車関連ニュース」カテゴリーアーカイブ

特定の車のリコール情報や新しい車中泊に適していそうな車が出た時など、車関連のニュースはここでお伝えします。

スズキが発売準備中?電動バイクは楽しみだが多くの人は電動アシスト自転車で十分か?

昔は電動アシスト自転車は存在しなかったので、免許が取れる年齢になったらまずは原付免許を取って、原付バイクを利用するようになりました。私の場合はたまたま中古のヤマハジョグを安く入手できたのですが、当時も新車は高価で、なかなか原付に乗るのも大変でした。

そんな中、軽自動車の方でも革命的な価格で(40万円台)新車を出していたスズキが、原付でも新車としては当時破格だった59,800円で出してきたサスペンションを省略し、セルすら付かなかった原付の「チョイノリ」は、友人の中には新車で購入して足として使っている人もいて、新車で乗れることに羨ましさを感じたことを思い出します。

実は昨日、ネットを色々と見ていたら、スズキが2024年を目処にしてバッテリーを使って走る電動バイクについての概要を発表していて、その中にある原付相当の電動バイクらしい姿がチョイノリシリーズの「チョイノリSS」にそっくりであることを指摘する方がいて、結構盛り上がっているようです。

チョイノリは2003年に発売されましたが、その時と比べて残念なことに社会人の給与はそこまで上がっているとは思えないので、今でも6万円を切る価格で原付や原付相当の電動バイクが出たらかなりワクワクする方はいるはずです。

電動バイクというとタレントの出川哲朗さんの番組でお馴染みですが、一回の充電で走ることのできる距離に限りがあるので、ロングツーリングはできないものの、往復あるいは片道だけでも一回の充電で走り切ることができれば、通勤用や買い物用、ちょっとした用足しにも十分で、個人的にも財布の紐が緩む感じもするのですが、今はそうした通勤通学用から買い物、お子さんの送迎用として電動アシスト自転車が大変に発達しています。そんなわけで、現在の電動アシスト自転車の動向について見てみたのですが、本当に色々種類があってびっくりしました。

安いものでは10万円を切るものもあり、折りたたみ式の電動アシスト自転車もあるので、そもそも駐輪場すらないような住宅環境でも持つことができるのがあくまで自転車である電動自転車のメリットです。もし今お住まいのところに駐輪場があり、原付は止められないが自転車なら止められるというのなら、かなり高性能な製品を選べば、オートでアシストが入るモードにしても一回の充電で100kmも走ることのできるモデルがあったり、運転しながらバッテリーに充電することで航続距離を伸ばすことができるモデルもあったりします。

ただ、そうした機能満載な電動自転車は値段も高くなっていまして、税金を入れると20万円弱と普通のバイク並みに高額なのが購入に躊躇するところなのだろうと思います。しかし、原付を買うということになると、その維持費が自転車と比べるとかなりかかること確かなので、自分の環境で考えてみることが大切だと思います。

自宅に駐車スペースがある戸建て住宅の場合は駐車場の心配はしなくても良いですが、私の住む集合住宅には最初から原付用の駐車スペースはないので、どこかで借りるしかないのですが、なかなかそんな場所はないものです。ネットで自宅周辺を調べていたら、近くにバイクの駐車場はありませんでした。市内にあるバイク駐車場は月3~4千円と安くはないのですが、ないものはしょうがありません。更に探すと発見したのは、小さめのスペースのトランクルームをバイク置き場として使うような物件でした。これはバイク以外に荷物も置ける代わりに、利用料が近所のトランクルーム(バイク対応)は15,000円ほどのところがすでに空き無しでした。

その他、原付の場合エコカー減税のようなものも無さそうで、年に一回2千円の自動車税がかかり、保険についても自分の怪我まで保証する自動車保険に付けられる「ファミリーバイク特約」に加入すると、年間2万円弱余分にかかります。電動バイクだと充電にかかる費用は微々たるもので、その点は良いですが、それでも点検費用も自転車に比べるとかかるので、人によってはもし59,800円で新しい電動バイクが発売されたとしても、その金額に10万円を足して高性能な電動アシスト自転車を買った方が維持費もかからずに便利に使える可能性は高いというのが実際のところではないかと思います。

特に今の状況では、大きなショッピングモールにはバイク用の駐車スペースがあるものの、駅周辺とかにあるのはほとんどが自転車用の駐輪スペースで、なかなか原付を止める場所がないというのも問題でしょう。止める場所に困って歩道に放置すると、反則金の対象になったり、交通違反で切符を切られると自動車の免許にも傷が付くというような事もあるので、昔原付に乗っていて運転することに何の問題がない私としても躊躇するような事が多いというのが正直なところです。

