディファンを見付けたことで、まず注目がそこに行ってしまったということが考えられます。それが警察からの原因発表になり、さらにはその発表をそのまま掲載した大手マスコミの報道につながるようだと、実際は違う原因なのに、嘘の発表の方を信じて口コミが広がってしまったりする危険性が出てきます。

以前、地元テレビ局が主催した防災に関するシンポジウムに出た際、個人発信とマスコミの違う点は、多くの目がファクトチェックを行なうことだと言った方がいました。これはこれで事実ではあるのですが、今回のような場合、そうした複数の目のファクトチェックも役に立たなかったと言われてしまい、それがマスコミ不信にもつながってしまう(もちろん元発表を行なったところにも問題はありますが)ことにもつながるかも知れません。

今回の事例は、リチウムイオン電池の扱い方を誤ると危険という啓発とからめて発表したり記事にしたいという思いが強すぎたために本当の原因がどこかへ行ってしまったとも考えられなくもありません。

私たちも、ある「予断」から出発してその「予断」を真実なのかどうかきちんと確認せずに事を大きくしてしまうような事はあります。ただその前に純然たる「真実」があるわけなので、そこでちゃんとした真実を受けて考えられるようにしたいですし、自分の思い込みと真実が違ったとしても、それに対しては素直に受け入れることが大事ではないかと思います。フェイクニュースに引っかからないためにも、日々の生活の中で極端な言動や情報に踊らされないよう気を付けたいものです。

「停電費用保険」の案内を電力会社からもらったもののこの保険は本当に役に立つの?

現在、私が加入している電力会社は昔からお世話になっている中部電力で、いわゆる新電力会社には入っていません。果たして新しく電気会社を変えた方が良いのかどうかわからない中で、少ない金額で掛けることのできる「少額保険」の案内がメールで来ました。

それが「停電費用保険」というものです。
この保険は中部電力の電気プランに加入している人のみが入ることができる保険なのだそうで、保険料は月々150円とお手軽です。その内容は「5時間以上」の停電で発生すると思われる以下の費用を請求すれば出してくれるということです。その内容は以下の通りです。

・冷蔵庫の中味がだめになった場合の買換費用
・ポータブル電源等の購入費
・非常用照明の購入費
・自宅から避難先への交通費
・乾電池の購入費
・簡易トイレの購入費
・故障した家電製品の修繕費

実際にかかったこれらの費用の「合計額」を「最大1万円」まで補償するということなのですが、冷静にこの保険は便利なのか考えてみることにしました。

まず、日本国内での停電時間はどのくらいなのかということから考えてみます。ライフラインがぼろぼろになるような大きな地震が起きれば別ですが、現在の日本の電力会社は優秀なので、一瞬停電しても比較的早く復旧することが多いです。過去に、私の住む地域で台風がやってきた時、山間部にある送電施設が倒壊し、その事実をしばらく電力会社がつかめなかったことから、半日以上停電が続いた地域がありましたが、私の自宅は無事でした。ただその時は私の職場が停電の被害を受けたので、荷物を運び込むエレベーターが使えずに、人力で一部動かすようなことはした記憶があります。

しかし、私の体験の中で5時間以上の停電があったのはその時だけで、そのために少額であるにしても毎月コツコツと保険料を支払うのかとまずは思いました。

そして、もう一つの問題なのが、実際に出る保険金の額が合計1万円と少ないことです。上に挙げた条件のうち、保険金で賄えそうなのは「冷蔵庫の中味」くらいではないでしょうか? 実際に停電が長引くとモバイルバッテリー・乾電池・照明器具・簡易トイレは容易に手に入るかと言うと、停電が解消してそれらのものが必要なくなった後ではないか? と思います。また、避難場所への移動にタクシーをお願いするとしても、同じ事を考える人は多いと思うので、簡単には利用できないというのが正直なところです。徒歩や自転車で移動しても保険の対象にはならないと思うので、あまり意味がない条件かと思います。

