車中泊に適した車種」カテゴリーアーカイブ

車中泊をするために車を用意しようと思っている方のため、キャンピングカーを除く普通車・軽自動車でどの車が車中泊しやすいのかということについて考えていきます。

メーカー純正の二段ベッドキットを付けたスズキエブリイワゴンとは?

自動車メーカーのスズキは2023年1月に千葉・幕張メッセにて開催される「東京オートサロン2023」の出展概要を発表したことがニュースになっています。
その中でも興味深いのは「エブリイワゴン」の純正用品装着車で、スズキ純正の二段ベッドキットです。後部のフラットなスペースを上下で二分割するような足の長いベッドにマットを装着し、二段ベッドの上を作ります。ただそのままでは二階部分に上がれないので、助手席を倒した上にもマットを敷くことで上段に上がるためのステップとするような構造になっているようです。具体的なイメージは、期間限定になるとは思いますが、ニュースサイトにリンクを貼っていますので、以下のサイトからご確認下さい。

スズキ軽「どこでも車中泊仕様」集結!? 4人全員が足を伸ばせる「2段ベッド仕様車」も! 東京オートサロン2023に登場

他の装備としては後部ドアを開けても虫が入ってこないような網状のシートや、後部自体に着替えスペースを作るような車体と一体化したタープも純正で出るようですが、価格との兼ね合いでオプションを付けるかどうかは決めることになると思います。ただ初めて車中泊をと考えている人向けの車中泊用車として考えるならば、メーカーが純正で二段ベッドキットを用意してくれるというのは有難いですね。

二段ベッドということで、主に二人での車中泊旅行を想定していると思うのですが、元々軽ワゴンの空間というのには限りがあり、それこそ多くの人がその空間をどう使うかということを考えながらレイアウトを考えてきたろうと思います。大人二人で利用する場合、手持ちの小荷物は寝床の横にでも置けるとは思いますが、場合によっては荷物が車内に収まらない場合も出てくるでしょう(最初から就寝することを考えた場合)。その時には荷物を収納するためにルーフキャリアを別に設置するような事も必要になるでしょう。

個人的にはこの二段ベッドキットを搭載する場合には、あえて上段に一人で寝るようにして、下段を荷物置き場にすれば、かなり余裕を持って車中泊できそうな気もするのですが、それでも下段が単なる荷物置き場になるだけでは? という感じもしなくもありません。

個人的には下段と上段を互い違いにして、落下防止のフレームを上段に付ける図で下段の高さを確保し、下段は底上げしたコットを置いたり、ベッドの下に収納が可能なようにすれば、下段のベッドをソファーのように使うようにして非就寝時のスペースを確保できるような気もします。

ただどちらにしても、新車として納車してすぐ車中泊旅に出掛けられる環境をメーカーが用意してくれるのはなかなか嬉しいですね。現在、NTV「有吉ゼミ」の八王子リフォームのコーナーを見ながら書いているのですが、全てDIYで車中泊用の車を作るということと対局にあるこうした選択肢が他のメーカーでも普通になってくるとなおよさそうです。


あまりにも唐突に「別荘購入」から「キャンピングカー」購入に変わった「有吉ゼミ」について

日本テレビの月曜夜7時から放送している「有吉ゼミ」の人気コーナー、芸能人が本気で不動産を購入するというコーナーの中で、見ている方もあっと驚くような結末を迎えたのがお笑い芸人の「みやぞん」さんが、お母さんのために買いたいという別荘の行方でした。

最終的には熱海駅から近い温泉付きの物件に決まりかけたようでしたが、ここで改めてお母さんの方から「熱海だけではなく国内の色々なところに行きたい」という希望を聞く形で、まさかの不動産の契約をしないで、番組の最後にちょこっと出てきた「キャンピングカー」の契約へと一気に流れていってしまったのです。

これまで、色々な別荘候補地を時間を掛けて見せられた中で、キャンピングカーの紹介というのはほんのわずかで、今回みやぞん母子が決めたキャンピングカーについては、その内容というものもどうなっているのか、他の候補も含めて圧倒的に見ている方もわからない中で契約まで進んでしまいました。ここでは、テレビを見ていて今回みやぞん母子が候補として考えたと思われる、ハイエースベースのキャンピングカーについて見ていこうと思います。

https://vehicleweb.co.jp/lineup/hawvelu/

まず、実際にテレビでみやぞんが購入したのが、上記リンクの「ハウベル」というキャンピングカーです。基本的に母子2人で出掛けるということで、ハイエースベースのものなら車内でくつろぎ、寝るには十分です。シートアレンジも簡単で、一応シンクと調理用の設備(冷蔵庫やガス台)は整っているものの、価格が諸経費込みで500万ちょっとと、装備を抑えて寝ることを中心に考えた上での選択かなとは思います。番組では最初に紹介した高額なベンツのキャンピングカーはさすがに大きすぎて置く場所もなかっただろうと思うので紹介については割愛し、もう一台、テレビではほとんど紹介されなかったものの、もう一台のハイエースベースのキャンピングカーは恐らくこれだろうと思います。

https://recvee.jp/01_camper/01_line/country_club/

上記リンクの「カントリークラブ」の特徴は、最後部に小さな防水のスペースを作り、そこにポータブルトイレとシャワーを置くことで、車外に出なくても体を洗ったりトイレを済ませたりすることができるようになっています。価格の方は「ハウベル」よりはお高目で、600万から900万と、いきなり買うのにはちょっと躊躇するかも知れません。

