月別アーカイブ: 2025年3月

私が新しい装備の付いた車を買おうと思わない理由のひとつが車の飛び石被害の費用を考えてしまうこと

春先ということで、車の飛び石被害についてのネットニュースが目に入りました。今の時期、雪はもう全国的に降らないような天気にはなっているものの、まだ溝の深いスタッドレスを履いたままの車が多く、その溝に飛び石の原因となる小石が挟まりやすいということと、雪が降る地方における除雪作業の後で、車ではねやすい石が散らばっている可能性が高いことなどが挙げられます。

私も以前、高速道路で前の車から飛んできた小石がフロントガラスに当たってしまい、その際は全体にヒビが入って車の運転ができないくらいになってしまったのですが、その時期も学生の新入学の時期だと記憶していますので、これからの季節はトラックの後ろをぴったり付いて走らないようにしたり、走らなければならない場合でも十分に車間距離をあけるようにするなど、こちら側で自衛できることはした方が良いとは思いますが、それでも飛び石の影響を0にすることはできないので、もしもの際の心構えが必要になってくるかも知れません。

私の車は、もうかなり古い車でABSこそ付いているものの、衝突を回避するような仕組みはないアナログな車で、これから車を購入する方がその対象にしない車だということは認識していますが、それでも古い車なりに良いと思われることもあります。

というのも、前方への衝突回避をセンサーを通じて行なう装備が搭載されている車の場合、センサーを正常に動作させるためにはフロントガラスの透明度の数値などもセンサーの精度と関係があることが考えられるので、車やガードレール・電柱などへの衝突事故でなくても、車検を通すためには輸入品の安いフロントガラスではだめで、センサーを正常にセットするために純正のフロントガラスでないとだめな場合もあると聞きます。

さらに、ガラス交換の後にはセンサーの調整も必要になってくると思うので、下手をしたら飛び石でリペアが不可能と判定され、フロントガラスまるごと交換になった場合、もしかしたら20万円以上の負担がドライバーに求められる可能性があります。もっとも、こうした費用については普通車と軽自動車、国産車と輸入車などでかなり費用に幅があると思いますので、不安に思う方は自分の乗っている車で飛び石によるフロントガラスの「リペア」および「交換およびセンサー調整」で実際にどのくらいかかっているのか、ネット上にその詳細が挙がっていないかまずは調べてみることをおすすめします。

私の今の車の場合、もしフロントガラスに飛び石があり、ヒビが入って車検が通らないくらいの傷ができてしまったら、親しくしている修理屋さん経由でフロントガラス交換の場合、「純正」か「輸入品」でどのくらいの部品代+工賃がかかるのかを調べてもらいます。なお、私が現在入っている車両保険で対応はできるので(翌年の保険料が上がることは覚悟の上で)、保険で払うか自腹で払うかを決めることになると思います。

ちなみに、飛び石の場合、オールリスクの車両保険でなくても「エコノミー車両保険」の説明で「物の飛来、物の落下」について保険金が出る説明があればもしもの時に保険活用ができますので、特にセンサー付きの車に乗っている方は基本的には全ての補償が入った車両保険にすべきですが、どうしても保険料を安くしたいという場合でもエコノミー車両保険は入れておくようにしましょう。と、ここまでは自分の車についてのリスクについて書きましたが、特に日常的に車に乗っていなくてレンタカーやカーシェアリングを使っている場合も、この「飛び石」についてきちんとどうなっているのかを確認してから利用するようにしたいものです。

具体的には車を借りる時に車の補償に入ることはもちろんなのですが、個人的にはリース料を安く済ませたいからと、いざという場合に一定の自己負担額が設定されているタイプのものより、考え得る全てのリスクにおいて保険で対応できるタイプの補償に入った上で車を借りるようにしたいものです。さらに、実際に飛び石が起きた時、まず警察に届け出るのか、レンタカー会社への連絡のみで良いのか、そうした事も細かい事ではありますが聞いておいた方が後でトラブルになる可能性は減ります。

これからの季節、引越し業者の予約を取ることができず、就職や進学のためレンタカーに荷物を積んで長距離移動ということもあると思いますので、その行き帰りに飛び石が当たるような事も十分に考えられますので、レンタカーやカーシェアを利用する前に確認すべきことはきちんと確認し、何も起こらなかったとしても、事故やトラブル時に慌てないような補償はきっちりと入った上で利用するようにしましょう。

地震が起こることを身近に感じる日本とめったに起きない地域で発生することとの実感の違い

ミャンマーの内陸部を震源にしたマグニチュード7.7の地震は、軍事政権下であるミャンマーでの被害が伝わりにくかったのに対して、震源からかなり離れたタイのバンコクにおける被害の方が大きく伝えられています。

報道されたデータによるとバンコクで今回の地震を体感された方は、恐らく震度3くらいだったのでは? という話が出ているとのことです。ただ、震源地から約1,000kmも離れているバンコクで深刻な被害が出たのには、長周期地震動が起こったのではと言われています。2011年の東日本大震災においても、東京都内の高層ビルにおいては、震源地から離れているにもかかわらず相当揺れて、その動画映像を見た方も少なくないと思います。

ですから、地震が起こった時にバンコクの高層ビルの中にいた人は相当恐かったと思いますし、さらに言うとタイは日本と違って頻繁に地震が起こるような地域ではないため、地面が揺れる体験自体が恐ろしいものだったことが想像されます。

私は生まれてからずっと日本に住んでいるので、震度2~3の揺れというのはこれまで数えられないほど体験してきているので、揺れた瞬間びっくりして生気を失ない、地震そのものと関係ないところで命の危険に当面するような事はないと思います。もしこれを書いている時に震度3~4くらいの揺れに見舞われたとしても、まずはその場から動かずに何が起こったのかを慎重に見定めるくらいの事はやれると思っています。果たしてこれが良いのとなのかどうかはわかりませんが、逃げるにしても冷静に自分の命が助かるために何をすればいいかということをまずは考えるようにしたいと思います。

