月別アーカイブ: 2018年9月

UQモバイル契約への道 その3 データ無制限プランはどこまで使えるか?

申込みをして発送連絡が来た翌日にマルチSIMカードの形でSIMカードが届きました。早速手持ちの7インチタブレットHuawei MediaPad T2 7.0 Proに入れましたが、UQモバイル用の設定についてはSIMフリー版のものでもすでに入っているようで、既に入っている通信業者の中の「UQモバイル」を選べば何の設定もしないですぐに使い始められました。そうでないSIMフリーの端末を使っている方は手動での設定が必要になりますが、同時に送られてきた冊子を参考にしたり、ウェブページから設定方法を見て設定をすればすぐに利用できるようになります。

実際に上下のスピードを専用アプリで計ってみたところ、他のネットユーザーが紹介しているページもあり、ちゃんとスピードは出ると思ってはいましたが、実際に計ってみると想定通り500kbpsの値に何度やっても落ち付きました。今後も安定してこの数字が出るなら、これから紹介する動画サービスの視聴にも期待が持てます。

すでに他のサイトでも紹介されていますが、YouTubeのアプリで動画を利用する場合、アプリの方でデフォルト設定されている360pの普通画質では時々止まる場合がありました。それでも、低画質の240pと最低画質の144pではよほどの事がない限り止まらずに普通に動画を見ることができます。ちなみに、常に240pでYouTube動画を楽しんだ場合のデータ消費量はソースによって違いはあるものの、ネットで調べた方のデータによると、1GB分見ても約8時間も見られるのだそうです。つまり、「データ無制限プラン」の3日間で6GBというこれ以上使うと低速規制を受ける容量について考える際、できるだけ規制を受けないために一日2GB近く使うためには、24時間中約16時間もYouTubeを見続けなければいけないわけで、旅行中でもそれだけ使うのは大変だと思います。

また、AbemaTVではアプリの設定画面から細かく画質を選べるようになっていますが、アプリにはモバイル通信用の「通信節約モード」があり、その画質を選んでも文字などがつぶれることもなく、結構良く見られます。「通信節約モード」のデータ消費は1GBで10時間も見られるということで、普段は通信節約モードを使っておいて、スポーツ中継でどうしても高画質が見たければ(私の環境では1GBで3時間の高画質でも何とか止まらずに再生できました)、上の画質を試してみるのがいいように思います。

ニコニコ動画については無料会員なのでエコノミー画質を専用アプリではデフォルトにしていますが、そこまでひどい画質ではなく十分に楽しむことができました。1時間で約164MBという低画質での利用する場合のデータがあったのですが、それに当てはめると1GBで約6時間は見られる計算になります。個人的な感想としては「エコノミー画質」というものが低画質とイコールなのかわからないので(アプリではその下に「最低画質」が選べるようになっています)、はっきりした事は言えません。しかし無料会員で生放送を見る場合には強制的に低画質になりますし、このくらい見られれば十分かなという感じはします。

動画の有料サービスでは私が加入しているものだけの紹介になることをまずはお断りいたします。まずはAmazonプライムビデオです。アプリの設定では最高画質・高画質・標準画質・データセーバーの4つから品質を選べますが、「データセーバー」を選ぶと1GBで約7時間も見られます。1GBで4時間弱見られる標準画質でも普通に見られますので、データ量の少なそうな昔のアニメではデータセーバーにして、実写映画やTV番組を見ていてデータセーバーではちょっと見ずらいということであれば品質を変えて使うのがいいと思います。

次にサッカーや野球の生放送が充実しているDAZNですが、こちらも専用アプリから十分見ることができます。一応アプリの設定の中にある3G/4G用の「データセーブ」のチェックをONにして再生したところ7インチタブレットでもしっかりサッカーのボールの動きや得点表示、時間表示についてもしっかり見ることができました。データセーブのチェックを入れることで、チェックを入れない場合の7分の1というデータ量になるということですが、1時間あたりのデータ使用目安は約450MBと少し多めで、1GB使うのに2時間とちょっとという感じになります。それでも、一日サッカーを2試合見ても2GBには達しませんので、どうしても見たい試合がある場合など、普通に外でもJリーグを見られるような感じになるでしょう。

さらに、自宅に置いているTVサーバー「エリアフリーTV plus」(商品内容は https://syachu.net/areafree-tvplus01 で紹介しています)を最低画質で見たところ、何とかカクカクになるものの自宅で受信するTV放送を見ることはできました。ただこれはワンセグが使えない場合の非常手段になりそうです。

唯一UQモバイルのデータ無制限プランでダメだったのは民放TV番組を見逃した際に役立つ「TVer」でした。アプリでは動画プレーヤーの画面をタップすると「自動」と「低画質」という画質を選べるのですが、「低画質」にセットしてもすぐに画面が止まりそのまま再生する気配もありませんでした。個人的には低回線でも見られるようにしなければなかなかスマホでは見てもらえないのではないかと思いますが、TVerを主に見たいと思っている方はこのSIMプランにしてはいけません。

ここまで主だった動画サービスを利用した結果を紹介させていただきましたが、どれも解像度が不足するかも知れない低画質という条件は付くものの、あらゆる動画サービスをそこまで時間を気にせずに利用できるだけのポテンシャルを感じ、個人的にはこのままお昼や夜間のスピードが安定したまま推移してくれれば、車で出掛ける際にはauのLTEが繋がる場所で車中泊をしながら、何もやることがなくなった時には動画でも見て過ごしたり、生放送のウェザーニュースで翌日の行動について決めたりと利用してやろうと思っています。

UQモバイル契約への道 その2 データ無制限プランをお得に契約するには?

