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郵送レンタルCD・DVDサービスを実際に試してみてその手軽さを感じることができた

先日ちょっと紹介した郵送によるCD(DVDも)レンタルのサービスをお試ししました。私が試したのは一枚いくらという単体貸出でしたが、定額払いでの枚数制限レンタルのお試しもありましたが、常に借りるというところまでは考えられなかったので、初回クーポンを使って上限の3枚を借りてみました。

ネットから申し込んだ翌日に発送の連絡が来て、さらにその翌日には自宅に到着していました(大阪から静岡)。ただ、注文したのも到着したのもウィークデイだったので土日や祝日を挟むと郵便局の勤務の関係からもう少し時間はかかってくると思います。到着したかは、発送時に追跡番号を送ってくれるので、日本郵便のホームページから荷物追跡を選んでその内容を見て自宅のポストから持ってくるという流れで良いと思います。

送られてきたCDはどれもCD本体のみで、ライナーなどは入っていません。今の時代は曲名やアルバムについて書かれたサイトはいくらでも見付けることはできますし、こちらとしてもライナーを失くしたという事でのペナルティは受けたくないので、個人的にはスマートでありがたいですね。

包装はTSUTAYAの場合紙ではなくビニールのパッケージで、自宅の住所の書かれた部分を切り取ると、その後ろに返送先の書かれた部分が見えます。CDを返却する場合はこちらに来た同じ袋に来た状態のCDを入れて蓋をし(再度封緘できるように剥がしてシールになる部分があります)、そのまま手近なところにあるポストに直接投函すればOKです。レンタル期間は2週間ありますが、今回はCDを読み込めるパソコンに入れてデータだけ吸い出し、エラーなくデータの抽出(Flacファイルに変更するアプリ使用)ができたので、一通りデータから音楽を聴き問題ないと判断し、全て聴かないまま返却しました。

抽出したデータはとりあえずパソコンのフラッシュメモリーに保存しつつ音楽プレーヤー用にmicroSDカードにコピーしました。あとは、現在楽天モバイルに加入していると50GBの容量を利用できるRakuten driveにバックアップすることで、もし災害が来てハード系が全滅しても新しいハードからダウンロードできるようにしたいと思っています。ちなみに、利用するアプリ次第でFlacファイルを音楽用のCD-Rに焼くこともできますので、車のCDにアルバムをかけたい場合には改めてCD-Rを購入する予定です。

私が利用したTSUTAYAの場合、旧作CDは特別なキャンペーンがない場合でも、6枚借りてちょうど千円で収まります。私の場合はあくまでCDから音楽データを得てそれを活用することを考えているので、この価格はかなりの破格です。

インターネットによる音楽データの販売は、一曲あたり200円ちょっと? という感じですがCDから自分でデータを吸い出す手間を惜しまなければ、CD一枚でそれ以下で利用できるわけです(旧作での比較になります)。私の音楽の趣味はマイナー系が好きなので、TSUTAYAのサービスで借り切ったら違うサービスをという形で進んでいこうと思っています。実際にCDを買うのと違って、いくらコレクションを増やしても部屋を圧迫しないというのも嬉しいですね。

お店でのレンタルでなくネット注文→郵送受取りの方式は、膨大な音楽コレクションをいつでも選べるので、特に有名どころでなくマイナーな音楽を好む人にとって選びやすくなります。昔レコードとして借りていたり、実際に聴いたアルバムの場合はそのまま注文できますが、まだ未聴のようなCD借りるかどうか? という時に役立つのが、現在音楽聴取では主流のストリーミングサービスだったりします。もし未聴の音源がストリーミングサービスの中にあれば、まずそれを心ゆくまで試聴してみて、Flacファイルで残したいと思ったものを借りるという風にすれば、複数のサービスを生かした自分だけのライブラリーを構築できます。

ストリーミングサービスの場合は、今聴くことができていても(有料会員になっていても)いつ配信が中止になるかはわかりません。その点、現物のCDからデータを抽出する方法は、実体はないものの自分の管理のもといろんな形で音楽を聴くために(あくまで個人の楽しみの範囲内で)利用することができるので、まずは以前買おうと思っていても買えなかった作品を中心に自分なりのデジタルライブラリを作ろうと思っています。

音楽データを入手してメモリオーディオで楽しむための一番リーズナブルな方法を考える

来月あたりを目的に、microSDカードなどのメモリーに音楽のデータファイルをコピーし、インターネット環境がなくても自分の好きな音楽を聞くことができるようにしたいと思っています。今のところ、すでに持っているCDについては、古いCDドライブの付いているノートパソコン経由でCD音質の44.1kHz 16bitのデータとしてflacファイルとして吸い出すことが可能です。

