月別アーカイブ: 2017年12月

2017年のMVNOを取りまく状況 その2 MVNOはこの先生き残れるのか

前回、テレビコマーシャルで大手キャリア並に知名度を得た準キャリアと言えるかも知れないY!mobileとUQmobileについて紹介しました。通信会社としては今はもう限られたユーザーの取り合いになっていく中、今までのようにただ毎月安い値段で利用できるというだけではユーザーをMVNOが獲得できないような状況になってきていると思います。

今後、MVNOは淘汰されていくということも十分考えられる中、どこに活路を求めて行けばいいのか、またユーザーとしては何を基準にMVNOを選べばいいのでしょうか。そのキーワードとしてまず浮かぶのは「フルMVNO」のサービスです。

この「フルMVNO」について説明する前に現状のMVNOというのについて見てみますと、単に回線の一部を借りているだけなので、かなりの制約を持った中でサービスを提供しなければなりません。SIMはドコモの場合、ドコモのSIMカードの提供を受けて貸し出されたものなので、解約の際には返却が必要になります(auのMVNOの場合はSIMの返却は必要ないケースが多いです)。

「フルMVNO」というのは、MVNOで独自にSIMカードを発行したり、独自のSIM規格を搭載した製品を開発することができるようになります。具体的にはSIMカードがなくても通信会社の情報を登録することでSIMを入れているものとして自在に通話・通話のできるeSIMというサービスを提供することができます。

現在最少のSIMの大きさはnanoSIMですが、それでもカードを収納する部分などを作らなければならないので、将来のモバイル機器やノートパソコン、AIスピーカーがeSIMによる通信を行なうような形に統一されてくると、現状のSIMカードしか持たないMVNOはジリ貧になってしまうでしょう。今後、もしUSBタイプのBluetoothアダプタくらいの大きさのLTEモデムがeSIMの導入で本体の大きさを小さくして市販されるようであれば、今あるノートパソコンをLTE通信機能付きにできそうなので、通信業者の乗り換えを考えるかも知れません。

ただ、電気自動車と同じてすぐに今のnanoSIMが淘汰されるということまでは考えなくていいでしょう。どちらにしてもそこまで影響が出てくるのはまだ先のことだろうと思います。今のところ「フルMVNO」を実行に移そうと具体的に声を挙げているのはIIJmioのみで、2018年3月から始めることをアナウンスしています。ただ、IIJmioのデータ通信の仕組みが低速通信に切り替えても3日間で360MBのデータ通信量を超えると更なる規制を行なうようになっていますので、個人的には低速無制限のMVNOが「フルMVNO」に参入するような事があれば、大手キャリアとフルMVNOでないと使えないようなハードをチェックしながら、新たなモバイル通信の形としての動向に目を光らせることになると思います。

さらに、現在の4Gから5Gに向けて大手キャリアは実験を重ねている中、5G対応のSIMカードとともに、新たな動きが出てくる可能性があります(実現までには恐らく2020年くらいまでは無理ではないかと思います)。現在、LTE通信において最低速度で約200kbpsというスピードが安定して出ている中、それが5Gになったら最低速度が上がってくるのかどうか、まずはお隣の韓国が国家の威信をかけ2018年に行なわれる平昌オリンピックにおいて5Gが使われるという話もありますので、そこでの5Gの能力についての情報が出てくれば、今後の対応もいろいろ考えられるでしょう。

現状のMVNOの料金大系について、横並びになっているところについては新しくどこか有力なMVNOや大手キャリアおよびサブキャリアが攻勢をかけてくれば一気になくなってしまう危険性をはらんでいるような感じもあります。まず、時間や場所によって著しくスピードや反応が遅くなってしまうところはかつてのフリーテルSIMがそうであったように、淘汰されてしまう恐れがあります。単に安いところであっても、それによって回線の品質が下がるとしたらなかなか支持されなくなる恐れもあります。

となると、かつてのぷららLTEのように高速無制限という文句が先走るような売り方は成立しなくなるでしょうし、現在「スーパーホーダイ」で低速時でも1Mbps出るとされている楽天モバイルが自社回線を持った場合、さらに安定して1Mbpsくらいのスピードが出せるようになるのなら、かつてMVNOの高速無制限プランに押し寄せた人たちがごっそり移ってくる可能性もあります。回線を大手から借りているMVNOとしては借りていない通信業者と回線品質について争っても勝てるわけがありませんし、そうなると回線の安さで勝負するか、他社が行なっていない独自のプランを行なっているところはそのプランを提供している人の支持が得られればそのまま残るでしょうが、やはり他社とそんなに変わりないようなところは危ないと言わざるを得ません。

後は、具体的に名前を出してしまって恐縮ですが、来年以降LINEモバイルがどのように推移していくかということに個人的に興味があります。というのも、その前に多くの人に利用されていたmixiはLINEにシェアを奪われる中、最近では「チケットキャンプ」の買収をしたものの現在サービス終了にまで追い込まれてしまっています。このように、ネットサービスの栄枯盛衰というのはどんなサービスにもあるわけで、LINEモバイルがLINEというサービスあってのものであることから、肝心のLINEというサービスが他のサービスに取って代わられてしまえば一気にその人気もしぼむ可能性をはらんでいるからです。個人的にはクレジットカードがなくても銀行口座からLINE Payをチャージするという方法で利用料を払えるというのは他のMVNOにはないサービスなので、何とか残って欲しいと思っているのですが。