前回は、データ通信の契約が口座振替が使えないことを知らずに申し込んだため、まさかの審査落ちを経験しましたが、契約が完了した今となっては一旦契約できなかったこてでお得な申込み方法を逃さずに済むことになりました。

というのも、UQモバイルには通常の申し込み方法の他に「エントリーパッケージ」を購入してから同じUQモバイルのホームページから申し込む方法があるのをその時に発見したのです。しかもその場合契約事務手数料が0円で、さらにアマゾンに売っているエントリーパッケージの価格を見ると、何とその価格は税込500円(2018年9月現在)でした。

当初申し込んだ際にかかるはずの契約事務手数料は3240円(税込)でしたから、エントリーパッケージを購入してから申し込むという手間を掛けるだけで2740円の節約になります。これは申し込むしかないと思ったら、サイトの説明ではその500円のエントリーパッケージは「高速プラン専用」となっているではありませんか。

私が契約したいのは高速クーポンの付く「高速プラン」ではなく、「データ無制限プラン」です。説明によると、エントリーパッケージの説明通りにQRコードを読み込んで申し込むと高速プランしか選べなくなるみたいでしたが、アマゾンで購入された方の口コミの欄を見たら前回失敗したUQモバイルのオンラインショップのスタートページからアクセスし、オンラインショップの中にある「エントリーパッケージでの申し込み」という場所から入っていくと「データ無制限プラン」を含む様々なプランが選べるようになるのです。

そんなわけでアマゾンでエントリーパッケージを注文したら、翌日にはポスト投函で届きました。エントリーパッケージは写真のような一枚の紙を折ってあるものだけで、中に英数字の「エントリーコード」が書いてあり、QRコードを使った契約の方法が書いてあるだけです。ですから、中に書いてある契約の方法については従わず、オンラインショップにアクセスしたら「エントリーパッケージでの申し込み」を選んで、エントリーコードを入力しました。

すると、このように、きちんと契約事務手数料(「購入時お支払い額」のところ)の欄が「0円」になっています。このまま再び個人情報の入力に進み、今回は決済方法にクレジットカード払いを選ぶように注意し、最後まできちんと入力して申し込むことができました。あとは本人確認のための書類をアップロードし(運転免許証の表裏をカメラで撮影して送るのが一番簡単で早いです)これでもし、また審査で落ちたらどうしようかと思いつつ、確認のメールの来るのを待ちました。

結果、無事にSIMを発送したとのメールが翌日に届き、やっとこれで無事に中速で安定した速度が出ると思われるSIMを手に入れることができることになったわけです。いろいろと回り道しましたが、私の場合は良い具合に進んだようです。ですから私と同じデータ専用SIMを選ぶ場合には、くれぐれも支払い方法選択のところでクレジットカードでの支払いを選ぶことを忘れないでいただきたいと思います。

UQモバイル契約への道 その1 加入審査に落ちた原因は?

前回紹介した常備バッグの中のモバイルアイテムについて、生かすも殺すも通信環境がどのようになっているかによるところがあります。外に出ている中でもタブレットでの通信を満喫するためには、やはり動画を通信制限に気がねなく利用できることが必須で、そのためのSIMプランの候補の中で決めたのが、UQモバイルの「データ無制限プラン」でした。

無制限と聞くと、過去の「データ通信無制限プラン」がユーザーの集中とともに一気にスピードが落ちたことをご存知の方も多いでしょう。さらにUQモバイルは、「格安スマホ差別」といわれる問題の渦中にある企業です。auと関係ある(WiMAXをauに提供)会社だけに、auとの相互利用の中で安定して高速を出す環境を都合してもらっているのでは? と言われていて(この点はあくまで推測に基づくもので真実かどうかは定かではありません(^^;))、来月から総務省の規則改正が行なわれることで、もしかしたら高速のスピードを他の格安SIM業者と横並びにされるのではないか(もちろん、他の業者のスピードの制限はゆるまっての話ですが)とつい思ってしまう通信業者です。しかし、この無制限プランというのは高速で常に接続しての「無制限」ではなく、高速とは比べるべきではない中速の500kbpsにスピードが制限された中での無制限なのです。一応UQモバイルのアナウンスでは全ての契約について、「直近3日間の通信量が「6GB」を超えた場合」低速に制限されるとされていますが、「データ通信無制限プラン」は何せスピードが遅いので、500kbps全開で動画を見まくっても、一日2GBずつ使いまくるのは相当難しいと思いますので、実質の「中速無制限プラン」ではないかと私は理解しています。

さらに、過去の他のデータ通信SIMを使った感想として、いわゆる最大200kbpsの低速と言われているスピードでも、OCNモバイルONEの低速なら(あくまで200kbpsのスピードが安定して出ている前提です)画質を下げて144pの最低画質なら全く止まらずYouTubeの動画が見られましたし、アベマTVやDAZNでも低画質なら十分に動画が見られました。もっとも、最低画質の場合にサッカーを7インチタブレットで見ると全体の様子がよくわからなかったりするくらいの粗い解像度なので、もう少し上の画質でも見られそうな200kbpsのだいたい倍の「中速」無制限のSIMがあればと思っていたのですが、その条件を満たすのがUQモバイルの「データ無制限プラン」だったわけです。料金も税抜1,980円で、それまで契約していたWonderlinkとイオンモバイルを解約すれば、毎月の利用料が同じくらいになります。さらに「データ無制限プラン」はいつでも解約可能なので、もしどこかで新しく良いプランが出たとしてもすぐに乗り替えられるのもいい点です。