ただ、Spotifiのようなストリーミングによる音楽配信にも当然メリットがあります。音楽を所有することはできないものの、ネット上で配信されているうちはプレイリストを作ってネット環境さえあれば自由に聞くことができます。ただ、月々の利用料(聴き放題)の料金がかかり、無料会員の場合は音楽を聞く気分をぶちこわすような(笑)、CMが入るので心から音楽を楽しむにはやはりそれなりの投資が必要だといえます。

個人的には、ストリーミングでの音楽利用は楽しみつつ、気に入った作品(アルバム)をメモリオーディオで集めたいところなのですが、ハイレゾ音源は高いし、MP3の圧縮したファイルでもアルバム一枚2,000円くらいと、多く作品を集めるとなるとなかなか大変です。

それなら、中古CDを買った方が良いのではないか? とも考えたのですが、中古CDは買うタイミングによっては高くなったりしますし、何より部屋の物が増えるというのは今の時代に逆行しているのではないかと思いながら、ふと思い付いたのが昔懐かしい「CDレンタル」の存在でした。

今でもTSUTAYAではCDレンタルを行なっていて、ネット上で登録の上レンタルを申し込むと、自宅まで郵便で届けてくれ、期間内に封筒をそのまま投函して返却すれば手間もかかりません。大体、私が借りようとしているCDは新譜ではなくいわゆる旧作のものがほとんどなので、一枚100円くらいで借りることができ、送料を含めても二枚で500円くらいに収まります。

CDが届いたら自分でデータを吸い出してflacファイルにしてそのファイルを複数の場所で管理すれば、部屋の中をごそごそ探さなくてもすぐ使いたい時に利用可能で、ネットからのダウンロード購入と比べても10分の1? くらいになります。

試しに、TSUTAYAのサイトに初登録したら630円分の無料クーポンが出たので、3枚分の旧作CDがクーポン利用で0円でレンタルできました(ちょうど旧作1枚が66円というキャンペーンも併用しました)。これで、かつて買いたかったけと買えなかった旧作CDをメモリオーディオの中にリーズナブルに追加することができそうです。もちろん、そうして作ったファイルはパソコンやスマホに入れても利用可能なので、今後所有してメモリオーディオでいつでも聴きたいと思った作品でレンタルCDで利用可能なものは、こうしたサービスが無くなるまでは思いっきり活用しようと今は思っています。

Googleの「鼻歌検索」を昔ライブ録音したジャズ演奏のファイルで試してみたら……

スマホで音楽を聴く場合、今ではリアルタイムに配信されるストリーミングで聴くというのが普通ではあるのですが、かつてCDを買っていた時の資産があることと、過去には外で色々なライブを録音して(当時はお店によっては普通に演奏を個人で楽しむ用途に限定すれば比較的自由に録音できた)楽しむということをやっていました。

具体的には、まずはSONYのレコーディングウォークマンにステレオイヤホンを接続してライブ録音を行なっていましたが、その後MDが出たりDATが出たり、アナログでなくデジタル録音を個人でできるようになりました。パソコンを使って音楽の編集ができるようになると、そうして録った音源をデータ化し、CD-Rに焼くような事もできるようになりました。昔の車はカセットテープやCDで音楽を聴くというのが普通でしたが、安いCD-Rメディアに音楽を編集して入れることで、車の中に製品版のCDを持ち込むことなく、壊れても再度コピーを作ることができるCD-Rでの音楽ライブラリーは便利でした。

録音機については、その後メディアを使わずに内蔵のメモリーやmicroSDカードに直接録音してデジタルデータとして活用できる音楽用のICレコーダーが安く出ることで、今までのオーディオ製品は完全に駆逐されたという感じがありますね。CDに焼くためにあえてレコーダーの能力最大での録音は私はあまりしませんでした。

そうしたライブラリーというのは、やはりCDが保管が楽でわかりやすいので、録音したオリジナルのデータがどこへ行ったかわからなくなる中、CDに焼いたものは今でも確実にパソコンに取り込んで活用できるようになっています。

で、今回はそうしたライブハウスでの実況録音をしたものをCDに焼いたものを発掘する中で、ライブではいちいち曲名を説明してくれない時もあり、データに曲名が書かれていないものが結構あります。私がライブに通ったのは主にジャズなので、かなり元曲から崩してしまう場合もあり、何の曲だかわからないままそのままになってしまっているものも結構あるのです。

で、その点何とかできないかと頼ったのが、Googleの検索窓にあるマイクのアイコンをクリックして出てくる画面にある「曲を検索」をタップして曲を流したり自分で歌ったりした音を分析してその音に近い曲を出してくれる「鼻歌検索」というサービスでした。

結論から言って、当時のジャズミュージシャンのオリジナルについてはさすがに無理でしたが、「何か聴いたことある」スタンダード曲であれば何とか候補を出してくれて、それが特別に料金のかかるサイトではなくYouTubeのサイトも案内してくれるので、簡単にその答え合わせができるようになっています。