新しい技術も見える中、混沌とした状況に陥ってしまうかも知れない未来も考えられる中、個人的に希望することは、できるだけ通信会社に縛られないでユーザー主導で契約も解約もでき、安く使えるMVNOは最低限残っていって欲しいということです。個人的にはそこまで高速なモバイル通信は必要としないので、来年も以上のような事を気に掛けながらウォッチングを続けていこうと思っています。

本年もこのブログをお読みいただいてありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いします。

IIJmio
LINEモバイル

2017年のMVNOを取りまく状況 その1 安売準キャリアと楽天モバイル

いよいよ2017年も終わり、来年に向けての動きも慌ただしくなってきました。そんな中、このブログでは格安SIMを上手く使って通信費を節約したり、野外でのモバイル通信の楽しみ方について紹介をしてきました。ここで改めて翌年に向けての大手キャリアやその他の通信会社の動向について考えてみたいと思います。

大手キャリア3社は新しいサービスを出してきても3社ともほぼ横並びになるなど、ユーザーが通信会社を選ぶ場合、同じ会社同士や付随サービスの割引や同社間通話無料などのサービス面で周りのユーザーがどこの会社と契約しているかによって選ばざるを得ない状況で安定しているような感じでした。そうしたしがらみのないユーザーが料金を安くするためにMVNOへ今までは行っていたのではないかと思いますが、そこに割って入ってきたのが「Y!mobile」と「UQmobile」という準キャリアの進出だったと思われます。

「Y!mobile」は、元々PHSサービスで生き残ったウィルコムと、ウィルコムから分かれたイーモバイルをSoftBankが買収することでできたキャリアで、今ではSoftBankの回線を使い、独自の端末とセットで長期契約を結ばせるSoftBankの下請けのような会社ですが、テレビを見ると格安SIMを求めている層を先に刈り取って端末の分割販売も合わせ、長期にわたって維持される自動更新の途中更新に解約料がかかる契約を取ろうとかなりのCM攻勢を掛けています。

ただ、MVNOを含め格安の通信料金を提供する大手3キャリア以外の会社では、現在の楽天モバイルを除いて通話無制限であるオプション「スーパー誰とでも定額」の設定があり、長期契約のディメリットを理解した上で加入するなら選択肢てしては今のところここしかありません。実際問題、これは大手キャリアの影響下にあるからこそできることで、大手3社から回線を借りているだけのMVNOにはできない芸当です。

MVNOにはできないと言えば、今年新しく出たApple Watchに組み込まれている「eSIM」に契約データの内容を書き込んで、同時に契約したiPhoneがなくてもApple Watchのみで通話やデータ通信ができるという仕組みでしょう(現状では新たにeSIMが使える「フルMVNO」のサービスが開始されても、MVNOごとにAppleとの契約がないとApple Watchの利用は難しいという見解もあります)。将来的にiphoneが物理的なSIMカードでなく「eSIM」のみで提供されるようになった場合、今のままの単に回線の一部を借りているだけのMVNOではジリ貧になってしまう可能性があります。本来、公正な競争を促すために政府の方針で規制緩和を行なって欲しいところですが、これは来年の動向を見ての判断になるでしょう。

また、「Y!mobile」と同じように大手キャリアのサブキャリアとしてテレビコマーシャルを流しまくることで知名度を上げたのが「UQmobile」です。個人的には元々、モバイルでの高速通信「Wimax(現在はWimax2)」を提供していた親キャリアとしての認識で、そのUQmobileがauから回線を借りてサービスを開始した格安SIMの部門というのは、どちらかというとドコモに対するOCN モバイル ONEのようなものだと思っていました。

今でも回線の品質からすると、「データ無制限プラン」(データのみ1,980円税別)は最大500kbpsとなっていますがかなり安定していると評判ですし、そこもauとの密接な関係あればこそでしょう。ただ、コマーシャルでおすすめされているのは通話プランとデータ通信がセットになった2年契約で自動更新のある音声通話とデータ通信のセットプランです。Y!mobieとの比較で注意したいことは、通話一部定額の設定はあるものの通話無制限の設定はUQmobileにはありません。

もちろん、大手3キャリアがそうであるように、端末とのセット販売による契約の長期化(端末の分割販売や2年更新のプランを併用することで割引を提供する)があれば、契約したものの即解約というようなユーザーの気まぐれを防ぐことができますので、このような形で営業を掛けるのは当り前だと思うのですが、これではMVNOのメリットの一つ、いつでも好きな時に解約が可能なメリットが薄れてしまいます。

大手3キャリアが今まで批判を受けていたことの一つに、端末はあくまでキャリア専用で、セット購入でなかなか他の通信会社と契約できないように縛るというものがありました。もし通信会社が通信プランのみを売るだけで、端末はそれぞれのメーカーが家電製品のように売るような事ができれば、もちろん最新型のスマホは高額になりますが、売れ残った型落ち品を安く購入することができ、さらにメーカーが3社どのSIMでも使えるようなSIMロックフリーの端末を作っていれば、同じスマホを別のキャリアに行っても使い続けることができます。

しかし、こうした端末との抱き合わせ販売はMVNOでも普通に行なわれていることでもあり、この状況はこれからも変わってはいかないでしょう。もちろん、最初から大手3キャリアのような縛りのある契約であることは理解しつつも、大手より通信料も端末料金も安く便利に使えるというメリットとしてはあるので、使い方によっては選ぶ意味がないわけではありません。あくまで私の使い方ではそのコンセプトに合わないというだけですので、お互いのメリット・ディメリットを十分理解した上で準キャリアを利用するのは悪くはないと思います。

