先日からずっと鹿児島県沖で群発地震が続いていますが、離島でここ数日震度5~6弱というかなり大きな地震が頻発しているというのは本当に大変ではないかと思います。改めて先日変えたばかりのバッグに入っているラジオの確認をしましたが、これからラジオを購入したいと思っている方は、普通に防災用のラジオについて調べている方が多いかも知れません。
日本の家電が世界に進出していく過程で、大きなインパクトを与えたのがソニーのトランジスタラジオで、電池駆動しどこにでも持って行けるというのは、日本国内だけでなく世界の市場を席巻しました。私が成長する過程でラジカセを含む高性能ラジオの世界にどっぷりはまっていたのですが、短波放送を聞くためのラジオはソニーだけでなくパナソニック、日立、東芝、三洋電機なども販売していてかなりの競争が繰り広げられてきました。
防災ラジオの歴史を見ても、ソニーが先行してハンドルを回して発電し、ニッケル水素電池にためる方式のラジオを作ったりと、まだまだ日本メーカーには元気がありました。しかし、現在は色々と持ち運びしやすいラジオについて調べてみると、日本のメーカーのラジオは昔のラジオとそれほど性能が変わらないのに高額というものが多い印象でした。
今回、ネットを巡回していてイヤホンで聞くFM専用ラジオで面白そうなものがあったのですが、それがFIIOというメーカーのRR11という製品でした(非購入品なのでここではリンクは貼りませんが、興味のある方はメーカー名と型番で検索してみて下さい)。本体がアルミ合金の金属ボデイで、日本の安いFMイヤホンラジオと同じようなアナログチューニングですが、内部は最新のテクノロジーが詰まっており、充電は内蔵のリチウムバッテリーにUSB(当然Type-C)からできるようになっています。
さらにユニークなのはFMラジオとしてだけでなく、パソコンやスマホとUSB経由でイヤホンの間に付けることによって、ヘッドフォンアンプとしても使えるようになることです。最新のスマホにはイヤホン端子が付きませんが、この製品と組み合わせることによって、ストリーミング再生を良いイヤホン・ヘッドフォンで使いたい場合には良い機能です。
こういう機能は、ラジオという普通に考えると進化が止まったのでは? と思われる製品についての開発意欲を無くしているメーカーにはなかなか付かないもので、こういった製品を出す中国メーカー(FIIOは中国のメーカー)の勢いは少なくとも日本の老舗メーカーよりもあるということは言えると思います。
防災用のラジオと比べるとはるかに小さく、電池が切れていてもスマホと兼用のモバイルバッテリーで充電したりバッテリー経由で動かせるので、通常はスマホでの音楽・ラジコを聞くために使いつつ、いざという時には災害時の情報収集用に使うということもできます。価格は税抜きで8千円ほどなので、それほど持つことが大変ということもないでしょう。
ただ、従来の製品より基本性能は上がっているといっても、この製品は基本的にはイヤホンのアンテナで聞くようになっているので、どうせ活用するならそれなりの性能のある長めの有線イヤホン・ヘッドフォンと一緒に使う方が良いでしょう。
現在は普通の防災ラジオを持ち歩いているので、そこまて急に持つ必要性は感じないのですが、まだまだ普通のラジオでも今の生活に合わせて使うための進化は期待できるのではと感じられたラジオがRR11でした。今後、イヤホン端子のないスマホに買い換えた際には一緒に持ち歩くのも良いかなと思っています。