ジャズというジャンルは、ジャズミュージシャンが作った曲だけでなく、そのミュージシャンが活躍した時代に流行したポピュラーソングをスタンダードとして演奏し、それを多くのミュージシャンがカバーするようなことは普通です。ですから、そうした知識がないと曲名すらわからないままライブに行くということになってしまいます。

昔は先輩やジャズ喫茶のマスターに教えてもらうような事もできましたが、今の時代はそうした繋がりも無くなっている中で、ストリーミングで膨大な数の音楽作品を聞き流すことができるので、聴き込むことはできるようになっています。しかし、聴き込んだ以外の曲が急に出てきたらそれはお手上げということになってしまうので、スマホを使ったネット上での「鼻歌検索」は本当にありがたいと思っています。皆さんも、気になっている曲があるが曲名がわからないというものがあれば、ぜひこうした検索の方法を試してみることをおすすめします。

来たるべき自粛明けのドライブに備えてSpotifyのプレイリストを作ってみる

極力外出を控えて必要以外の場合は自宅で過ごしていると、だんだんやることがなくなってくるかと思ったら、インターネットの世界というものは本当に果てしないもので、毎日覗いていても新たな発見があるから不思議です。

今回は、あまりに暇なので音楽サービスである「Spotify」で自分好みのプレイリストを作ろうと色々と調べていました。というのも、タブレットやパソコンでストリーミング再生をする分には無料会員でもアルバムをまるまる聞いたり、好きな曲を何回も聞くことが可能なのですが、スマホ(7インチモデルのタブレットも同じ?)では必ずランダム再生およびSpotifyからのお知らせ、さらにSpotifyからのおすすめ曲が強制的に再生され、飛ばすこともできません(その代わり一曲はフルで聞くことができます)。

こうした不便さを逆手に取り、自分で好みのプレイリストを作れば、ランダム再生でお知らせは途中で入るものの、スマホから自分の好みの音楽をいつでも再生できるようになるわけです。

例えば、以下のリンクはそんな気まぐれから作った曲のリストなのですが、ジャンルを問わずに自分が今まで聞いてすごいと思ったギタープレイの巧みな曲をリストにしてみたものです。興味がある方は以下のリンクの内容をご参照下さい。

上記リンクは別に自分の音楽の趣味を自慢するようなものではなく(^^;)、ただ昔カセットテープやMDを自分の好きな曲を録音し、車の中で延々と聞けるように編集したことを思い出し、このようなその時の気分で聞きたいリストを今のうちに作っておけば、自粛明けになった時にスマホからでも無料でドライブ中の音楽を特別な用意なくいつでも聞けるようになることを目論んだものです。

上のリストは「ギター」に特化した曲を集めてみたのですが、まだ漏れている曲というのはあるだろうということで、自分の過去に聞いていたものでも他人が勧めるものでもいいからリストに加えてもいいと思える曲がないかというのを昨日は調べてきました。そんな中、面白いページに行きあたったのですが、上のリンクに加えようとは思わなかったものの、過去の音楽アルバムの面白さというものを感じたものに、以下の作品があります。

こちらのリンクはアルバム自体へのリンクなので、有料会員の方でないとスマホからではランダム再生しかできないのでご注意下さい。アルバム名は「SUPER DRIVE」、郷ひろみさんのアルバムです。アイドル路線が全く駄目な方もいるかも知れませんが、ジャケット・デザインが横尾忠則氏で、バックバンドに何と24丁目バンド(The 24th Street Band)というニューヨークで活躍していたフュージョン系のバンドでした。日本でも人気があり、かなり分厚いサウンドになっているのですが、逆にこれだけサウンドが厚いとメインボーカルの郷ひろみさんはきついだろうなと思えるような感じのアルバムで、今回調べたことで私は初めて聞きました。

24丁目バンドのギターは故・ハイラム・ブロック氏で、私自身は国内のコンサート(マーカス・ミラー氏やデビット・サンボーン氏と一緒だった?)でその演奏を直に見たことがあるので、上記アルバムでソロを取っているギターを聞くと、その時の事をつい思い出してしまうくらいでした。

郷ひろみさんのファンとしてはいわゆる歌謡曲的な感じではないので面食らった方もいるのでは? という感じでしたが、今の情報およびそれをすぐ手元で聞くことができるシステムが整っているというのは改めてすごいと思います。ちなみに「SUPER DRIVE」収録曲はやはりというか郷ひろみさんのボーカルメインで、私の好きなハイラム・ブロック氏のソロも印象的ではあるものの、そこまで目立ってしまうと完全に郷ひろみさんが消えてしまうと思ったからかどうかはわかりませんが、別のリストにまとめるよりもアルバム単体として楽しむ方が良いように思いました。

しかしながら、1979年発表のこのアルバムのように、まだ日本の経済が元気であった時代は様々な海外ミュージシャンがコラボしたり、逆に日本から海外レコーディングして作られたような私の知らない作品がまだまだあるような気がします。時間を掛けて調べながら自分の新たな好みの音楽を見付けていく作業というのも、逆に今だからこそできるような感じもしなくはないので、新たなジャンルでのプレイリスト作りを今後も楽しみながら行なっていこうと思っています。

こんな時だから考えたい「世界の人に聴いて欲しい日本の音楽」とは何だろう?