ただ、本当に日本全国を気ままに回るような旅をするなら、車内にトイレ設備は必要だと思います。もちろん安い「ハウベル」にポータブルトイレを入れて使うこともできますが、実際に車内でトイレやシャワーを使うことを考え、犬を連れての旅であれば、外遊びで汚れた体を洗うためにも、やはり車外からも車内からもアクセスできる、防水のシャワー室があるというのは心強いでしょう。別荘を買うための資金があるのなら、「カントリークラブ」の方が良いでしょうし、別荘からキャンピングカーへのいきなりの変更によって、色々な装備のあるキャンピングカーを見る時間を持てなかったことの後悔が今後出てくるのではないかと、余計なところまで心配になってしまいます。

ただ、それでも温泉付の別荘となると、もはや現在住んでいるところから引っ越してずっと住むようでないとお金がもったいない(誰も住んでいなくても毎月の温泉の管理費がかかり、建物の消耗も進む)と思いますので、実際は何も買わないわけにはいかなくなったみやぞんサイドが、番組のコーナーを成立させる折衷案として出してきたのがキャンピングカーだったのかと疑ってしまいます。

テレビの人気者になると、テレビの企画ですごい価格の買い物をさせられる、今回のようなコーナーを任されてしまうという点で、その点は同情するしかないものの、あくまで個人的な見解では、あえてキャンピングカーも買わずに、母子で全国のリゾートホテルを回る方が、お母様にとっては何度も満足ができたのでは? と思ってしまいます。キャンピングカーを買う場合にも、やはりそれなりに回数を動かさないと正直元は取れないと思いますので、今後のみやぞんさんのキャンピングカーの使い方にも注目はしていきたいと思います。


決して宿代を節約するための手段ではない MIHO氏の車中泊スタイルと期待されるキャンピングベース車

テレビ朝日系列で放送されている「ノブナカなんなん?」という番組があり、主にMCの方々が「なんなん?」と思える女性に密着したVTRを流しているのですが、先日の放送は車中泊仕様に改造したハイエースベースのキャンピングカーを運転して全国を車中泊しながら回っているYouTuberのMIHO氏に密着していました。

女性の一人旅ということで、安全のためにしっかりとした車選びをされているようで、900万円で購入したというハイエースの内部も紹介してくれていました。その内部というのは正に「走る家」と呼ぶこともできるくらい充実していて、大き目のベッドにリビング、当然トイレ付きでシンク、そして冷蔵庫もありました(ただし調理機具は電子レンジはあったものの、鍋はカセットコンロを利用していました)。

その中で一番びっくりしたのは、家庭用(6畳用)のエアコンが付いていて、オールシーズンで車内で快適に生活できるようになっていたことです。電子レンジやエアコンは、屋根に設置したソーラーパネルで賄うということでしたが、もちろんAC電源付きのオートキャンプ場から電源を使っての利用や、バッテリーの充電もしないとなかなか好きな時には使えないような気がするのですが。

それ以外にも車内のポータブルトイレの処理や、お風呂の問題(日帰り入浴施設を利用するので問題なしということでしたが)、いくら自由とは言え、自宅に帰らずにずっと車中泊旅をするのは大変です。ただ、それ以上にYouTuberということで仕事の場所を選ばないことから、人生の時間の多くを一つの場所に留まらないで日本国中を回っていられるのは羨ましいですね。

彼女の場合、私のように車中泊用の車に900万円も掛けるということが信じられないと思う人もいるかも知れませんが、やはりそこには未だに「女性の一人旅」というのにハードルが高い事情があると思います。私自身が車中泊をする場合には、さすがに全ての窓に目隠しはしますが、夜にトイレに行きたくなった場合には普通に降りて公衆トイレを使用します。女性が一人旅をしているのでは? と思われた場合、一番危険なのは人の出入のない駐車場であってもきちんとロックされた車から降りて外に出る時であり、少なくとも女性の方で気ままな車中泊を楽しみたい場合には、少なくとも車内にポータブルトイレを設置し、夜が明けるまでは一人で外に出なくても大丈夫なだけの装備の整った車を用意する必要が出てきます。

私が驚いた家庭用エアコンを車内に設置してある点についても、特に夏などは車中泊にとっては難しい季節で、暑いからと言って窓を開けたまま寝てしまうと、その隙間から覗かれたり侵入を許してしまう可能性も出てきます。さらに、ハイエースの場合はトラックに居住スペースを付けたキャンピングカーとは違い、ベッドやリビングから直接運転席に移動できるので、本当にまずい場合は外の雰囲気を察したらすぐその場から逃げることもできるというメリットもあります。

MIHO氏の活動が話題になり、様々な動画関連の仕事を受注し、テレビにも取材されるというのは、女性であるという事も珍しがられるということもあるのかも知れませんが、同じように好きな時に好きな所へ出掛けるようなライフスタイルを実践したいと考える女性の方は少なくないと思います。キャンプもそうですが、芸人のヒロシさんやバイキング西村さんが牽引した部分はあるにせよ、やはり女子のキャンプブームがあって様々な経済効果が出たことも事実です。

私自身はそうしたブームにのっかるような形でそのおこぼれに預かれないかとついよこしまな事を考えてしまいますが(^^;)、今後の車中泊用キャンピングカーのベース車となる車を、日本の自動車メーカーには出して欲しいものです。今興味があるのは、三菱自動車のPHEVで、ガソリンを使って発電機を動かし、それを走行のためだけでなく車内に持ち込んだ1500Wまでの家電製品を使うことができるというのが、車中泊車のベース車として最適ではないかと思います。

恐らくMIHO氏の車中泊仕様ハイエースの場合、車両価格に占める電源関連の費用がかなりのものになると想像されるので、その分をメーカーの標準装備で賄え、さらに全国にあまたある電気自動車用の充電スタンドを利用できるということができれば、それはかなり大きなポイントです。こうしたPHEVで、コンセントからの給電以外に暖房・冷房を車のエアコンを動かすことで居住空間をまかなえるなら、バンタイプのベース車を出してくれれば、カスタムするには電気についてはソーラーパネルに依存することもなくなるので、トイレ・シンク・ベッドとテーブルくらいの加工だけで済むことになります。