さらに、家電が壊れた場合の修理費が1万円以内で済むかということを考えた場合、それなら火災保険(地震保険)の家財についてしっかり入っておいた方が、買い替えもできる可能性があるので、そちらの方が良いのではないかと思います。

そもそも、5時間以上の停電が起こってから必要なものを買いに行くという考え自体が現実的ではないので、日頃の準備をしっかりしておけば、こうした保険に加入する必要はないと思います。具体的には、自宅の冷凍庫に常に保冷剤を入れておき、いざという時には大き目のクーラーボックスに保冷剤と食材を入れ替えることで、5時間くらいであれば冷凍食品以外であれば何とかだめにせずに食べられるようにできるのではないでしょうか。

また、モバイルバッテリー・ポータブル電源・LED照明・簡易トイレ・乾電池(充電池の方が良いと思いますが)あたりはセールなどで安く買える時に徐々に揃えておき、いざという時に使えるようにしておくことが大事だろうと思います。こうした装備は長く置いていてもそこまで劣化するものではないので、最低限のものは自分で用意する方がこうした少額保険に入るよりは良いのでは? と私は思います。

災害時のテレビ視聴環境について省電力という観点から色々考えてみた結果

7月の頭に大きな災害は起こるという話が広まっていますが、基本的には人間は未来を予知することはできないため、その内容が具体的であればあるほど疑った方が良いとは個人的には思っています。もっともその予言が当たるのかどうか、それは時間が過ぎてみなければわかりませんが、今の時期、大規模な停電が起きたらどうするかということを考えると、そうした予言とは全く別の観点から、何とか自宅で普段と同じような生活ができるような事も考えなければならないと思います。

これはあくまで個人的な見解になりますが、電気だけが使えなくなった場合(ガス・水道はOK)という場合、災害時に一番問題になるトイレは使え、オール電化でなければガステーブルで炊事をすることはできますので、問題は普段気付かないものの大切な電気を使った家電をどう動かすかということを考えた上での準備をおすすめします。

まず、何といっても大事なのは「冷蔵庫」の中味を食べ尽くすまで動かし続けるための電気です。家にある冷蔵庫の電力消費量をワットチェッカーなどてチェックした上、早めに中のものを食べるにしても、冷蔵庫の出力を「弱」にしてどのくらい手持ちのポータブル電源で持たすことができるかが問題になります。

さらに、オール電化でなくガス給湯器を使っている場合、給湯器自体は電気(コンセント)がないと動きませんので、今の時期だと短時間のシャワーで温水を出すことは不可能になります。何とか温水シャワーを使えるように、小さ目のACコンセントを装備したポータブル電源を確保しておくと、そうした心配が払拭されます。となると、冷蔵庫用の中容量のポータブル電源の他、小容量のポータブル電源の2台体制にしておき、きちんと充電したり使った分をすぐ充電するようにするだけでもかなり助かるのではないでしょうか。

とりあえずこれだけ用意して、後の「明かり」「情報」関わる電気については、さらにポータブル電源を用意しても良いのですが、最初からそこまでしなくても良いと思います。明かりであればLEDライトを使えば良いですし、情報についてもラジオの活用をすれば良いですし、テレビを見たい場合にはこれもそこまで消費電力が多くないスマホやタブレット端末で見られるようにすれば良いでしょう。

古いタブレットの中にはワンセグチューナー搭載のものがありますが、恐らく大きな災害が起こった場合、地上波のテレビ番組についてはネット経由で問題なく見られるような規制解除が行なわれる可能性があります。そうなると、古いスマホやタブレットを災害時のためにとっておき、いざという時には充電しておいたスマホ・タブレット用のモバイルバッテリーに接続してネット経由でテレビを見るというような形で凌ぐのが良いのではないかと思います。

私の場合、15インチの電池なしモバイルモニターを持っているのですが、これにAmazonのFireTVstickを接続して様々な動画配信サービスやインターネットを見られるようにしています。驚くのは「モバイルモニター」と「FireTVstick」の電力消費量で、合わせて使っても7Wくらいしか使わないので(スマホを充電しながら使うより少ない電力)、普通のスマホ用のモバイルバッテリーでの長時間利用が可能になっています。大型テレビにポータブル電源を接続してテレビを見るより、相当少ない電力で長時間テレビ放送が見られるので、日中は今の時期扇風機ぐらいは動かしたい感じではありますが(ガス給湯器用の小容量のポータブル電源であれば十分動きます)、それがなくても何とか普通に生活することができるのではないかと思います。