そして、まだその全容が明らかにはなっていないものの、本格的な第4のキャリアとして通信業界に参入を表明した「楽天」がどのようなサービスを行なっていくかが注目を集めていくことになるでしょう。ただしここまで紹介してきた「複数年契約(自動更新あり)プラン」・「専用プラントのセットによる端末の安売り」「通話とデータ用プランの優遇」という3つの流れは変わらないと思いますので、大手3キャリアというよりも2つのサブキャリアとの比較で、どのくらいお買い得感を出せるかというのがまずはポイントで、そもそも他の3社と比べたエリアの問題や、通信品質はどうなるかということも合わせての評価になっていくのではないかと思います。とにかく新たに通信事業に参入するということになると初期投資の額が半端ないものになると思いますので、本当に参入できるのかということから楽天の動向については注目していきたいと思っています。

Y!mobile【UQmobile】楽天モバイル

日本メーカースマホのメリットがなくなる日も近いか

半ば予想はしていたところがあるのですが、先日の裁判のニュースでワンセグ付きの携帯電話を持っていたことでNHKの職員から受信契約を不当に結ばされたと契約の無効を訴えた東京地裁の判決があり、訴えた男性が敗訴になりました。過去にはワンセグの携帯電話では受信料の契約はできないとする判断もあったのですが、受信料の徴収は合憲という判断が出た中ではやはりNHK有利の判断がされる事は仕方ないと思われます。

そうなると、少なくとも勝手にNHKとの契約を結ばれないためには、たとえ家にテレビがないとしても、ワンセグ携帯電話やスマホ・タブレットを所持しないことが必要になってきます。そこで思い当たるのが、日本産のスマホの海外製との違いを表わす際に言われることの多い3つの違いというものです。

それが、「防水・おサイフケータイ・ワンセグ」というものなのですが、こういうニュースによって改めてスマホにワンセグが必要なのかというところになると、多くの人が使っていたり今後使いたいと思っている「iPhone」については「防水・Apple Pay」のみが搭載されていてワンセグは搭載されていません。
さらに、安さから人気の台湾や中国メーカーの格安スマホは、国産メーカーの搭載する3つの機能が全て付いていないので安いということはあるのかも知れませんが、今後の状況によって、かえって何も付いていない方が好まれるような状況に変わってくる可能性も出てきます。

まず、防水機能については海外メーカーでも対応するような話も出てきていますし、防水パックに入れて水辺では使うようにすれば十分と考える人もいます。そしておサイフケータイについても、海外で利用できるわけでもないので、今後大挙して押し寄せる外国人観光客に向けての電子決済の手段が整備される中、電子決済も本体のカメラによるQRコード読み込みだけで済んでしまうものが日本でも多くの店舗で使えるようになることも考えられます。カメラで撮影したQRコードだけで決済ができるなら、おサイフケータイ機能そのものが本体の価格を押し上げる余分な機能だというように感じられてしまう可能性もあります(もちろん、悪意のあるフィッシングサイトに飛ばす怪しいQRコードについての対策が必要であることは言うまでもありません)。ワンセグについてはすでに説明した通り、ワンセグが付いていることで受信料を払わなければならないケースもあるので、過去には日本メーカーの出すスマホの有利な点として紹介してきた3点がまるまる海外製スマホとの間で競争する中での足かせとなる可能性さえ出てきたわけです。

残念な話ですが、日本メーカーが作った機能的には海外に対して優位に立てるようなスマホであっても、利用する場所の社会や制度によって、本来はスマホを便利に使うための機能が付いていること自体が不利になったり、そもそも本体の価格が高くなるばかりでそこまでのメリットがなかったりするなら、どうせ2年から3年で内蔵バッテリーや古いOSの問題で買い替えを余儀なくされると割り切って、機能がシンプルで小売価格が安いスマホがもてはやされるようになる事も考えられます。

ただ、シンプルスマホではいやな人達は国産のごてごてしたスマホに行くわけではなく、スマホを持っている事自体を誇ることができるiPhoneを購入するようになるでしょう。つまり将来はiPhoneを買い続けるグループと、基本性能だけがしっかりしていて個性のない海外製のスマホを頻繁に買い替えて使うグルーブに分かれた消費活動が繰り広げられていくのではないかと想像してみるのです。日本で生活して多くのメーカーに親しんでいる身としては極めて寂しい展望にはなるのですが、すでにある「らくらくホン」のような切り口のように、iPhoneでもシンプルスマホでもない新たなニーズを引き出すような選択肢を持ったスマホを今後提供して欲しいものですが。その中の一つがガラケーから派生したガラホだというのなら、それはそれで面白いのですけど。

SIMフリースマホの買い換え時には「Android8.1」かどうかを気にすべし

先日、とあるSIMフリーのスマホが安売していたので食指が動きかけましたが、迷っているうちに定数終了という残念でもありほっとしつつもありの結果に終わりました。今後福袋の中味であるとか、年末年始の大安売りで多くのSIMフリースマホやタブレットが売られることになると思うのですが、そこで気にしていただきたいのがAndroidのスマホやタブレットの場合のOSのバージョンだったりします。

というのも、最近では国内メーカーのスマホを中心におサイフケータイ機能の付いたスマホは多く売られているのですが、キャリアが販売するスマホとの大きな違いとして緊急速報の「エリアメール」を受けることができないというデメリットが有りました。

エリアメールの大きな音に、こんなものいらないと思う人にとっては鳴らない事自体がメリットであるかも知れませんが、音自体は設定で止めたりバイブにすることも可能なので、やはり大きな天災が起こった時やミサイルが飛んで来たことをいち早く知るためにも、このエリアメールは受信できた方がいいわけで、特に自分ではスマホの見極めができないような高齢者の方にとっては、やはりキャリアの端末と同じようにエリアメールが使えるならそれにこしたことはないでしょう。