一人での生活空間であれば、ハイエースほど広くなくてもいいと思うので、500万円くらいでPHEVのキャンピングカーがあれば、自由に車中泊生活を楽しみたいと思う人(男女問わず)にかなり売れるのではないでしょうか。今の世の中は、インターネットについては大手キャリアの無制限プランを契約すれば、何しろネットが使えるエリアを探して移動すればいいので、テレビの電波が届かなくてもネットが繋がれば十分生活や仕事は可能になると思います。

新型コロナウイルスと共生する生活スタイルとして、人と会わずに車内に引きこもるキャンピングカーでの移動というのは奨励されるべき行動パターンともなるでしょうし、レンタカーではなく、自分だけで使える車内空間を安く快適に持ちたいと思う方は多いと思います。多くの需要があって売れれば価格は下がるわけですから、今後の自動車メーカーのこうしたニーズの掘り起こしには大いに期待したいところです。


あえて「ガラパゴス化」することで魅力が上がることもある

新型コロナウイルスの流行は、海外から輸入したり生産することのリスクを明らかにしてしまいました。そして、なかなか物が売れない中で、いかにして企業は業績を回復させていくかを考え直さないといけなくなっている気がします。

日本の一番の輸出品は自動車ですが、海外での売上を上げるためにはその国でのニーズを調べてその国に合った形で車を作ることが必要になるとは思いますが、最近のネットニュースで「軽トラ」がアメリカで人気というものがあり、ちょっと不思議な感じになりました。

アメリカの車というのは、とにかくデカイという感じで、それ故に細い道の多い日本では売れないという印象がありますが、逆に考えると車での移動距離が長く、道も広いアメリカでは軽トラを始めとする日本独自の軽自動車を好んで乗るような人はいないだろうと普通に考えると思います。

しかし、日本だけでなくアメリカでも日本の軽トラは農家の人に人気なのだそうで、使い方としてはゴルフ用のカートのように作業中の移動手段としてかなり使い勝手が良いのだそうです。さらに、燃費が良いこと。日本独自の車ということで、日本国内生産だという点や、あの小ささでかなりのものが載るということ、さらにあえて定員を2名にした潔さも受けているようです。

日本の軽自動車の規格というのはしばしば海外メーカーの参入を妨げる「ガラパゴス化」した規格であるという非難もあるものの、日本の古い街の中には普通自動車では通り抜けることが難しいところもありますし、そんな中で日本人の細かな自動車に対するニーズに合わせて変化していくことで、あらゆるニーズに対応できるくらいまで軽自動車は進化を遂げています。もともとは国内専用の車のはずが、日本から見るとしたたかな貿易相手国のアメリカのユーザーからも特に軽トラがそのニーズを認められることになったのだろうと思います。

産業のガラパゴス化というのは、まさに「ガラケー(ガラパゴス携帯)」という言葉に象徴されるように、日本独自の進化を遂げることによって世界の流れに乗り遅れ、業界のイニシアチブを取れなくなることの弊害が言われてきました。しかし、軽トラのように日本の農家や配送業、一般ユーザーの意見を聞きながらグレードアップを繰り返していくことによって、何の売り込みもしなくても向こうから求められるくらい、ニーズを認めてくれるということもあるわけです。

そういう意味からすると、ガラケーという形態だって各種メッセージアプリ(LINEやTwitter、InstagramやFacebookが)使え、普通にGoogle Playが利用なくてもバージョンアップで必要十分なコミュニケーションが取れるガラホが出てくればそれなりの国内需要はあるでしょうし、日本製ながらの細かな利用者に対する配慮が海外のユーザーにもアピールするものに仕上がっていく可能性もあるのではないかと思うのです。

スマホの場合便利ではあるものの、電池の持ちが悪かったりアプリの入れ過ぎで動作が不安定になったり、タッチパネルを使っての電話に出たり電話を切ったりするのに違和感を持つ人がいたりと、すべての機能を詰め込むことによってのデメリットはあると思います。そうした思いを持つ人のために、日本のメーカーが本腰を入れて新しいSIMフリーのガラケーやガラホ(つまり、SIMを入れ替えると海外でも使える)を出してくれてもいいのではないかと思います。

この辺は自動車業界と通信業界の違うところで、現在ガラケーを不満なく使っている人に対してまでスマホに買い替えさせて高額な基本料金に換えさせるというのは、自動車業界でいえば軽自動車の生産を止めてしまい、小型自動車の税率を換えずにディーラーが強引に小型自動車への乗り換えをすすめるようなものです。

そんなことが自動車業界で行われていたとしたら、最初に紹介したようなアメリカでの軽トラ人気が起きても一時の限定的なブームだけで終わってしまっていたでしょう。個人的には固定電話のような「親機のような子機」とセットで使えるガラケーの新製品が出たら、固定電話の代わりに使えるので自宅用にほしいですが、日本のメーカーはなんとか考えていただけないものでしょうか。


今後「キャンピングカー」を買うリスクとその対策

一時期の車中泊ブームは年代別で言うと会社を定年退職した60代の方が持つ潤沢な資金によって支えられていたところがあったのではないかと思います。退職金が入ったらまず「何に使おうか」と思いつつ高額なキャンピングカーを購入したり、ハイエースのようなベース車をカスタマイズして自分なりの車中泊車として仕上げるというところで、多くの人がそのブームに乗り、盛り上がりました。

