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ホンダフィット リコールのエアバッグ交換してきました

 私が現在乗っているホンダ・フィットは新しい車ではないガソリン車です。フィットと言えばハイブリッド車に多くのリコールがありましたが、今回は私の乗っているフィットにまでエアバッグ交換に関するリコールの届けがあって、昨日作業をしてもらいにホンダの最寄りのディーラーへ行ってきました。

 以前このことについて紹介したのは2015年11月の終わりで、その時にすぐディーラーへ電話したところ、まだ部品が入ってくるめどが全く立たず、電話を掛けた時点では年内での作業は無理だということを言われていました。問い合わせたのはかなり早い段階だったにも関わらず、実際の作業にかかるまで3ヶ月もの期間待たされたということになります。ホンダ全体でもものすごい多いリコール対象車があるということなので、ご自分の車がリコール対象車になっていてまだホンダに連絡していない方がいたら、早めの連絡をおすすめします。

 今回の作業の内容は、運転席と助手席のエアバッグ交換で、作業時間は1時間だと言われていました。ただ、他に作業をしている車が無いこともあってか、私の車の作業はだいたい30分で終わり、書類にサインをしてそのまま帰ってきました。

 終わってみれば実に簡単に済んでしまったわけですが、この作業が終わる前に、もしエアバッグが開くぐらいの事故を起こしたり後ろから追突されてしまったとしたら、事故そのもので怪我をする危険性はもちろん、古いエアバッグから飛び散った部品で更なる怪我をする危険性もあります。そういう意味では、もっと早くに部品を揃えて作業までやって欲しかったですが、これでまず、車の構造上における不安は一つ消えたことでまあ良しとしましょう。

 最初にアメリカで起きた日本製のエアバッグの問題は、様々な車種においてリコールの届出がなされています。ホンダ車に限らず、交換の作業が必要になるケースもあるかも知れません。

 このブログをお読みの方はインターネットに接続できる環境にあると思いますので、時間がありましたら車の中に入っている車検証を見ながら車のメーカーのホームページにアクセスし、まだ行なわれていないリコール対象の作業がないかどうかどうか確かめてみて下さい。これから春の行楽シーズンになりますので、自分の車に対して不安な点を残したまま長距離を走る旅に出てしまうことのないように、今のうちに調べることだけはやっておきましょう。


フォードの日本撤退について

 フォードといえば世界ではじめて自動車を作ったアメリカの会社です。日本との関わりということで言えば、マツダと提携して小型車にも進出し、私自身も一時期「フェスティバ・キャンバストップ」という天井がオープンになる車に乗っていたことがあります。しかし近年はそうした提携も解消し、米国で売り出している車をそのまま売るようになったことで売上が低迷したのでしょう。先日の日本からの撤退を発表することになったのだと思います。

 それにしても、従業員を全て解雇するというのはアメリカらしいビジネスライクな撤退の仕方だと思いますね。フォードとは離れますが、近所にパソコン販売のGatewayの販売店が撤退する時も普通に営業していた次の日にはもぬけの殻になっていたような撤退の早さが印象に残っていますが、果たしてフォードは本当に売れないのかという疑問があるのですね。

 というのも、このブログは車中泊のブログなので、様々な車中泊スタイルがある中で、かなり高額なキャンピング仕様車がそこそこ売れているという「車中泊ブーム」の話があった時、それこそ大きなキャンピングカーやキャンピングトレーラーを持っているアメリカのメーカーが攻勢を仕掛けてくるのではないかと思いました。元々日本人がキャンピングカーにおいてもコンパクトなものを求めるという傾向はあるにしても、一定の割合で豪華なフォードのキャンピングカーを好む層も少なくないと思ったのですが。

 例えば大人2人程度での車中泊でも、うなぎの寝床のような国産軽キャンパーで満足できる人がいる反面、旅の時だけでなく家の代わりに大型キャンピングカーを購入していざという時には家ごと移動していまうようなライフスタイルを取る人も出てきておかしくないようなところもあります。これは高級車路線とも違います。高くても車内空間で過ごしやすいものならお金を出して購入する人たちは日本でもいると思えます。