地震がほとんど起きない地域と日本を比べた場合、社会的なインフラにも差がある可能性も高いでしょう。かつて、日本で関東大震災が起きた時、ある程度前の時代に作られた木造建築は太い梁が使われていて、関東大震災級の大きな揺れでも何とか倒壊は免れたところもあったと聞きますが、当時安普請で建てられた住宅の多くが倒壊してしまい、物だけでなく人的な被害が増える原因の一つとなったと言われています。日本国内では度々こうした地震が起きることによって、建物の耐震性に強化が図られていて、さらには建築中の建物においても、地震対策はそれなりに行なわれているように思います。今回の地震により、工事現場で建築中のビルが崩壊してしまったり、クレーンが倒れた映像を見ていると、やはりどこで大きな地震が起こるかによって被害の内容も変わってしまうということも強く感じました。

まだ、震源地近くのミャンマーにおける被害については断片的にしか伝えられていませんが、レンガで作られた家などが一気に崩れてしまう危険もありますし、現地の事が心配になってしまいます。ただ、ミャンマーは現在民主化がされておらず、軍事政権が統治しているので、海外からの救援隊をすぐに受け入れてくれるのかという事も同時に気にかかります。ミャンマーからすると他国である日本に住む私の言うことなど何の影響力もないとは思いますが、せめて自分たちだけで自国の国民を守ることができないような場合、あえて海外の優秀な能力を持つ救援部隊にお願いして自国民を守るような行動をミャンマー政府にはとってもらいたいです。

今後、時間が経つにつれてその被害の内容も徐々にわかってくると思いますが、個人的に気になるのが、地震自体の被害ではなく地震への体験が無いことによる人々のパニックが原因となるような事象が起こっているのかどうかということになります。小さな地震であれば普通に起こる日本国内では考えられないような事でも、巨大地震になってしまうとさすがに地震に慣れた日本で生活している人にとってもパニックになる可能性は起きます。過去にSNS経由のデマに振り回されてしまうこともありましたので、地震で罹災した人々の行動の中でできるだけそういった事がないように祈るとともに、自分の身に置き換えて安全に行動できるような行動について考える一助になればとも思います。

日本の海外援助についてとやかく言われる時代ではありますが、地震対応について世界の中でも日本の経験は大きいと思いますので、この点については積極的に被災国の援助をお願いしたいです。

必要な電話だけを取るためには生活の中でかかってくる可能性のある番号を登録するのも一つの方法

ここに来て、改めて犯罪と思われる詐欺電話の新しい手口が報道されています。今までは、明らかに普通の状態ではかかって来ない海外からの発信であることがわかる「+」から始まる国番号が表示された電話番号でかかってきていたのが、最近は発信元が国外からであっても(?)、電話番号を偽装して最後の番号が「0110」で終わる警察署を装った着信での詐欺電話があるようです。

そうなって来ると、後で自分のスマホに表示された番号を調べてもそれが本当にその番号のところからなのか、はたまた巧みに偽装された詐欺犯からの電話であるのかにわかには判別がつかなくなり、もはやそうした電話に出ていいのか悪いのか、全くわからなくなっているような方もいるかと思います。

たまたまそんな時、ハガキによるガス点検のお願いというお知らせが自宅にやってきました。恐らく、昨今の状況においていきなり電話でそうした案内をすると、全く連絡が付かないから電話でなくハガキで来るのか? それとも元々こうした案内は郵便で来るのかわかりませんが、とにかくそうしたハガキが来ました。

そのハガキには、ガス会社から電話連絡をして訪問日を決めるやり方とは別に、こちらがガス会社のホームページにアクセスし、Web上から訪問日の打ち合わせができるように選べるようにはなっていました。ただ、こちらから一方的に日時をWebから指定したとしても、何回かメールを通してのやり取りは出てきてしまうので、こちらとしては電話をもらう方が都合が良いのですが、果たして電話が来てもちゃんと取ることはできるのかという問題はあるわけです。

今回は、そうした対策としてハガキに書いてあるガス会社の電話番号(市外局番から始まるもの)をスマホの電話帳に登録することにしました。恐らく、電話は代表番号からかかってくることが予想されるので、スマホの画面を見て登録していたガス会社の名前が出たらそのまま出て、話の流れが無料のガス点検の話(これは本当にガス会社からのもの)であれば、こちらの都合を伝えつつ訪問日を決めることができると思います。

もし、話の流れがLINEのアドレスを聞いてきて、続きはLINEでなんてような話になったり、無料でなく料金がかかるなんていう話になったら、これは自分の中では詐欺確定になりますが、恐らく詐欺集団は正式な手続きで送られてきたガス会社からのハガキまでチェックした上で自分の電話を狙うような事はしないと思いますので、今回の対策はガス会社の電話番号を電話帳に登録して終了ということになります。

もし今後、知らない市外局番から電話がかかってきて、知らない番号でこちらから電話に出ることをせずに改めてその番号を調べたら役所とかライフラインに関する企業からだった場合はいったんこちらから掛ける時には不在着信になった時間を申し述べると、どんな用件でかかってきたのか先方で調べてくれると思いますので、そうして相手の素性がわかった場合には、その代表番号を電話帳に登録し、再度同じような内容の問い合わせが電話で来た場合にスムーズに電話を受けることができるようにすることはできるでしょう。

もし、自分のいる地域でない場所の警察署からいきなり電話がかかってきた場合、私なら電話を取らずにまずはその番号がどこからのものなのか調べ、それがどの警察署からかわかった場合には、電話ではなくホームページ上の問い合わせ窓口(私の住んでいる場所では各警察署ではなく県警の相談窓口)のメールフォームから連絡できるようになっているので、緊急性がなければそちらの方から連絡を入れた方が良いかなと思っています。