しかし、2018年から2019年に掛けて、そうした60代から70代を超える人達の中では新たな問題が発生しています。その一つが、高齢運転者の事故報道の増加であり、そうした報道に乗って先日紹介したように高齢者の免許には一定の基準を設け、例えば自動ブレーキ装備車でないと更新できない免許にするという方向が打ち出されています(現状では従来の免許との選択制になるような話もあります)。

これでは、それこそ車中泊ブームの時に購入したキャンピングカーや、改装費を含めるとキャンピングカー以上お金がかかったかも知れない改造車中泊車について、近い将来には自分で運転して出掛けることができなくなるということも考えられます。車に乗って出掛けなくても、災害用のシェルターや男性の書斎として活用することはできるかも知れませんが、そうしたものならそこまでお金を掛けなくてもできたはずで、今となっては車中泊のために使ったお金が勿体なかったと考えておられる方も少なからずいるかも知れません。

そうした事がふき出すきっかけになったのが、昨今のニュースで出ているような、金融庁発表の厚生年金のみで65才のご夫婦お二人がそれまでの生活レベルを落とさずに生活を続けた場合の試算に現われています。資産では毎月5万円くらいの赤字が予想されるので、長生きをすればするほど老後の資金が足りなくなり、2000万円くらいは年金とは別に投資などで用意すべきであるというある意味まっとうな報告書です。

個人的には毎月20万円以上の年金収入があれば、もし健康なお体でしたら多少はアルバイトをしてその分をレジャーなどに当てるようにすればそこまで毎月の赤字は出ないような気もするのですが、果たして老後の生活にとって「キャンピングカー」というのは収支的にどうなのか? という事を考えてみたくなります。

個人的には、ものすごいお金を持っていてあの世まで持って行けないほど持っているなら数百万から数千万のキャンピングカーと、ついでに運転手も雇ってお好きな所に行けばいいと思っているのですが、ほとんどの方はそんなわけにはいかないでしょう。さらに、キャンピングカーを普段使いして毎日のお買い物に使うというのもなかなか無理なところがあり、今キャンピングカーを持っているご家庭では日常用の車と2台以上の所有をされていると思います。ただ、そうして車を持つと毎月の経費とともに自動車にかかる税金やメンテナンス費用、さらに保険料までかかりますので、一気に老後の生活に影響が出るものではないかと思います。

キャンピングカーは欲しいけど毎日の生活にも車を使うという方は、普段使いの車を出掛ける時だけ車中泊もできる車として使うことを考えた方がいいような気がします。ご夫婦2人だけの旅なら軽のワンボックスカーをフラットにしてそこに寝床を作るだけでも十分で、過去にも提案したことがありましたが、車中泊の旅に出掛ける時だけレンタカーとして軽のワンボックスカーを借りるという手もあります。

どうしても自宅が災害に見舞われた際の避難場所として使えるキャンピングカーが欲しいと思う方には、軽トラの荷台に住居部分を載せる方式のキャンピングカーをおすすめします。最近の軽トラには自動ブレーキ搭載車も出てきていますし、車検の時には荷台から住居部分を外して車検に持って行けたり、車の調子が悪くなったら車の部分だけを替えて載せ替えるということもできます。初期費用だけは車代と合わせると200万円前後かかってしまうことはあるものの、いざという時にはそのまま売れれば言うことありませんが、あえて軽トラ部分と住居部分を分けて売ることもできます。土地があれば住居部分だけを離れのようにして使うことも可能でしょう。今後のライフスタイルの変化にも対応しやすいキャンピングカーだとも言えます。

私の車中泊のスタンスは専用のキャンピングカーにしなくても、何とか車内で寝られるように工夫をし、もし車内で過ごすのがつらかったらキャンプ場に行ってテント泊をしたり、様々な宿泊施設を使って泊まる快適さの方を優先したいと思っています。年間どのくらい旅に出るかにもよりますが、それほど出掛けない方なら、泊まるのはあえて車の中にしなくても良く、ただ仮眠する場合に「エコノミークラス症候群」になりにくい仮眠体制の取れる車であればいいのではないかとも思っています。

仕事をリタイヤし、時間が有り余る中では強行軍ではなくのんびりと移動し、ゆったりと自分の時間を作ることのできる車中泊というのはいい人生の楽しみ方になると十分思いますので、まずは今後の政府の動向を見ながら、高齢になっても乗り続けられそうな車中泊のためのベース車を探すところから始めてみてもいいでしょうし、車を完全に放棄して別の交通手段での旅を模索するというのも間違いではないと思います。ただ、これから車の性能が上がってしまう分、メンテナンスにかかる費用は増大する恐れがありますので、残念だと思いつつも車を手放さざるを得ない世帯も増えていく可能性はあると思うのですが、そうなると本当に困るのは毎月のノルマを達成できない日本のカーディーラーでしょう。この影響で国内消費が更に減ることになれば景気もどうなるかわからなくなるかも知れませんが、その点は個人で対策を考えることはできようもないので、今後のニュースを注視しながら政府の政策に期待するしかなさそうです。


ホンダ N-VANは走るカプセルホテル?