 まあ、今までフォードの車に乗っていた人以外はそうショックではないかも知れませんが、フォード車のユーザーにとっては車を購入する際に説明してくれたセールスの方や、車検や修理などでお世話になったディーラーのメカニックさんとの関係が切れてしまうことはかなりのショックになるでしょう。このような撤退劇の中で再度日本に上陸するかどうかはわかりませんが、もし何かの拍子でフォードが再度日本に来ることがあったとしても、私がもうGatewayのパソコンを買う気がないのと同じように、今のフォードユーザーは車やメーカーへの思い入れがなければ再び買う気にはならないのではないかと思います。

 というわけで、今後中古のキャンピングカーを購入する場合、今後フォード自体からのアフターサービスが受けられる拠点はないと思った方がいいと思いますので、安く売られていた場合でもこうした状況については十分理解した上で購入するかどうか決めるようにしましょう。


ダイハツWAKEのコマーシャルに「車中泊」が

 新たに販売が開始される前から、軽自動車の車中泊しやすい車として最高レベルにあるのではないかと思っていたダイハツWAKEに、新バージョンのコマーシャルが流れています。お兄さんは軽トラに三角テントを建て(^^;)、新たに出てきた兄弟のお父さんは何と同じ軽トラでもカプセルホテルのユニットを載せてきました。まだ未見の方はYouTubeのリンクからどうぞ。

 車から出ず、しかもシートを倒すだけで二名が十分に寝られるスペースを有するWAKEが素晴らしいことはこのコマーシャルから十分にわかります。ただ軽トラの上にいろんなものを載せることで寝られる車を作る方がバカバカしくても個人的には好きだったりします。

 コマーシャルを作った人の狙いとしては、弟の乗るWAKEは何でもスマートにできるのに比べ、兄や父が同じことをしようとしてもどうにも貧乏くさくなることで、新しく出てWAKEという車の魅力を際立たせたいというところがあるのでしょう。もちろん、普段の使用と車中泊の旅の両方に使えて見映えもいいという点においてはWAKEやN-BOX+あたりが軽自動車の中ではベストバイで、車中泊ならWAKEというのがセールスポイントになるのはわかります。

 しかし、これはN-BOX+でも同じ問題があるのですが、就寝スペースを確保したまま運転できる空間を確保するのには荷物の移動が必要になるでしょうし、運転席回りをそのままにしたまますぐに寝られる、カプセルホテルユニットを積んだ軽トラというのはなかなか面白いのではと、コマーシャル製作側が単にネタとして出してきたものにちょっと食いついてしまったわけです。

 ただ、コマーシャルにあったものをそのまま使う場合、カプセルホテルユニットはそのまま載せると微妙に荷台からはみ出してしまっているので、あれを載せたままで長距離移動するのは大変だと思います(^^;)。テントの方なら走行中は畳んで仕舞えばいいので何とかなるでしょうが。

 今でも軽トラをベースにして、その上にキャンピングカーにするユニットを付けた上で販売しているものはあるので、単に1人用の小さなスペースを追加するだけの安いキャンピングカー用のユニットがあれば、災害用のシェルターとして持っておきたいような人も出てくるのではないでしょうか。今の軽キャンピングカーは新車で200万円前後しますし、極力載せるものを小さく寝るだけに限定したものが安く出てくれば、それはそれで面白いのではないかなと思ったりもするのです。そうなると元のコマーシャルを作った人の意図とは全くかけ離れてしまうのですが(^^;)、例えば、すでに生産が打ち切られたダイハツの「ミゼット」にカプセルホテルユニットを積んだものが出てきたら棺桶とか言われそうですが、一人でふらっとどこにでも行けそうな車になりそうで今乗っている車に買い足してもいいかなとすら思ったりします。


