月別アーカイブ: 2017年3月

ビジネスホテルにテレビが必要ないケースは有りか?

最近、ビジネスホテルの経営も大変だなと思ったニュースが有りました。ビジネスホテルの全国チェーンの東横インは、すでに基本的には客室に設置されたテレビ一台につき一契約ということでNHKに受信料を払っているそうなのですが、その前は全ての部屋に設置されたテレビの分ではなく、まとめていくらというような料金の払い方だったそうです。

その後、NHKの方から一室一台という風に請求されたことで、現在はその内容に納得したものの話が落ち着くまでにお互いの主張の違いから、とある期間に払った受信料が足りないとNHKが残りの受信料を請求していたのですが、その受信料の不足分をホテル側が払うべきなのかどうかという訴訟があり、東京地裁の判決ではNHK側の主張をほぼ認める形で、ホテル側に19億円(全国にあるホテルで支払う分の総額だろうと思われます)の支払いを求める判決が出たという事です。

同じような環境の変化による料金徴収の仕組みの変化というのは日本音楽著作権協会でもあって問題になりましたが、テレビを日頃から見て、さらにホテルも日常的に利用しているユーザー目線で考えると、基本的とは言え一室一台につき徴収するのはどうかとも思えます。ホテルの部屋が常に満室ならばいいのですが、そうでもない地方のホテルの分も一室一台として計算されているとしたら、素人考えながらホテルがかわいそうに思えます。

ただ、観光でない目的の人を多く泊める建前のビジネスホテルに入ってまずはテレビを付けて見入るというのは、ビジネス利用の人にとっては当り前の事で、だからこそホテル側もNHKの条件を受け入れることになったのかも知れません。ただし時代はテレビ抜きでも何とかなるように変わってもいます。東横インでは全室Wi-Fiや有線LANの利用ができるので、テレビはスピーカー付きのモニターとして使ってもテレビ放送を見るのに使わないという選択肢というのも最近は出てきたように思います。

というのも、スティック型のパソコンやChromecast、Amazon Fire TV Stickとケーブル、リモコン(パソコン利用の場合はキーボードやマウスも必要)をホテルにあるテレビに繋げばテレビをパソコンやスマホのモニターとして使ったり、AbemaTVなどのインターネット放送を部屋内のWi-Fiを利用して見ることでその日のニュースを確認したり、サッカーJリーグならDAZNをスマホでなく大きな画面で見たりと、あえて地上波やBSの番組を見るのではなく、ブロードバンドを使った動画やインターネット放送、ビデオオンデマンドの映画を見て過ごすという方がいいと思う人もこれから増えてくる可能性もあるのではないでしょうか。

個人的には、例えば部屋のテレビの代わりにパソコン用のスピーカー付きモニターを設置した部屋を作り、その部屋を選んだ場合はビデオオンデマンドを付けたりスティック型のPCとキーボードなどのセットを貸し出すとか、あえてテレビが見ない人に向けてテレビそのものを置かないかわりに、代替の付加価値を付けたサービスを選べるようにするなど、ホテル利用者の中でどのくらいの割合でテレビ放送が必要なのかを明らかにすることもできるように思います。

当然テレビが見られない部屋からは受信料を徴収することはできないわけで、今後ホテル側も受信料の負担を軽減できる可能性が出てくるのではないかと思います。個人的には事務的にこのような形でNHKが納得して受信料を安くしてくれるのかという点までは言及することができないのが申し訳ございませんが、状況が変わって全てのホテルの部屋に受信料が必要だという理屈が通るのなら、その理屈を逆手に取って地上波BSを見られない部屋を作るというのも一つのやり方ではないかと考えることもできるのではないでしょうか。

宿泊者の方としても、テレビが部屋で見ることができてしまうために、ホテルから外に出ることもなく、実際に出掛けているのにその街の様子も知らずに帰ってきてしまうのはもったいない部分もあります。もしホテルの方からテレビ自体が置かれていない代わりに少し安かったり、部屋代の割引が難しい場合にお得なクーポン券をプレゼントしてくれる部屋があったとしたら、あえてテレビのない部屋に泊まってホテル外をぶらつくだけでも、テレビ以上の楽しみがあるかも知れませんし、そういった時間の過ごし方を計画しながら旅を楽しむのもいいでしょう。

今後もし受信料の支払いのためにルームチャージが上がるというのなら、昔懐かしいコイン式のテレビ装置などを付けることも含め、テレビのない部屋というのも実験的に作ってみて欲しい気がします。


銀行の金利よりも手数料を気にしよう

もうすぐ3月も終わり、4月から新年度になります。生活そのものの環境が変わる方も多くいるでしょうし、転居届を出して今まで住んだことのない土地に引っこすような時、新たに銀行口座を作る場合もあるでしょう。

私は地元の地方銀行をメインに口座を持っているのですが、学生の頃はまだクレジットカードも持てず、ネットもない時代だったので、田舎に行けば行くほど都市銀行はおろか地方銀行の支店など見付けられるわけがなく、旅先でもし旅費が尽きた時のために郵貯の「ぱるる」通帳(実際はキャッシュカード)を持って行きました。

これなら全国どこでも郵便局がありますし、同じ「ぱるる」の口座から振り込む場合にはそう手数料も掛からないので、かなり日本中を回っている時には重宝しました。しかし時は流れ、郵便局の業務の一部をコンビニエンスストアが行なうなんて話もある現代は、都市銀行のカードでもコンビニのATMからお金を下ろすことができるようになっています。