新たなホンダの軽商用バンとして登場した「N-VAN」ですが、お値段はともかく個人的には同じホンダの「N-BOX+」よりも一人用の車中泊車としては実用的なのではないかと思います。というのも、「N-BOX+」のシートアレンジの一つに「ベッドモード」にすると2人が寝られるだけのスペースが作れるのですが、そうして寝る場合には前席と後席をまるまる使って190センチ超のスペースを作り出していて、便利な半面運転席のスペースを潰してしまうのがポイントです。例えば先日あったような大雨で急に川が氾濫するような危機的状況になった場合、車を出すためには「ベッドモード」を元に戻さないといけなくなります。元に戻すには時間がかかるだけでなく、パニックになってしまったら車を動かすことすら難しくなるかも知れません。

これは、限られた軽自動車の規格の中で空間を作り出している関係で、エンジンを後ろに置くことでボンネットの部分を極力短くし、その分で荷室の長さを確保しているスズキエブリィやダイハツハイゼットと違って、「後部座席」+「荷室」の長さがどうしても大人が手足を伸ばして寝るためには足りなくなってしまうのです。その分、「N-BOX+」や今回紹介する「N-VAN」もそうですが、フロントの長さを確保して、運転者の安全性やエンジンを前に置くことによってのメリットも有ります。

私自身、過去にはスズキのワゴンRに長いこと乗って車中泊の旅をしていましたが、同じスズキでもエブリィにしなかったのは、「後部座席」+「荷室」のスペースだけでは車内で手足を伸ばして寝ることは難しい空間であったものの、助手席を前に倒すことで長いスペースを作り出すことが可能で、これなら大人一人での車中泊なら十分に使えるものになったからです。この考えを押し進め、ある意味一人で出掛けるための車中泊車として仕上げてきたのが「N-VAN」ではないのかと思っています。

詳しくはホンダのホームページから「N-VAN」の概要を見ていただきたいのですが、ホームページで紹介されている標準のシートアレンジで何と常に助手席をフラットに畳んで後部座席および荷室まで凹凸なく一直線になっているスペースを出してきています。ホンダが考える商用バンとしての使い方というのは、荷物を運ぶ場合はほとんど一人乗車なので、常に助手席を倒しておいても何も問題がないと思ってのことでしょう。さらに「N-VAN」はピラーレスの構造になっているので、助手席を畳んだ状態で後方からだけでなく助手席側からも出入りや荷物の積み込みがしやすいようになっていて、自転車だけでなくバイクが一台積めるということも大きな話題になっています。

助手席はフラットになる他に運転席側からテーブルとして使えるモードも有り、フラットにする場合はホンダお得意のシートが下に沈み込むことで、車高に比べて車内の空間的に天井が高くなるという特徴もあります。これは、私が現在乗っているフィットで使われているアレンジと一緒で、必ずしもハイルーフでなくても多くの荷物が載せられたり、ネットを天井に設置すれば天井収納も活用できるような作りになっています。

この車で車中泊を考える時、ちょっと疲れたらすぐに寝られるように車の助手席側である左半分を寝床として空けておき、キャンプ用のマットでも十分ですが、さらに快適に寝られることを考えると、このサイズに合わせてふとん屋さんでふかふかの敷布団をオーダーメイドで作ってもらい、使わない時には荷室に収納できるようにしておけば、体調がすぐれずちょっと横になりたい時にはスペースに布団を敷けばすぐに休めます。この場合は、常に運転席以外の空間がフルフラットになっているだけなので、災害など緊急の場合でもすぐに運転席に移り車を発車することができます。

あとは、車で日本一周するような場合には圧倒的に荷物を車内のみに収納することは厳しくなるでしょうからルーフキャリアのような屋根の上に収納を新たに加えるとかも考えたり、オートキャンプ場で使えるようにサイドオーニングを付けるとか、用途に応じて自分好みの機能を付け加えるのも面白そうです。私自身はシートをフルフラットにして寝床を作り、残りの運転席後方のスペースに机を置いて、ノートパソコンが使えるようにすれば、まさに走るカプセルホテルとして使えるようになるので、それで十分かなと思っています。ただ、あくまでシングルユースのカプセルホテルになるので(^^;)、同乗者がいる場合にはちょっと厳しいかも知れません。


スーパーキャリイはキャンピングカーのベース車になるか

まずは以下のリンク、スズキのサイトをごらん下さい。

http://www.suzuki.co.jp/car/carry/teaser/

新しく乗車スペースを拡大させた新たな軽トラ「スーパーキャリイ」が近日発売になるということですが、これはキャンピングカーのベース車としてはなかなかいいのではないかと直感的に思ったのでここで紹介することにしました。
軽自動車の規格があるので荷台の部分が狭くなっていますが、長尺の荷物についてはキャビンの下が荷室になっているので従来の軽トラと同じように載せることができますし、荷台から屋根の上あたりまでを使えるようなキャンピングカーユニットを載せれば、寝床自体は長さを従来通りに確保できますし、居室は確かに狭くはなりますが、それ以上に運転席助手席が広くなることによって、目的地まで運転するにあたって格段に楽になることが予想されます。

軽トラというとシートのリクライニングは不可能でしたが、このスーパーキャリイでは運転席で40°、助手席で24°のリクライニングが可能になっています。そして、シートもスライドする長さが長くなっているので、ちょっとした休憩なら後室を使わずに仮眠もできるかもしれませんし、普通に運転するにも楽である程度体格が大きい人であってもこのスペースなら快適に移動ができるのではないかと思います。

まだ発売前の車なので何とも言えませんが、今話題の1つ100万円以内で軽トラに載せるキャンピングカーユニットを作っている「トラベルハウス」さんあたりが、スーパーキャリイの構造を利用してそれにふさわしいユニットを新たに開発してくれたら、軽キャンピングカーの中では走行性能だけでなく運転環境とキャンピングカーとしての出来もよい、かなりコストパフォーマンスの高い車として仕上がるのではないかと思います。ちなみに、トラベルハウスさんのサイトは以下のリンクからたどってみてください。

https://travel-house.jp/

気になる車両価格は当然100万円は越えてくるだろうと思いますが、15万から20万円高くらいと予測しているサイトもありました。多くの人が乗るようになるためには、普通の軽トラと比べてどのくらいの価格差になるかということもポイントになるような気もします。この軽トラタイプのキャンピングカーは、どうしても移動中の快適さに難があるのではと思っている方が多いと思うので、このようなちょっと変わった形の車が出てくることで、軽自動車ベースのキャンピングカーがもっと盛り上がっていけば面白いなと単純に思います。