そんなわけで、Wonderlinkとイオンモバイルの解約を完了させてからUQモバイルの「データ無制限プラン」について事前に情報を集めました。高速プランでは大手キャリア並みのスピードが出ることでも知られたUQモバイルですが、「データ無制限プラン」でも現状では時間に関係なく500kbpsのスピードが出ているということを確認しました。気にかかるのは先に紹介した業者間のスピード格差をなくすための総務省の通達後にどうなるかということですが、高速ではない状況が一気にスピードダウンするようなことが起これば、UQモバイルのユーザーが黙ってはいないでしょう。さすがにそんなことはないだろうということで、ネットショップから直接回線を注文しました。

しかしながら、正解にデータを入手して間違いない内容で申し込んだにも関わらず、申込翌日なって「加入審査結果のご案内」というメールが届きました。その時には、こんな手順を踏むのかくらいにしか思わなかったのですが、メールに書いてあったことを読んで思わず手が止まってしまいました。というのも以下のようなことが書いてあったからです。

(以下自動送信メールからの引用になります)

下記のお申し込みについて、加入審査の結果、お申し込みをお受けすることができませんでした。
お客様からのお申し込みは、一旦、お取り消しさせていただきますのでご了承ください。

(引用ここまで)

この文面は、クレジットカードを作る時に審査に通らなかったような感じの文章になっていましたので、自分が何か過去に大きな問題でも起こしたのかと本気で悩んでしまったのですが、実はこれには明確な理由がありました。

メールの後半にはきちんとした理由が書かれてあり、それが申込時に「口座振替/自動振込」を選んでしまったためであることがわかりました。UQモバイルは口座振替での決済ができるMVNOであるとことさらに強調するウェブページを見て、クレジットカードでなく口座振替にした方が、災害時にしばらく銀行口座に振込ができないような場合でも、コンビニ振込票で支払うことができるのは便利かなと思って、申込時に選んでもエラーにならなかった口座振替での支払いを選んだのですが、後から改めて調べてみたら、新規の場合は音声通話SIMの乗り換えでなくては口座振替できないようでした。そもそもデータ専用回線での口座振替契約は無理ということだったわけです。

個人的にはせっかくのネットからの申込なのですから、口座振替できないプランを選んでしまった場合にはエラーメッセージが出る仕様にして欲しかったのですが、このおかげで改めてクレジットカード決済で申し込まなければならなくなったのですが、その事が実は今振り返ってみれば良かったという結果になったから面白いものです。その2回目の契約については、ここから書くとまた長くなりますので、回を改めて書かせていただきます。

普段持ちの重いバッグの中味を更新(^^;)

現代の小学生は、昭和時代の小学生と比べるとランドセルの大きさが大きくなり、全体的な重さも重くなったなんて話がテレビで放送されていましたが、教科書のサイズが大きくなったことで仕方のないところでもあるでしょう。ただその中で、調べた中でランドセルの重さが一番重かった小学生の女の子が中味を見せていたのですが、普段の学校では使わないものや、持っているものの「予備」の品を入れているために全体的なランドセルが重くなってしまうというところがあり、これはまさに自分の事ではないかと思ってしまいました。

そんな私も日々出掛けた際にはもし出先で大きな地震に遭ってしまったことを考えて、カバンの中味が増えて手持ちではずっしりと重くなるくらい中味を詰め込んでしまっています。その重さは計ったら何と3.8kgもありました(^^;)。でも肩に掛ければ何とか両手がフリーになって歩けるぎりぎりの重さではないかと思います。

私はかなり心配性なところがありますので、他の方の参考にはならないかと思いますが、私のバッグの中味の最新版として自分が後日見て何が必要で何がいらないのかと考えるためにも改めてバッグの中味を細かく見ていこうと思います。読まれる方には退屈な部分が出てくるかも知れませんが、気が向きましたら最後までお付き合い下さい。内容はモバイル関係の品とそうでない品を分けて挙げておきます。

(非モバイル品)

・財布
・ティッシュ
・折り畳み傘(日傘兼用)
・買い物袋
・小型メジャー
・綿棒と絆創膏・毛抜き
・シリコン製折りたたみカップ
・小爪切り
・小銭
・軍手
・拡大鏡
・ボールペンと耐水性のメモ帳

このように挙げてみても、かなり多いですし、何に使うの? と思われるものも入っているのではないかと思います。メジャーは体やその他の寸法を計る機会が意外とあるために持っていき、折りたたみカップは非常時に飲み物を分けてもらえるかなということで持っています。爪切りは本来の目的の他、タグを切るのにも使えます。絆創膏は実は、旅先で指を切って応急手当をするのに重宝したので無印良品の綿棒と絆創膏がセットになったパックを常備するようになりました。軍手は表面がすべらないような加工をしたものを入れています。

拡大鏡はバッタモンのようなメガネ型ルーペを入れています。恐らく虫眼鏡タイプのものではいざという時に取り出して見ることは難しいと思いましたので、安物だとわかって購入したものです(^^;)。買い物袋は何か思わぬ荷物が増えた場合だけでなく、大雨になってしまった場合、バッグが濡れるのを防ぐという意味あいもあります。

次に、モバイル関係のグッズは以下の通りです。バッグはなくても持っているスマホやガラケーは除いています。

(モバイルグッズ)

・タブレット(Huawei MediaPad T2 7.0 Pro)
・充電ラジオ(東芝 TY-JKR5)
・ミニACアダプター
・充電ケーブル各種
・イヤホンケーブル各種
・モバイルバッテリー
・デジタルカメラ
・タブレット用スタンド
・ポメラDM200