もっとも、あえてお金を下ろさなくてもクレジット決済をしたり電子マネーを使った方が手数料がかからないので、基本的にはコンビニで使える決済手段を持っておけば何とかなるとも言えます。

ただしそれでも銀行口座を持つ意味というのはあり、どうしても銀行でしか決済できないような場合は、コンビニに走りそこでお金を下ろすこともあるかも知れません。私がそうした用途で持っているのは24時間ATMからの入金出金の手数料が無料の新生銀行のカードです。メインに使っていない場合でも、事前に現金を新生銀行の口座に入金してから出掛ければ、たとえ夜中であっても出金に対しての手数料は掛かりませんから、手数料をわざわざ払う事もなくなります。他にも同様に手数料がかからない銀行がありますので、お好みで持っていると何かと便利です。

こう書くと、細かい事にこだわってと笑われるかも知れませんが、急に現金が必要になる事は旅先だけとは限りません。日常生活の中でも急に現金が必要になった時、手数料がかかっても仕方ないと地銀や都市銀行から手数料を取られても出すことが続けば、もしある程度のまとまった資金を定期預金にしておいたとしても、その利息より多くの手数料を銀行に払ってしまうことになるかも知れません。

というわけで、実際どのくらいの現金が必要になる場面があるかというのは微妙ですが、ある程度は現金を分けて入金しておき、平日の昼間に利用する銀行と、土日休日や夜間から深夜にかけて利用する銀行を分けるだけでも余分な手数料の節約になります。

あと、最初に書きましたゆうちょ銀行の口座も解約しないで残しておくことをおすすめします。実は先日、必要に迫られて楽天銀行の口座を開いたのですが、この銀行の手数料というのはちょっと特殊で、ATMからの入金・出金にはちょっとくせがあることが後になってわかってきました。

出金については口座残高が10万円以下の場合には必ず手数料がかかるのですが、入金についても少額の入金については手数料がかかるようになっています。具体的には3万円以上入金しないと手数料は0円にはならないという、ちょっと勘弁してくれと思うような(^^;)仕組みです。しかしこの楽天銀行では、ある方法を使って入金すると手数料がかからないようにできます。それが、「ゆうちょ銀行本人名義口座からの入金」です。

楽天銀行の口座名義と同じ名前で口座登録してあるゆうちょ銀行の口座があれば、手数料無料で入金できるのです。つまり、手持ちの現金が3万円未満の場合、直接ATMから入金せず、いったん現金をゆうちょ銀行の口座に入れて、ネットバンキングから入金の手続きをすれば、即時入金とはならないもののお金がゆうちょ銀行から楽天銀行に移ります。

ただし、その場合楽天銀行から郵送で書類が届き、その書類にゆうちょ銀行の口座届出印を捺印して送り返して認証を受ける必要があるので、もしどちらかの口座を持っていたら早めにもう一つの口座を開き、手続きをしておけば「楽天銀行デビットカード」を利用するような場合、数千円単位での入金でも手数料を掛けずに必要に応じて口座に現金をチャージできるようになるというわけです。楽天銀行を利用することで楽天ポイントが入ったり、クリックするだけで月/数十円が口座に振り込まれる「現金プレゼント」のような面白い制度があるのですが、そうして細々と貯めたポイントや現金を手数料であらかた持って行かれるのはちょっとと思われる方は、様々なやり方で手数料を支払わないような道を見付けることも大事です。

一円を笑うものは一円に泣くと言いますが、端数の金額を大切にしないとなかなかお金はたまっていかないということもあるかも知れません。今使っている銀行の手数料が高いと思われている方は、もしかしたらいつも払っている手数料が無料になるかも知れないので、ぜひ他の銀行のサービスにも目を向けてみるというのはいかがでしょうか。


スマホを持っている外国人とのコミュニケーションに一工夫

2020年の東京オリンピックを目指して、様々な影響が考えられますが、個人的に心配なことは今後多くやって来るであろう外国人観光客と会って道や観光情報を聞かれても、すぐに流暢な言葉でやり取りすることは難しいと思う人が多いのではないかということです。

私自身まだスマホなどない時期に単身で国内を回って旅をしている時、外国人の旅行者に多く会いましたが、英語を母国語としていない国の人でも、ほぼ英語を向こうが喋ってくるので、過去の英語学習の事を思い出しながらコミュニケーションを取った事が思い出されます。その際、英語がそれほどできなくてもボディーランゲージで何とかはなるものの、細かいニュアンスについてはうまく伝わらない事もありました。しかしいつ会うかわからない人のために語学を勉強するというのはなかなかモチベーションが保てないということはあります。

それでも、時代とともに過去と現代を比べると海外からやってくる旅行者は自らコミュニケーションの図れるツールを持ち歩いている事が増えています。それは今さら言うこともないでしょうがスマホなのです。

海外の人と日本の人では使うアプリも違ってくるでしょう。海外にいる家族と話すためのアプリとして「Skype」を使っている外国人をテレビを見ているとよく見受けることがありますが、日本人同士では無料通話を含めて「LINE」を使う人の方が多いのではないかと思います。