そういう事があるので、今電動キックボードのような新しい乗り物が出てきているのだろうと思うのですが、このままではバイクの灯が消えてしまうような事にもなりかねないので、行政にはもう少し、安い維持費で原付相当の電動バイクを乗れるようにするアプローチもあってもいいのではないかと思います。


2022年のカー・オブ・ザ・イヤーは軽規格の電気自動車に決まったが

2022年のカー・オブ・ザ・イヤーはニッサン/ミツビシが発売する軽電気自動車『サクラ/eKクロスEV』に決まったことがニュースになっています。日産の「サクラ」の価格は233.3万~294.0万円ということで、普通車の高級車より安くEVを持てるということで、かなり画期的であるということはわかります。

電気自動車を軽自動車の形で持つということは、電気自動車で遠方に出掛けるようなことはせず、一回の充電で自宅から出て帰って来られる範囲のみを運転するような使い方を想定して持つということが考えられますし、複数の車を持つなら、一つをガソリンでも走るハイブリッド車にするようにすれば、日常生活において、車が使えなくなる事の問題が起こる可能性はかなり低くなります。

また、充電設備だけでなくいざという時に満充電させた電気自動車の電池を使って家の中の電気製品を使えるようにすれば、電気自動車自体が災害対策にもなるということで、電気自動車と家とを合わせた考えで新しいライフスタイルを模索するような人たちも今後出てくるだろうと思います。

ちなみに、当初走る分のコストという点では、ガソリンを購入して車を走らせるよりも自宅で充電するための電気代の方がかなり安く、これだけ電気代が上がった今でもまだガソリンよりも走行におけるコストは安いと思います。

ただ、そうした世の中になっても、単独で電気自動車だけを持つというのはいざという時にガソリンのように瞬時に給油してすぐ走り出せるものではありませんので、注意が必要になります。外で電池切れを起こしそうになった場合、ショッピングセンターやコンビニの駐車場、高速道路のサービスエリアなどで充電をしたいと思った場合、まずは充電場所が空いているなら良いですが、今後さらなる電気自動車の数が増えてしまうと、充電するための車列ができたりしてしまうことにもなりかねません。そういう意味でも、現状では電気自動車の利用は軽自動車ベースのものにして、充電はあくまで自宅に戻って電気代の安くなる深夜に行なうなど、工夫によってコストを減らす必要がありそうです。

また、充電することによって走ることのできる距離は、車載されている電池の性能が落ちてくると当然少なくなってしまいます。それはスマホと同じなので、本気で電気自動車に乗るのなら、自宅に充電設備は用意した上で、電気自動車はリースにするような方法にした方が、リース期間終了後に改めて新車をリースするような事で、電池の交換に関するリスクを避けられます。

個人的には、現在の電気スクーターのように、電気自動車を動かす電池を取り外しすることができるようになり、その電池を自宅のコンセントから充電できたり、日本国中に張り巡らせた充電スタンドで自分の車に入っている電池(空になりかけ)と満充電された電池を交換して交換後にすぐに走り出すようなことができるまでインフラが整備されないと、多くの人がガソリン車から電気自動車に乗り換えることは難しいと思います。

ただ、今回のカー・オブ・ザ・イヤーの軽規格電気自動車の受賞がそうした流れをたどるための道筋になればとも思うのですね。個人的には街乗り中心の、取り外し可能な軽規格の電気自動車が100万円を切る価格で実現されたら、車検費用も安くしてもらえると、今まで自動車に興味が無かった人も所有を考えるようになるのではないかと思います。今回の受賞がぜひそうした電気自動車一般化への流れになって欲しいです。


景気が低迷している今こそ軽自動車の規格変更を行なう時期ではないか

スズキ自動車は日本国内だけでなくインドでも多くの車を作って業績を挙げていますが、たまたま車関係のニュースを見ていて、スズキのインド子会社が新型のミニバン「イーコ」を発売したというニュースを見ました。

形は軽自動車のエブリイのような形をしていて、商用の2人乗りから乗用の5人・7人乗りまで、価格は87万円~138万円と格安です。正に車中泊用にカスタマイズするには最適ですが、日本で言うと普通小型自動車の範囲となる1,200ccのエンジンで燃費も20.20km/Lということです。ただこのままでは、この車を日本に持ってきても、軽自動車のように気軽に利用することはできない仕様になっています。