そこでというわけでもないのでしょうが、今後はSIMフリースマホであってもエリアメールが使えるようにしていくという話が進んでいて、とりあえずはAndroidのバージョン8.1向けにエリアメールを使えるようにすることで話がまとまったというニュースがありました。ですから、今後新たにSIMフリースマホを購入する場合、本体のバージョンアップが可能なのか、可能ならばバージョンアップ後にAndroid8.1になるスマホであるかを確認して購入した方がいいということになります。

もちろん、エリアメールが使えないSIMフリースマホを使っている場合でも、「Yahoo!防災速報」のような即時通知可能なアプリを入れれば、集中豪雨や火山噴火情報などきめ細かい情報も通知されますので、ある意味エリアメールよりも便利になるかも知れませんが、設定で多くの場合に通知しすぎてしまうといつも鳴り続けてしまってそれはそれで大変になります。自分のいる地域に大変な事が起こった時に鳴るというのはシンプルで、さらに同じタイミングで大手キャリアに入っている人のスマホも鳴るので、ある意味安心できる部分もあるだろうと思います。

ですから、今後スマホの安売り販売があったとしても、果たしてそのスマホに入っているOSは何か? さらにメーカーがAndroid8.1へのバージョンアップを保証しているのかどうかを確認した上で入手するようにしないと、エリアメールが使えないから安い製品を買ってしまって、後からその事に気付いても遅いということになるでしょう。

うちの場合も、私自身はドコモ契約のガラホを持っているのでエリアメールは使えるのであえてすぐ買い替える必要は感じませんが、格安SIMで2世代前の国産SIMフリーのスマホを使わせている親のスマホについては、やはりエリアメール対応のものを次に買い替える時には手に入れたいと思っています。

Androidのバージョンアップについては、たとえメーカーが将来的にどこまでのバージョンアップを予定していると発表していても、実際に新たなバージョンが出てもバージョンアップをなかなか提供しなかったり、バージョンアップそのものを行なわないような事が過去には行なわれてきたこともありますので、あくまで将来の約束を信じないで、すでに新たなバージョンが入っているものの中から選ぶのがいいと思います。そんなわけで、年末年始のSIMフリースマホの安売りでは「Android8.1」を挟んで、今後も長く使えるかそうでないかの判断が分かれることもあるということを十分に考えた上で購入するように気を付けましょう。

一部地域で銀行が平日にも休みになるか?

政府・金融庁が銀行店舗の平日休業を可能にする規制緩和について検討しているというニュースが報じられました。現在は、利息が付かず小切手のやり取りが企業間の決済に利用される「当座預金」を扱っている場合は土・日祝日および年末年始以外に休めないようになっているそうなのですが、この内容について緩和させることで、平日にも銀行を休みにできるように考えているようです。

これは、少子化も原因の一つとしてあるのでしょうが、人口が都市に偏ることで、地方で人口が減っている地域に支店を持つ金融機関については支店そのものが不採算化している状況に対応したものになるそうです。逆に言うとこうした検討がなされる背景には、この国はもはや少子化に対しての対策を講じきれていないというところもあるのだと思います。この点については見通しの甘さを責めなければなりませんが、現実問題として今や地方の郵便局においても存続することが難しい状況の中、銀行の不採算部門を何の対策もしないでそのままにはできないということになるのだろうと思います。

実際、銀行が平日休みになるというのはどんな風になるのかと考えてみると、例えば地方に多くの支店を持つ銀行は、全ての支店を2つのグルーブに分けてAグループが月・水・金営業に決まったとすると、Bグループが火・木営業という風に分けることで人員をAとBのグループの近くの支店で行き来させることもできるようになります。利用者側としても違うグループの支店が車で行けるぐらいの場所にあれば、いざという時には時間を掛けても開いている支店の方に行くということができます。こうした事ができるようになれば、最近とみに多い地方の銀行や信用金庫で見られる店舗の統廃合の動きを止めて支店そのものは維持することも可能になるかも知れません。

その他にもインターネットによる決済を利用していれば、直接店舗まで出掛けなくても済むわけですし、今まで窓口でしかできなかったことでもネット上で完結させることができたりできるようなら、近くの取り引きのある銀口の窓口が開いていなくても大丈夫な人はそれなりにいるのではないかと思います。

インターネットが使えないような方ももちろんいると思うので、さらに銀行は自店舗がなくても預け入れ払い戻しができるコンビニのATMが使えるようにするだけでなく、その手数料についても無料化を考えるとかすれば、個人のニーズについては十分なところもあるように思います。たまたま見た同じ金融系のニュースによると、郵便局のATMは基本手数料が無料になっていますが、ゆうちょ銀行はコンビニのファミリーマートに置かれているイーネットのATMで郵便局のキャッシュカードを使う場合、来年の1月15日から平日の午前8時45分から午後6時までと、土曜日の午前9時から午後2時までは入出金の手数料を無料にするそうです。

同じように、地方の銀行や信用金庫でもコンビニATMからの入出金が無料の時間帯を作ったり、振込が自行のATMからと同じくらいの手数料で収まるようになれば、あえて支店に人を置いて営業をしなくても済むような状態が生まれてくるのではないかと思います。

個人的にはあえて現金を出さなくても銀行口座やクレジットカードからチャージした電子マネーを全国どこでも簡単に通用させる仕組みを作っていただいた方が、銀行が閉まってしまうことを気にしなくても、夜間休日関係なく手数料を払うこともないのでいいのですが、もし過疎地の商店でも電子マネーが通用するようになったら売上げも即時にお店の持っている口座に移動させることができるようになるわけなので、かなりの人員削減を期待できます。