東京オリンピックの開会式のスケジュールが大変なことになっています。恐らくここまで直前に来て変更を余儀なくされたのは初めてではないでしょうか。今回、開会式の音楽を担当する人が直前に辞任し、会場で流す予定だった曲も流さないことになったということで、その部分を埋めるのは並大抵のことではないと思いますが、そもそも日本から世界にアピールできる場でどんな音楽を流すつもりだったのかということに興味がわいたので、今回のミュージック・ディレクターを務める田中知之(FPM)氏の音楽をSpotifyから聴いてみることにしました。

実際、田中氏が今まで出している作品がそのまま流れるわけではないと思うのですが、役職を辞任した小山田圭吾氏とのコンビでということを考えると、当初東京オリンピックを開催する時に言われていた「コンパクト」というキーワードで日本というよりも東京の限られた地域に根ざすようなダンス系の音楽という印象で、海外の方でも日本の音楽に詳しい方なら興味を示すのではと思えるものの、私たち日本国内で生活する人々の多くの方は「これが日本を代表する音楽か?」と思う人も出てくるのではないかと、まだ開会式も見ていないながらの印象ではありますが、そんな風に感じてしまいました。

改めて、東京オリンピックとは関係なく、海外でテレビを見る多くの人に「日本の音楽とは何か」という形で何が世界に向かってわかってもらいやすいのか? という風に考えてみると私個人的には以下のような内容が思い浮かびます。

・日本列島に大古の昔から住んでいる人の奏でていたと思われる音楽および、そうした存在にインスパイアされた音楽
・日本各地で伝わっている民謡およびそうした地域に根ざした音楽
・世界的にヒットしている歌手の楽曲や広く世界に認知されているアニメ・ドラマ・ゲームの音楽
・日本のテクノロジーによって実現した初音ミクおよび全編打ち込みの音楽(演出をCGで行なえば出演者がいらずに無観客化も可能?)

一般的に、土着的なものであればあるほど、その内容はオリジナルなものとなり、新鮮に海外の方々には映るのではないかという話があります。それは、いわば都会と田舎の違いでしょう。都会の音楽を聞き慣れた耳には、地方の民謡は古臭く感じる方もいるとは思いますが、今回の開会式が洗練された都会的な音楽を主に流すかも知れないのとは対照的に、田舎のオリジナリティが輝くこともあるかも知れません。

地方発の古くいものにオリジナリティが生まれる例として挙げたいのが、映画「ゴジラ」の音楽です。作曲者の伊福部昭氏は北海道の出身で、代表作にアイヌの方との交流の影響がうかがえる「シンフォニア・タプカーラ」があり、これを聴くとまさに「ゴジラ」の世界なんですね。ご本人はゴジラの音楽に再び注目が集まった際、トラックレースの一周遅れで先頭に立ったようだと語っていたそうです。

また、個人的に多くの人に聴いてもらいたいと思う楽曲に、冨田勲さんの「イーハトーヴ交響曲」があります。元々冨田勲さんと言えば日本のシンセサイザーミュージックの祖とも言える方ですが、楽器の音だけでなく歌声そのものも人間の声ではなく合成された音声で合わせたものを作ることは悲願だったそうです。初音ミクというボーカロイドの出現でそれが現実のものとなったわけですが、もし、事前に楽曲を準備して出演者を全てコンピューターグラフィック化して、冨田勲さんの音楽に合わせて動いたり歌ったりする作品が世界に向けて流れたら、それはそれで新型コロナに対抗するための手段として認知されただろうになと今さらながら思ったりします。

果たして本番の東京オリンピック開会式がどのように演出され、どんな音楽が流れるのかはわかりませんが、ここまでで多くの人の心の中に素直に楽しめない感情が生まれてしまったのではないかという心配もあります。そんな中で改めて、自分ならどんな音楽を世界に向けて発信したいかという話をするのも一つ大事なことなのではないかと思います。ここまで書いたことは、私自身車中泊の旅で日本全国の地方を回ったこともあり、都会的なものよりも地方の文化についての思い入れが探くなってしまいました。ただこれはあくまで私の場合ということなので、こんな時期だからこそ、皆さんなりの世界に向けての音楽とは何か考えてみるのもいいのではないでしょうか。