車両価格を抑えて手軽な車を出すというのは、スズキの真骨頂で、過去には47万円という軽自動車アルトを出したり、2人乗りのピックアップ風軽自動車マイティボーイは45万円から購入できました。その代わり内装が安っぽいなどの不満を持つ人もあったかも知れませんが、お金のない若い人が自分の稼ぎだけで車を持つには十分でした。

そうしたスズキのスピリットがインドで息づいているということには安心しますが、肝心の日本でそうしたインド発売モデル(ワゴンRにもインド仕様の1,000cc・1,200ccモデルあり)が出てこないのは、インドと日本とでは車の大きさと税金の仕組みが違うからに他なりません。

恐らく、インドからこうしたスズキのインド子会社の作った車をそのまま持ってきても、維持費の関係から日本独自の軽自動車を選ぶ人が多いのではないでしょうか。しかし日本で軽自動車を新車で購入するとなると、一番安い軽自動車でも100万円くらいしますし、今の世の中では普通の若い人が買うには高いものであることには変わりありません。

こうした状況を変えるには、やはり現在660ccである軽自動車の規格変更を行なうか、1,000cc・1,200ccクラスの車の税金を下げ、軽自動車以上普通小型自動車以下ぐらいの維持費で乗れるようにするだけで、インドから安いインド仕様の魅力的な車を日本でも楽しめる日が来るのではないかと思います。

それでなくても今の自動車を所有することについての税負担は高いと感じている人が少なくない中で、海外から安い車が入ってくると軽自動車が売れなくなってしまうという事も、規格変更をためらう一因なのかも知れませんが、そういったユーザー目線に合わないような政策を続けていると、最終的には日本のメーカーの業績にも影響が出てくるのではないかと思うわけですが。

私自身、最初は軽自動車で車中泊を行なっていたものの、1,000や1,200クラスの車に乗ると、軽自動車と比べての余裕を感じることとなり、軽自動車と比べて高い税金を甘んじて払っているのですが、そんな状況の中で車を買い換える場合軽自動車に戻れるのか? という気もします。

もし、1,200ccクラスのトラックが出て、その税金が下がるなら、軽の「スーパーキャリーのように運転席助手席の後ろにスペースを設けてリクライニングができる状況にしても、荷室部分で大人が足を伸ばして寝られるだけのスペースを持ったものができるようなら、幌を付けて夏用の車中泊車として使うもよし、荷室全体に居住スペースを作り、山道でも余裕を持った走行ができるミニキャンピングカーも、今より維持費を安くして作ることができるでしょう。

当然、そうしたニッチな要求をするユーザーばかりではないと思いますが、安くてもそこそこ乗れて維持費が安い車を作ることは、個人的には意義のあることだと思うのですが。国民の生活の事を国会で話すなら、日本国内における自家用車の重要性を認識した上で、安い経費で維持できる車についても考えていただきたいものだと思うのですが。


故障した場合の修理費も補償する損保ジャパンの自動車保険とはどんなものか?

テレビを見ていて気になったコマーシャルがあります。「故障の修理費も保証する自動車保険といえば?」という投げかけをして、それが損保ジャパンの自動車保険だというものです。一般的に、自動車保険というのは事故を起こした場合や、天災で車が壊れてしまった場合に補償するもので、故障に対する補償というのは、例えばレッカーを呼ぶ費用だとか、車が自走できなくなった時のホテル代や代替交通費などの故障をしたことによる修理費でない費用を出すものは今までもありましたが、今回紹介する損保ジャパンのものは、車両保険の価格の範囲内での故障時の修理費を保険から出す「故障運搬時車両損害特約(ホームページより)」というものを付けた時に利用ができるもののようです。

この特約を付けると、故障時の修理費用を最大100万円まで保険で出すことが可能になるということです。最近の車の場合、深刻な電気系トラブルの場合に果たしてどのくらい修理費がかかるのかわからないので、これで全ての故障に対応することができるかというのはわかりません。ただ、これまで一回も事故を起こして保険を使ったことがない方にとっては、興味深い内容と言えるでしょう。

今、最大100万円と書きましたが、この金額についても状況によってはそこまで出ない場合もありますので注意が必要です。基本的に故障の保険も車自体に付く「車両保険」の中の特約という位置付けであるので、現在の自分の車の市場価格より割り出した、車両保険価格を上限とすることになっています。中古車で50万円で購入した車の場合、普通に考えると50万円以上での車両保険を付けるわけにはいかないので、事故でも故障でも50万円まで(車両保険を付けた場合)の補償に留まるというわけです。