しかし、エアコンや電子レンジのような高出力が必要な家電については私は災害時の使用は考えないようにしています。ポータブル電源をこれ以上増やすなら、小容量のポータブル電源ならシガーソケットに接続して数時間走れば(買い出しなどで出掛けることを想定)それで十分充電できます。車がない方やガソリン自体の入手が難しいような状況も考えたい場合には、100~200W出力くらいのソーラーパネルを用意できれば、使った分の電気をいくらかでも停電中に充電できるような仕組みを考えることができます。

モバイルインターネットによるテレビ同時配信(災害時)の利用については、もう一つ考えなければいけないことがあります。高速でなくても良いので、データ制限なしの最大1Mbps以上で使えるデータプランへの加入があれば、高速クーポンの残りを気にしないでもインターネット経由でのテレビ放送を楽しむことができるようになります。

今回紹介したような装備は自分では一気に揃えたのではなく、必要に応じで徐々に揃えたものが多いです。結果として災害対策になっているわけですが、そこまでの費用がない方は、冷凍庫に大量の保冷材を入れておき、大き目のクーラーボックスを用意して冷蔵庫の中味を移して庫内の温度が上がる前に食べ切るとか、そもそも冷蔵庫にパンパンになるまで物を入れず、備蓄用食料は常温で保存できるものにするとか、色々工夫の余地はあります。

私のブログは車中泊のブログなので、車の電気を使わないでどう過ごすかということを考える中での知恵が多少はたまっています。今後も気の付いたことなどありましたら、そうしたノウハウについて書き足していこうと思っています。

2025年4月18日の長野県で起きた地震について改めてテレビ・ラジオの大切さを感じた事について

最近、ネットショップで売られているチューナーレステレビが安く手に入るようになってきて、自宅のテレビを替えてみようかなとちょっと思ったりしていました。ネットでテレビの同時配信が見られるのであれば、普通にテレビを見たいと思った時にも困りませんし、アンテナの用意がなくても、インターネットさえ繋がっていればすぐ見られるなら、新生活に入っていく人にとってはあえてテレビのチューナーは入れずにその分安く済ませることもありなのでは? と思うところも正直ありました。

一昨日、BS放送を見ていたのですが、このBS放送というものも台風や厚い雲がパラボラアンテナを向けた方向に出来てしまった場合、放送を見られないくらいの受信レベルの低下が起こり、途中まで見ていた番組が見られなくなってしまう事も結構起きます。日本では停電はそこまで頻繁に起こらないので、もし同じものがネット配信で見られるのだったら自然環境に影響されるテレビチューナーよりも、ネットに一本化するというのは一つの考え方です。

話はBS放送を見ていたところに戻るのですが、夜の8時を過ぎたくらいにいきなり、聞くとストレスになると思われる緊急地震速報の音ではっと画面に注目しました。見ていたのはNHKではない民放だったので、すぐに画面に地図表記は出なかったのですが、ちょっと遅れて地図が表示され、震源は長野県であることを理解しました。

大町市付近が震源ということでしたが、緊急地震速報が鳴り終わった後に自宅の集合住宅も少しではありますが揺れたのがわかりました。身構えるほどではなかったものの、いきなり揺れを感じて「この地震はどこが震源地か?」と思うような事はなく、落ち着いてその後の状況を見ることができました。

昨年の南海トラフ巨大地震に関する情報が出た後、大きな地震は身の回りで起こっていなかったためちょっと油断していたということはあったのですが、やはり日常生活の中ではいつ大きな地震が来るのかはわからないので、緊急地震速報を受けられる状況を作っておくのは大切ではないかと思います。本当に今いる地域で大きな地震波を感じた場合にはスマートホンを鳴らすような形での情報伝達がされるわけですが、今回の場合は長野県での地震だったので当然スマホは鳴りませんでしたし、日本全国エリアで異常が起こればそれをすぐに報じてくれるテレビのシステムというのは私にとっては必要なものだと改めて思った次第です。