電子化されたシステムはどうしてもハッキングされてしまう危険性も持っているということで、今の中国のようなQRコードとスマートフォンを連動させての決済というのは難しいのかも知れませんが、人を雇うコストを考えれば、かなり思い切った方法も取れるのではないかと思います。比較的都市部よりも山間部や海辺の町など人口が減っているところを訪れる機会が多い車での旅行者にとっては、財布の中味を気にしなくても安心して旅に出掛けられる状況というものができれば、今よりもっと手軽に旅に出て、土地のものを購入もして、それを電子マネーで払うことができれば、実体がないだけに思わず土地の人情にほだされて余計に買う人も増えてくるかも知れませんし、より地方の良さを認識した人たちが都会から移り住むきっかけになるかも知れません。人口減少で銀行の営業が縮小というとあまり明るい話には思えないかもしれませんが、何事も物は考えようです。

クロッツ やわらか湯たんぽ 持ち出し・備蓄用途に

年内に申し込むか年明けにずれるかでお得度が変わってしまう「ふるさと納税」ですが、欲しい製品があった場合は直接購入せずに自治体への寄付を行ない、この自治体が提供している返礼品という形でゲットするという手もあります。

今回、そういったやり方で手に入れたのが、大分県国東市の返礼品であり、地元企業の出しているユニークな製品「やわらか湯たんぽ」でした。この湯たんぽの素材はウェットスーツの生地で作られており、空気を抜けば丸めるようにして小さく折りたたむことができ、さらにお湯を入れた状態でもそのまま手で持つことができます。さすがに汚れが気になる場合にはタオルなどを巻いて使った方がいいとは思いますが、普段使いだけでなく車に常備しておいていざという時に使ったり、旅行用のバッグにしのばせて持って行く事も簡単なので、なかなか面白いものだと思います。

写真は1万円の寄付をした人に送ってもらえる「特大」サイズのもので、2.5リットルの容量があります。だいたい大き目のヤカンを使えば一回で満タンになります。付属のじょうごはキャップを回して外れないように固定できるので、お湯を入れるのも簡単です。

この湯たんぽの特徴として自在に形が変わるので、椅子に置いて腰の部分を温めるのにも使えますし、こたつの中に入れて使えばこたつに電気を入れなくてもそれなりの温かさを維持できます。

ちなみに、メーカーのネットショップではこの特大サイズは税込で6千円+送料くらいで売られていまして、1万円寄付しても地方税を払っていればその分、自分の住んでいる自治体からの税金がかからないように申請することも可能なので、あまり負担感がなく気軽に興味深いグッズを試しながら使うことができるという点で、「ふるさと納税」の制度を賢く使うことはおすすめではないかと思います。

今回の返礼品にはありませんでしたが、メーカーのホームページを見ていると、さらに興味深い商品が紹介されていました。今回紹介した湯たんぽは円筒形でペットボトルのような注ぎ口にじょうごをセットしてお湯を入れるのですが、ウェットスーツの素材というのは熱いお湯だけではなく冷たい水でもいいので、夏用の製品も出ています。

こちらの製品は水の入り口が大きく、中に入れるための氷を作るための道具もセットされています。使っている生地は同じなので、中味をお湯にして湯たんぽとしても使えるというメーカーの説明もありますので、夏はコンビニで氷を買って氷枕として使い、冬は沸かしたお湯を入れて湯たんぼとして使うこともできるということで、車中泊の旅のお伴にするならば、こちらの方が個人的には欲しかったのですが返礼品のリストにはありませんでしたので(^^;)、うまい商売だと思います。

ただ、商品についてのレビューを見るとまれに縫製が甘い品が混じっている可能性もあるので、購入後全く使わないということはしないで、とにかく購入してからすぐ使ってみて水漏れがしないかだけは確認しておくことをおすすめします。購入後すぐなら不良品ということで交換対応もできると思いますが、そのまま1年以上保管していて急に使った時に水漏れが起きた場合、メーカーの方ではこの製品が不良品なのかユーザーの保管方法が悪かったのかの判断が付かなくなりますので、最悪一回使ってそれ以降使えない状態になってしまうことも有りえます。レビューで水もれについての悪評が書かれている内容も読ませていただきましたが、どちらにしてもこうした中に水やお湯を入れて使う製品については、きちんと性能を発揮するかどうかはユーザーの方で使ってみて判断する必要がありますので、その点は十分に考えて災害時のもしものために使おうと考えておられる方も、この冬や夏に継続して使ってみて、普通に使っているのに水もれが出た場合に文句を言うべきだろうと思います。

普通に売られている湯たんぽをそのまま使ったり、アウトドア用の非保温ボトルを湯たんぽ代わりに使うという事も一つの方法ではありますが、その場合、普通の湯たんぽと同じようにボトル自体が固いので、腰に当ててそのまま寝入ってしまったらかえって腰に悪かったりもします。しかしこの湯たんぽの場合はクッションのように体に合わせて密着するので、状況によって使い分けることでかなり車中泊の際の車内を快適にしてくれるのではないかと思います。

2018年からAmazon Fine TV StickでYouTubeを見るために

Amazon Fine TV Stickは、本体にアプリをインストールして様々な機能が付けられるのですが、最新のTV Stickでもテレビの大型画面でYouTubeを見るための専用アプリを起動させたら、2018年になると使えなくなってしまうという表示が出てくるようになりました。専用アプリが使えないということになるとこのままテレビでYouTubeが見られなくなり、不便になるなと思いつつ、きっと年明けまでには何かしらの対応策が出てくるだろうと思っていたら、その解決策の一つとしてアマゾンが出してきたのが、新しいウェブブラウザアプリの提供でした。