実はLINEの機能の中にはこうした海外からやってきた外国人旅行者とのコミュニケーションを意識したものがあります。「LINE英語通訳」「LINE中国語通訳」「LINE韓国語通訳」の中で利用したい言語のものを友だち登録すると、トークで送信した日本語をそれぞれの言葉に通訳してくれます。逆ももちろん可能なので、道で出くわした人からいきなり英語で話し掛けられた場合、一部筆談を交えてこの通訳機能を使えば、多少の機械翻訳のぎこちなさが残るかとは思いますが、全く外国語がわからずにあたふたしているよりはましでしょう。

もちろんアプリにも外国語を日本語に翻訳してくれるものはありますが、多く入っているアプリの中からすぐにそのアプリを探し出すことはなかなか難しく、スマホの容量の問題とかも考えると、LINEからすぐに呼び出せる通訳の方が実際問題使う事が増えるのではないかと思います。ただ、この話はこれだけではありません。

もしその外国人と言葉は通じないながらも意気投合して連絡先を取りかわした場合、どうせならその方のスマホにLINEアプリをインストールしてもらい、本人確認はfacebookのアカウントでやってもらうことができれば、あなたと外国の方がLINEのトークでやり取りができるようになります。ただ、これだけだと日本語と英語(中国語や韓国語の場合も当然あります)のやり取りになってしまって大変なので、ここで一工夫します。

というのも、自分と相手の参加するグループラインを作り、その参加者として「LINE英語通訳」を招待するのです。招待すればすぐにメンバーになり、お互いがお互いの言語で送信した内容を日本語と英語に通訳してくれるので、リアルタイムでのトークがグループライン上で可能になるのです。

新たにグループラインを作らなくても、すでに作っているグループラインに知り合った外国人とLINE英語通訳を同時に参加させることで、グループトークが可能になるので、もし現地で意気投合して友人になったような場合、その方が母国に帰られてからもコミュニケーションを続けることも可能になります。

また、こうした文字のやり取りを続ければ続けるほど、短い言葉にはなるものの、喋るような感じで相手が生きた英語を送信してくると思いますので、機械翻訳の日本語に満足できない場合にはそこから改めて勉強することで、生きたSNSメッセージ用の英語を学ぶための教材として活用することも可能になるでしょう。

今までは国内で海外の人とのコミュニケーション方法について紹介してきましたが、自分が海外に行く場合でも、現地で自分のスマホが使えるようにSIMフリースマホを使って海外の空港でデータ通信専用のSIMに入れ替えて開通すれば、日本国内だけでなく海外でのコミュニケーションツールとしても便利に使えるようになります。今後、さらにマイナーな言語でも使える公式アプリが出てくるようになると、さらに便利に多くの人とつながることができるようになると思うので、LINE本社にはぜひ頑張っていただいて(^^;)、低スペックのスマホ一台で海外旅行の通訳も何とかなるようにして欲しいものです。


Amazonセールやクーポン利用について心掛けたいこと

このブログでは具体的な商品を紹介する場合、直接アマゾンの商品ベージに飛ぶリンクを付けている時があります。アマゾンへのリンクを付けているのは、他の買い物サイトと違い、アマゾンの商品というのは生産終了後であっても業者や個人が同じ商品(新品も中古品も混ざってはいますが)を出品することで、出品者が付けた価格で販売が継続されるという特徴があります。

そのような「定価」ではない出品者が値付けをした金額自体は、一般的な中古市場価格を必ずしも反映はしないのですが、クリックすれば即座に買えてしまうので、どうしてもすぐ手に入れたいと思う人には一部ありがたいこともある仕様になっています。

ただ、今回はそうした仕様のおかげで落ち込んでしまいかねない「安売」「セール」「割引」についての注意点について紹介させていただこうかと思います。というのもこんな事を書いている私自身がその落とし穴にはまりそうについ先日なってしまったので、十分気を付けてほしいということを、自サイトからアマゾンの商品ベージにリンクを貼らせていただいている立場からの紹介です。

まず、私自身のケースについて、今回こんな事を書く気になった顛末を書きます。たまたまネットでの安売り情報の載ったサイトを見ていて、前から購入しようかなと思っていた家庭雑貨が、レジに入れると期間限定の50%オフで購入できるという情報に行きあたりました。アマゾンでの価格が15,000円くらいのものなので、半額なら7,500円となり、こんな価格ではとても普通には買えないものだっただけに、かなり色めき立ちました。

リンク先の商品の価格が、安売リ情報サイトで書かれている価格と同じであることと、アマゾンプライム向けのマークが付いていることを確認し、在庫が「残り一点」となっていたことから、購入へ向けて進んで行きました。カートに商品を入れてクレジットカードの番号まで入力し、さあいよいよ購入決定という段階にまでたどり着いたのですが、そこで表示されている金額は最初の表示のまま変わらず、普通なら最後まで行けば金額も半額になった価額の表示になるのになと思いながら、このまま「注文を確定する」ボタンを押してしまおうかと思ったのですがここで何とか踏みとどまることができました。

というのも、過去に同じようなセールで購入した際に注文確定前にちゃんと割引かれた金額に変わっていたのに対し、今回の最終画面では最後まで金額が変わっていない事が心の片隅にひっかかっていたからです。もしかしたらこのセールでは、注文が確定した後に半額で決済されるのではないかとも思ったのですが、もう一度気を落ち着けて商品をカートに入れたまま、改めて私が買おうとしている商品についての説明を読んでみたのですが、実は一つ読み飛ばしていた所がありました。