いじめる側の論理で世の中が動いていた? 小山田圭吾氏の雑誌での発言に見る時代の空気

東京オリンピック2020開会式を直前にしてその音楽を担当する小山田圭吾氏の過去の雑誌でのインタビューが物議を呼んでいます。この話題で、たまたまテレビを見ていたら爆笑問題の太田光氏が、その当時の時代的背景があってのものであるというような擁護を展開していましたが、その言葉を聞いて私自身思い出したことがあります。

現在手元に雑誌がないので正確な記憶に基づかないため雑誌の詳細についてはお伝えできませんが、当時小山田氏が在籍していたフリッパーズ・ギターをはじめとした当時の音楽についてアーティストを取り上げている雑誌があり、当時お目当てのアーティストのインタビュー記事があったので購入したのですが、その雑誌の編集後記に読者が投稿した編集部批判の内容の手紙を取り上げていたのですが、そこで語られていたのは内容についての話でなく、そのお便りの主が群馬県から手紙を送ってきたことを揶揄したやり取りでした。

映画「翔んで埼玉」で出てくるようなフィクションの元というのは、かなり露骨に関東の中でも北関東や千葉をさげずんだり、同じ東京でも車のナンバーで露骨に差別まがいの言動を行なうなど、「田舎者」と他者を貶めることによって自分の存在価値を得るような思想というものがその時代あり、一部のメディアでも容認されたいたことは確かです。

ただ私自身そうした媒体を見るにつけ、自分の事は棚に上げてその人の出身地域をあげて露骨に差別するような事は侮蔑の対象でしかなく、当時その雑誌を購入してしまったことを悔やんだ記憶があります。

ただ、そうした表現者の人間性とその人が作る音楽とは分けて考えるべきだという風に自分は思っています。人間性の内容は違いますが、過去好きでよく聴いていたミュージシャンは実に素行が悪く、情報紙に掲載されているライブハウスでのライブをすっぽかすのは当り前くらいの事をやっていたのですが、私を含むファンの多くは、調子が良く良い演奏をしてくれることを願ってライブハウスに通っていた人もいたと思います。

また、聞いていてとても耐えられないような内容を表現していたとしても、表現の自由という観点から出すことそのものを止めさせることはこれだけネット上で発表の機会(自由公開ではなく限定配信という方法もあるので)がある中、完全に無くすことは無理だと思います。問題は、そうした表現の自由に守られて多くの音楽活動をされる人がいる中で、日本全国そういった細かな事情を知らないような人も見ている中、東京オリンピックに関する楽曲の依頼を小山田氏にした側の問題が大きいと思います。

恐らく、今回の依頼に関わった人たちも当時のカルチャーの真っ只中にいて、そこで過去の自分の行動を楽しい思い出として昇華してしまったのではないかと私には思えます。大臣が言うように決して小山田氏について過去の雑誌媒体での発言を知らなかったのではないでしょう。特に今回のオリンピックはスポーツに政治が介入することを疑問視する人がいる中、もしアーティスティックなオリンピックのイベント演出や音楽なども政治と密接に関係する中で決まっているのだとしたら、今回もし開会式が行なわれるなら個人的には期待してワクワクすることはあまり無くなってしまうような感じがします。

逆に、そうした他人からの介入とは関係なく活動しているアーティストの作品にこそ、私自身の興味は向きます。本来はそうした半ば過激な表現をするアーティストを守ることこそ政治の世界が行なわなければならない事だと思うのですが、こうした点から言っても世の中は変な方向に回っていってしまっているということを感じざるを得ません。

スタジオミュージシャンは数々の音源を残すが 改めてライブの大切さについて想う

最近はなかなか車に乗る機会でもないとじっくり腰を落ち着けて音楽を聴く機会が無くなってしまいましたが、多くのジャンルを聴く中でより多く聴くジャンルは演奏中心のジャズをよく聴いていました。

ボーカル入りでなく演奏だけというのは慣れないうちはなかなか良くわからず、特にジャズのアドリブなどというものは、当時の流行した曲を聴いている耳には最初よくわからなかったのですが、当初は修行のようなつもりで何回も聴き込むうちにその違いや良さというものがわかるようになり、演者の演奏の差やテクニックの凄さというものも多少はわかるようになりました。

ジャズの世界では多少は名が知られている人であっても、それだけで生活をしている人はほんの一握りで、多くのミュージシャンは副業で食べていたと思います。それは音楽とは関係ないアルバイトだったりすることもありましたが、やはり技量のあるミュージシャンであれば音楽スクールの講師をしている人もいましたが、そうではなくあくまで音楽を演奏することで稼ぐ手段として、ジャンルを問わずスタジオミュージシャンとして多くのCD制作に関わったり、歌手のコンサートでのバックバンドをかけもちしたりする方も多くいました。