2025年3月いっぱいで営業を終了するアピタ静岡店がイオン系のショッピング施設として再営業することに

以前、私の住む静岡市の地域情報として書かせていただいたのですが、静岡駅の南口から一直線で行くことのできる(車だとだいたい5分くらい)、駐車場も平面と立体があって利用しやすいショッピングモールでユニー系の「アピタ静岡店」がこの3月30日で閉店することになり、もはや閉店カウントダウンというところまで来た時点で新たな展開がありました。

元々、このアピタ静岡店が開店したのが2005年で、今年で19年目になります。一階と二階が店舗で、三階より上が駐車場になっていて、屋上の駐車場は毎年7月にある安倍川花火大会には一般客に開放され、店内で購入したものを楽しみながら花火大会を楽しめるなど、静岡市民に寄り添った営業をしていたので、この撤退のニュースは唐突で、当初はその後に撤退した後にこの施設はどうなるのかということも発表されていませんでした。

撤退の理由として、集客はそれなりにあるものの、設備の老朽化によるところもあります。上記で書いたように屋上を駐車場として使用しているため、屋上の防水についても対策が必要になるでしょうし、そうした費用をどのように負担するのかという事になってアピタ側はそのような負担をせず撤退という形になったのだろうと推測はできました。
閉店をすぐ前にして、「イオンリテール」が撤退するアピタ静岡店の後に入ることが決定したというニュースが入りました。全国的には大型スーパーの地方都市からの撤退が当り前のようにニュースになる中、このアピタ静岡店の場所がまたショッピングモールになるということで一安心というのが地元に住む人間としての第一の感想です。

ただ、先述の通り屋上の防水工事および、空調用の機器の入れ替えなど、改めて営業を開始するには大規模な工事が必要になるということで、イオン系のショップが営業を開始するのは翌2026年の春を予定しているそうです。

静岡駅周辺は、新幹線を使えば東京まで約1時間で行けるということもあり、首都圏からの移住先としても注目されていますが、実際に移住を考える方にとっては、日常的な買い物などの利便性がどのくらいあるかということも考えなければいけません。静岡の駅周辺はコンパクトにまとまっていて、駅まで出てしまえばそれなりに買い物はできるのですが、車を使って買い物をするには、アピタ静岡のような駅から近くても車が停められて食品から衣類、日用雑貨なども一通り揃うショッピングモールは便利でした。

ただ今回、撤退した後に入るテナントが一応決まったことで、近所の人からすると一安心といったところではありますが、予定はあくまでも予定であることも確かです。特に老朽化した店舗を改装して再オープンとなるとかなりお金も掛かりますから、本当に来年の春新しく再オープンできるのかというのは、近所や地元の人だけでなくこれから静岡市に移住を考えている方にとっても気にしておいた方が良いと思います。

静岡市における大型商業施設といえば、こちらはまだ全く予定がはっきりしていないのですが、東名高速道路の「日本平久能山スマートインター」付近に静岡市が用地を確保し、広くテナントを募集するという話もあります。今後、アピタ静岡のところにイオンが入り、さらに別の施設が郊外にできるということになると、かなり車での買い物環境が良くなることが予想はできます。

ということで、まずは来年春までの状況を確認しつつこのブログからも状況を発信していければと思っています。静岡市自体が人口がそれほど増えていないというところはあるのですが、今後は静岡駅南口にも再整備計画があり、今まで無かった駅の南側にも大きな商業施設を作る計画もあるそうなので、行政の頑張りにも期待したいです。

防災ラジオについての考え方 おわりに 時代とともに理想の防災ラジオのスペックは変わっていく

大変長くなってしまい、こうした内容に興味のない方には大変申し訳ありませんでした。今回でこのシリーズは終了するので、次回からまたランダムな話題を紹介していきます。

この項目の終わりに書きたいのは、「理想の防災ラジオ」の姿は、常に一つではなく、時代とともに変わっていく可能性が大きいということと、その時代に沿ったものを使っていくことが、スムーズに防災ラジオを使えるということです。

実は、このブログを始めた頃にそれなりのアクセス数を出した投稿というものがありました。それが、下のリンクにある「SONY ICF-B100 の再販を望む」というブログ記事です。

SONY ICF-B100 の再販を望む

このラジオは未だに自宅でテレビ台の中に鎮座していて、今も変わらず使えています。ただ、上記のブログを書いた時からかなりの時間が経過した今となっては、単体での防災ラジオとして単一・単二・単三の電池を全てアダプター無しで使用できるICF-B100が万人におすすめできる防災ラジオであるか? と言われるとちょっと考えてしまいます。ラジオ発売当初は、大きな豆電球で光る懐中電灯で使われている電池が主に単一であった時代で、ラジカセを動かすための電池に単二が使われていたり、乾電池全盛の時代でした。

また、単三電池についても、今のようにデジカメはなく旅の途中で写真を残したいというような場合、レンズ付きフィルム(商品名では「写ルンです」が有名)を旅先で購入して使っていた時代、カメラのフラッシュ用に使われた電池は単三アルカリ電池で、現像・プリントのために写真屋さんに出された後にはほぼ使われていない電池が残ってしまうので、カメラ店の中にはレンズ付きフィルムの中に入っていた単三アルカリ電池を「ご自由にお持ち下さい」的な事をしていた時期もあったように記憶しています。そうした電池を入手できる環境がある時代とはかなり変化してきているのです。

今は、アルカリ単三電池を非常用持出袋に入れることはあっても、日常的にアルカリ電池を持ち歩くという人はいないのではないでしょうか。その代わり、スマホを充電するためのモバイルバッテリーを持ち歩く人は多いでしょう。そうした状況の中で使いやすい防災ラジオの条件は、やはりモバイルバッテリーを接続して充電できたり、バッテリーを外部電源として連続使用できたりするラジオの方が役に立つのでは? と思われます。