今回の商品についていた価格は情報サイトで見た価格と同じで、さらにプライムマーク(プライム会員は送料無料)も付いていましたが、実は注文しようとしていたものは、アマゾンが提供から配送まで全てを取り扱う商品ではなく、マーケットプレイスに出品した業者が出品したものでした。しかし、この業者は商品を直接送るのでなくアマゾンを経由して送るという方法になっていました。

結論から言うと在庫表示の下のところに「この商品は、○○○ が販売、Amazon.co.jp が発送します。」と今回書いてあったのですが、この状態でプライム会員マークが付いていれば、その商品はアマゾンが提供したものでなくても、すぐに発送されたり送料が無料になるプライム会員特典はそのまま付きますが、アマゾンの行なうキャンペーンの対象にはなりません。

マーケットプレイスでの出品の中には「出品者からお求めいただけます。」との表示があるものもあるのでわかりやすいですが、今回の場合はプライム会員にはありがたいアマゾンからの発送が無料になるプライム会員特典が付いていたためか、セール対象のような誤解を受けやすいケースであると言えます。ですから、期末・ボーナス・ゴールデンウィーク・クリスマス・年末年始にあるセールや割引、クーポン利用での購入の場合は、私が途中までハマってしまったように、良く内容を見ないで注文してしまうことは避けたいものです。このページをご覧の方は、それぞれ十分に購入内容を確認してから注文することをおすすめします。

ちなみに、セール対象になる商品には「この商品は、Amazon.co.jp が販売、発送します。」との記載があります。私が商品ページを見た時には、恐らくアマゾンが販売・発送する商品は売り切れていて、同じアマゾンから送る形で出品している別業者が商品リンク先から一番最初に表示されていたので間違ってしまったのだろうと思います。

そんなわけで、セールの時期、実際に値札と現物を確認して購入できる実店鋪での購入とは違い、アマゾンのネットショッピングを利用する際には出品者に悪意はなくても、購入する際に気を付けなければならない数々の注意点がありますので、十分にその事を理解して自分はセール品を買えているのか? という観点から注文の最後のボタンを押す前に確認することを忘れないで下さい。

そんなわけで個人的には安い商品を買いそびれてしまったわけですが、今後は情報集収のスピードを早めにして、まだ材庫があるうちに注文できるような余裕を持ってセールに対していきたいと思います。ちなみにこのブログではそうしたセール情報を提供するだけのスキルはございませんので(^^;)、有名な買い物サイトの方でご覧になる方がいいのではないかと思います。


スマホを使った電子マネーはどうなっていくのか

一昨日になりますが、BSジャパンの「ケータイ30年~世界は手のひらから変わっていく~」という日本の携帯電話の歴史から今後への展望について解説した2時間番組を見ました。その中で思ったことは2つあります。

一つは、日本の携帯電話市場においてユーザーよりも大手キャリアが通信料や手数料で稼ぐビジネスモデルを確立するに従って、それまで優位に進んでいたかに見えた海外のシステムに追い付かれ、現在は必ずしも日本が世界一と誇れるものは少なくなったということと、もう一つはあえてハードによって実現が難しいような技術を使わない決済手段が普及した中国のしたたかさです。

番組では「アリペイ/Alipay(支付宝)」という電子マネーについて紹介していましたが、番組を見ていて興味を持ったのはその決済の方法でした。スマホ内で自分の持っているアリペイを決済するのに、まずスマホでQRコードを表示する画面を出し、お店側はそのQRコードを読み取ることでスムーズに支払いを行なっていたのです。これならあえてNFC機能をスマホに要求することなく、どんな低スペックのスマホでも自由に電子マネーを使えることになります。お店側にとってもそれは同じです。いちいち専用の読み取り装置をパソコンやスマホ・タブレットに繋がないと決済できないのではなく、今やどんなスマホ・タブレットにも付いているカメラにQRコードを読み込ませればそのスマホやタブレットが決済用のマシンになるわけです。

今まで日本でも多くの電子マネーがありましたが、そこまで普及していないというのは、今でもベクトルが電子マネーを使うユーザーの方ではなく、どうにかしてシェア1番を取って儲けたいという運営会社主導の動きがあるのかと疑いたくなるような、なかなかどのお店でも便利に使える電子マネーが出て来ない状況にあるのではないでしょうか。さらにそうした電子マネーが出てきたとしても、それほど裕福でないユーザーや、個人で行なっているごくごく小規模な商店でも簡単に導入および利用ができるようにしなくては日本のどこでも使えるような電子マネーの実現には結び付かないような気がします。

現代の日本では日本全国ドコモのネットワークを借りて事業をしているMVNOのSIMを使えば、月約300円から500円くらいの低コストでも最大200kbpsで通信できるシステムを使え、SIMフリーの格安のスマホやタブレットは、場合によっては1万円を切る価格で販売されています(中古白ロムで決済だけの目的に使う事しが考えないハードなら更に安く入手可能でしょう)。その程度のコストなら決済専用の端末として導入しやすいでしょうし、それ以前にネット通信可能なスマホを持っていれば、あえてハードの導入をしなくても今の負担を増やすことなく現金以外に電子マネーの決済を行なうことは物理的に可能なのです。