そんな中、私が今回紹介したい村上“PONTA”秀一さんの演奏と出会ったのは、サックス奏者の坂田明さんがグレイス・ジョーンズさんとSEIKOのコマーシャルで共演し「蕨Time!」と叫んでいた頃、その音楽を担当されていた坂田明さんのグループに参加しているレコード(まだCDの時代ではありませんでした)でその音楽を聴き、その名前を存じ上げるようになりました。

その後、たまたま学生時代に学園祭に来た女性アーティストのバックバンドの中にPONTAさんの名前を発見し、同じくジャズ好きな友人と一緒に見に行ったのですが、その時には女性アーティストさんには悪いと思いつつドラムの方ばかり見ていて、初めて生で見たPONTAさんのテクニックには大変感激し、それ以降レコードやCDではわからない音を感じるために積極的にライブに通うようになったきっかけを与えてくれた人の一人ではないかと今になって思います。

当時は、夏にはロックだけではなくジャズフェスティバルも数々行なわれていて、そうした所でもお見掛けし、また東京に出た時に誰かのライブのメンバーとしてドラムを叩いていたPONTAさんの姿も見ています。どちらかというと狭いスペースの方が演者の息づかいまで感じられるため、学生時代は食費をけずってライブに出掛けていましたが、現在はさすがに息づかいを感じられるようなライブを見に行くことは不可能なので、その点ではとても残念です。

その村上“PONTA”秀一さんの訃報が入ってきたのには本当にびっくりしました。70才という年齢はまだまだ演奏で私たちを楽しませてくれるだけのものであると思いましたし、急なお別れに、あわてて手持ちのCDをずっと聴いていました。

ミュージシャンはスタジオミュージシャンと言えども、ネット上にはかなりのデータがそろっていますし、そこから紐解いてYouTubeから実際の演奏を画面と音とで見ることもできますし、機材を揃えてCDで聴けば、まるでその場で叩いているような臨場感を持ってその人の音をずっと感じることもできます。ただ、やはり目の前で実際にその人の演奏を見て感じるということは大切だと思います。昨日はCDの音とともにテレビ画面に映した実際の演奏も沢山見ましたが、やはり現場で演奏を見ることができると、小さいライブハウスなら演奏後の雑談を聞いてその人が本当はどんな人なのか感じることもできますし、こちらから声を掛けて話をすることもできるかも知れません。

最近はバーチャルな体験に慣れてしまっていますし、実際の演奏を臨場感まで記録する方法も考えられていることも知っているのですが、それでもできれば実際に演奏している姿を見ながら感じたいと思わせてくれた私とPONTAさんの出会いがなければ、ここまで変わらずに音楽への興味を保ち続けていたか疑問なので、ライブの面白さということを多くの人に知らせ、ライブを楽しんでもらいたいと改めて思います。ライブハウスを運営されている方のご苦労は本当にお察しします。本来は音楽・演劇のような文化事業というのは政府がその規模に関係なく援助していく必要があるのではないかと思っているのですが、最近は飲食店という括りでの話はあるものの、具体的に映画・芝居・音楽をどう守っていくのかの話が出てこないのが残念です。

たまたまではありますが、私の住む静岡市でも今月いっぱいでそれなりに頑張ってきたジャズライブハウスが営業を終了するということを聞き、個人の力ではどうにもできない悔しさを感じます。村上“PONTA”秀一さんのご冥福をお祈りするとともに、今後も音楽のライブを楽しめる環境が無くならないよう色々と考えていきたいです。

ヤマハの「Distance Viewing」で全盛期のパフォーマンスの記録を

新型コロナウィルスの関係で、飲食業界とともに厳しいのが、エンターテインメント業界だと言われています。コロナ騒動の初期からクラスターが発生したことで今でもなかなかお客さんを多く入れての営業ができないライブハウスでは、ライブハウスのオーナーだけでなく演奏するミュージシャンも活動の場を奪われてしまっています。

2020年の10月にヤマハは、こうしたライブ・コンサートの臨場感を再現するためのシステム「Distance Viewing(ディスタンスビューイング)」を発表しました。ステージにおけるミュージシャンの動きをカメラで撮影し、大型プロジェクターを使ってライブの音と映像を再現するのですが、その際、ステージの照明のパターンやミキサーの操作情報もデータ化して、あたかも目の前でミュージシャンがパフォーマンスをしているような形でのライブ再現が可能になるという触れ込みです。

もちろん、全てが同じというわけにはいかないものの、現在のライブハウスでは店内を満員にするまで人を詰め込むわけにもいかない中、いったん記録したライブデーターを何回かに分けて上映することで、ミュージシャンの負担も少なくなりますし、ライブハウスの集客という点でも回数を分けることで集客力が高まる効果が期待されます。直接ミュージシャンと触れ合うことができないのはライブハウスの魅力を一部削ぐような事になってしまうところはあるのですが、バーチャルなライブの再現なら全国どこでも開催でき、それにリモートトークなどをからませれば、今までは大都市に行かなければ体験できなかったライブ感を観衆はある程度体験できるということにもなるでしょう。