具体的に考えてみると、損保ジャパンのホームページには故障の例として「エンジンから煙が出る(恐らくエンジン全載せ替え?)で約70万円」、「エンジン警告灯が点滅する(エンジン部品の一部交換?)で約55万円」、「ヘッドライトが点灯しなくなった(電球ではなくユニット全体の交換?)で約20万円」と出ています。安い車を買って乗っている場合や、古い車を乗り続けている場合には、それでも20万円の故障特約付車両保険を付けていた場合、修理費が20万円以内で収まれば、修理をして愛着のある車に乗り続けるという判断ができるでしょう。

この特約の場合、実際に修理しなくても保険金が出るそうなので、修理見積もりで車両保険金額より高い修理金額が出た場合は、車両保険の金額までの保険金が下りるということになります。そのお金を次の車を買うための資金として使うことも可能ということなので、大きな故障に伴う支出を保険料の支払いでカバーすることもできます。ただしそれも、自分の車の価値と保険料を考えた上で冷静に判断することが必要です。新車から乗り出すと車自体の保証期間もありますし、普通日本車の場合は、なかなか故障をしない傾向があります。逆に、故障する可能性が上がるにしたがって契約するメリットは年々少なくなっていくだろうと思います(車両の価値自体も目減りするため)。

ただ、車のトラブルというものには色々あって、新しめの車であっても故障のリスクはあります。そんな時、普通の故障だと思って高いお金を出して直したものが、後からメーカーがリコールの届け出をすることで、たまたまその症状が現れないユーザーがメーカーの無償の部品交換で故障のリスクを避けられるような場合があります。メーカーが本当に車両の欠陥に気付かない場合もありますが、過去にはメーカーも車両の欠陥ではないかと思っていてもリコールの届けを出さないでいるうちに運の悪いユーザーの車に故障が起き、相応の負担を強いられるような事が起きてしまうと、故障する個体に当たってしまった人は本当に不幸です。そうした事に当たってしまった人は、自分で有償修理をしたディーラーに掛け合って返金させたような事例をネット上で見付けることができましたが、修理した内容とその後起きたリコールの内容をきちっとユーザー側が把握しておかないと、自動的にお金が戻ってくることはないという感じです。

この保険はそうした隠れたリスクにも対応できると思いますが、今回の損保ジャパンは後から故障の原因が車両の欠陥に起因するものとわかった場合、メーカーに修理費を請求できるものなのか、それは個人的に興味深いです。それができるなら、保険会社はもしメーカーの製造物に起因する故障については一時的にその修理費を負担しても、実はリコール対象の問題だった場合、改めて交渉しメーカーから保険金として出した分を取り戻せるなら、保険料の額も今後は変わってくるように思います。損保ジャパンのホームページでは、年齢・免許の色・割引など最高の条件で車両保険150万の車に故障特約を付けると月額490円というモデルケースを出していました。いざという時に100万円までの修理が補償されて年間約6千円が高いか安いか、それは今後の状況にも関わってくると思います。故障に対する自動車保険の登場で、メーカーのリコールを届け出るタイミングのようなことについても、もっと注目が集まって欲しいですね。


自賠責掛金の一部を目的外利用した上で自賠責保険料を上げる政策の先は

私たちがバイクを含む自動車に乗る場合に加入する義務があり、もし入っていない状態で車を運転していることがわかると行政処分の対象になる「自賠責保険」についてきな臭いニュースが入ってきました。

自賠責保険は国内の保険会社や共済組合が契約を集め、その中から国庫に入った分が対人事故の救済のために使われます。その支出金額に応じて保険料が決まるものだと思っていたら、必ずしもそうではない(?)ことがわかってしまいました。

今回の政府の発表によると、国庫に入った自賠責保険料のうち、将来の支出に備えて積み立てられた分の金額約6,000億円を国家の財政難を理由として一般会計に貸し出されているだけでなく、返済が滞っているということです。政府は返済計画を発表したものの、2022年度当初予算で54億円で、補正予算の積み増し12.5億円を加えても、66.5億円となり、全額返済するまでに100年近くかかるとのこと。

そんな状態なのに、2022年6月には自賠責保険に関する改正法が衆議院で可決され、保険料に含まれる「賦課金」が2023年度から拡充されることが決まったということです。車1台あたり最大150円と一台あたりでは大したことはなくても、実質的なドライバーの負担はこの物価高の中さらに増えることになります。

元々自動車を持つことに対しての税負担は、自賠責保険料だけでなく重量税・自動車税、さらに消費税との二重加税となるガソリン税についても、ドライバーの負担は大きいということは車を運転している方にとってはおわかりでしょう。私の場合たまたま今の時期が2年に一度の車検なので、次回の車検では有無を言わさず負担増になるわけです。