キーレス車の憂鬱

 先日、知人からキーレスの動作がうまくいかず、電池を替えても同じだったという相談を受けました。基本的に電池を替えても動かないということになると、キーレス装置自体が駄目という可能性もあり、もしキーレス装置自体を交換ということになったら万単位の出費となりかなり年末年始の物入りの時期には避けてほしいとらぶるになってしまいます。
 一つの可能性としてある、以前も紹介したことですが、前後左右のドアだけでなく、後部ドアが完全に閉まっていない場合、キーロックシステムの問題でロックがかからないのでその点について半ドアになっていないか全てのドアを確認しましたがそれも問題なく、いよいよキーレス本体の問題かと思ったのですが、よくよくキーレスの様子を見たら一つ思い当たることがありました。
 念のため、入れ替えた電池はどの電池を使ったか聞いたところ、型番の間違いこそはありませんでしたが、かなり前に買って保管しておいたものをそのまま使って交換したとのこと。というのも、私が見たキーレス本体はボタンを押すと赤く光るようになっており、この光り方が電池を換えたばかりにしてはやけに弱々しいと思ったのです。
 早速、念のために100円ショップのノンブランドの製品ではなく、電器店で日本製の電池を買ってきまして、入れ替えたところランプも赤々と付き、キーレスも全く問題ない状態で復活したのでした。
 私自身、普段から利用しているボタン電池の種類についてはもしもの時のためにスペアを用意しているのですが、そのスペアの電池自体が長期保存の結果電圧が弱くなってしまうこともあるという当然なことを思い出させてくれた今回の話でした(^^;)。
 ちなみに、私の車は単にドアをキーレスで開閉するだけなので電池が切れてもそうすぐに影響はありませんが、今の車はキー自体がなく、ボタンでエンジンをかけるものが普通になってきました。これは今回のトラブルとは外れますが、もしこのボタン周辺のトラブルが生じた時にはエンジン自体を回すことすらできなくなってしまうわけで、せめて従来の鍵穴を入れて回すことでエンジンを掛けることのできる仕組みを残した(普段はキーを差し込まずに回すだけでエンジンがかかるものがあります)方式を採用しているメーカーのキーレス車の方が安心なのだろうかと思ったりもしますね。

ドアミラーのない車が発売される?

 車を運転していて、事故を起こさないためには前だけでなく後方への注意も常にしていなければなりません。ただ、人間は後ろに目は付いていないわけですから、何とかして後ろを見るための工夫が必要になります。

 そのためにあるのがルームミラーでありサイドミラーであるわけですが、来年にはサイドミラー(ドアミラー)を設置しなくても公道を走れるように国の規制が変わるのだとか。というのも、かなり前から運転席からミラーを使っても決して見ることのできない死角をカバーするようなバックモニターがあり、同じように左右の後方を見られるモニターを追加することでドアミラーのない車が出てくる可能性があるのだそうです。

 すでに自動運転のシステムが話題になる中、大した変更ではないとも思えますが、前方はともかく後方については目視で確認できないというのは不安になるという人も多いでしょう。ドアミラーの出っ張りを無くすことで空気抵抗を無くし、さらなる燃費性能向上にも期待ができるという話もあり、いい事ずくめのような話ではあるのですが、果たしてどうなのでしょうか。

 新しいシステムを付ける場合、どうしても車体価格に跳ね返ってきますし、電気的に動くモニタに映すわけですから何らかの故障あるいは故意にカメラ部分が破損されるなどしてモニタが消えたらその時点で公道を走ることができなくなる車になってしまう恐れも出てきます。以前に、同様に燃費のカタログ数値を上げるためにスペアタイヤのない車が増えてきていることを紹介したことがありましたが、それらの車がパンクした場合、付属のタイヤ修理剤が効かないパンクの場合は、ロードサービスでは対応ができず、レッカー車でパンク修理のできる場所まで移動させるしかなくなります。

 このように、何も問題がなければ今より便利になるものでも、いざ何か問題が起きた時に走ることができなくなる車というのは、市街地走行には便利でも、状況によってどこに行くかわからない車中泊の旅に利用するにはちょっと不安ですね。こうした車に乗る場合は、スペアタイヤがなければどこかに一個積んでおき、ルームミラーは真後ろだけでなく左右の後ろも見られる幅の広いものを用意しておいた方がいいかも知れません。もっとも、そのルームミラーだけで運転しているのがわかった場合どうなるかはわかりませんが、緊急避難的には使えるのではないでしょうか。