セレナe-power が今後の車中泊車登場のきっかけになるか

日産のノートに搭載された「e-power」という仕組みは、1200ccのエンジンを積んではいるもののそのエンジンで車を動かすのではなく、全てガソリンを使った発電にあてることで、普通の車と同じようにガソリンを給油して走りは電気のモーターでという「ガソリン発電機を積んだ電気自動車」というものです。先に「リーフ」の方を買ってしまった方は、リーフから電気を自由に使えるというメリットはあるものの、電池の容量が少なくなったら時間を掛けて充電する必要があるので、現状のノートe-powerを羨ましく見ているかも知れません。そんな中、コンパクトカーより大きいミニバンの「セレナ」に「e-power」の仕組みを付けた車がデビューするということで話題になっています。

「セレナe-power」は、エンジン自体はノートと同じ1.2リッター3気筒エンジンを積んでいるものの、車体が大きく重くなり、さらに7人乗りという多人数を乗せて走ることを考えた出力を維持しているといいます。というか、電気自動車は蓄電池の出力によって能力が変わってくるので、エンジンはあくまでも電池容量が少なくなった場合に充電するためのものなので、大きくなってもそれくらいのエンジンで十分ということなのでしょう。

現在は公式サイトを見ても基本的なことしか書いていないのですが、ここで気になるのは燃費でも自動運転システムでもなく、シートがどのように畳めて車中泊しやすいのかということにこちらのサイト的には当然なるのですが、内装の様子を見る限りでは今までのセレナと変わらない感じになっています。

ちなみに、現行のセレナについて車中泊の老舗サイトの「車中泊に適した車」ではミニバンの中では「C」ランクで「ある程度の工夫が必要」となっています。フルフラットにしても凸凹する段差があるので板や固めのマットでフラットな床を作って利用することが推奨されています。あとは高いお金を出して車中泊専門業者さんの作ったキットを導入するかというところになっているので、日産の方ではこれだけ大きな地震が続いているのにミニバンの中でペットとともに長期間過ごす人がいるかも知れないということは考慮されていない(ただ、こうした考えはあくまで車中泊メインに車を選んでいる人間の意見であり、多くのレジャーや日常生活の中で車を使うニーズは十分満たしていますので、その点に異論はありません)ということになります。

そして、現行のセレナにはUSBソケットが付けられるということなので、このセレナe-powerでもそのくらいの電気使用はできそうな気がします。ただ、先行した「ノート」では車の中で家電が使えるようなコンセントが付かなかったこともあり、今回のエンジンの出力がそのノートと同じであるセレナについてもあまり期待しない方がいいような感じです。

というのも、ネット上の口コミサイトからの情報で恐縮ですが、家庭用の家電が使えるコンセントはメーカーオプションで(「マルチアウトレット」定価23,000円)、さらに出力は100Wということで、インバーターを使ってコンセントを使うのと大差ないものなので、これから購入を考えておられる方はあえてこのオプションを加えなくてもいいのではないかと思われるくらいのものになっています。

さらに現行のセレナと同じくフルフラットにした時のシートの凹凸の問題がありそうなので、この車を車中泊車に仕上げるという目的で購入するというのは、もう少し情報が出るまで待つか、それこそ座席を取り外してフラットな空間を作ることができる商用バンにe-powerの仕組みとコンセントが付くまで待った方がいいのではないかという風に私は思います。

もし今、車内で電子レンジを使いたいと思って買うなら同じコンセプトで、後部座席を畳むと一応フルフラットになり、満充電なら夏にエンジンを掛けずにエアコンが使え、冬でも1500ワットのコンセントが付いているので電気毛布が使える(当然電子レンジと冷蔵庫を乗せておけば食事にも困りません)三菱のアウトランダーPHEVの方がいいのではないかという感じは個人的にはします。

まだ発売前ということで、情報は断片的にしか私も見ていないのですが4WDの設定がないというのも気になるところです。そもそも、今後日産はアウトランダーPHEVをライバルと見ていくのかということも気になります。というのも、セレナe-powerはガソリンタンクの容量が55リットルで、ガソリン満タンの状態で1,000キロの連続走行が可能であることをうたっているので、一回の走行距離を減らす原因になる電池を車を動かす事以外に使うことは元々推奨されないでしょうし、四駆にすることで失なう事もあるというメーカーからのコンセプトの表れと取ることもできるからです。

ただ個人的にはエンジンで発電するというのはライフラインが切れた時に車が発電所の役割として使えるようになるので、早くアウトランダーPHEVのような車を日産にも出してもらいたいと思っているのですが、他社の方が先にそんなレジャーにも災害対策用としても便利そうな発電機付きの電気自動車のジャンルに入ってくることになったら、せっかく先行している日産が私の思っているようなニーズを持っているユーザーを逃してしまうのではないかという事も気にかかります。

こうした車自体が発電能力を持つ車についてはもう一つのニーズがあります。先日ニュースで見たのですが、昔宅配業者が専用の車としてメーカーに発注した車内で立って作業のできる配送車を改造して「キッチンカー」として再販売して好評だということです。よく移動販売のお店として見たことのある方もいると思いますが、それらの車にはキッチンを配置しプロパンガスを組み込んで車の中で調理ができるようになっています。