「Fire Fox」と「Silk」という二つのブラウザがそれで、どちらのブラウザをインストールしても、最初からYouTubeへのリンクが付いているので、リモコンでクリックすればすぐにYouTubeのサイトに飛びます。GoogleのIDでログインするにはリモコンで文字入力をする必要はなく、同時に用意したパソコンやスマホのブラウザを使って画面に表示されるURLにアクセスし、さらに画面に表示される英字を入力してGooleアカウントと関連付けることで、パソコンと同じように自分の好きな動画をまとめておけるようになりますので、ログインした状態で使うようにするのがいいでしょう。

個人的には、テレビに見るものがない場合や、話題の動画を見たい時、そして過去にBSのデータ放送で流れていたのですが惜しまれつつ中止されたウェザーニュースの「SOLiVE24」をテレビ画面に簡単に映して見るためには必要になるので、2018年になっても同様にYouTubeを見る環境が確保できて、ほっとしているというのが正直なところです。

前回まで紹介していたechoについても言えることですが、いつも使っているものでネットを使えるよう同じWi-Fiを利用して様々な機能が使えるようになり、さらにアプリを追加したり本体そのものをバージョンアップする事によってより便利に使えるようになるので、その分スマホやパソコンを使う場面を減らす効果というのもあると思います。

二つのブラウザは、どちらかというと「Silk」の方がデフォルトのブックマークがYouTubelしかないため、他のページをプックマーク登録してお好み登録を増やせるため、今は主に使っています。テレビ画面だと文字も大きく、カーソルは付属のリモコンでマウスのように扱えるので違和感なく使えます。また最初からパソコンの画面のようなレイアウトでYahoo!のトップページも見られるので、家族みんなでYouTubeだけでなくネットニュースなども見る場合には、個人のスマホを覗き込むより、テレビ上でSilkを使った方がスマートですし、かえって子供らのスマホ依存を減らせるのではないかと思えます。

私の場合はたまたまアマゾンのサービスを使うことが多いのでFire TV Stickを使っていますが、Chromecastでもスマホやパソコンをリモコンのように使ってその画面をテレビ画面に映せば、ほぼFire TV Stickと同じことができますし、テレビのブラウザでは表示できないようなスマホのアプリを使った動画再生の場合は、Chromecastを使った方がいい場合もあります。よりヘビーにテレビでネットを活用したい場合は両方の端末を入手するというのがおすすめだったりします。

こうした映像系の周辺機器をうまく利用することで、多くの人が集まる年末年始にはテレビ番組がつまらないと思った場合、楽しくなる空間を演出できることもあるので、すでに機器を持っている人たちはテレビでインターネットという手法も試してみて下さい。

Amazon echo dot その4 今後のスマートスピーカーの進化は?

ここまで、echo dot基本内容とその使い方について書いてきましたが、まだ私の環康では実現していない家電との連携や、まだ日本では利用ができないAmazon Fire TV Stickとの連携など、今後できることは増えていくでしょうし、新たなスキルが使えるようになればなるほど、できる事は多くなっていくと思われます。その点が他社のスマートスピーカーと違うところです。

今後の使い方としては、基本的には携末を触って動かすことがちょっとおっくうな場合に声で代替するようなところで使うシーンは多くなってくるでしょう。そのため、数々の機能を使うことになればなるほど、動かすためのキーワードの使い分けというものが必要になってくることが考えられます。

例えば、先日紹介した実際の波の音を録音して流してくれる「スキル(アレクサ用のアプリ)」があるのですが、この名称が「波の音」というもので、このスキルを動かすには「アレクサ、波の音をスタートして」と言わなければなりません。このスキルを使おうとして「アレクサ、波の音を聞かせて」というようなあいまいな言葉で話し掛けた場合は、スキルの方ではなく、音楽ライブラリーの中から「波の音」という題名のアルバムを探して来て掛けたりするので、その違いを十分に認識するとともに、頭の中を混乱させずに言葉を使い分けることで、より直感的に操作できるようになると思います。

そうは言っても音楽を聴くのに同じバンド名がライブラリの中に複数あるなどすると、言葉だけでは思い通りの操作がしにくいこともありますので、スマホアプリからのコントロールをすることも併用しながらその時の自分の意志が直接echoに伝わるような使い方を今後も模索していくことになると思います。

このスマートスピーカーは長く使えば使うほど自分の個性を学習して賢くなると言われていますが、それを実現しているのは、本体の中にある記憶容量ではなくインターネット上のクラウドにある人工知能だいうのが画期的だと思います。今はなかなか言葉の認識ができなかったり、語彙が少なかったりしても将来的にはまるで生きている人間を相手にしているかのように会話を行うことが、今持っているこのechoでもできる可能性はあると思いますので、その進化がどうなっていくか期待するところも大きいです。

ただ、スマートスピーカーが使う人工知能が進化していく過程において、知らないうちに人間がビックデータに翻弄されて誘導され、消費行動まで支配されてしまう危惧というものもないわけではないので、こういった便利な道具ではありますが、全てを信頼しないで、単なる便利な道具として使っていく意識だけはなくさないようにしていきたいと思っています。

SFショートショートの第一人者である星新一さんの作品に「神」(作品集「ちぐはぐな部品」に収録)というものがあります。それは、「神」そのものを作ってくれと依頼された科学者の男が、一台のコンピューターに世界中の「神」に関する情報を些細なものでも全て記憶させていくうちにそのコンピューターが暴走してしまうという物語です。作品が発表された当時には単なるブラックユーモアにしか思えませんでしたが、ここまで技術が進歩し人間が指示しなくても機械が自分で考えて動くようになっていくと、そうした未来への星新一さんの予言が本当になってしまうのでは? という不安も覚えます。

ですから、便利に使う中でもあくまで機械任せにせずに自分で選択をして行なう(例えばネットショッピングをする場合、echoの言うがままにおすすめを買わないなど(^^;))ように心掛けるなど、使っていくうちに注意しなければならないことも出てくるかも知れませんので、また何か気が付いたことがありましたら改めて書かせていただこうかと思っています。

Amazon echo dotその3モバイル運用でミュージックプレーヤーに?