さすがに、ノートパソコンを含めたウィンドウズ搭載機は入れませんでした。最後に書いたポメラDM200は本体だけで使う用途の他にAndroidタブレットやスマホに接続させてBluetoothキーボードとしても使えますので、状況に応じて使い分けることを考えて入れました。充電ラジオにはLEDライトが付いているので、タブレットやスマホを非常用の明かりとして使った後にはこちらの方をメインライトにしながらラジオを聞いたりガラケーの充電に使ったりすることになると思います。

デジタルカメラは要らないというご意見もあるかも知れませんが、荷物に入れたカメラはUSBケーブルでの充電が可能で、静止画と動画の撮影をデジカメに集約させることで、スマホやタブレットの電池消耗を防ぐ狙いがあります。

この中から減らすならタブレットもポメラもデジカメもいざとなれば必要ないということになるでしょうが、これらのアイテムは日々の生活の中でちょっとブログを書きたいとか動画を見たいとか、さらにスマホより良い画像での写真や動画を撮りたいような時の方が使ったりしますので、重さが気にならないならここまで持ち運びたいと思います。ただ将来これらの機能を包括する新しいハードが出てきたら、改めてバッグの中味を考え直すということになるでしょう。そのような「持って逃げる」ということを考えたモバイルグッズというのも今後出てきてくれたら嬉しいなと期待して、現段階での持ち物紹介を終わります(^^)。

尾畠春夫さんに学ぶお金を掛けない車中泊旅のスタイル

2018年9月23日にTBS系で放送された「情熱大陸」で、過去このブログで書かせていただいたことのあるボランティア活動家の尾畠春夫氏に密着取材した様子が放送されました。ご覧になった方も多いかと思いますが、このブログでは主に尾畠さんの車中泊生活はどうなっていたのかという点について、番組を見てわかったことを書いてみようと思います。

まず、取材当時にボランティア活動をしていた広島県呉市天応地区には軽のワンボックス車を使って入り、特別扱いではなく毎日ボランティアの活動票のような紙に記入して主に民家の中に入った土を取り除く活動をやっていました。そうした正式な手続きに乗っ取って活動をしているところから、避難所となっている天応地区の小学校の校庭に車を駐車することを許されているようでした。

また、学校の水道を使って一日働きづめで汗だくになった衣類の選択を折りたたみバケツを使ってやり、洗濯物は車が停めてある横にあるアスレチック系の遊具のロープの網のところに掛けて乾かしていました。その様子だけ見ると、過去に何度もネットで叩かれた道の駅に住んでいる長期滞在者の様子と変わらない行動であるのですが、一つ大きく違うのは、地元の人のために活動をしにきてくれ、さらに正式な手続きに沿って活動をしているということから、校庭での車中泊生活を地元の人が認めてくれているということです。

いくら尾畠さんと言えども、最初は地域の人からするとよそ者なわけですから、それなりに地元の人からすると警戒感を持って見ていることはあったと思います。しかし現地での働きぶりや、山口県周防大島での行方不明のお子さんをすぐに見つけた能力の高さを知るにつけ、一目置くような形で接するようになったであろうことが番組を見ている中でも出てきていました。現地ではできるだけ地元の人と会話をするように心掛け、有名な赤のつなぎにも背中に自分の名前を書くことで、誰だかわからなくて地元の人が不安になるような事は極力避けているようです。そうした尾畠さんの人柄が逆に人を引き付けることもあるようです。

お昼休みの休憩中に尾畠さんを訪ねてきた男性がいて、その方のお母さんが尾畠さんに食べてもらいたいとお好み焼きを渡したら、尾畠さんは相当恐縮しているようで何度も何度も頭を下げ、感極まったような表情をしていたのですが、自分から困っている人のところに行って活動するのには慣れていても、他人から施しや好意を受けたりすることには慣れていないという印象でした。単にテレビを見ていただけの私でも尾畠さんの事が好きになってしまったので、地元でその人となりに触れている地域の方々はなおさらでしょう。改めて私達が旅行であっても地元でない土地を訪れる時には基本その地域のローカルルールには従い、単に地元の方の好意に甘えるだけでなく、何か現地でお返しができるような事はないかという風に考えることが、一般の方から見られる車中泊の旅行に悪いイメージを持っている人の考えを変えるきっかけになるのではないかと思ったりまします。

番組では車の中までは取材していなかったので、個人的には見たかった車中泊のための工夫など車内の様子は見ることはできませんでした。しかし、その後大分県の自宅の中で取材を受けているのを見たところ、けっこう男の一人世帯で部屋は散らかっていて、何となく車の中もそんな感じでした。車内は日常的に使うものが無造作に散らかっている風だったので、全く同じとはいかないまでも、日々の自宅で暮らしている環境と同じような状態で車中泊をしているということが考えられます。ただ気になるのは後部はフラットなスペースだとは言っても、ゴザを敷いたくらいの感じだったので、今後エコノミークラス症候群に決してならないとは言えません。せめてキャンプ用のマットを敷いた上に寝るようにして欲しいものですが。

食事はボランティア先ではおにぎり2個だけとか、家に帰ったらパックごはんとインスタントラーメンを鍋で煮て、そこに味付けに焼肉のたれを掛けるといういかにも男の味気ない料理(^^;)でお腹を満たしているのを見ましたが、あれなら車中泊でもコンロがあれば簡単に作れるので、お金も掛からないだろうと思いました。