問題は、そうしたシステムを実現されることで既得権益を失うからと抵抗する勢力をどう説得するかでしょう。先述の中国のアリペイのようにユーザー同士の送金に手数料をなくし、お互いにアリペイを持つ人同士なら自由にお金のやり取りができるようになれば、当然今まで多額の振込手数料で潤っている銀行が反対するでしょうね(^^;)。ただ、もし今まで銀行経由で振り込んでいたものが、全て電子マネーでできるようになれば、日本のお役所はかなり助かると思いますし、納税や各種料金支払いも銀行引き落としでなく電子マネーの送金による手続きで済むなら、今まで銀行に入っていた手数料分が多く市場に流れるわけで、それだけでも経済的には良い傾向につながるのではないかとも思えます。

また、いわゆるYouTuberのようにネットからの発信をする人の生活の糧についても、今までのように広告収入に頼るだけでなく、まさに大道芸人のように見て面白いと思った人が電子マネーを送金することにより直接支援することができるようになるでしょう。この仕組みが一般化すれば、一発芸に近い動画作りだけでなく、自分の持っている「芸」をネットで発信することによって直接収入が得られることにも繋がります。経済的な点だけでなく、いわゆる芸能のジャンルだけではなく、音楽などのエンターテイメントの発信源についても、スポンサーの顔色を伺わずとも好きなことができるような状況も来ますし、誰かを援助したいと思った場合にも迅速になおかつ直接支援できるようにもなっていくでしょう。

送金額が少なくても手数料がかからなければ中間マージンをカットして、ユーザーの想いが直接援助に振り向けられますし、多くの人が同時に動けば動くほど大きな力に変わっていくので、現在の社会制度の至らない所を電子マネーが一部解決してくれるような世界も、あながちそう遠くない時期に実現できるのではないかという風にも考えることができます。

ただ、今後の日本の携帯電話の未来について考えてみるにつけ、例えばドコモで「dポイントカード」、auの「au WALLET」、ソフトバンクモバイルの「ソフトバンクカード」はそれぞれが特色があるものの、キャリアの契約に紐づけされているというところに限界があるように思います。各社がそれぞれポイントカードを作るのではなく、携帯キャリアのポイントを共通のポイントや新たな電子マネーに移行可能にすることができれば、日本でも本当にお財布代わりに電子マネーをどこでも利用できる未来が来るかも知れません。

しかし、現状のような群雄割拠が続く時期が長びけば、それぞれのプレーヤーは体力をそがれて倒れるものも出てくるでしょう。その時に満を持して海外から巨大なプレーヤーが利益を根こそぎ持って行ってしまうような未来も一方では見えてくるわけですが、その時の日本は一体どうなっているのか、もしそうなった時のことを考えるのも気が重い未来になっていないことを祈るのみです。


ガラホのLINEではLINE Payが使えない?

このブログでは私自身が活用しているところもあって主にドコモの出しているガラホ、SH-06Gおよび、SH-01Jについて紹介をしています。先日、SH-06Gの本体バージョンアップがありましたが、この端末に入れているSIMカードがデータ通信専用の「0SIM」を入れていたのでアップデートできず、他の端末に入れていたドコモ契約の通話専用SIMを入れてアップデートを完了させました。やはり、メインで使う場合はまだまだドコモでの最低限の契約は必要なようですね。

今回は、SH-06GにプリインストールされているLINEについて、残念な点を紹介します。4月1日まで「LINE桜くじ」というものを開催していて、有料(120円)で特定のスタンプを購入することで、一個のスタンプ購入につき7名の友だちに現金が当たる桜くじ付きメッセージを送ることができるようになっています。一等は何と百万円ということで自分には返ってきませんが(^^;)、私もメインのスマホで使っているLINEのアカウントでスタンプを購入し、友だちに色々送ってみたのですが、くじが余ったのでサブにと持っていたSH-06GにプリインストールされているLINEアプリのアカウントに桜くじを送りました。

残念ながら自分から自分に送ったくじは参加賞の5円でしたが(^^;)、その5円をLINE Payに登録しようとしたところ、エラーになってしまったのです。というのも、LINE Payが使えるLINEアプリはGoogle Playからダウンロードした物だけだということなので、くじから発生した5円は換金も再利用もできなくなってしまいました。しかし、そのくじがもし一等の百万円に当選していたとしたら喜びもつかの間に相当落ち込んでしまうほどのショックを受けたと思うと(^^;)、最悪の状況にならなかった事は良かったと言っていいでしょう。

というわけで、改めてガラホでLINEというのは、あまりメインにすることなく、どうしてもIDを教えてくれとせがまれた場合にのみ使うとか(^^;)、メインのアカウントと共有するような形で補助的に使うとかにとどめておいた方が無難のように思います。今後もLINEはポイントやキャッシュバックに相当するようなイベントを行なっていくと思いますので、友だちが逆に送ってくれたくじを無駄にしないためにも、スマホの方でLINEを使うようにしたいものです。

ちなみに、桜くじを送った中では自分の親に持たせていたスマホに入れたLINEアカウントで受け取ったくじが50円の当たりになってLINE Payの残高が発生したことから、郵送によるLINE Payカード(発行手数料は無料です)を申し込むことにしました(^^)。実際のところこのカードを使ってくれるかどうかもわかりませんが、親はクレジットカードを持つのが嫌いな人なので、これなら事前にチャージし残高をスマホで確認した上でJCB加盟店で使ってもらうのもいいかなと思っているのですが、果たしてこうしたカードは使われるのか、そちらの方も興味深いところです。