個人的には、さらにシステムがバージョンアップして、ミュージシャン特有の音をできるだけライブ会場で直接聞くくらいまでレベルアップしてもらえると、コロナ関連ではない需要が生まれるのではないかと期待するところがあります。

どういうことかと言うと、いつの世にも「伝説の」と付くようなミュージシャンのセッションはあると思うのですが、これが音だけで記録されたものではなく、その時のミキサーの操作までライブ時と同じに保たれ、さらにその場の雰囲気もライティングで似せることができるとしたら、伝説の演奏というのはいつでもこのシステムを使って再現できるということになります。

つまり、このシステムで現在の最高のライブパフォーマンスをあらゆるジャンルに渡って記録することを続けていければ、例えば私たちがモーツァルトの指揮するオペラの記録やジャズのチャーリー・パーカーのセッションを当時の雰囲気そのままでライブ会場に出向けば見られるようになるくらいの事が未来には起こるということになります。逆にそうなると、現役のミュージシャンは過去の伝説のミュージシャンと比べられてしまうというところがありますが、逆に自分の能力を伸ばす上での格好の材料にもなるのではないでしょうか。

さらにこのシステムを使う場合、個人レベルではなかなか記録されたライブを再現するだけの設備を用意できないので、ライブハウスの営業自体を食うようなこともないという点でしょう。コロナ後の社会ではライブの予定のない時間帯に過去の名演を楽しむような形で、ライブハウスの集客力もアップするのではないかと思いますし、今後のシステムのバージョンアップでどんなものができてくるのか、個人的にも楽しみです。

デジタルデータの連続性について考える

最近、もっぱら音楽はCDを買わずに聞き流すように楽しむ「ストリーミング再生」で楽しんでいます。ただ、私自身は音声単体でのストリーミングサービスにはお金を出してはいなくて、アマゾンのプライム会員なら利用できる「Prime Music」を主に利用しているのですが、このPrime Musicの仕様が、一定の期間を過ぎると今まで聞けていた楽曲やアルバムが聞けなくなったりするので(プライムビデオでも同じような事があります)微妙に音楽を楽しむには苦しいこともあるので、せめてお気に入りの曲だけでも所有していつでも聞けるようにしておこうと思うこともあります。

ただ、私自身は物心ついた時から音楽はストリーミング配信で楽しむという世代ではなく(^^;)、お金を節約して多くのジャンルの曲を聞くためには「レンタルレコード(のちにCD)」や図書館で音源を借りて聞いたり、その中でどうしても所有しておかねばならないと思ったものについては高いお金を出してCDを買っていた世代になります。

当然、iPodのようなデジタルオーディオが出る前から音楽を外に持ち出しており、その形態は「カセットテープ」「MD」「CD-R」というように変遷してきました。このうち、一枚の単価が安く、そのまま古いカーオーディオにかけられるCD-Rについてはかなり使いました。さらに、オーディオに付いているCDプレーヤーによっては単なるCDのコピーではなく、通常のCDの収録時間の10倍くらいの音楽を入れられるように元データを圧縮し、MP3形式にしてCDに焼くなんてこともしていました。今でもこの方式なら、ジャンル別でもバラバラでもランダムにいろんな曲をCD一枚にまとめることができ、さらに特別な機器も必要ないので、自分の持っている音源をMP3形式に圧縮してパソコンのハードディスクやデジタルオーディオ・スマホやタブレットなどに保存していました。車中泊の旅で長時間の運転をする時には、一回入れると700分以上聞いていられるMP3形式のファイルを焼いたCD-Rは本当に重宝しました。

そうして昔作業した音源の多くが、昔買って今も使っているiPad miniの中に大量に入っていることがわかりました。パソコンの方は色々あって廃棄を繰り返してきたので、今使っているパソコンの中には昔の音源は入っていなかったのですが、かつては圧縮した音をiPad miniにまとめていたんだなあと思うとともに、これをどうにかして今使っているパソコンのメモリーに移し、自由にまた聞けるようにしようと思って色々調べてみました。

元々これらの音源はアップルから購入したものではなく、所有していたCDから抽出し、圧縮したものなので個人で楽しむ分には著作権の問題はクリアしているものばかりです(当時はネットから不法に楽曲をダウンロードしているような人もいたようですが、そうした音源の二次利用は危険ですのでご注意下さい)。というわけで、iPadとパソコンを繋いだのですがそのままでは本体のカメラで撮った写真にしかアクセスすることしかできませんでした(^^;)。