また、活動先でお風呂は呼ばれないものの温泉はお好きなようで、何せ地元が温泉の宝庫である大分県で、原付バイクで少し走ったところに無料で入ることのできる露天風呂の温泉があるので、そこの熱い湯に浸かり、体が熱くなったら外に出て休むということを繰り返して3時間くらいは温泉を楽しむそうです。いつもお風呂に入りに来る人とのコミュニケーションが豊富なので、その場に帰って入る温泉が尾畠さんにとってのお風呂なのだという気もします。

このように、粗食で携帯電話も持たず(情熱大陸のスタッフも連絡が取れないので活動先に出向いて直接コンタクトを取ったそう)、かかるのは移動のためのガソリン代くらいということで、決して費用を掛けなくても車中泊中心なら割と長期間の旅でも行けるのではないかと思うわけです。

個人的に今回の尾畠さんの活動を見るにつけ、さらにコストを掛けずに車中泊する方法について考えてみました。パックごはんは手軽ですが、さらにお金を節約するなら、お米をそのまま持って行き、灯油や車用のガソリンでも使えるバーナーを持って行ったり、拾った流木や小枝の使えるネイチャーストーブを使って火事の心配のない河原のような場所を使って調理するようにすれば、後は車を停める場所さえ確保できればそれほど毎日お金を使うこともありません。

それにしても、年金の受給が始まる65才から今のような車を使ってのボランティア活動をし出したというのは、実に興味深いところです。現在お仕事をしていてなかなか長い休みが取れないという方にとっては同じくらいの年齢になったら、車中泊をしながら日本一周の旅をしたいと思っている方もいると思いますが、尾畠さんの行動に学ぶところは少なくないのではないかと思います。粗食でも不満に思わず車中泊の長丁場にも耐えられる健康な肉体をキープすることが大切であるとしみじみ思いました。

長距離フェリーの旅が面白くなっている

少し前の話になりますが、たまたまテレビでテレビ東京系の番組「ガイアの夜明け」を見ていたら、長距離フェリーの会社「太平洋フェリー」と「オレンジフェリー」に取材していました。特に大阪南港・神戸港と四国の愛媛県(東予港・新居浜港)を結ぶオレンジフェリーの新しい船を紹介している中で、かなり興味深い船内の様子を見ることができました。

古いフェリーを韓国の会社に売却し、新しく造られたフェリーは基本が「個室船室(シングル)」になったということで、今までの雑魚寝スタイルの2等船室(仕切り無しの大広間スペース)はなくなり、同じレベルの料金でも個室が使えるようになったということを知り、特に一名での利用には良い傾向になってきたという感じがしました。

ただ、一番安いシングルの客室は、室内の装備は最低限なのは当り前ですが、内側から鍵はかかるものの外から鍵がかけられないので、貴重品を常に持って食事やお風呂に行かないと危ないというところがあるそうです。外側からかかる鍵の付いた部屋は「デラックスシングル」で、シングルから数千円の追加負担でビジネスホテル並みの設備を得られます。

個室を利用しながらの旅というと、かつてのブルートレインでの旅を思い出しますが、現在の寝台特急では「乗車券」「特急料金」に加えて「寝台料金」がかかるので、現行の寝台車を利用する場合でもそれなりの出費を覚悟しなければなりませんが、東京や名古屋あたりから四国へ行く場合、とにかく大阪南港までの交通手段を確保し(車で行く場合は当然車を運ぶ料金もかかります)、そこからフェリーに乗ることで、だいたいビジネスホテルの料金くらいで船賃込みの個室が使えるので、大阪まで新幹線でそこからフェリーで四国上陸というパターンも考えることができます。

また、先に格安航空のチケットが取れれば、午前中に松山空港に着き、周辺観光をしながらフェリー出港までに何とか東予港にたどり着ければ、現地で宿泊せず翌朝には大阪に着くので、そこから新幹線でも高速バスでも飛行機でも使って1泊2日の旅にするのもいいですし、時間が取れれば往復フェリーを使えば割引きも使えますので、その方が交通費を抑えられるでしょう。

番組では特に、しまなみ海道を自転車で往復するために四国に入りたい人のために様々なプランや装備を工夫している様子も流れていました。今後は自分の自転車を分解せずにそのまま個室に持ち込む形での「輪行」ができる(外から鍵のかけられるデラックスシングル限定のサービスです)ということで、今後オレンジフェリーが人気になる可能性はあると見ていいでしょう。

ただ、個室化を進めることによって、・シングルとツインの部屋しかないので、今まではまった二段ベッドが2つあるような安くて仲間うちで楽しむような4人部屋を取りたいというような事はできなくなっているようです。まあそうした部屋があったら夜通り飲んで騒いで他の人が迷惑するかも知れませんし(^^;)、寝る時にはゆっくり自分一人で寝る方がいいという人が多いからこその「個室化」なのかと思います。

船の旅では天候によって欠航したり、大聞く揺れることで船酔いになるというようなディメリットもありますが、寝台列車の旅が高級化するにともない、安く寝ながら移動するような旅が好みの場合は、夜行バスとルートがかぶるなら、むしろ積極的にフェリーを組み合わせて旅をするというのも面白いと思います。最後にオレンジフェリーへのリンクを貼っておきますので、こうした個室化したフェリーが増えていくことも期待しながら次の旅の予定を考えてみることにします。

https://www.orange-ferry.co.jp/

MVNOの良さは「安さ」だけではない

ここに来て、今契約している格安SIMの構成を変えてみようと思い立ちました。先日、サブ回線として使っていたドコモ回線のWonderlinkを今月いっぱいで解約したので、残っているデータ専用回線はLINEモバイルのスタンダードプラン(ドコモ回線)、イオンモバイル1GBプラン(au回線)と、ロケットモバイル神プラン(ドコモ回線)の3つも残っているのですが、この3つの契約を合わせても1,500円も行かないくらいの安い維持費なのですが、どれも最安プランなのでいざという時に不安が出てきたのも確かです。