情報弱者が番号案内を使わずに済ますために

2017年4月から変わるものにも色々ありますが、先日NTTから連絡が来てびっくりしたのが104で提供している番号案内について、その一回の案内料金の高さでした。今までも一回200円(税込216円)だったのには驚きでしたが、4月1日からはさらに上がり、一回250円(税込270円)になるそうです。

昔は相手やお店の電話番号がわからない場合にはまず104に掛けて聞くのがデフォルトだった方も少なくないと思いますが、それは番号案内が無料で行なわれていたということがあったかと思います。今の時代、昔と同じようにわからない番号を104でいちいち調べるようなことをやると、翌月の電話料金がびっくりするくらい高くなると思いますので、個人的には止めた方がいいと思います。

今、この番号案内が話題にならないのは、スマホでデータ通信を行なっている人からすれば、目的となる電話番号はネット検索を使って調べればいいということがあります。問題になるのがその場でネット検索が使えないガラケーのみの契約をしている人になるでしょう。特にこのブログを読んでいる人の年代からすると自分の父母や祖母の年代の人がガラケーを使っている中で電話番号を調べたいと思った時、104を使わないでどのように番号案内についてフォローしたらいいのかという事について今回は考えてみます。

そもそも、番号案内というのは電話帳に掲載されているデータを調べるものなので、今でも固定電話の回線がある家庭には配られている電話帳の「ハローページ」「タウンページ」を自分で調べればいいという意見もあるでしょう。しかし、高齢になればなるほど小さい文字が読みにくくなるわけですし、最近は固定電話を外して携帯電話のみで使われている方にとっては電話帳を入手するのも大変だと思います。そうなると、やはり大切なのは周りの人たちに電話をして教えてもらうことではないかと思うのです。

まず、普段良く電話をして電話番号だけでなく様々な話をする所が決まっているなら、しっかりと電話帳に使う本人がわかるようにして電話帳に入れておくのがまずは大事なのかなと思います。身内はできる限りわかりやすいように入れておくのも一つの方法です。高齢者用のらくらくフォンや、最近のガラホの場合、本体に「1」「2」「3」の番号があり、そこに特定の電話番号を登録していくことによりワンタッチでわからない場合に問い合わせができる親しい人のところに掛けさせるようにしておくことがまずは大事です。

もしそのような機能がないガラケーを使っている方がいたら、電話帳の画面を出した時の最初に一番よく電話する人が来るように、電話帳に入力する名前に工夫を一つ加えましょう。どういうことかというと、普通なら電話帳を呼び出すボタンを押した時、「あ」から始まる名前が最初に来ると思いますが、決して最初に来ることはない「鈴木一郎」さんを電話帳の一番最初に持ってくるために、氏名を入力する際の読みがな(姓の部分)を「すずき」とする代わりに「ああすずき」のように、他に入れている知り合いの名前でア行のどの人よりも早く表示されるような特別な読みがなを付けて登録すると、電話帳を出した一番最初に置きたい人の名前を出すことができるようになります。ちなみに、「あ」だけを最初に付けずに「ああ」を最初に付けるのは、例えば「愛川」というような知り合いが電話帳に登録されていたとしても、その前に表示されるようにするためです。

そうしておいて、電話番号を知りたいところがある場合は、104の案内に掛けるのでなく、上記のようにして登録している親しい人にいったん電話するなりSMSを利用した問い合わせをしてもらい(SMSは電話番号からメールが打てるので、文字打ちができるならメールにした方が相手に迷惑を掛けません)、電話を受けた方でネットを使って調べたのをコールバックするなりSMSで返すなりすることで、少なくとも一件につき270円というような事はなくなります。音声通話の場合言葉で電話番号を伝えることになるので、控えるためにはメモが必要になりますし、正確に伝わらない事も考えられるので、電話で問い合わせを受けた場合でも、SMSや、ガラケーで受信可能ならキャリアメールを使ってメール文面の中に電話番号を入れた方がさらに親切かも知れません。

もしどうしてもメールが使えないというのなら、その代わりメモと筆記用具はガラケーと一緒に常に用意しておいてもらい、掛けたいけどわからない番号のリストをメモ用紙に書き加えていくようにしてもらいましょう。そうすればそのメモ帳が電話帳の代わりにもなり、調べてくれる人に連絡が付かない場合でも過去に調べてもらったものならメモを見返すことで目的の電話番号がわかるようになります。

今後の事を考えると、さらに自分で電話番号を調べられない人にとっては厳しい状況が続くことは確かなので、そうした人を回りの人が助けてあげるような形でサポートする体制を、周辺の人たちが協力して作っておくことが必要になってくることもあるでしょう。どの時代にも時代の変化になかなか付いていけない人はいると思うので、できるだけ簡単な方法で携帯電話を使うことが今後ともできるように、そして高い料金を知らずに払ってしまうことがないようにできればと思っています。


可睡齋ひなまつりとコンデジとの興味深い関係

徳川家康とのご縁が深い曹洞宗の修行道場としても有名な静岡県袋井市にある可睡齋に入行ってきました。お正月の元旦から3月末日まで、何と23段・1200体もある雛人形が揃っている姿は、一度は見たいと思っていたのでした。