ホンダのリコールは相当広い範囲か

 先日、ホンダから手紙が届きまして、中を開けたら案の上というか私の乗っているGD1のフィットに搭載されているエアバッグの部品の交換についてのリコール通知でした。中の部品は古い車であればあるほど劣化している恐れがあるので、早速最寄りのディーラーに電話したのですが、なかなかすごいことになっているようです。

 ここのところ聞かれるニュースでは、ホンダはタカタ製のエアバッグを今後は使わない予定があるという動向だそうで、そうなるといろんなところに影響が出てきそうです。車のオーナーとして恐いのは、もしエアバッグが開くような事故があった場合、今までは開いたところに頭を突っ込むようにして安全をはかれば良かったのが、とりあえずリコールの作業を受けるまではエアバッグが開く際に金属片が体に突き刺さる可能性が0ではないということです。

 ちなみに、電話して聞いた話ですと予想はしていましたが交換部品の調達がすぐにはできないとのことで、2015年11月下旬現在では具体的な作業日を特定することは無理で、まずは作業の予約という形にして部品が入ったら連絡をもらえることになりました。

 部品はいつになったら来るかと聞いたところ、もしかすると年明けにずれ込む場合があるからと言われました。普通に行けは間違いなく来年にならないと作業ができない場合があるということがわかりましたので、この冬は遠出も乱暴な運転も控えつつ、作業ができるという連絡を待つしかなさそうです。

 これがまだ車種が限られていれば早く作業もできるでしょうに、エアバッグはどの車にも付いていますから、同時期の車は軒並みリコール対象になるのかなとも思えます。同じようにホンダからリコールの通知が来た方は、まずは最寄りのディーラーに連絡を取り、作業の予約を完了させることをおすすめします。ただ、この作業を済ませれば、しばらくはエアバッグの不具合を気にすることなく車に乗ることができるでしょう。


給油口を開ける手段も様々

 先日、ちょっと知り合いの車を借りることになり、使わせてもらったお礼にガソリンを満タンにして返そうとスタンドに寄りました。で、給油口を開けようと開くレバーを探したのですが、どこにもないことに気付きました。

 運の悪いことにスタンドはセルフだったのですぐに従業員の方は来ず、しばらく本気になって探したのですがどうにもならず、スタンドの方に聞いたところ、この車は元々給油口を開けるレバーはない車ですと言われてしまいました(^^;)。

 試しに手で給油口の端の方を押すような形で開けてみると問題なく開きました。簡単に開いて大丈夫かと思われる方もいるかも知れませんが、車にロックをかけると給油口もロックされる仕組みになっているようです。車はL150Sのダイハツ・ムーヴでしたが、実は良く考えれば今私の乗っているホンダ・フィットも同じ仕組みで何の疑問もなく直接給油口を手で開けていたのに、車が変わっただけでパニックになってしまった自分がとても恥ずかしいです(^^;)。

 人の車を借りる機会というのはそうそうはないかも知れませんが、旅行の移動手段としてレンタカーを使う場合は、給油口が左右どちらにあるかということと、どうやって給油口を開けるかということはしっかり確認しておかないと、今回の私のような醜態をさらすことになってしまうかも知れません。


自動運転車の報道からわかること その3 自動運転車の普及が「車離れ」の原因になる?

 自動運転車が実現した際の影響についていろいろ考えてきましたが、とりあえず今回で一区切りとします。一般の方にはすぐには自動運転車の恩恵は受けられないかも知れませんが、自家用車として持つものとは別に、公共交通機関として注目されています。

 というのも、過疎地での路線バスは最近では路線の維持が難しく、特に高齢者の足が無くなるという問題が深刻になってきています。本数が少なくなるのは人材が不足しているからとも言われているので、そこに自動運転車を導入すればそれなりにコミュニティバスの本数を維持できるのではないかということで研究を重ねているところも少なくありません。