そんなわけで、今後の技術の進化が防災ラジオに搭載され、例えば電気自動車を市内走行くらいなら十分走らせるだけの容量を持った大型のキャパシタが実用化されたなら、今の内蔵電池に手回し発電で電気をためるのではなく、モバイルバッテリーから内蔵キャパシタの容量をいっぱいにすれば数十時間ラジオが聞き続けられるような高容量キャパシタを内蔵した防災ラジオが出てくるかも知れません。

また、ラジオ自体の進化とは違いますが、今後ペロブスカイト太陽電池が普及し、安く提供されるようになると、ラジオの小さな面に付けるのではなく、非常用持出袋を覆うように全てがソーラーパネルのようなバックパックが出現し、そこにラジオ自体を接続することで、野外における晴天時であれば、防災リュックを持ち出すだけで最強の防災ラジオ環境が出来る可能性もあります。そうなることを見越してラジオを購入するならば、内蔵電源を外部電源で充電できるものを買っておけば、新たなバッテリー事情が進化すればその恩恵を受けられるということになります。

実際、大きな災害が身の回りで起こり、電気・ガス・水道が長期間止まった場合、電気については夜を明るくするために確保しつつスマホの充電をするだけでも結構大変になると思うので、スマホの充電を切らさないように大切に使うため、常時テレビ番組やニュース動画などを流し続けるというのはあまり得策ではないと思います。ポータブル電源を使う場合には、情報以外にも照明・冷蔵庫・給湯器(水道が使えて停電のみの場合)・調理家電・扇風機(夏の場合)など使いたい場面が多くあると思うので、少ない電力でも長時間動かせるラジオをずっと付けなながら情報収集するという方が効率的にポータブル電源にためた電気を使えるように思います。

今後、どのような進化を防災ラジオが遂げるかはわかりませんが、電源回りの進化に合わせて、さらに便利な製品が出てくることを期待します。そんな製品が出ましたら、改めて購入した上でこのブログでレポートをさせていただきたいと思っています。

(追記)

今回の一連の投稿をリンク付きでまとめてみました。まとめて読みたかったり、前後の内容を確認したいという方がおりましたら、ぜひともお役立て下さい。

☆防災ラジオについての考え方

前説 なぜあえて防災ラジオについての知識が必要なのか
その1 そもそも小型ラジオには外部アンテナの有無が大事
その2 イヤホン専用ラジオよりスピーカー内蔵のものを買おう
その3 チューニングはアナログ・デジタルどちらにするべきか
その4 AMとFMのどちらが防災ラジオとしては大切か
その5 使用電池は「単三」と「単四」ならどちらが便利か?
その6 使用できる電源パターンにはどんなものがあるのか?
その7 内蔵電源は充電池よりキャパシタ(コンデンサ)
その8 電源回りの機能とその限界について認識しておこう
その9 使わなくてもイヤホンは一緒に持ち歩くことが大事
おわりに 時代とともに理想の防災ラジオのスペックは変わっていく

防災ラジオについての考え方 その9 使わなくてもイヤホンは一緒に持ち歩くことが大事

ここまで、私の考える防災ラジオについて色々と書かせていただきましたが、これを書いている2025年3月現在において、おすすめの防災ラジオとしては以下に挙げるような条件を満たすものになりました。ただ、今後の状況によってはその条件は変わる可能性がありますので、その点はご留意下さい。

・FM受信用のロッドアンテナがあるもの。外部アンテナ端子があればなお良い
・イヤホン専用でなくスピーカーが付いているもの
・チューニングは電池持ちを考えればアナログ式。ただアナログチューニングが不安ならDSP(デジタル)ラジオに
・対応バンドはAMとワイドFMの両方が聞けるもの
・使用電池は「大は小を兼ねる」ので単三電池使用のものを
・電源は「乾電池」「手回し」で充分だがコンセントやモバイルバッテリーで動くものもあるので確認を
・手回し充電でためる先は「ユーザー交換不可な充電池」より「スーパーキャパシタ」内蔵のものを
・付加機能のスマホへの手回し充電・本体内蔵のソーラーパネルでの充電機能への過度な期待は禁物

今まで書いてきたことを箇条書きにしてまとめると、こんな感じになると思います。これはあくまでも私のおすすめであって、絶対的な価値観ではありません。ただ、買ってからしまったということにならないように極力自分のおすすめを書いたつもりです。あとは、日常的に持ち出すのか、自宅に置いておいて使うのかによっても変わってきますね。

今回は、一般的な非常用持出袋に入れて家の中だけでなく避難所などでも使うことを想定して書きます。その場合、どうしても見ず知らずの他人と一緒になりますので、様々な対策が必要になる場合があります。あまり考えたくないことですが、ラジオを持って避難していない人にとっては、自由に好きな時にラジオを聞きたいと思った場合、自分の持っている防災ラジオが盗まれてしまう可能性も実際あるようです。そのため、ラジオに名前を書くという対応策があるのだという話もあります。他にはなくなっても探せるようにタグを付けておくとか、各自工夫する必要も出てくるかと思います。

状況によっては、目立たずに自分の身に付けておけるサイズで聞くことを強いられる可能性もあるので、非常用持出袋にはラジオだけを入れないで、ラジオの存在を隠すためにイヤホンを入れておくということは、どんなラジオを購入した場合にも使えるテクニックです。

イヤホンは、スマホ用の有線イヤホンの流用でもいいですし、アナログ機器をワイヤレス化できる機材も売っているので、普段遣いのワイヤレスイヤホンで使うことも可能ではありますが、頻繁にワイヤレスイヤホンを充電することが難しいかも知れないので、素直に有線イヤホンを用意しましょう。

外に多くの人がいる中でラジオを聞く場合、特に避難所では直接大切な情報が入ってくることもありますので、両耳タイプのものでなく、片耳のイヤホンの方が色々便利ではないかと思います。ラジオの付属品の中にイヤホンがある場合もありますので、付属品でイヤホンの有無を購入前にチェックしておくと、後から改めて買い足す手間もなくなります。