今回は、その前に静岡市を出発していったん袋井市を越え、浜松市にあるヤタローパンのアウトレットストア工場直売店におじゃましました。静岡市から浜松市というのは車でも結構距離があるためそんなに頻繁には行けないのですが、他のものとちがいしっとりとしていて贈答用としても人気のある「治一郎のバウムクーヘン」の切れ端を格安価格で購入することができます。自分らや友人と食べるなら格式も見栄も必要ありませんので、一人あたりの制限ぎりぎりの個数を買い求めました。この一人あたりの購入限度は行った時により違い、私が出掛けたのは3月の三連休の最終日だったため一人5個までとなっていましたが、もっと混み合う時期には一人3個になったり、逆にそれほど人が来ない時期には制限が外れる場合があります。詳しくは私が初めて出掛けた際、開店前に整理券をもらって入場した顛末を記したブログ記事がありますので、そちらの方をご参照下さい。

http://syachu.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-3cbf.html

当日は浜松着がお昼ぐらいになってしまったため、昼食代わりのサンドイッチも割引価格で購入し、改めて可睡齋に向かいます。国道一号線のバイパスを久能インターで降り、北に向かうとすぐに看板が出てきますので、カーナビのない方でもわかりやすいでしょう。

車で来た場合、観光バスの駐車場の向かいにある一律100円の有料駐車場を利用するのが一般的で、私もそうしました。駐車場から歩いてもすぐで、さらに近くの駐車場にすると駐車料金が高くなったりしますので、その駐車場自体が埋まっていないなら、細かいお金を用意して利用すべきでしょう。

参道を歩くとすぐに門があり、門をくぐるとすぐ右にひなまつりの会場になります。入り口にはハートの台座にセットされた雛人形が出迎えてくれました。館内の料金は大人一名500円で、履物はロッカーに入れてから室内に入ります。

本会場へ行くまでの建物の廊下からすでに雛人形が飾られており、人形の違いなどに注目しながら見て回るのも面白いものです。入口から入って手前の建物をまずは一周するような形で見て回ってから23段飾りのある本会場へ足を踏み入れます。

2017年はお隣の浜松市にゆかりのある井伊直虎を主人公にしたNHKの大河ドラマが放送されたこともあり、あえて井伊家の旗を配置した上に雛人形を並べたコーナーもありました。実際、このお寺ではそこまで由緒があるのかは不明ですが、井伊直虎ゆかりの地を訪ねる旅とセットで訪れる方も少ないないようで、このような演出もありなのかも知れません。

そして、これが23段1200体という雛飾りです。残念ですが私の画角28mmからズームのあるデジカメでは端から端まで写すことができないくらいのスケールのもので、なかなかこうした光景にはおめにかかれないのではないかと思います。しばらくはその迫力に圧倒されていましたが、改めて思ったのはこうした室内の雄大さを撮影するためにも、24mmくらいの広角が撮影可能なデジカメが必要になり得るということでした。いわゆるレンズ交換式のカメラを持っていた場合は、さすがに明るいレンズで広角が強いものというのはお金がかかって仕方ないので(^^;)、いわゆるレンズ固定式のデジカメの中で明るい広角撮影のできるモデルを追加購入するのが現実的ではないかと改めて思いました。

具体的にはすでに発売から年月が経っているのに中古の価格が下がらないパナソニックのDMC-LX100ならF1.7で換算24mmで撮影できますから、もう少し早くこの機種の事を知って底値で新品を手に入れたかったと今さらながら思います(^^;)。他には同じ24mmF2.0からのズームを持ち、なおかつ大きなセンサーを付けたCanon Powershot G1 X Mark2あたりもコンパクトとは言い難い大きさではありますが、メインの旅カメラとして、レンズ交換式カメラのレンズキットしか使わないならこれらのデジカメを選択するのもいいかなとも思います。

ちなみに、今回使用したカメラは10倍ズーム全体でF2.8をキープするオリンパスのstylus 1の広角側で撮影しました。これ一台で全てをこなすという点では便利なデジカメではありますが、旅行の際にレンズ交換式カメラのレンズ交換をするのが不安な場合には広角に強く明るいレンズ、大きなセンサーを持ったデジカメと2台を使い分けるというのも十分に有りな気もします。そうなると、stylus 1用に望遠を強化するテレコンを付けて更に遠くから撮影することもできることになり、特に鳥の撮影をしたい時に手軽に行けそうな装備として面白そうです。これは、今後の車を使った旅の教訓としてこれから出てくるであろう高級コンデジのラインナップも見ながら、徐々に揃えていこうかなと思っています。


キーコーヒー3,000名当選のWチャンス賞 ドリップコーヒーの試供品をゲット

企業がプレゼントを行なう理由としては、やはり商品を広く知ってもらうことがあるでしょう。新製品を出したばかりならなおさらです。2度目の当選は、そんな商品をメインに企業が行なったキャンペーンのものでした。

それは、キーコーヒーの『ドリップしよう。プレゼントキャンペーン』というもので2016年の年末が締め切りのもので、発送まで時間がかかってはいますが、申込順に当たっているということを改めて感じ、結果が出なくても応募し続けることの大切さというものを感じます。

賞品は1,000名当選の「ドリップ体験セット」で、新製品の粉コーヒーの他、ドリッパー・コーヒーサーバー・コーヒーフィルターもセットになっていてコーヒー好きとしてはあとは挽かれたコーヒー豆を買ってくれば新たなコーヒー習慣が確立できそうなセットになっているのですが、これは当選しませんでした。

当選したのはダブルチャンス賞の粉は粉でも一杯ずつ小分けされてお湯を注げば抽出されるタイプのコーヒー、「BLUE MEISTER(ブルーマイスター)トライアルセット」が2つ入っていました(^^;)。