というのも、先日起こった北海道での地震の時に思ったのですが、停電になるとまず間違いなく自宅で使っているインターネット回線は電気が復旧するまで使えなくなります。その間はモバイル回線を予備に使うことになるのですが、メールやウェブの見るくらいならいいですし、低速無制限のロケットモバイル神プランでもradikoや音楽くらいはストリーミングで聞けるのでいいのですが、動画については特にYouTubeは時間帯によっては最低画質で何とか我慢すれば見られるものの、かなり頻繁に一時停止してしまいます。

せめてYouTubeでライブ放送している「ウェザーニュース」が止まらないで流し続けられる程度のプランを出しているところと再契約することを考えているのですが、2018年9月現在では、他サイトのお勧めとして挙がるのが楽天モバイルの「スーパーホーダイ」があります。このプランは何と2年間は月々1,480円(高速クーポン2GBのプランSで契約の場合)で利用でき、さらに通話定額が10分も利用できるだけでなく、データ通信においても時間による制限はあるものの、高速クーポンを使い切った後でも最大1Mbpsという中速を通り越したストレスなく動画を見られるスピードで利用が可能なプランです。

先日私が解約したWonderlinkは同じように高速クーポンを使い切った場合には最大700kbpsのスピードが出るもののデータ通信専用SIMで1,580円(税抜価格)というスーパーホーダイよりも高いということで、確かに楽天モバイルの方が安くてさらにできることも多く、2つのプランを比べたら勝負にならないという感じもします。しかし、この月々1,480円のスーパーホーダイは、ある意味採算を度外視した今だけのプランということも言えるもので、将来の第4の通信業者としてこのプランがどう変化していくかということはにわかにはわかりません。そして、実は月々1,480円という価格にもカラクリがあるということも忘れてはいけないでしょう。楽天モバイルの公式ページにある説明には以下のような記述があります。

(引用ここから)

「スーパーホーダイ」では最低利用期間を1年、2年、3年の中から選択でき、(中略)3年を選んだ場合は2年間の月額基本料から毎月1,000円、2年を選んだ場合は2年間の月額基本料から毎月500円を割り引く「長期割」を適用します(注3)。加えて、楽天会員の場合「楽天会員割」として最低利用期間に関係なく2年間500円の割引が適用されます。

(引用ここまで)

つまり、スーパーホーダイを月々1,480円で利用する場合には、3年間の長期契約を楽天モバイルと結び、月々1,480円で利用できるのは2年間だけで、それ以降は「長期割」と「楽天会員割」(非楽天会員の場合でも同時申込で割引きを付ける人がほとんどでしょう)の合計1,500円がなくなり、2,980円がかかってくるということになります。

個人的には最初からスーパーホーダイのプランSが月額2,980円でも十分安いと思いますので、もしかしたら3年のうちに気が変わってしまうことを予想し、長期の縛りに違和感を感じる場合には縛り期間の短い1年契約のパターンでの契約も十分有りだと思っています。その場合は2年間は2,480円にはなりますが、通話が10分定額でデータ通信もスマホで動画を見るくらいのクオリティが保てるわけですから、そんな格安SIMは今までなかったことを考えると、来年の今ごろにもっと画期的なプランがどこかから出るのでは? と思っている方はあえて最安にこだわる必要はないと思います。ただ、楽天モバイルがそこまでのインパクトある価格にしたのは、やはり将来第四の携帯キャリアとして多くの契約者を集めなくてはならないというところから、早めにユーザーを囲い込む戦略なのだと思います。それが、「月1,480円」という安さの代償としての「3年縛り」ということにつながってくるのだろうと思います。

さらに、今の楽天モバイルでも設定がありますが、ここにきて改めて思うのが、「格安SIM」という言葉だけが先行するような形で、安いMVNOでも端末との同時購入によって端末の価格を下げる代わりに端末を割賦販売することで長期契約をしたり、音声通話付きSIMでないと端末が安く買えなかったりするなど、単なる安さの提供ではなく、やっている事は大手キャリアと変わらないような売り方になっているということです。

今回私は、同時購入で端末を買う予定はありませんし、いつ新しいサービスをどこがやるかわからないので、できる限り長期契約をしないでいつでも引っ越せるようなデータ専用プランを契約するのがいいかなと思っています。

となると、Wonderlinkを解約すべきではなかったのか? という話にもなってくるわけですが(^^;)、低速であっても24時間のデータ利用量が1GBを超えるとスピードの制限を食らう可能性があるので、動画を見続けるような使い方では不安が出てきます。

今のところデータ通信専用のSIMで気がねなく動画を見られそうなのは、最低画質でぎりぎり何とかなりそうな「OCNモバイルONE」の低速固定200kbpsで使うか、それより品質の高い動画を見るなら「UQモバイル」の500kbpsのデータ通信無制限プランにするかというところになります。どちらの業者もNTTとauという大手キャリアと関係のあるMVNOになっています。この2つの事業者は比較的安定して公称のスピードが出ると言われています。