もちろん、政府には政府の言い分があるわけですが、予想外のロシアのウクライナ侵攻によるガソリンや小麦などの世界的な高騰もあり、生活費の負担で多くの人が苦労する中で、将来を見ていくと日本の自動車産業が大きな影響が出るのではないかと危惧するのです。

それでなくても現在は自動車・バイクの新車というのは今までのガソリンエンジンからハイブリッド車・電気自動車・水素自動車にシフトしてきており、その車両価格だけでなくメンテナンスに必要な部品代も増える可能性があります。自動ブレーキのような安全装備についても、きちんと整備しておかないと誤動作することもあるかも知れないので、今よりも車検による検査項目は増えるでしょう。

これから自動車運転免許を取得すべきかどうしようか考えている若年層の中には、一生車を購入して運転することについての事故および金銭的な負担額を考えると、車の所有および運転を控えるような流れになっており、またこうしたニュースで常にドライバーから税金を取るような政府の方針が明らかになってくるにつれ、今よりさらに車が売れなくなる(車を運転しないという人生を選択する)未来が予想できてしまいます。

人生から車のない生活を選ぶとなると、買い物でも大型店に行って大量買いのようなことはできなくなるわけですから、今よりもネットショッピングで済ますような事が増え、単に車だけの問題ではなく社会構造の変化についても考えなければいけません。

そうした状況があるからこそ、無人運転の車を開発することで、自分で運転しなくてもタクシーとバスの間くらいの金額で移動ができるようになればまだいいのですが、そうならなかった場合には今よりもさらに人口が公共交通機関が整備された都市部に集中することになり、田舎に人が来なくなってしまうかも知れません。特に田舎では軽自動車(軽トラ)を中心に車がなければ生活できないような状況ですので、軽自動車まで高額になり、さらに整備・部品・車検費用が年々増えるような事が続けば、果たしてどうなっていくのか? そんなことを考えた上でドライバーの負担について、立ち止まって考えてくれる人がいないのかと思ってしまいます。今の世代は車無くては生活できないと思っている人が多いので税収は見込めると思いますが、そもそも車を運転しない人にとってはいくら車に税金をかけても無意味ということを考えていただきたいですね。


航続距離が一回100kmの低価格EVを日本国内で普及させるには何が必要なのか

日本電産会長の永守重信氏が、同社の2022年株主総会で発言した電気自動車に関する話が話題になっています。

氏は電気自動車について、車両価格は200~300万円でも高いと言い、中国で約50万円の車両価格で販売されヒットした格安EV「宏光MINI EV」の例を挙げ、「日常的な車使いにおいて、9割以上のユーザーの平均運転距離が30km未満である」というデータを示し、航続距離が短くても価格の安いEVを欲しがるユーザーが出てくるという見通しを語り、航続距離は100km(一日)程度走ることができれば十分だという発言をしたということです。

当然、この発言をニュースで見て、激しい反発をする人々がいるわけですが、今回発言した永守氏がどこまで社会的なインフラについて考えているかどうかはわからないのですが、これから紹介される電気自動車および電動バイクを充電するための設備をどう作っていくかによっても変わってくるのではないかと思います。

まず、航続距離が少ない動力をサポートする車載用電池についてですが、もし一回満充電して100kmくらいの少電量のものでしたら、車とバイクの両方に共用で使えるものを作ることが可能なのではないかと思われます。できれば、ユーザーでも簡単に取り外せるようにして、自宅のコンセントから充電できるようになると、電池劣化の問題はありますが、市内への買い物に限定するような使い方であれば、自宅のコンセントから充電して劣化したらバッテリーを取り替えるというような使い方ができるようになります。

問題は、隣町への距離が片道でも100キロを超えるような地方に住んでいるような場合にどうするかですが、もしバイクと自動車の電池を共用化し、さらに簡単にユーザーが取り外して充電できるようになれば、特別な設備がなくても一台に一つの家庭用コンセントを設置した充電ステーションをきめ細やかに配置すれば、それこそ「出川哲朗の充電させてもらえませんか」のように充電をしながらのんびりとした移動をすることは一応可能になります。

ただ、それでは一刻を競うような急な利用には対応できないので、できればそうした充電ステーションには別料金ですでに満充電になっている電池との電池交換ができる、現在台湾で使われている電動バイクの充電ステーションのような施設をきめ細やかに作ることができれば、レーシングカーがピットに入るようにさっと交換しておよそ100kmごとに新しい電池に載せ替えて走り続けることが可能でしょう。

