B84cotの上に載せるテントを探していて、山岳用でないツーリングテントでコットの上に載るジャストサイズくらいのものは、ありそうでなかなかないという感じでした。テントの重量を極力減らしたいという人については需要があるものの、さまざまなところで言われていることには、1人で使うなら2人用以上をという感じで選んだ方がいいという風に解説されています。多くの1~2人用のツーリングテントを検討して、ネックになったのがその奥行きです。1人用でも奥行き100センチというのが多く、B84cotの幅である80センチと比べるとかなりはみ出てしまうのでそれでは安定感がなくなってしまうのではないかと心配になるのですね。
できるだけ幅が狭いものをという、一般的なツーリングテントのニーズから外れたポイントでテントを探していたので、普通に考えると希望に合うものはウルトラライトの山岳用テントという風になりがちです。そんな中、一つだけ何とかコットの上に設置できそうな1人用ツーリングテントがあるのを見付けました。それが、ダンロップのツーリングテントR-126でした。
このテントはサイズは幅200センチ、奥行き90センチ、高さ100センチとなっています。価格も定価が2万円ほどですが、割引しているショップでは1万5千円程度で手に入ります。いろいろ探している中で、コットの上に設置できる専用のテントというのも見付けましたが、私の確認したものではR-126と同じくらいの値段だったので、テント単体でも大いに使い道がある3シーズン用のツーリングテントの方が色々使えて便利だろうという事で、気合いを入れて購入の手続きをしてしまいました(^^)。
今回は自宅の駐車スペースのわずかな隙間に設置することを試してみました。車と壁の間は1メートルちょっとしかありませんが、こういった場所に設置することをまずは想定しました。熊の顔が入ったコットの袋が90センチ近くあるため大きさが際立つのですが、かえってテントパッケージの小ささが極立ちます。重さも、ポールやペグも入って2kgを切っていましてカタログ値では1.85kgと、普通に自転車やバイクのキャンプに持ち出すにはいい大きさだと思います。用意したのは汚れ防止・雨よけ用のグランドシートと、テントの内に敷くためのござで全てです。
写真のグランドシートは3畳のものを縦に半分に折っています。コットをこの上で組んでも汚れないようなサイズになっているので、安いものでも同時に用意しておけば何かと便利です。
コットが組み上がったらグランドシートの汚れを落としつつ、コットの上に載せます。この上にテントを載せるようにすると、もし雨に降られたような場合でもコットの布をより濡らしにくくなります。コットの横にあるのはR-126用の組み立て式ポールです。
次にいよいよテント本体をコットの上に載せます。サイズを見てくれればおわかりかと思うのですが、コットの上で横の部分が少々はみ出すものの、問題なく広げることができました。このようにテントを直接地面に着けずに設営できるというのがコット上の設営でのポイントです。
このテントには四隅にポールを差す金具があり、ポールをしなるように曲げるようにして金具の穴にポールを入れるだけでポールが立つようになっています。ポールをセットするにはかなり力がかかるので、テントを押さえないでポールを入れようとするとテントが滑ってコットから落ちてしまいます。ですからこの作業をする際には、コットの上に乗ったり足で押さえるなどしながらテント本体が動かないように注意する必要があります。ポールを付けたら、テントとポールをつなげると写真のようにテントらしくコットの上に置けます(^^)。
さらにこの上からフライシートをかけ、紐と金具でテント本体をつなげば一応の完成になります。写真の状態は、テントはコットの上に載せただけですが、強風が吹いたりしなければこれだけでも十分なような感じです。なお、コットとテントを固定するために、一応自転車用のフックが付いたゴムひもを用意しています。コットの足にテントとつなげたフックを掛けることで、それなりにテントはコットに固定されます。ただ、写真の状態ではテントはコットの上から落ちることはないでしょうし、何しろ作業をするスペースが取れなかったので、今回はフックを使いませんでした。
テントへの出入りはどうなっているかというと、長辺の一方に写真のような大きな入り口があります。コット自体が動くので、狭いスペースの中をずらすことができるので人が通れるスペースを作って入り込めばOKです。反対側には風が通るベンチレーションを確保する仕組みがあり、入り口部分はメッシュにしたまま開閉可能です。やむをえない状態で駐車スペースにテントを設置する場合は、写真とは反対に入口を設けるように設置すれば、外から覗かれることなくある程度のプライバシーも保てるのではないかと思います。
今回は駐車スペースに設置してみましたが、他にもいろいろな利用方法が考えられます。私はこのセットを車の中に入れておきたいと思っているので、もし緊急避難的に使う場合、最大2名まではしっかり足を伸ばして寝られる環境を手に入れたことになります(もう一人は車の中に設置したB24cot(ボイジャーコット)で寝られます)。私が車中泊をする場合は一人で出掛けることがほとんどですが、同行者がいる旅でどうしても一夜を車で明かさなければならなくなった場合は、最悪このセットが使えるということになります。また、キャンプ場が使える場合は車の中でなくこちらの方が夏などは快適に過ごせるでしょう。
このセットの使い方は考えるだけでも楽しいもので、軽トラックの荷台に設置すれば、テントを張る場所を考えずにどこでも寝られるので、車中泊できる車の範囲をさらに広げられるという事もありますね(^^)。普通に使う場合でも、いったん設置した場所から自由に移動できるということで、日中は木陰が移動するたびにテントとコットを動かしてゆっくり昼寝をするために使うというのも良さそうです。テントとコットを別々に設置するため普通にテントを立てるよりも時間がかかるという問題はありますが、ペグが不要でテントも傷めませんし、岩場のような条件の悪い場所でも快適な就寝ができますので、実践導入が今から楽しみです。
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