そこで、改めてiPad本体の内容をバックアップし、そのバックアップしたデータから中味のファイルを書き出すソフトがあることがわかり、「iBackupBot」を使って何とか音楽ファイルをパソコン上に書き出すことができたのですが、そこからが大変でした。

というのも、ファイルのプロパティにはきちんと「アルバム名」「曲名」「アーティスト」「トラック番号」のデータが残っていたのですが(CDを取り込む時、CDに記録されたデータも読み込むことができるのです)、iPadからコビーしたファイルは全くランダムなファイル名になってしまっていたのです。

ということで、現在はその中で早く聞き直したいアルバムについては手動でファイル名を変更して元通りにして、デジタルオーディオやスマホでも簡単に再生するための作業を行なっているところです。改めてその音源を聞いてみたのですが、圧縮してもジャンルによっては普通に聞くには問題なく、もちろんデジタルデータなので音質の劣化は全くありません。このデータを改めて購入する場合、MP3形式であってもけっこう費用がかかることを考えると、過去の自分がまめに自分の好みの楽曲をMP3形式にしておいて良かったと感じます。今後は圧縮したMP3形式のデータをクラウドにアップして、手持ちのどの端末でもストリーミング配信形式でいつでも聞けるようにしようかなと目論んでいます。そのためにはそれなりにレスポンスの良い回線を持つことが必要になるので、そういったことも合わせて今後のモバイル回線の展開も考えたいですね。

東京オリンピック延期で変わってほしいこと

ようやく日本政府もIOCも現実的な対処を行なったということでしょうか。翌年に東京オリンピックを延期にするなら、そもそも今後確執を生むと思われる男女マラソンの選考レースを順延したり、聖火関連のイベントを強行することもなかったのではないかと思いますが、すでに代表を決めている選手も、まだ決まっていない選手についても、とりあえずは新型コロナウィルスに感染しないということを第一に考えて行動するようにできるということは素直に良かったと言えると思います。

今後はいろいろなことが変わっていくでしょうし、かなり厳しい現実も突きつけられることも出てくると思いますが、今回はちょっと趣向を変えて、今回のオリンピック延期を明るい方向で考えてみたいと思います。発生がアジアからだったということで、これだけ悪くなったアジア圏のイメージを払拭するだけのパフォーマンスを競技ではもちろんですが、改めて日本でのアートや音楽についても、今後何を世界に発信するのかということを改めて考えて欲しいと思ったりします。

今年オリンピックが開催されるなら、日本のアニメやアイドルグループ、ポップミュージック、それにNHKでずっと流してきた「パプリカ」あたりで開会式閉会式を盛り上げ、クールジャパンをアピールするようなイメージだったと思うのですが、特にこれだけ昨年のうちに流行りのピークを迎えてしまった「パプリカ」のようなイメージソングが来年までその勢いが持つのか甚だ疑問です。昔から日本の祭りというのは疫病をやっつけるためにハイテンションで一気に駆け抜けるようなものも多くあるので、折角なら今からでもオリンピックの開会式閉会式の企画を変えてでも、その日本らしい力がほとばしるような人たちを檜舞台に挙げてほしいと思うわけです。

上の動画はデビュー30年を過ぎてようやく世界から見つかって、EUライブを成功させた「人間椅子」というバンドのUKでのライブの様子ですが、ほとんど現地の人たちが、全編日本語の曲に大きな喝采を送っているのを見ると、改めて世界に通用する芸術というものが海外ミュージシャンへのリスペクトだけではなく、演じている彼らの土着性にあることがわかります。

人間椅子のデビューからのオリジナルメンバーである和嶋慎治氏と鈴木研一氏は、ともに青森県弘前市出身で、隣の青森市で行われる「ねぶた祭り」とは違う「ねぷた」のリズムがその根底にあることでしょう。どちらかというと「ハネト」と呼ばれる踊り手と立体的な山車が注目され、明るく飛び入りもできそうな(私自身実際に青森の知り合いにお願いして、ハネトの中に入ったことがあります)「ねぶた」とは違い、扇形の山車に描かれた絵と、ともに繰り出す囃子や掛け声を楽しむ「ねぷた」のちょっと怪しい世界を人間椅子は表現しているようにも見えます。

もちろん、「ねぶた」も「ねぷた」も海外からも大勢の観光客が来るお祭りなのですが、広く受けそうなねぶたよりも、日本人にとっても怪しげな日本のリズムが、かえってインターナショナル的な魅力を持って2020年の現代、海外からも支持されていることも事実です。まだ新型コロナウイルスの影響で、多くのミュージシャンがライブ活動ができないのが残念ですが、この騒動が収まったあとで今回紹介した人間椅子のような人たちが、こうしたパフォーマンスを世界に発信する機会が今回の大会延期によってできてくれればいいなと思ったりします。