こうしたイヤホンは、他の用途でも使うことが可能になります。普段スマホで音楽を聞くのにワイヤレスイヤホンを使っている方は、あえて有線イヤホンを準備しているということはないと思います。より少ない電力でスマホを使いたい場合、災害時においては有線イヤホンの方がやはり便利になりますし、FMラジオ付きのスマホは、イヤホンのコードをアンテナ代わりに使うので、いざという時の二台目のラジオとしてスマホを使うこともできます。普段は使わなくても、避難した場合に使えるようにしておくことで、色々とできることは増えますので、ぜひラジオとイヤホンを一緒に入れておくことをおすすめしたいと思います。

※今回の一連の投稿をリンク付きでまとめてみました。まとめて読みたかったり、前後の内容を確認したいという方がおりましたら、ぜひともお役立て下さい。

☆防災ラジオについての考え方

前説 なぜあえて防災ラジオについての知識が必要なのか
その1 そもそも小型ラジオには外部アンテナの有無が大事
その2 イヤホン専用ラジオよりスピーカー内蔵のものを買おう
その3 チューニングはアナログ・デジタルどちらにするべきか
その4 AMとFMのどちらが防災ラジオとしては大切か
その5 使用電池は「単三」と「単四」ならどちらが便利か?
その6 使用できる電源パターンにはどんなものがあるのか?
その7 内蔵電源は充電池よりキャパシタ(コンデンサ)
その8 電源回りの機能とその限界について認識しておこう
その9 使わなくてもイヤホンは一緒に持ち歩くことが大事
おわりに 時代とともに理想の防災ラジオのスペックは変わっていく

防災ラジオについての考え方 その8 電源回りの機能とその限界について認識しておこう

ここまで、防災ラジオをあくまでラジオの性能という観点で評価してきました。ただ、ラジオを作っているメーカーは災害時に役に立つというさまざまな機能をラジオに付けたものを「防災ラジオ」として世に出しています。今回は、そうした様々な電源回りの機能を紹介するとともに、果たしてそうした機能は役に立つのか? ということにつて考えてみたいと思います。

まず、手回し発電のできる防災ラジオに必ずと言ってもいいぐらい付いているのが「ライト」です。手回し発電初期にはアナログダイヤルを見やすくするためのダイヤルライトで、その明かりを懐中電灯代わりに使っていましたが、消費電力の少ない白色のLEDライトを搭載したことで、手回しで満充電すれば、付けてすぐ消えることなく懐中電灯の代わりとして使えるようになったことで、今ではLEDライトが付いていない防災ラジオは無いのではないかと思います。

スマホの画面や撮影用のライトを光らせて普段遣いしている方からすると、あまり防災ラジオにライトが付いていても使わないという方もいるかも知れませんが、手回しで発電した電力を使って明かりをコントロールできるというのは、いざという時には安心できるような気がします。ラジオによってはスポット光だけでなく、光を拡散させて広い範囲を照らせるようなランタン代わりになるライトを内蔵しているラジオもあります。個人的には、こうした機能については付いていて邪魔にならないと思うので、あって良いと思いますが、他にも色々な機能が付いている防災ラジオの中には、色々付き過ぎてわけがわからなくなっているというのも感じるところがあります。

まず、ソニー初の手回しラジオにも付いていたサイレン(ブザー)機能についてです。人が大声を挙げて助けを求めることをしても、大声を出すという行為自体が体力を消耗するので、防災ラジオのサイレンで自分のいる場所を他の人に伝えることができればと思いますが、そもそも自分の手元にラジオがなければサイレンを鳴らすことはできませんし、充電の関係からずっと鳴らし続けることも難しいでしょう。さらに平常時に誤って鳴らしてしまうと迷惑になるので、個人的にこの機能は必要ないと思えます。どうしても助けを求める事を考えたい場合には、サイレンではなく自分の意志で音を出せる小さなホイッスル(常時身に付けておけるもの)が一つあれば良いかなと思います。

次に、内蔵電池に充電するための方法として本体に小さなソーラーパネルが付いている防災ラジオがありますが、あれも個人的には否定的にとらえています。確かにラジオを鳴らすにはそこまでの電力は必要ないので、本体に太陽光を当てて内蔵電池をうまく充電できれば良いのですが、残念ながらラジオを聞くための電力をソーラー充電で得るためにも、それなりの大きさのソーラーパネルが必要になります。充電するには本体を日に当てなければならないので、結果的にラジオ本体を熱くしてしまう事が心配になります。いざという時の事を考えたら、少し大き目の持ち運びできるソーラーパネルを別に用意し、それでモバイルバッテリーを充電することでラジオで使うためのエネループの充電に使う(乾電池仕様のラジオの場合、充電池の使用は自己責任になります)方が現実的で、晴れている日にモバイルバッテリーに充電できれば、雨の日や夜でもモバイルバッテリーからエネループに充電でき、効率的だと思います。

さらに、手回し発電を使ったスマホへの充電や、本体に入れた乾電池でスマホに給電するような機能についてはどうでしょうか。乾電池をモバイルバッテリーのように使うには、専用の製品がありますが、ラジオ自体にスマホ充電の機能があるというのは、乾電池がたくさんあるもののスマホに充電する機器がない時には確かに助かります。手回し発電でスマホに充電することはちょっと実用的ではありませんが、災害時にすることがなくて暇つぶしのためなら、まあ無いことは無いと思うものの、どちらも極端なケースです。上記で紹介したソーラーパネルで、それなりにモバイルバッテリーの充電ができるなら、こうした機能はあえて使わなくても良いかなという感じはします。