 山の中などで集落のある所から買い物ができたり病院に行けるようなルートが整備されれば、過疎化の問題にも一つの光明が差すだけでなく、旅行をする人にとっても朗報になるでしょう。テレビ東京の路線バスの旅を見ていて、年々路線バスの本数や路線そのものが無くなっていくことを感じていますが、自動運転という技術の発達で、また地方の公共交通が戻ってきてくれると電車とバスで行けるところが増えるわけで、過疎地であっても多くの人を呼べることにもなるかも知れません。

 ただし、首都圏を中心に自動車の運転免許も取らず、車も買わない若い人が増加する中、自動運転で増加するバスのおかげで、さらに車の売り上げが落ちるという可能性も出てきます。若い人だけでなく長時間の運転はしんどいと感じるようになった中高年の人たちにおいても、電車とバスを乗り継いで今よりもいろんな所に行けるようになるのなら、あえて自動車を持つ必要はないと考える方も出て来ることはありそうです。

 今後、政府の行なう経済政策によって生活が安定し、多くの人が自動運転車が購入できるだけの豊かさを享受できるならいいのですが、そうでなければ自動運転車の普及が自動車自体の消費意欲を消してしまうという自動車メーカーにとっては自分で自分の首を締めるような事になるかも知れませんので、そういう観点での検討も必要になってくるでしょうね。


自動運転車の報道からわかること その2 車自体がネット接続必須になる予感

 車を自動運転させるためには単に車自体の装備を整えるだけではダメなのだそうです。というのも、あらゆる情報を入手するためには正確な道路の情報を入手する必要があるということで、現状のカーナビよりもさらに高精度の地図を用意する必要があるのだとか。

 ただそのことで、様々な問題があることもわかってきています。各自動車メーカーが独自に開発している状態で、地図の仕様もばらばらになっていると、以前に起こったビデオの規格問題のような事が起こったら、国内で争っている間に世間規格を海外のメーカーに取られてしまう可能性があるということで、自動運転用の地図の規格を揃えるような方向で調整しているそうですが、すんなりとまとまることが大切なので、関係各位の努力をお願いしたいものです。

 地図の問題がクリアになったという前提で考えていくと、今でもカーナビ用の地図は完成するということはなく、新しく建物が立ったり道ができたりするにつけ、修正が必要になってくるわけですが、自動運転の場合は修正しないでそのままにしておくことはまずできません。例えば行き止まりになった道が伸びたり、直進道路に行差点ができたらその分飛び出しの危険が増すからです。

 となると、自動運転車の地図の更新はディスクドライブで提供されるのではなく、インターネットで即時更新というやり方でなければ常に最新とはいかなくなります。これは予想でもなんでもなく、常時インターネット接続で膨大な自動運転用の地図データの更新をしながら走るようなものになることになるのは確実でしょう。そうなれば、自動車メーカーが主導する通信サービスへの加入がなければ自動運転はできず、通信サービスについて毎月利用料がかかることは理解しなければならないでしょう。

 車に常時つながっているインターネットが実装されるようになれば、自動運転だけでなく24時間の自己警備が可能になり、窃盗やいたずら、当て逃げの被害にあった場合でも犯人の特定が可能になると思いますが、その分バッテリーが大型化し、車の価格にも反映されるでしょう。あと、通信サービスでどの程度の料金がかかるかというのも気になります。いわゆる7GB制限のあるデータ通信では長い距離を走れば走るほど早くデータを消費してしまい、地図のダウンロードができなくなる可能性もあるので、MVNOのSIMが使えれば節約はできますが、自動車メーカーの提供するSIMしか使えなくなると、必要以上に高いコストを支払わなければならなくなる状況も出てくるかも知れません。

 インターネット常時接続の端末のもう一つの恐さは、以前にも紹介しましたが、常にハッキングされる危険と背中合わせであるということです。独自システムの穴を見付けられ、内部に侵入されれば、車で操作できることは全て外のパソコンから操作できることになるため、自動運転モードに入っているものを急にマニュアル運転モードに切り替えられるような事があれば、事故を誘発できます。さらに恐しいところは、自動車自体を凶器としてテロの道具として使われはしないかということもありますね。こういう題材は映画などで出てきそうですが、自動運転車が当り前に走るようになるためには、このような問題をひとつひとつクリアにしていくことが必要になり、改めて大変な仕事だと思えます。