このecho dotを最初に紹介させていただいた時は、出先から登録をした関係上「モバイルバッテリーで駆動」させ、「Wi-Fiはガラホからのテザリング(モバイルルーターと同じ)」という形で使えることを確認しました。echo dotには電源用のmicroUSB端子および、音出力用のミニジャックが装備されていますので、様々な利用方法が思い付きます。

一番面白そうなのは車の中に入れて音楽プレーヤーとして使うという方法です。車のシガーソケットから出力させるUSBアダプタと接続すれば、車が動いていれば電源は確保でき、さらにモバイルルーターも車からの電源供給で安定的に使えます。基本的には音楽を聞くぐらいなら安定した低速でも十分使えることはスマホで音楽ストリーミングのサービスを使っていてわかることなので、モバイルルーターの中に入れるSIMカードはそれほど毎月の利用料が高いものでなく、月額千円前後のものでも十分でしょう。カーオーディオに有線でミュージックプレーヤーと接続できるものが付いている場合は、そのまま車のスピーカーを利用することもできます。

現状ではアマゾンプライム会員の方が購入している場合が多いと思いますので、Amazon Prime Musicの数百万曲というサービスでも、例えばジャンルを指定して「アレクサ、クラシックをかけて」という風に具体的なアーティストや曲名を言わずに呼び掛ければノンストップでリストの中の曲を流し続けてくれます。また、スマホを使って自分の好きなアーティストの曲を聴きたいと思った場合、Prime musicにはなくても、さらに有料にはなりますが、music Unlimited の方に楽曲がある場合があります。

この場合、プライム会員がmusic Unlimited を利用するための月額は780円ですが、echoに直接呼び掛けてecho専用コースに加入することによって月額は380円というプランが用意されています。これは、考え方にもよるかも知れませんが、スマートフォンで曲名やアーティストを検索し、自分の好みの曲がmusic Unlimited に多かったらとりあえずechoのみで使ってみても面白いのではないでしょうか。もちろん、月額はアマゾンプライムの分だけ払って、Prime musicだけで楽しめるならその方がいいという方もいると思いますので、まずは自分の好きな曲がどのような配置になっているのか確認してみるのもいいのではないでしょうか。

そして、さらにもう一歩進めて、このecho dotを日常的に使うミュージックプレーヤーとしてヘッドフォンを繋いで使ってしまうという事も一応可能です。ただ注意点はありまして、まず残念ながらecho dotには電源として電池は入っていませんので、利用する場合はモバイルバッテリーと繋いで使うことが必要になります。その際、バッテリーの状態が確認できないバックパックの中に入れたままにしておくともしバッテリー不良で発火しそうになったらそのまま燃えてしまう恐れがありますので、歩きながら自分でバッテリーの確認ができるように携帯の仕方を工夫する必要があります。

さらに、安い金額で数千万曲の音楽を使えるミュージックプレーヤーではあるものの、動作は本体マイクに口頭で指示して動作の制御を行なうもののため、単体で使う場合はいちいちecho dotに向かって話し掛けなければなりません(^^;)。ただ本体が小さいのでecho dotをマイクのように口元に持って行き、囁くように喋っても反応しさえすれば、人は多くいても雑踏の中だったら気にもされないと思います。満員の電車の中とかではさすがに目立つと思いますので、必要に応じて本体の音量ボタンを最小にするなどしながら、喋りかけて操作できる場所まで移動するとかの対応が必要になる場合もあります。

しかし、使う場所にもよりますが電車に乗る前にランダムにノンストップの音楽を掛けるように呼び掛け、目的地に着く前に止めるようにすれば、リモコン不要で好きなヘッドホンが使えますし(Bluetooth接続も可能なのでワイヤレス化も可能)、トートバックのような中味がすぐ確認できるバッグに入れて使えば本体を取り出さずに操作も可能でしょう。ただ単体では使えずモバイルルーターとのセット運用になるところだけはめんどくさくもあるのですが、USB出力が2つある大き目のモバイルバッテリーにecho dotとモバイルルーターを繋いで運用すれば、それほど外で使う際に困ることもないのではと思います。

そして、どうしても外で喋りかけることに抵抗があったり、アーティストや曲名が音声認識ができても、同じバンド名や曲があって目的の曲やアルバムにたどり着けない場合は、スマホに入れた専用アプリの「ミュージック&本」から「Amazon My Music」を選ぶと、プライムミュージックで「マイミュージック」に登録したアルバムや曲を選んでリモコン再生することができます。そこまで行くと、スマホでも聞けるのに本末転倒になるかもしれませんが、スマホで音楽を聞いて電池を消耗させないためにはあえてこのような形にしたほうがいい場合もあるかもしれません。