金額としたら大したことはありませんが、キーコーヒーは実店鋪でもコーヒーを買ったり喫茶スペースでおいしいコーヒーを頂いたこともあり、その味を手軽に味わうにはむしろ有難いくらいでした。早速頂いたコーヒーはいただくことにしましたが、こうして少しの事であっても、懸賞が当選するというのは嬉しいものです。

今後は実店鋪も近くにありますし、店頭のお得なセットなども見ながら次の機会があれば別のプレゼントキャンペーンにも応募してみたいと思います。


ソフトバンクモバイル回線を使ったMVNOはまだ万人向けではなさそう

2017年3月22日にからSIMカードのパッケージがまず第一弾として発売されたのが、日本通信が仕掛けたことで実現したソフトバンクモバイルの回線を使った格安データ通信専用SIM「b-mobile S」です。本家日本通信の他、U-mobileとヤマダ電機で売られるヤマダファミリーモバイルで取り扱うソフトバンク回線のMVNOは同じ内容になっています。

具体的には音声通話もSMSオプションも付かないデータSIM専用のサービスで月ごとの高速クーポンの量の違いで月額料金も変わります。なお、以下の価格については全て税抜き価格です。

・1GB/880円
・3GB/1580円
・7GB/2980円
・30GB/4980円

この金額を高いか低いかととらえるのは微妙なところです。ドコモやau回線で比べる場合は多くの業者間で比較できるので、具体的に高いとか安いと言えるのかも知れませんが、ドコモの3GB/月のプランが千円以下で使えるのに、ソフトバンクの回線を1GB/月のプランを同じくらいの価格で使うメリットがあるか? ということになるでしょう。

そもそも、ソフトバンク回線を利用できるハード自体に縛りがあり、ソフトバンクから購入したiPhone5以降のiPhoneを使っている方や、iPadを持っている人でないと使えません。SIMカードの大きさはmicroSIMとnanoSIMがありますが、これはiPhone,iPad用に作られたものなので、このSIMをソフトバンクのガラケーや、iPhone以外のスマホ(AndroidやWindows Mobileなど)に入れても使えません。また、iPhone用のSIMカードをiPadに入れて使うことやその逆もできないそうなので、iPhoneとiPadの両方持ってSIMを差し換えようともくろんでいる方はそれぞれのハードごとの契約が必要になりますのでご注意下さい。

今後の状況によってはAndroidスマホに入れて使えるものも出てくるかも知れませんが、そうなったら逆にそのSIMはiPhoneに入れて使うことはできなくなることが予想されます。

つまり、日本通信、U-mobile、ヤマダ電機が狙っているターゲットというのは、ソフトバンクからドコモかauのガラケーやガラホに変えたものの、手元にiPhoneやiPadが残っているし、二台持ちでデータ専用機として使いたいというニーズにピッタリと合います。

レンタル回線の仕様でテザリングが使えないのは残念ですが、何よりも今までは解約したら全く役に立たないと思っていたiPhoneを持ち出して今までと同じソフトバンクエリアで使えるというのは、わざわざお金を出して新たなスマホを購入しなくても済むということで、安く2台持ちに使いたいという人はデータSIMの料金だけで済みますのでその点ではありがたいのではないでしょうか。

さらに、とにかくiPhoneを使ってみたいというユーザーにとって、大手キャリアの中でも安く白ロムが購入できるという傾向にあるソフトバンクのSIMロックがかかったiPhoneやiPadを購入してスマホと合わせての通信コストを安くしたいということで購入される方もいるかも知れません。ただその場合は、購入した機種がそもそも対応しない場合もありますし、対応する場合でも、持っている機種に合ったSIMカードを選ばないと使えない可能性もありますので、まずはウェブページをじっくり読んだり、店頭で話を十分に聞いてから白ロム購入の算段をした方がいいと個人的には思います。

あと、導入前に知っておいた方がいい事として、速度制限はどうなっているかという点も気になります。日本通信のホームページによると3日間で300万パケット(360MB相当)を使ってしまうとそこから最大200kbpsに規制されるということです。あともちろん、高速クーポンを使い切ってしまえば同じく最大200kbpsの制限が月末までということになります。

さらに、他社では当月中に使い切れなかった高速クーポンを翌月に繰り越す機能があるところがありますが、ソフトバンク回線プランでは繰越も不可ということです。このように書いていくと、ドコモやauの回線を使ったMVNOと比べると多くの面で見劣りする点が多いように思います。ただこれは、本来Y!mobileをソフトバンク回線を使った格安SIMの代名詞として位置付けたいソフトバンク側に何とかしてMVNOとしての回線借受を実現させようとした日本通信の苦労の跡がしのばれるところでもあるのです。また、ソフトバンクの要求のため、これらのプランを解約する場合にSIM返却がドコモSIMと同じように必要であることも心得ておきましょう。

ただ、すでにソフトバンクのiPhoneやiPadの白ロムをどうすることもできずにWi-Fi専用機にしてしまっている方には新たな活用法としていいのではないかと思います。データ通信専用ということで、大手キャリアにある2年ないし3年の契約についての縛りもありませんし、月1GBのプランを880円で維持した方がいい方もいると思います。個人的にはエリアの問題で、将来どうしてもソフトバンクしかつながらないような場所へ行くことが多くなった際に選ぶ格安SIMとしての選択肢ができたのは嬉しいと正直思うところです。