もし、家に普通のチューナー付きテレビが無いという場合には、テレビよりも即時性の高いラジオをずっと付けておくことで、視覚的には情報は入ってこないものの、緊急地震速報は把握することができます。それを受けてインターネット放送やテレビの同時配信を見るようにする事でその後の推移はチューナー付きテレビを持っている人と同じように情報を受けることはできるかも知れません。

ラジオはデジタル化したテレビと違って遅延が少ないので、より早い情報という意味では、チューナー付きのテレビを持っている人にとっても数秒の差で状況が変わることもあるかも知れませんので、私も今後はラジオを活用する生活ということも考えていきたいと思いました。

ETCゲートが国内一部地域で利用できなくなったニュースはラジオが一番早かった?

昨日(2025年4月6日)、深夜ラジオをうとうとしながら聞いていて、何時かはわからないのですがとにかくNHKの定時のニュースのトップニュースでNEXCO中日本管内でスマートインターチェンジや、インターのETC専用出口が利用できないトラブルになっていると聞いたような気がしました。

東名高速のインターでも同じようにゲートが開かないトラブルが起きているということらしかったので、近くにあったスマホを出してNEXCO中日本のホームページにアクセスをしたものの情報は無く、ネットのニュースサイトを見てもそのようなニュースは載っていなかったので、本当にそんなニュースが放送されたのかとその点からあやふやに思って、そこではそれ以上追求せず、そこから二度寝しました。

で、改めて朝起きてニュースを見たら、本当にETCのシステムトラブルは起こっていて、高速に入るにも出るにも有人のゲートを通らなくてはいけないので大変なことになっているという事を知りました。

昨日のエントリーで紹介しましたが、直前に高速道路を使って山梨まで行ったばかりだったので、こうした情報を知っているか知っていないかではかなり違ってくることが考えられます。もし、こうした情報を知らないで出掛けてしまったら、高速道路に入るにも出るにも渋滞に巻き込まれてしまったことでしょうから、出掛けて後悔することになったかも知れません。

今回の場合は特に、様々なニュースの中でも定時のNHKでのラジオニュースが一番早く私のところには入ってきたので、改めて車で旅行中にどういったラジオを聞くべきかという事を考える時、前回は通っている地方の民放を聞くことの有効性について書きましたが、それと同時に、NHKが必ず伝える定時(00分)のニュースの時間にはNHKに合わせて今社会で何が起こっているかということを心掛けることで、車を運転しながらでも大事な情報を逃さないようにできるのではないかと思い直しました。それにしても昨日の今日でこんな事が起きるなんて全く考えもしませんでした。

ただ、山の中などを走っていると、どうしてもAM放送が聞けなくなってしまう電波状況になってしまうことがあります。トンネル内に放送を送る装置が無いトンネルもあるので、あくまで自分が走っているエリアのニュースを取り逃さないためには、スマホのradikoアプリで民放とNHKを切り替えながら音を出していれば、スマホの電波が通る場所であればカーラジオが聞けないところでもクリアではっきりとした音でラジオ放送を聞くことができるのでおすすめです。

今回の場合は、天災ではなく何らかの人為的なミスによって起こったことではありますが、何も知らないでいると車で走行する事自体ができなくなってしまう可能性があったので、注意することに越したことはないと思いますね。走っていて周辺の様子がおかしいと思えるような事はないのに、いきなり渋滞や混雑に巻き込まれて何が何やらわからないままイライラしてしまうなんて最悪ですし。早めにそうしたトラブルが起こっていることを知るためにも、特に家などで常にテレビを付けていち早く情報に触れられる環境にない場合には、ラジオないしネット経由のラジオ配信をうまく活用して、今回のような突然のトラブルでも早めに知ることができるような体勢を取りたいと思うようになりました。