JR東海は静岡県の東部と中部をまたいで様々な乗り物に乗ることができるものの、ちょっと中途半端な感じで料金分使い切れない感じがしていた「富士山満喫きっぷ」をリニューアルすると発表しました。今までは大人3,120円でしたが、新しいきっぷは中部(金谷~富士~芝川など)と東部(富士~熱海、沼津~駿河小山、三島~修善寺など)のエリアに分かれそれぞれが一日乗り放題で大人2,200円と使いやすくなりました。2025年5月30日から従来のきっぷと入れ替えで使えるようになるそうです。
今までの富士山満喫きっぷで使えていた駿河湾フェリー(清水~土肥)は中部エリアの方で使え、さらに日本平から久能山東照宮へのロープウェイも乗り放題になっています。東部エリアでは三津シーパラダイスまでのバスや、富士駅から岳南鉄道も乗れます。
正直言って今までのきっぷだと範囲が広すぎてかなり無理をしても全てのエリアを回ることは不可能ではないかと思って使っていなかったのですが、明確にエリアが分かれたことで、静岡駅が最寄りの自分としては、一日まるまるやる事がないような日に使うのも有りかなと思う感じのきっぷになりました。
中部エリアの場合、静岡駅からバスに乗って日本平のロープウェイ乗り場まで行き、そこから国宝の久能山東照宮を参詣して来た道を戻り、清水駅から先日紹介したばかりの江尻埠頭から出ている駿河湾フェリーに乗って土肥港まで海上クルーズを楽しみ、土肥港から徒歩15分で行ける土肥金山で現在瀑上がり中の金塊を見て、帰りにフェリー乗り場の隣りにあるリニューアルされた河岸の市で食事をして帰ってくるような旅の交通費が2,200円で済んでしまうということになります。
東部エリアの場合、静岡から富士までの電車は別料金(往復1,080円)になりますが、富士から熱海まで行き、温泉を楽しんでから三島経由で修善寺を観光、さらに沼津からは沼津港までバス移動して食事・観光を楽しみ、お好みで三津シーパラダイスに行くか御殿場方面まで足を伸ばすなどして時間をつぶした後、富士まで戻ってそこから工場夜景で有名な岳南鉄道からの車窓を楽しんで帰るような日帰り旅が可能になります。
県外から来る場合、東からだと熱海まで、西からだと金谷までのきっぷを買ってそこから富士山満喫きっぷを使うのが良いですが、県内で一泊できるようだったら中部エリア・東部エリアどちらの出発点にもなる富士駅周辺にホテルを取って一日目と二日目で使うエリアを変えれば、かなり中味の濃い観光がこのきっぷで回るだけでもできるのではないでしょうか。
私自身は、さすがに真夏には徒歩移動が大変なので利用は控えると思いますが、多少歩けるような気候になったら、単に暇つぶしということでもこのきっぷを使って色々エリア内を移動しまくるのも楽しいのでは? と思ったりもします。地元民からすると日帰りで回ることで宿泊費がかかりませんし、一人で色々な交通手段を使いながらぼーっとするだけでも面白いと思います。JRは乗り放題きっぷを止めるという傾向があるため、このニュースを最初に聞いた時にはまた改悪か? とも思ったのですが、意外と使えそうな内容なので、また気が向いて暇を持て余した時にはこのきっぷを使っての日帰り旅のレポートでも書こうと思っています。