というわけで私的な結論ということでは、ライト・ランタン機能はあっても困らないので付いていても問題ないものの、サイレン機能は誤爆した場合に困るので無い方が有難く、手回しや乾電池でのスマホ充電機能はあくまで気休めだと思っているので積極的に使おうとは思わないので、可もなく不可もなくといった感じでしょうか。防災ラジオ購入の際にはその価格も重要視されると思うので、あまり使わなそうな機能を削ることで故障のリスクを軽減し、価格もリーズナブルでいてさらに実用的なものであった方が良いのではないかと思うことはあります。

※今回の一連の投稿をリンク付きでまとめてみました。まとめて読みたかったり、前後の内容を確認したいという方がおりましたら、ぜひともお役立て下さい。

☆防災ラジオについての考え方

前説 なぜあえて防災ラジオについての知識が必要なのか
その1 そもそも小型ラジオには外部アンテナの有無が大事
その2 イヤホン専用ラジオよりスピーカー内蔵のものを買おう
その3 チューニングはアナログ・デジタルどちらにするべきか
その4 AMとFMのどちらが防災ラジオとしては大切か
その5 使用電池は「単三」と「単四」ならどちらが便利か?
その6 使用できる電源パターンにはどんなものがあるのか?
その7 内蔵電源は充電池よりキャパシタ(コンデンサ)
その8 電源回りの機能とその限界について認識しておこう
その9 使わなくてもイヤホンは一緒に持ち歩くことが大事
おわりに 時代とともに理想の防災ラジオのスペックは変わっていく

防災ラジオについての考え方 その7 内蔵電源は充電池よりキャパシタ(コンデンサ)

1997年9月1日と言いますから、阪神・淡路大震災が起きてから大体2年というところの防災の日に発売になったソニーのICF-B200というラジオから、手回し発電でラジオを聞けるというコンセプトのラジオが世の中に出たと言えると思います。その時から28年が経って、もはや「防災ラジオ」と言えば手回し発電機能が付いているものが当り前だと思われるほど、手回し発電ラジオというものが広まっていると言えます。

ただ、このICF-B200で手回しハンドルを回して電気をためる先は、当時のニッケルカドミウム(ニッカド)電池でした。これは、今のエネループでおなじみの「ニッケル水素電池」が普及する前の充電池として売られていたものです。今のエネループと比べると性能は高くありませんでした。ニッカド電池は化学変化によって電気を溜めているため、その性能を維持するのは結構当時からシビアでした。具体的には「過充電」「頻繁に使う」「充電を途中で止めることによってその分しか充電されなくなるメモリー効果」「長期間使わないことによる過放電」がニッカド電池を劣化させる要素と言われていました。これは、一部の不具合について現在の充電池が内蔵されている手回し発電ラジオにも同じような事が当てはまります。

ですから、新品で購入した防災ラジオを非常用持出袋にずっと入れっぱなしにして忘れていたような場合、大きな災害が起きていざ使おうとなった場合、いくら回しても内蔵で自分で交換不可な仕様になっている充電池が過放電により劣化していて、全く充電されないか少し聞けてもすぐ聞けなくなってしまうという事が起こり得るのです。

ですから昔のニッカド・ニッケル水素電池を内蔵している手回しラジオを防災ラジオとして用意したままずっと放置していた方は、もはや手回し発電での利用は控えて、乾電池を入れて使うことをおすすめします。今現在の防災ラジオとしてニッケル水素電池内蔵の手回しラジオを持っている方は、ぜひ定期的に手回しハンドルを回して過放電になることを防止するようにメンテナンスしましょう。

そんなわけで、皆さんが防災ラジオを購入する前に考えていただきたいのが、手回し発電は良いのですが、いつでも手回しで作った電気をためられるような仕組みについて知ることなのだと思います。内蔵している「電池」にためるタイプのものだと、長期間使わないと購入時の性能を発揮できない可能性があるので、せっかく買ってもいざという時に使えないということも起こり得るわけです。これではわざわざ防災ラジオとして手回し発電ラジオを買う意味が疑われてしまいます。

実は、手回し発電した電気をためる方法というものがもう一つあって、それが電池の代わりにキャパシタ(コンデンサー)という部品内にためこむという方法です。電池のように化学反応による蓄電ではないので、ためられる量は少なく、使わないと早く放電してしまう(中味が簡単にカラになる)特性があるのですが、その分電池のようにすぐに劣化することなく、しばらく使っていなくても手回し充電をすれば購入時と同じくらいの性能を発揮します。

現在は、スーパーキャパシタというものが内蔵されているラジオがあり、メーカーでは10年使っていなくても使えるというメリットを紹介しています。ただ、電池と比べるとためられる電気の量が少なく、手回しで満充電させても連続でラジオを聞ける時間は少なくなるというディメリットも併せ持っています。

それでも、いつ起こるかわからない地震など天災に備える防災ラジオなだけに、メンテナンスフリーで使えるメリットの方が大きいので、このブログでは手回し発電の防災ラジオを購入するなら、内蔵電池(ニッケル水素およびリチウムイオン電池)に充電するものよりも、キャパシタに充電するタイプの防災ラジオの方を強烈におすすめします。

あと、これは余談ですがもし充電池を手回しで充電するタイプのラジオにおいて、もしユーザー自身が内蔵充電池の交換ができるような製品があれば、個人的には電池に充電するものであっても使ってみたいという感じがします。かつて、手回しラジオに付いているハンドルと同じものが付いたLEDライトを持っていたのですが、その製品は市販のエネループのような乾電池タイプのニッケル水素電池を入れられるようになっていて、空の電池を入れた場合、充電池に手回しで充電できるようになっていました。私は100円ショップで売っているような安い充電池をそのライトの中に入れて使っていたので、それほど惜しくなく安い充電池を入れて使っていました。

このように、手回しラジオでも安い汎用的な充電池を交換しながら使える防災ラジオが出現したなら、電池自体が使えなくなっても交換して使うことで、ためられる電気はキャパシタよりも多く利用可能になる可能性があります。もちろん、ポータブル電源やソーラーパネルから充電することも可能になるので、かなり使える防災ラジオになるのではないかと思います。メーカーの方々にはエネループを内蔵電池として使用可能な手回し発電ラジオを出してくれないかなと思う今日この頃です。