本当は、多くの業者がスビードの上限をうたっていながら、今までは帯域の関係でそこまでスピードが出ず、MVNO同士でもバラツキのある速度になっているということがありました。ただ、この点については政府が是正をするように通達を出していて、他のキャリアとの関係がないところでもUQモバイルやOCNモバイルONEのように安定して低速から中速くらいのスピードが出るようになれば、選択の余地はさらに広がります。この文章を書いている段階ではまだ、他のMVNOのプランでは目立ったものは見付からないので、しばらく様子を見つつ、今後の状況の変化をこの点は期待したいものです。

具体的な希望としては、自動車の燃費表示と同じで、実測の時間別のスピードを計測したものをMVNOはホームページやチラシに掲載することで、回線のクオリティを誰もがわかっている状況でユーザーがサービスを選べればいいと思います。今までユーザーの大部分はそうしたスピードの事情についてそこまで詳しくは知らず、さらに料金の問題にした方がわかりやすいために、なかなか「安定したスピード」にこだわるようなケースが少なかった気がします。ユーザーとしては、実測の数値を比較しながらいつでも解約することのできるプランの中で乗り換え先を考えるのが、日々の利用でも満足するための最も現実的な格安SIMの利用の仕方なのではないかと思っています。

キャリアメールはどこまで必要か

格安SIMを使い始めの頃に言われたディメリットの一つに「キャリアメールが使えなくなる」というものがありました。

キャリアメールとは大手携帯キャリアの名前が付いたメールアドレスのことで、無料でいくらでも作ることができるメールアドレスと比べると、携帯電話やスマホの契約をしないともらえないメールアドレスになり、さらにユーザーの中にはこのキャリアメールでないと迷惑メールフィルターに引っかかってメールそのものが届かないという状況もあります。

その「キャリアメール」を持っているソフトバンクモバイルのメールサーバーで不具合が発生し、何と「co.jp」の付いたアドレスからのメールなどを迷惑メールと認識してしまい、合計で1,000万通以上のメールが迷惑メールフィルターに引っ掛かったあげくに廃棄処理されてしまったようで、ソフトバンクモバイルの方でも復活不可能になってしまったということです。

普通に考えて、いわば社会的なインフラである携帯電話の事業をやっているわけですから、キャリアメールに来る迷惑メールがいくら多いとはいえ、一定期間だけでも復活可能なようにしておけなかったのか? とも思えます。そうしたいざという時のための一時的なメールのバックアップをするだけのお金がないというなら、政府が言う「今の携帯料金は4割下げられる」というのはソフトバンクモバイルにとって厳しいということになるのですが、他社ではどうなっているのか、個人的には気になるところです。

それにしても、この時期に日本の会社が主に使っている「co.jp」からのメールが届いたかどうかわからないとなると、キャリアメールであれば無料のメールよりも安心だと仕事の打ち合わせに使っていたり、就職活動をしていて会社からのメールを常に受け取っている人にとっては実害が出てくる可能性もあります。

ちなみに私の場合ですが、元々は携帯電話よりもPHSの方を使っていたということもありまして、キャリアメールはPHSの会社のものを持っていましたがあまり使わず、PHSの端末から自分の持っているパソコンで使っていたプロバイダーが提供するメールアドレスの送受信を利用していたので、携帯電話会社のキャリアメールの良さというものをほとんど感じることがなく過ごしてきてしまいました。

ただ、今でもパソコンを持たずにスマホだけで運用している人は、当然LINEでの連絡方法は確保しているとは思いますが、知り合いの中にはキャリアメールのやり取りが必要な人がいるわけで、その点は大手キャリアは十分留意してサービスの提供をすべきでしょう。

そうは言ってもこのようなトラブルに巻き込まれてしまったら大変な思いをするのはユーザーの方です。そんな状況の中でも行なえるユーザー側の対応方法としては、どうしても連絡を付けたい用事についてはSMS(ショートメール)を使い、単文では伝え切れなければ電話での連絡も併用するような方法も考えておくべきでしょう。

こうした方法はキャリアメールを持たない格安SIMでも利用できますので、キャリアメールにメールをしても全く返信がなかった場合、直接電話するのはちょっとという場合にはまずは相手の電話番号宛にショートメールを送ってみることをおすすめします。さらに一歩進んで、どうしても無料メールよりも信頼できそうなメールアドレスが欲しい方は、大手キャリアから過去にパソコン用のプロバイダとして有名なところで格安SIMを契約すれば、ちゃんとメールアドレスがもらえます。日本のパソコン通信の時代からあったプロバイダのやっている格安SIMとしては、BIGLOBEやNifmo(Nifty)あたりがあります。

今回のソフトバンクのトラブルを見ていくとあえてキャリアメールにこだわり過ぎるのはどうかと思うのですが、そんな方々の中でGmailだけでは不安のある方には、メールアドレスのために乗り替える格安SIMを決めるという選択肢も出てくるのかなという気もします。

アマゾンの電子レンジ登場で日本メーカーはどうする?