ただ、車体自体は古いものの再利用であるので、今後車内で電気が使え電池容量が少なくなったらエンジンを回して充電したり、外から充電することで電子レンジやIH調理器が使えるミニバンが電気自動車として登場してきたら、将来のキッチンカーのベース車としてヒットする可能性もあります。車中泊趣味の人たちは、そうした流れで出てきた車があればそれを小さなワンルームの部屋に改装すれば、究極の車中泊車となる可能性もあります。あとはトイレさえどうにかすれば、電気の通るガレージを基地にして(普段はそこから充電して走行および家電を動かせるので)そこから日本全国どこでも遊びに行くような生活をしやすくなります。個人的には車内でパソコンを使える書斎があれば、どこでもブログを更新することができますし、そういうのもいいかなと思います。

とにかく、今回の日産のセレナe-powerの発売により、普通に電気自動車が使われる環境ができてくれば、様々なニーズを狙った多くの電気自動車が日本でも走るようになるでしょうから、今後のユーザーの動向や不満点などを汲んだ、さらなる魅力的な機能を持った車も出てくるのではないでしょうか。そんな旗振り役を発電機を搭載した車である日産のe-powerシリーズや三菱のアウトランダーPHEVに期待しています。


車中泊車としての軽トラと軽1BOXの比較 その3 燃費・走行性能

現在の軽自動車普通車は、その多くが純粋なガソリン車からハイブリッド・電気自動車・ディーゼル車というような形に変わり、燃費も飛躍的に向上しています。そんな中で、ここまで紹介している軽トラや軽1BOXでは今のところハイブリッドなどの装備はなく、燃費は明らかに落ちます。

基本的にはMTとATということにもなりますが、長距離運行をするなら運転にストレスのないATの方を選んだ方がいいのですが、乗用車と比べると明らかに燃費は落ちます。過去にオートマの軽1BOXで長距離を走った時には最高でも一般道が中心だと13km/Lくらいがせいぜいで、これは軽トラの場合でも同じでしょう。ただ、荷物として居住スペースを載せて走るので、住居部分が重い分、軽1BOXよりも燃費は下がると考えた方がいいでしょう。

あえてこれらの車で燃費の良いものと考えた時、ある程度の予算があって新車を含む高年式車が選べるというなら、MTでもATでもないスズキの5AGSというミッションの車が候補になるかも知れません。5速あってオートマのようにギアが切り替わるので、高速道路を利用する際の燃費に違いが出そうです。

2WDの場合、軽トラのキャリイでも軽1BOXのエブリィでも、JC08モードのカタログ値は20,2km/Lと5MTよりも燃費が優れたカタログ値になっています。ただそれでも実測の燃費についてはこの数値通りには行かないと思います。燃費口コミサイトでその辺の事情を確認すると、エブリィの5AGSで平均が約15km/Lくらいでした。もちろん乱暴な運転を繰り返してきれば10km/Lを割ることもあるでしょうが、口コミサイトにアップされた数値の中には20km/Lを超える結果も報告されていました。

恐らく高速道路走行で定速で止まらずに走ったのでしょうが。私が今乗っているガソリン車のホンダフィットが、市街地では12~15km/L、下道で長距離だと17km/L前後、高速を定速走行すれば20km/Lを超える場合があるのですが、このくらいの燃費が出るのなら、それで十分ではないかと思えます。元々、軽トラも軽1BOXもスピードを出すような車ではありません。高速道路走行の際でも燃費がカタログ値の20km/Lくらいを目指し、余裕を持った運転をするつもりで利用するのがいいでしょう。

そうなると、ほとんどエンジンと走行性能が同じ車ということなので、荷室の中に相当重い物を載せなければキャリイよりもエブリィの方が燃費の面では期待できそうです。ただ新型のキャリイなら居住部分の徹底した軽量化を実現できれば、エブリィに迫る燃費性能も期待できそうではあります。

走行性能についても新型のものなら改善はされていそうですが、上り坂での力不足や雪道での安定走行をより重視するなら、燃費の低下には目をつぶってもターボや4WDを選んだ方がいいでしょう。4WDの場合はフルタイムでなくパートタイムで切り替えられるものにして、通常での燃費の良さを確保した上で悪路の走行時に4WDにして走るようにするのが燃費を考えて車を選ぶのならおすすめです。

あと、走行時に気を付けたいのが特に軽トラに居住スペースを載せて走行する場合、乱暴な運転をするとハンドルを取られたりする可能性があるということです。あと、常に居住スペースを積載した状態での車高(地面からの高さ)を把握しておかないと、高さ制限のあるところで、うっかり屋根をぶつけてしまう可能性も無いとは言えません。

ここまで、車中泊車のベースとしてどちらの形状の車がいいかということを考えてみしたが、実際に選ぶ場合の違いというのは自分がどんな車を作ってどんな風に旅行に行きたいかによって選ぶ車も違ってくるということが正直なところでしょう。ここまで読んでそれでも決められないと思った場合は、まずレンタカーで軽1BOXタイプのものを借り、その車で1泊でも2泊でも旅行に出掛けられてみるというのはどうでしょうか。

最低限のマットと寝袋を持って出発し、荷室の環境にどうしても我慢できなければそれ以上の居住空間を作ることができる軽トラに行くしかありません。逆に荷室スペースで満足でき、むしろ広いと感じるなら、最初は素のまま車中泊をしていても、将来的には装備を増やして本格的なキャンピングカーに近いものに仕上げることを目的にして1BOXを購入する事になるかも知れません。
私自身も今後どうなるかはわかりませんが、とりあえず次の車検時期にそのまま続けて車検を通すのか、一気に車中泊用に整った環境が作れる車にするのか、最初の方にも書きましたが自動車全体にかかってくる税金や保険の状況も見ながら決定していけたらと思っています。