※今回の一連の投稿をリンク付きでまとめてみました。まとめて読みたかったり、前後の内容を確認したいという方がおりましたら、ぜひともお役立て下さい。

☆防災ラジオについての考え方

前説 なぜあえて防災ラジオについての知識が必要なのか
その1 そもそも小型ラジオには外部アンテナの有無が大事
その2 イヤホン専用ラジオよりスピーカー内蔵のものを買おう
その3 チューニングはアナログ・デジタルどちらにするべきか
その4 AMとFMのどちらが防災ラジオとしては大切か
その5 使用電池は「単三」と「単四」ならどちらが便利か?
その6 使用できる電源パターンにはどんなものがあるのか?
その7 内蔵電源は充電池よりキャパシタ(コンデンサ)
その8 電源回りの機能とその限界について認識しておこう
その9 使わなくてもイヤホンは一緒に持ち歩くことが大事
おわりに 時代とともに理想の防災ラジオのスペックは変わっていく

防災ラジオについての考え方 その6 使用できる電源パターンにはどんなものがあるのか?

ラジオの電源は、前回紹介したような乾電池を入れて使うことが普通のラジオでは当り前ではありますが、いわゆる防災ラジオについてはそれだけでない聞くための方法が色々と考えられています。阪神・淡路大震災から2年度にソニーから発売されたICF-B200にも乾電池を入れて使えるのですが、何とも目立ったのが、大きな折りたたみハンドルが付いていて、そのハンドルを回転させることで内蔵の充電池に充電し、乾電池を使い切ったり電池の用意がなくてもラジオを聞くことができるというコンセプトでした。

この流れはまたたく間に広がり、もはや手回し発電のない防災ラジオはないとでもいう感じに防災ラジオは手回し発電による利用ができるようになっています。手回しの場合は、回す回数とラジオを聞ける時間の関係が当然乾電池よりも少ないので、あくまでも緊急用という感じにはなりますが、乾電池しか使えないラジオと比べると、使えるケースが増えるという点で、防災ラジオとしては使いやすくなります。

また、ちょっと大き目のいわゆるホームラジオの場合、ACアダプターやメガネ型のACケーブルをラジオ本体に差すと、家庭用のACコンセントから電源を使ってラジオを聞き続けることができるものがあります。こうしたコンセントにつながるラジオは、停電時には全く役に立たないと思われるかも知れませんが、最近になって状況が変わってきました。

というのも、防災意識の高いご家庭では、停電時でも家電製品が使える「ポータブル電源」を用意している場合があるので、ポータブル電源のコンセントにラジオを繋げば、電池の減りを気にすることなくラジオを災害時でも流し続けることができるようになったからです。

また、一部の防災ラジオには、本体上のほんの僅かなスペースにソーラーパネルを付け、そこから内蔵電池に充電できるというものがありますが、いくら消費電力が少ないラジオと言っても、太陽の力だけでラジオを聞けるようにするのは難しいと思います。そうした装備の付いたラジオを買うよりも、ポータブル電源およびそれなりの大きさのソーラーパネルをセットで用意し、晴れたら一気にポータブル電源を充電してしまうことで、かなり実用的に使うこともできます。もしすでにポータブル電源とソーラーパネルをセットで持っている場合、あえてAC電源で使えるラジオを防災用ラジオとして選ぶということもそう悪くない選択肢になるのではないかと思います。

また、私が先日購入したキュリオムのYTM−R100は、疑似ACアダプター(USB出力)が使える本体内蔵充電キャパシタへの給電機能があります。USB出力だけでなくUSB入力ができるので、USB端子の付いたACアダプターだけでなく、モバイルバッテリーを直接接続することでラジオを鳴らせるので、手回しよりも楽で早く使え、まさにスマホの充電をするようにモバイルバッテリーを使ってラジオを鳴らせるようになっています。

スマホ用のモバイルバッテリーをラジオの給電に使えるということになると、大きなポータブル電源は必要なくなるので、もしソーラーパネルから充電するにしても、バックパックに展開させるような小さなソーラーパネルでも何とか充電が可能になります。そうした機能のない防災ラジオを使う場合でも、本体にソーラーパネルが付いた防災ラジオよりも、別に購入したより大きなソーラーパネルを使って、あくまで自己責任にはなりますが、エネループのようなニッケル水素電池を充電して使うことも可能になるので、そちら方面への投資(USB接続で充電できるニッケル水素電池の充電器とソーラーパネルの組み合わせなど)を考える方が合理的だと私は思います。そもそも、本体内蔵のソーラーパネルから直接屋外で太陽光を当てるという行為は、ラジオの回路や内蔵電池へのダメージが出るほど本体が高温になってしまうのではと思うので、私などはとてもそういうラジオを買う気になれません。

実際にラジオを使う場合、乾電池でどのくらい使えるかということも大事ですが、手回しだけでなく、様々な外部電源を使っての利用が考えられている防災ラジオもあるので、今持っている防災グッズがあればそれに合わせて充電が可能であれば、その活用を考えてもいいでしょう。何もない状態で一からの購入の場合は、ここまで書いたことを考えた上で、できるだけ動かせる電源回りの数が多い製品を選ぶということも考えてみて下さい。

※今回の一連の投稿をリンク付きでまとめてみました。まとめて読みたかったり、前後の内容を確認したいという方がおりましたら、ぜひともお役立て下さい。

☆防災ラジオについての考え方

前説 なぜあえて防災ラジオについての知識が必要なのか
その1 そもそも小型ラジオには外部アンテナの有無が大事
その2 イヤホン専用ラジオよりスピーカー内蔵のものを買おう
その3 チューニングはアナログ・デジタルどちらにするべきか
その4 AMとFMのどちらが防災ラジオとしては大切か
その5 使用電池は「単三」と「単四」ならどちらが便利か?
その6 使用できる電源パターンにはどんなものがあるのか?
その7 内蔵電源は充電池よりキャパシタ(コンデンサ)
その8 電源回りの機能とその限界について認識しておこう
その9 使わなくてもイヤホンは一緒に持ち歩くことが大事
おわりに 時代とともに理想の防災ラジオのスペックは変わっていく

防災ラジオについての考え方 その5 使用電池は「単三」と「単四」ならどちらが便利か?