ネットニュースで通販大手のアマゾンがWi-Fi内蔵の電子レンジをアメリカで売り出すことを発表しました。日本ではまだ売り出しはされないようですが、ニュースを見てまずびっくりしたのがその電子レンジの価格でした。

「AmazonBasics Microwave」というその電子れんじは、59.99ドル:約6800円で売り出されると言いますから、機能的にはベーシックなもので、単にWi-Fiが付いただけではないかと思われそうですが、この電子レンジはアマゾンが出しているAIスピーカー「ECHO」とWi-Fiを経由して繋がることができ、声でその動作をコントロールできるという大きな特徴を持っています。

日本の高価なレンジは本体に様々なレシピが入っていてタッチパネルを操作すれば複雑な料理も簡単に作ることができるのが売りのものがありますが、今後は日本製の高い製品を買わなくても「AmazonBasics Microwave」と「ECHO」、そしてネット環境さえあれば声だけで電子レンジがコントロールできるというわけです。

さらに、AIスピーカー用のスマホのアプリでお料理別にきめ細かい動作を命令して制御できるとしたら、高価なレンジ並みに多くの料理に対応し、さまざまな使い方ができるレンジとして化ける可能性が出てきます。

実際のレンジとしての性能について、どんなものになるのかわからない中で書いているので何とも言えませんが、今後AIスピーカーとのセットで複雑な料理についても命令するだけで良くなり、さらにスピーカーもレンジも安く提供するということは、それを使って調理をする人のデータが全てアマゾンのビックデータとして蓄えられてしまうという側面もあります。そうしたことを気にしないで声での命令だけで電子レンジの細かい設定は任せられる便利さを追求するなら買って使うのもいいでしょう。

ただこの方式がアメリカや日本でも一般化するようなことになると、細かな設定をするためのレンジの中で高価なモデルはほぼ駆逐され、今回のアマゾンの電子レンジのようなレンジしか選べなくなるような未来も考えられないことはありません。将来は年配の人でも普通にスマホやタブレットを使ってAIスピーカーや電子レンジと連携を取れるようになれば、今後の家電の状況も変わってくることが予想されます。

日本のもの作りを担うメーカーにとっては、こうした流れというのは逆に全てクラウドに蓄積されたデータ上から司令を出して全て解決されてしまうようだと、レンジそのものについての高機能化のうちで、考え直さなくてはいけなくなる可能性も出てきます。アマゾンの強さというのは今さら言うまでもありませんが、日本のメーカーが他のAIスピーカーと連携でき、さらにネット上の膨大なデータを無料で使えるような製品を出してくればアマゾンの機先を制することができるかも知れませんが、問題なのはやはり価格でしょう。

アマゾンは一つの事業で赤字であっても最終的に「総取り」することを狙っているようなところがあります。ユーザーの側としても、一つの企画に全てを握られるようなことになると、メーカー同士の競争による安くても高品質な物やサービスが得られにくくなりますので、新しい技術には冷静に興奮し、一気にライフスタイルまで変えないようにするのがいいのかなと個人的には思います。とは言え、今回のアマゾンの試みにはなかなか面白そうなところもありますので、「道具として・単体レンジとしての使いやすさ」はどうなのかというところを確認してみたいなと思っています。

北海道地震でのエコノミークラス症候群

北海道で起きた最大震度7の地震について、ようやく火力発電所が動き電気が普通に使えるようになったことで、今後への不安の一つは解消しつつあるということは正直に言ってホッとしています。ただ、このブログは車中泊というジャンルを扱うものだけに、今回の地震による避難生活で、車中泊をしたことによる「エコノミークラス症候群」で、血栓ができて健康的な被害を受けた人がどのくらいいたのかということは大変気になっていました。

そんな中、地元の新聞の社会面を読んでいたら「エコノミークラス症候群8人か」という見出しが目に付きました。詳しく内容を読んでいくと、どうやらこの文章を書いている状況の中ではエコノミークラス症候群によって重篤な被害を受けた方は今回の地震ではおられなかったようでそちらの方でもホッとしました。

その詳しい内容はというと、主な震源の近くの場所である厚真・安平・鵡川(むかわ)の各地区で9月17日と18日に運動の機会が少なかったり、足にむくみがあったりした高齢者ら約100名を旭川医科大の東信良医師のチームが診察した結果が報告されていたのです。

それによると約100名中足の静脈に血の塊(血栓)が見付かった人が16人いて、その中で地震による避難生活が原因で血栓ができたと思われる人が7名いたということです。これは、翻って考えると通常の生活をしていてもずっと座ってテレビを見ていることの多い高齢者の方は血栓ができる可能性があるということでもあり、災害に関係なく思い当たるような行動をしていたり、家族にそんな生活パターンの人がいる場合には散歩に連れていったり体操をさせるなど、ずっと同じ姿勢でいないよう気を付ける必要があるということでもあります。

ここまでの内容では「エコノミークラス症候群8人か」という見出しと矛盾すると思いますが、実は医師の診断ではないところでエコノミークラス症候群と考えられる症例が一つあったということでもあります。それは、厚真中央小学校に設けられた避難所において、83才の女性が立ち上がろうとした際にふらついて転倒した事故があり、消防が出動したということです。そこから運ばれた病院で、エコノミークラス症候群の疑いが出されたということで、この方も避難所生活によるエコノミークラス症候群とおぼしき患者であるとカウントしたようです。

この例からわかることは、血栓ができた場合、しっかりと立つことができず、ふらついて転倒する可能性があるということです。誰か常にその様子を見ている人がいればいいですが、そうでない場合転倒することによって最悪の場合頭から倒れてしまったら本来足の治療だけで済むところが、大変な状況に変わってしまうことも十分にあり得るということになります。

ただ、今回のケースの場合はどの方についても命を脅かすようなことにならなかったというのは不幸中の幸いと言うべきでしょう。そうは言ってもあくまでこれらのことは結果論でしかないということもあるので、車中泊での避難生活を長くしなければならない時にはフラットなスペースを車内に作り座席を倒すだけで寝るということは避けるとともに、狭い場所で多くの人が寝ざるを得ない場合にはずっと車内にいることは避け、散歩や体操など体を動かすことを心掛け、トイレの心配はありますが水分もしっかり補給することも考え、足のむくみやふらつきを感じた時には早めに専門医の診察を受けることをお勧めします。