ネットを検索すると、「無料でテレビを見る方法」ということで、動画閲覧ソフトのVLCを使って日本のテレビ局リストを入手することで、東京・大阪の民放やBS放送をインターネット接続だけで見られてしまうという方法について解説しているサイトが見付かります。
実は、私が入れているLinux Mintには日本だけでなく世界中のテレビがネット経由で見られてしまうソフトがプリインストールされており、日本国内のテレビも少し前までは見ることができていました。それはそれでありがたいとは思っていたのですが、普通に考えても日本の著作権法に抵触するような仕組みなので、ここで大々的に紹介しようとは思わなかったのですが、たまたまXを見ていて、この仕組みが突然利用できなくなっていることを知りました。これを書いている現在、全編CMとも言うべきQVCのようなチャンネルは見ることができるものの、普通の放送については今までのように見ることができなくなっています。
ネットで以前見たこのサービスについての発言で、「もうテレビは要らない」というような意見も見たのですが、ネットサービスは今まで便利に使っていたものが突然使えなくなることは当り前のように起こります。スマホで写真を撮ったものが無制限に保存できると評判になった「Googleフォト」の現状を見ると、こうしたアオリをまともに受けて使うのは止めた方が良いと思うようになって、それは今のネットの使い方にも影響を与えています。
ネットだけでテレビが見られるというサービスを私がそこまで使わなかったのにはある理由があります。今までは一放送局が一つのチャンネルで一つの番組を放送することが常識でしたが、現在はスポーツ中継を中心に、サブチャンネルという仕組みで通常の放送を流しながら、延長した中継をサブチャンネルで継続して放送することが当り前になっています。現在行なわれているプロ野球・MLBの試合は、時間制限のない回数制なので、どうしても放送時間からはみ出すケースが多いため、終盤の緊迫した場面まで見続けるためには、一つのチャンネルだけを流すネット配信では見られないケースも多いのです。
そこで、私が手持ちのタブレットを使って自宅に設置した専用のテレビチューナーで受けた電波(地上波・BS・CS)をインターネット経由で受信しどうしても外でテレビを見たい時には活用しています。この場合は外から自宅にある専用チューナーを操作するような形になるので、地上波・BSでもサブチャンネルの受信をして外で見ることが可能になります。なおかつ、外で見ていても自宅のチューナーを使って個人で楽しんでいるだけなので、著作権上の問題も起こらず、急にこのシステムが使えなくなるということはありません。
ただ、実際にありそうなのが専用チューナー自体が古くなって専用のモバイル視聴用のアプリの開発がストップし、技術的な問題で外からの視聴に使えなくなるケースです。現在使っているチューナーの前に購入したチューナーはまさにそのパターンで、Google Playで専用アプリの公開がストップし、家の中でタブレットをモバイルTVとしてWiFi経由で使うことは可能なのですが、LTEなどのモバイル通信を使って自宅のWiFiが届かない場所での使用はできなくなってしまいました。
今のチューナーは4K対応ではないので、今後4K放送もリモート視聴できる専用チューナーが出てきたら改めての購入を考えるとは思いますが、願わくばそれまで今のチューナーが外でも利用可能であって欲しいと思います。
と、同時にこれからのテレビはある程度著作権の問題を解決して、ネット上からでも地上波・BSのメインチャンネルだけでなくサブチャンネルも一定の条件さえ整えば見られるようにしていただけるのがテレビ離れ対策にもなって良い気がするのですが。ただそれまでは、私はこうした視聴の仕方を続けると思います。最初に紹介した無料でネット経由で見られるテレビ放送についてはまた復活するかも知れませんが、どちらにしても問題を抱えたサービスであることは間違いありませんし、サブチャンネルまでは見られないので、あくまで暫定的なものと捉えながら利用するのが良いだろうと思っています。