今後の展望として、全てが一つになったSIMスロットとバッテリー付きのモバイルルーターとしても使えるものが出ると面白いと思いますが、それまでの過渡期の使い方として、今考えられる中では一番持ち出しての利用に耐えうるスマートスピーカーがecho dotであるということはあるでしょう。そういう意味では家の中で使わなくなったとしても車の中や外へ持ち出して使えるというつぶしがきくという製品でもあるので、安く購入できるなら、とりあえず一つ確保するのも悪くないのではないかと思います。

Amazon echo dot その2 自宅での使い方と有効化したスキル

スマートスピーカーを自宅でどう使うかということには人によって様々な使い道があると思いますが、私の場合はとりあえず家電との連携は連携できるものが安く手に入るまでは先伸ばしにして、単体のみで使うようにしました。ただ、echo dotはスピーカーとしての性能がそれほど良くないので、この組み合わせの前にスマホに接続するために使っていたポータブルスピーカーに有線でつないで使うのを基本にしようと思います。

とりあえず、寝室にポータブルスピーカーはセットしてあるので、そこにケーブルでecho dotを繋げ、当然ながらスピーカーの近くで就寝場所からでも声が通るような場所にセットしました。寝ている状態でも声を発すれば認識するくらいの距離に置いてあるのですが、さすがに寝たままの状態だとecho dotが自分の声を認識してくれているのかさえもわからなくなるので、さらに寝床から体を起こした状態で、自分でecho dotが見える範囲に置いくことにしました。

というのも、最初のキーワード「アレクサ」をecho dotが認識すると青く光ってその後の指示するような言葉を待ちますので、「アレクサ」と呼び掛けた段階で光らなければ、後で何を言っても反応はしないのでやはり寝床でecho dotを動作させるにも体を起こしてから呼び掛けた方がいいでしょう。やはり夜中に何度も呼び掛けるのは本人も疲れますし、事情を知らない人から見ると何をしているんだろうかと思うでしょう。

で、電気を消す前にあまり激しくない音楽を聴きながら、1時間で再生を中止させるように指示を出した上で寝ました。いわゆるスリープ機能ですが、その日は早めに寝に入ったのでいつ再生を終了したのかはわからない中で、早朝にいったん目が覚めたので、今回echo dotを購入した理由のひとつ、電気が消えた状態での「今何時?」という呼び掛けをやってみました。

その時はある程度ぼーっとしていた事はあったのですが、それでも最初のキーワードである「アレクサ」という言葉は覚えていました(^^;)。これを忘れてしまうと全く動作しないのですが、「アレクサ」という言葉が覚えにくい場合、スマホのアプリからecho dotの名前を変えることができます。それは、アプリの「設定」から「ウェイクワード」を選ぶと設定画面になり、「アレクサ」「アマゾン」「エコー」「コンピューター」の4つの中から選べるようになっていて、最初に設定されているウェイクワードが「アレクサ」であるということです。

事前に大きすぎず小さすぎない音量にセットしてあったので、問題なく真っ暗の中でも時間確認ができたことだけでも私にとってはecho dotを購入した意味があるというものです。その後布団から起き出す前に本日のニュースのヘッドラインを語ってもらい、そのうちに頭が冴えてきたのでそのまま起床しました。

echoシリーズの特徴として、スマホのアプリと同じようにechoに新しい機能を加えることのできるアマゾン社以外が作った「スキル」がたくさんある事があります。日本版のechoでは発売当初から250以上の機能拡張が利用できるようになっているのですが、米国では2万以上と言われており、これが他社のスマートスピーカーに比べて有利になる点だと考えています。

デフォルトで入っているのが「NHKラジオニュース」と「天気予報」ですが、これらのスキルを代替できるスキルも多数あります。とりあえずはこのまま使って、不満が出てくるようだったら他のニュースや天気予報に代えることも考えながら使っていきたいと思っています。

そんな中、最初に入れたのが、ラジオ放送をそのまま聞くことができる「radiko」でした。ラジオはいくつも持っているのですが、声だけで起動・終了ができるというのは便利です。できればNHKも聞ける「らじる★らじる」のスキルも出てくればいいのですが、とにかくスマートスピーカーでラジオが聞ける環境を整えたことができたので良しとしましょう。

後、すぐに入れたのはずっと波の音を流してくれるその名の通りの「波の音」というスキルです。古い話になりますが、アナログのBS放送が始まって有料放送のwowowと一緒に開局した衛星ラジオ局に「セント・ギガ」という局がありました。短い期間ではありましたが様々な自然音やその時間に合うような音楽をノンストップで流してくれていて、かなり気に入って聞いていたのですが、毎月の有料放送として成立するにはまだ早すぎて、あっという間にそのサービスは終了してしまいました。この環境音のシリーズは、いくらかでも自分の中で錯覚を起こすことができるような環境音をスピーカーから出して聞いてみたいという中で見付けました。

今後はそうした環境音と音楽をミックスしたサービスが新たに展開してくれれば、音楽聞き放題に申し込むよりも個人的にはありがたいのですが、今は自分であるサービスを工夫しながら使っていきたいと思っています。

スキルの内容を見ていくと、企業が自社の宣伝や製品の注文(タクシー配車や口座の残高照会を含む)に利用できるものを提供していたり、自社製品をechoでコントロールするためのアプリの代用として提供しているものもあるので、今後多くのAlexa対応の製品が出てくる中で、それらのものを集中コントロールできるツールとしても魅力が出てくるでしょう。しかも、それほどお金を掛けずに持てるということで、未来にも期待が持てます。

これからは、echoがどういう言葉を認識して動作するかということを自分でも学びながら、ストレスなくechoをコントロールできるように年末年始にかけて、いろんな事を試してみたいと思っています。