個人的には、いわゆる軽自動車タイプの航続距離100kmの電気自動車で日本一周ができるくらいの社会的なインフラ整備が進むならば、新車価格50万円で、電池を自由に交換できるサブスクサービスの価格がいくらになるかはわかりませんが、日常的に自宅で充電できるくらいしか走らないならお金を掛けず、旅行時にはサブスクサービスに加入してその時だけ集中的に使うというシステムができれば利用したいです。

言うならばモバイルネット回線のトッピングのように自在に切換可能な仕組みです。利用するためには、スマホでいつでもどこでもアクセスできるような環境が必要になると思いますが、こうしたシステムを作っておくと、もしいきなり電池切れになりすぐには充電ステーションにたどり着けないようなトラブルになったとしても、現在のJAFのガソリン給油サービスのように年に数回は無料で満充電された電池と交換してくれるサービスを行なってくれれば良いと思います。本当にどうしようもなければ、どこかのお店にコンセントを貸してもらい、充電するという事もできます。様々な方法で充電が可能なものを普及させることで、電気自動車に変えるメリットも増えていきます。

個人的にはさらに、もし自動車とバイク共用のバッテリーが実用化されたら、今の電動工具マキタのリチウムイオンバッテリーのように、自動車のバッテリーをポータブル電源のように使えるアダプターが出れば、旅行に出る際には予備の電池を2~3個購入しておき、一つは走行用、もう一つは車内利用のために使うというパターンも考えられます。この場合もサブスクで電池交換が全国どこでも可能になるなら、車内利用の電源を車内充電することなく、容量が減ったと思ったらすぐに満充電の電池を使えるので、車内で火を使うことなく調理や扇風機の使用などもできるようになるのではないでしょうか。

ただ、こうした社会的インフラを整えるためには、技術ではなく政治の力が必要なのですね。こんな時代だからこそ、ぜひ今後の自動車ユーザーが少ないコストで電気自動車に乗り換えられるだけでなく、今までと使い勝手に差が出ないような社会的なインフラ整備とセットでこうした構想が実現されることを希望します。


台湾の電動バイク利用の仕組みは日本国内で利用できるようにならないのか

一昨日、テレビを見ていたらあまり日本にいると報道されることのない世界の国々の様々な様子を紹介している番組があって、中でも羨ましいと思ったものがあります。それが台湾で行なわれている電気スクーター「Gororo」のサブスクサービスだったのです。

電動バイクと言えは、ヤマハの電動スクーターを使って移動し、バッテリーが空になったらお店や民家に飛び込んで家庭用コンセントから充電させてもらいながら目的地へ進む旅をするテレビ番組「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」でもおなじみですが、台湾の「Gororo」はバッテリーがヤマハのようなバッテリーが一つでなく二つ入るようになっているのですが、その充電方法が変わっています。番組ではガソリンスタンドよりも手軽だという事を紹介していましたが、使用して空になったバッテリーをバッテリースタンドに持って行くと、多くスタンドで充電されているバッテリーの中から充電されているバッテリーと交換して走ることができるようになっているのです。

ちなみに、二つのバッテリーをまるまる使うとおよそ50~70キロメートル(走行距離は乗り方や走る場所によっても変わります)走れるのだそうですが、バッテリースタンドを利用する場合、大体毎月自分の利用する距離を決めて、その範囲内であれば定額のサブスクになっているそうです。まさにスマホの料金のように決められているので、予定外の場合申告したキロ数を超える利用がある場合には追加料金もそれなりにかかるようです。

まず、バイク単体の価格は32~56万円とそれなりの値段がします。ただこの価格には2年間分のバッテリー交換料やロードサービス費用なども含まれ、さらに環境保護の観点から地方政府からの補助も購入時に出る(ガソリンスクーターなどからの買い替えの場合価格の30%くらい補助される場合も)ことがあるということなので、実際の個人負担はこれよりも安くなるでしょう。

バッテリーを使い放題にしてバッテリースタンドで何度でも交換できるようにした場合には、月額4,800円くらいだとのこと。最安プラン(月ごとの利用回数で料金が違いますがちょっと調べても何回までかというのはこれを書いている時点では不明)の場合は月額1,200円ほどだそうです。ガソリンと比べるとちょっと高いような気がしますが、台湾ではこのバッテリーステーションが相当整備されているようで、出川哲朗さんの番組のようにすっからかんになっても人に頼むことなくスムーズに充電されたバッテリーと交換が可能です。