今回はラジオに使う電池(内蔵充電池でなく乾電池)について書いてみようと思います。この電池問題というのは、過去の大きな地震が起きた際に色々な問題があったので、その記録としても書いておこうと思います。

今から30年前の阪神大震災の時には、今あるような防災用のラジオというのは無かったのではないかと思います。ラジオ創生期にはテレビの代わりに家に置かれていたホームラジオの時代でしたが、第二次世界大戦後にラジオは一家に一台から一人一台という形に変化し、ラジオも乾電池で動く「トランジスタラジオ」が大いに普及しました。

その後、通勤ラジオとして電車の中でも聞けるようなものであるとか、ラジカセを持ち出すとかはあったものの、災害用ということでは、乾電池式のトランジスタラジオを災害用に流用するような形であったように思います。

それが、阪神大震災が起きそこでのラジオの重要性を感じたメーカーが出してきたのがまだ手回し発電がない頃の防災用ラジオでした。その歴史はソニーのラジオが時代を作ってきたようにも感じます。まず阪神大震災が起こった年1995年9月1日に出たのがICF-B100というモデルで、電池で動くのですが、電池ボックスの形状が変わることによって「単一」「単二」「単三」それぞれ2本あればどの型の電池でも使えるというものでした。さらに電池が切れた時のために、長期間性能を維持できるリチウム電池を常時セットできるようになっていて、4種類の電池が使用できました。実際、大きな地震が起きた場所ではお店から単三電池が一気になくなったということが起きていて、単三電池のみしか使えないラジオを持っていても使えなかったという意見をくんだ製品であったろうと思います。

翌年に単三電池しか使えないものの、別にリチウム電池をセットして使える後継機のICF-B50が出ましたが、さらに翌年(1997年)ついに今に続く手回し発電機内蔵のICF-B200が発売されたのですが、手回し発電のラジオについては改めて稿を設けることにして、今回は今主流となっている小型ラジオ用の電池の中で「単三」か「単四」のどちらを選ぶのかという点について色々と書いていきたいと思います。

災害時に備えるための乾電池というのは、以前であれば「単一」や「単二」を使ったラジオや懐中電灯が普通に使われていたのですが、今では乾電池を使うにしても「単三」か「単四」という感じに落ち着いてきている感じがします。かつては、単三はみんなが使っているので買い占められることによって非常時および、災害に不安を感じる人たちが買いに走る状況の中では手に入れるのが難しいという面がありました。実際、東日本大震災でも震源地から離れた私の住む場所でも普通のお店で単三電池が無いという話がある中、単四電池は入手できたので、支援物資として単四電池とそれで動くラジオ(手回し発電用)を現地で被災した友人に送ったりしました。そんな経験もあり、以前は単三と比べると比較的入手しやすい単四電池を使ったものの方が良いと考えていたこともあったのですが、今は水やポリタンクは無くなっても電池はそうそう無くならないという感じもします。

最初に結論じみた事を言ってしまうと、現代では乾電池については「大は小を兼ねる」ということが言えると思います。単四電池を使うタイプのラジオを持っている人のところに単三電池があっても、その電池はラジオを聞くのに使えません。しかし、単三電池を使うタイプのラジオを持っている人のところに単四電池が届いた場合は、あるグッズを利用すれば単四電池を使って単三仕様のラジオを聞くことは可能になります。

それが、単四を単三でも使えるようにする電池アダプター(スペーサー)です。こういったものは100円ショップでも見ることができると思いますが、私は家電量販店で購入しました。こんなものでも、一般的に2本の電池で動くラジオであれば、このスペーサーを2つ持っていれば、単三2本で動くラジオを持っていれば、単三電池が入手できない場合でも単四電池をアダプターに入れてラジオを使えるということになります。

もちろん、単四電池を使ったラジオの方が本体をより小さくできるわけですが、単三と単四と容量を比べると単三使用の方が長時間放送を聞き続けることができますし、いざという時に単四電池も使えるということになると、あくまで防災用という点で考えればその優位性は明らかでしょう。

過去には単一や単二を使って長時間鳴らすことができるラジオが主流ではあったものの、エネループが普及している状況の中で、電池といえば今は多くの電池は単三・単四電池に寄っているということもあるので、このブログでは防災ラジオで乾電池が使えるものについては、単三でも単四でもスペーサーを使えば使える可能性のある単三電池採用のものを推しておきます。

※今回の一連の投稿をリンク付きでまとめてみました。まとめて読みたかったり、前後の内容を確認したいという方がおりましたら、ぜひともお役立て下さい。

☆防災ラジオについての考え方

前説 なぜあえて防災ラジオについての知識が必要なのか
その1 そもそも小型ラジオには外部アンテナの有無が大事
その2 イヤホン専用ラジオよりスピーカー内蔵のものを買おう
その3 チューニングはアナログ・デジタルどちらにするべきか
その4 AMとFMのどちらが防災ラジオとしては大切か
その5 使用電池は「単三」と「単四」ならどちらが便利か?
その6 使用できる電源パターンにはどんなものがあるのか?
その7 内蔵電源は充電池よりキャパシタ(コンデンサ)
その8 電源回りの機能とその限界について認識しておこう
その9 使わなくてもイヤホンは一緒に持ち歩くことが大事
おわりに 時代とともに理想の防災ラジオのスペックは変わっていく