※軽トラックと軽ワンボックス車について書かせていただいた記事を以下にまとめさせていただきました。興味がある方はどうぞリンク先の記事もご参照下さい。

その1 ベース車の価格
その2 居住環境
その3 燃費・走行性能


車中泊車としての軽トラと軽1BOXの比較 その2 居住環境

軽自動車をベース車としてキャンピングカーもどきの車中泊車にしたいと思っている場合、車中泊の旅に出る際にどういう形態になるかによって変わってくるところもあるでしょう。単に仮眠を取るだけならそれほどの改造も必要ありませんし、寝るときにだけ布団を敷いて寝られるだけのスペースが有るだけでいいのか、旅の途中でゆっくりできる居住空間としても車内が使えるようにしたいのか、そんな車中泊に対する想いによっても変わってくるでしょう。

軽トラの場合は座席は2つしかありませんし、軽1BOXの場合でも車内で寝ることを考えると一緒に旅立てるのは2名までというのが前提です。このうち1BOXの場合は運転スペースと後部には外に出ないで行き来できますが、軽トラの場合はいったん車から降りて、さらに荷台のところまで上がるということではしごなどを別途用意する必要がありますが、いったん居住スペースに入ってしまえばゆっくりできます。最大2名で過ごすのに快適な環境を作り出せるのはどちらでしょうか。

普通に考えて中での快適さという点について言えば、考えるまでもなく一から居住スペースを設計でき、さらに居住空間を平面からさらに上に伸ばすようなこともできる軽トラベースの圧勝ではないかと思われます。居住空間を設計する際に、運転席の真上にせり出すような形で伸ばした形のスペースを作れば、寝る部分をロフトのようにして確保することもでき、寝具関連も置いておけます。急に停まって休みたくなっても、中を片付けたり組み立てたりすることなしに二名がすぐに寝られるようになるでしょう。二人での車中泊旅行に便利なだけでなく、一人でも生活空間と寝室を分けることもできるということで、長期の旅行になってもストレスがかかる具合は少なくなるのではないかと思います。

寝室を上方に移動させる形で別にできれば他のスペースも工夫次第でいろいろ作れます。ギャレー(流し)やトイレのスペースも取れれば、本格的なキャンピングカーを軽自動車のサイズで自作することにもつながっていくでしょう。全くの初心者には無理だというとことはあるかも知れませんが、簡単なギャレーならポリタンクに乾電池式のポンプを直結させ、バケツに排水するだけでも良く、トイレもポータブルトイレで十分です。間取りを分けたいようなら、専門家に相談して設計をお願いするという手もあります。ただ、作ることに満足してしまって肝心の旅に出るパワーがなくなってしまわないように気を付けていただきたいですね。

居住性に関しては劣る軽1BOXの車については、それでもハイルーフの車をベースにすれば車内に棚を作ったり収納付きのベッドを自作し、昔の三段式寝台列車のようになってしまうかも知れませんが、二段ベッドも使えるように荷室スペースを改造する人もいます。

ただ、そもそも軽1BOXではフラットな床さえあれば、2人並んで十分に寝ることはできるというのが特徴でもあるので、あえて改造はしないで寝る時には寝床を作る手間さえ行なうのが苦でなければそれでいいという方もいるでしょう。日本人の生活というのは狭い部屋でもその部屋を何通りにも使って、リビングにも食堂にも寝室にも変わるように必要に応じて使うことをやってきました。ちゃぶ台の代わりとなる折りたたみテーブルと、寝具を邪魔にならない場所に置く空間を確保できればたいがいの事は車内でできます。車内に荷物を配置するのには、他の用途にも使える収納ボックスを並べて配置すれば、見てくれや収まりも良く、車の改造自体が必要なく車中泊で長期利用も可能です。どうしても収納が足りない場合は、ルーフキャリアを設置して普段使わないものはコンソールボックスに入れて移動するという方法も取れます。ただその際には荷物を取るにははしごなどで車の屋根まで登る必要があります。

さらに簡単な収納ということで言うと、屋根の部分にネットを張り、その中にすぐ使うようなものを入れたりすることで居住空間を確保したまま様々なものを使うようにしている方もいます。2種類の軽自動車を比べるとどうしても決まった空間の中でどうにかしなければならないというのが1BOXカーの限界でもあるのですが、やみくもに空間を増やせばその空いたところに何かを入れたくなるのが人間というもので、最初から決められた空間しかない事を理解した上で荷物を限界まで削ぎ落とし、居住空間を設計するという考え方ができる人なら、軽1BOXを車中泊カーに仕上げることも十分に可能だと思います。2つの方法を比較した場合、軽1BOXの方が費用は格段に安く上がることにもなります。

私としては両方のタイプの車が手に入れられればそれに越したことはないのですが、すでに組み立て式のコットを2つ持っているので、まずは1BOXの車でとりあえずフラットになる加工とカーテンを付けて、寝る時にはコットで寝るようにするだけでもいいかなと思います。今の普通車のシートアレンジをしてからコットを組むというのは外からの目もあるので、コットを組んだまま車に載せて走ることができる軽1BOXは今の装備だけでもそれらしい車中泊ができる車と言えそうです。

傾向的にはここまで説明してきたような事になるとは思いますが、私のように車を大胆に改造せず道具もそれほど自作しない人もいる反面、ネット上には自分でいろいろ工夫して車中泊用に仕上げた様々なケースが紹介されるほど、自分で様々なものを作りたい人もいます。すでにある空間の中で何かをしようとするのか、全く何もない状態から作ることを考え、自分の理想を入れた究極の狭小ハウスを作るつもりでこだわってみるのか、そうした人間の思いでベース車の選択は変わってきます。皆さんはどちらの車に魅力を感じるでしょうか。

※軽トラックと軽ワンボックス車について書かせていただいた記事を以下にまとめさせていただきました。興味がある方はどうぞリンク先の記事もご参照下さい。

その1 ベース車の価格
その2 居住環境
その3 燃費・走行性能