ちなみに、出川哲朗さんが乗るヤマハの「E-Vino」は単体で税込259,600円で、スペアバッテリーは6万円弱、一回の充電で約29km走行でき、充電時間は空からだと約3時間ということです。E-Vinoの場合は気付いたら充電できていなかった場合、充電する時間がかかりますが、台湾のシステムなら近くにあるスタンドに行けばすぐに走り出せ、最安プランであれば、4年間以上乗り続けることでバッテリー利用料が6万円に到達するような感じになります。どちらのシステムが使いやすく、お財布にも易しいかと言えば、私は台湾の方を推します。

なぜなら、こうしたシステムは、車両がたとえ古くなったとしても同じバッテリーを使い続けるわけではないのでバッテリーの消耗(つまりバッテリーの買い替え)を気にする必要がなく、同じ型のバッテリーをメーカーが提供し続けてくれる限り、安心して長く使うことができるようになっているというのが理由です。こうしたインフラ整備がない日本と比べると実に羨ましいです。

ネットで色々調べていると、この交換バッテリーで動く電動スクーターをヤマハの方でも作って売られているそうで、日本と比べて小さくインフラ整備がしやすい台湾であるとは言え、政府が本腰を入れて環境整備を行なえば、電動バイクで日本一周ができるようになるのでは? という感じがするのですが、その辺は政府のやる気の差も出てくるのではないかと思います。

個人的に、電気自動車や電動スクーターを普及させる場合、電動自転車のように電池が消耗したら買い替える方式だと、利用者にとってはかなりの負担になるので、台湾のバッテリーステーションのようなインフラを整えないとうまく普及せず、各社のバッテリー規格が違うだけでなくユーザー自身でのバッテリー交換ができない(電気自動車の場合)日本では、レンタル使用や業務用にとどまってしまうのではないかと思っています。その割には現在のガソリンスタンドを水素スタンドに変えることで、現在と同じような感じて利用できる水素自動車のニュースは入って来ないし、日本は今後どんな未来の乗り物についての構想があるのかと不安でしかない中、古くてもそこそこ燃費のいいガソリン車を利用していますが、本気でガソリン車から買い換えたいような新たな交通の仕組みを具体的に考えて欲しいところです。


感染対策と経済政策のせめぎ合いが続く中で忘れ去られた感のある「ガソリン価格」

ここのところのニュースでは、新型コロナのオミクロン株によるものと思われる新規感染者の増大が心配される中、以前のように外出自粛を呼び掛けるのではなく、ある程度経済活動も続けないと社会がストップしてしまうといったような感じで、必ずしも会食や外出をすることについて、以前のように厳しい言動での批判というものが多くないように感じています。

もし、そんな中で状況によっては「県またぎ」の移動が必要になった場合、普通に考えると常に知らない人と鉢合わせする危険のある電車などの公共交通機関を使うよりも、渋滞の影響があるにしても自家用車持ちの世帯では、車に乗っての移動が推奨されるように思います。しかし、そのさなかに入ってきたニュースは、レギュラーガソリンが1リッターあたり170円超えというものでした。

政府の方は、一定の価格上昇があった場合に、石油元売りの会社に対して補助金を出すというもので、今回もそうした措置は取られるようですが、この補助金によって全国津々浦々のガソリンスタンドでガソリン代が下がるかというと、そう単純なものではないでしょう。さらに、ガソリンスタンドが扱う灯油の需要は寒波の到来で伸びることが予想されるため、一般家庭での燃料代の負担は相変わらずということになり、それこそ経済活動も停滞してしまうのではないかという感じもしなくもないのですが。

こうなってくると、車を持っている家庭でも経費を抑えるために車の利用を控える代わりに電車やバスを感染の危険を感じながら使わざるを得ない状況が続くでしょうし、暖房についても今は何と暖房もエアコンでやってしまおうということで、電気消費量の少ない最新のエアコンに買い替える動きというものも起こってきているようです。電気代についてもこの燃料高騰のあおりを受けてどんどん上がっていますし、自助努力ではどうにもならない点については何とかして欲しいと思う方が少なくないのではないでしょうか。