自動運転車の報道からわかること その1 開発パターンは2種類ある

 今週は東京モーターショーがあるということもあってか、2020年という東京オリンピックの年がターニングポイントのように国内の車のメーカーがこぞって自動運転車を開発し、試作車を発表しているようです。

 そんな中、あくまでモーターショーというのは次世代におけるコンセプトカーを示すためにとハンドルがなく運転者もいらないような車を出しているメーカーもある中、日本の自動車メーカーの多くは市販するまでに期限を設定し、具体的なスケジュールの中で動き始めている印象です。ですから、同じ「自動運転車」と言っても2種類のものがあるということを把握しておくことが大事でしょう。

 自動車メーカーではないグーグルが提案する車は、車自体が全てを判断して目的地まで連れて行ってくれるような車を出すことを想定しています。そうなれば車の中で好きなことをしながらいるだけでいいわけで確かにすごいと思いますが、車自体にバグがないかというような技術的な問題点とは別に、こうした車を高速道や一般道で走らせるためには大きな問題があることも確かです。

 それは、交通違反をした場合や事故を起こした場合に誰がその費用を払うかということが解決されなければ、ハンドルのない自動運転車は、公道を走ることについての認可が下りないだろうと予想できます。例えばグーグルが出す車について、その車がナンバーを取って走っている限り、車自体の不具合によって賠償責任を伴う事故を起こしたり、スピード違反などの交通違反をした場合の反則金をグーグルが全額出してくれるなら近いうちに夢の車が実現するかも知れませんが、さすがにそこまでグーグルが責任を持つとは言わないでしょう。普通のパソコンと車との決定的な違いは、車は走る凶器にもなり得るというところがあるので、実現するまでには非常に多くの問題を解決しなければ公道は走れないでしょう。専用道路を巡回するような形でなら今の技術でも何とかなりそうで、いわゆる過疎地域での住民の足として使えないこともないでしょうが、それには道路といえども専用線を整備するコストもかかります。

 それとは違い、多くの日本メーカーが競っている自動運転車というのは、基本的にはハンドルなど今までの車に付いているものは全てそろっていて、あくまで人間の運転をアシストするという形になっています。そうは言ってもマニュアルモード(従来の運転と同じ)から自動運転モードに切り替えると、全くハンドルやアクセルから手と足を離しても車が動くところまで実験ではできています。

 ただし、そうは言っても事故を起こした責任は運転者にふりかかってくるようにしないと、公道を走るための許可は得られないでしょうから、自動運転時にやることがないからと他の事をやったり居眠りをするというのは、もし何かあった場合を考えると恐いですね。まだ何も決まっていない時に言えることではないでしょうが、大事故が自動運転時に起きたとして、その責任が車自体にあるということをメーカーがすぐに認めてくれればいいでしょうが、素直に認めてくれなかった場合には、状況にもよりますが裁判になって大変な事になる可能性も今のままではあります。それでも、運転者の目だけでなく車自体の過池やレーダーによって今までよりも事故自体は減っていくでしょうから、自動車保険は無くなりはしないにしても、安くなる可能性はあります。個人的には自動運転車というよりも、この「運転アシスト」という機能を全面に押し出して、リコールがかかる重大な欠陥以外の事故は個人の責任で解決するという今までのやり方を引きついで車と付き合っていくのが無難だと思いますね。

 あとはどの程度の価格で自動運転が可能な車が売られるかというのが問題でしょう。また、未来の車ということで言えば、電気自動車や水素自動車といったような環境に配慮した車と比べた場合にどうなるのかということもあります。自動運転機能を電気自動車や水素自動車にしか付けないという販売戦略も考えられますし、一つ言えることは、よほど車が好きかお金が余っているのでもない限りは、現状ではあせって水素自動車はすぐには買わずに自動運転車の動向を注目した方がいいということでしょうか。