このブログでは何度も書いていますが、国民全員に給付金を出すには事務的な作業が膨大で、振り込み手数料も相当かかりますので、実際にできたとしても膨大なコストが別にかかりますが、ガソリンや灯油については、各々にかかる税金の金額の見直しをしたり、石油に対しての税金にも消費税を掛ける「二重課税」を一時的にでも是正することで、コストを掛けずに国民全員に(車を持っていない人に対しても、ステイホーム生活を続けるためには、安定した流通が求められるので、ガソリン価格高騰に苦しむ流通業者への負担を減らすことで別の料金値上げを防ぐことができるので)、メリットがある政策になるのではないかと思うのですが。ロシアとウクライナの緊張関係もあって、ここしばらくは国際的な価格が下がることはそこまで期待できないと思うので、コロナよりも経済活動と言っておられる政治家の方には、ぜひガソリンの価格について何とかするような方法について考えていただきたいものです。


2021年7月尼崎での事故を教訓に居眠り運転をするまで頑張ってしまう心理はすぐさま改めるべき

ここのところ大きな交通事故のニュースが報道されることが増えてきました。果たして事故自体が増えているかはわかりませんが、プロのトラックドライバーが居眠りと思われる原因で追突事故を起こすケースがそれなりにあるようです。

今まで良く報道されていたケースは、通常取らなければならない休憩を会社側が取らさなかったり、あえて高速道路を利用させずに一般道を使わせるといった会社の管理体制に問題がある事例が少なくなかったように思いますが、過去に起きた事故に起こった背景を取材した最近のニュースがあり、非常に考えさせられるところがありました。

その事故は2021年7月31日未明、兵庫県尼崎市内の一般道で居眠りで追突という事故でした。事故を起こしたドライバーの勤務先の運送会社では高速代が自腹のため、費用を浮かし手取りを増やすためほとんど高速道に乗らず、一般道を基本的に走っていたそうです。ただ事故直前、中国自動車道の「西宮名塩サービスエリア」で休憩を取ろうと思ったものの駐車場が満車という表示を見て、会社に戻るまで運転しようとそのまま通り過ぎたことが大きな分岐点となってしまいました。

普通に考えると、高速を走らずに一般道を走れば当然到着時刻は遅れ、会社にもばれるはずですが、そのドライバーはあえて休憩を取らずに「高速に乗ってきちんと休憩した」と虚偽の申告を会社にしていたようです。その結果、到着時刻を合わせるための休憩不足による居眠りで死亡事故を起こしてしまったのでした。そのドライバーは、子どもの進学をサポートするために少しでも手取りを多く稼ぎたいという「家庭の事情」があったということですが、それで逆に将来ある他人の命を奪ってしまったということに変わりはありません。

そもそも、それだけ働いても(当然両親が共働きで稼いでも)、お子さんを希望する進学先に送ることができないという現状が問題であり、本来は高速代は会社で負担した上できちんと給料が支払われれば良かったのですが、だからといって事故を起こす危険を増やすような勤務体系を自分で選んでしまうというのはやはりおかしいということになります。現状では高速代の他にガソリン代(軽油代)も上昇していますので、トラックドライバーの仕事はさらに過酷になっているように思えます。このままでは同じような原因での事故がさらに起きる可能性についても考えてしまうのです。

個人的には、ドライバーに限らず普通にフルタイムで働けば、生活保護を受けている人よりは高い収入を出せる社会であって欲しいと思います。今回の事例では、そういった社会のひずみがあることによって、事故により尊い人命が奪われてしまっているので、この問題はもっと多くの人に具体的なイメージを持って考えるきっかけになってくれればと思いますね。

職場によっては一定時間働けば必ず休憩を取ることが徹底されているところもあるものの、回りから何も言われず、さらに溜まった仕事をこなせないような場合、自分から休憩を取ることを言いずらいケースも無いことはないでしょう。小さな事ですが、まず自分達の回りの環境から変えていかないと、社会全体は変わらないということはあるのではないでしょうか。体が疲れたと感じていなくても、仕事で長時間同じような姿勢を取っているだけでも体にダメージは蓄積していくものです。もしかしたら、事故を起こしたトラックドライバーの方々でも、「自分の体は強いので大丈夫」と頭では思っていたものの、体が知らず知らずのうちに披露していて、ふっと意識が飛んでしまい、労働災害を伴う事故を起こすような事もあるかも知れません。

多くの場合は、運転中一瞬意識が飛んでも事故にはつながらないかも知れませんが、それはあくまでラッキーでしかないでしょう。私たちも、もしそんな状況になったら、とにかく早く車を停められる場所で停止させ(今回の事例ではパーキングエリアが満車であってもサービスエリアに入り、駐車して休憩を取るべきでした)、15分くらいの仮眠を取り、外に出て体を伸ばすなどしてリフレッシュした上で改めてハンドルを握るようにしないと、自分が事故を起こす側になってしまう可能性は大きいと言えましょう。

トラックドライバーの場合、会社からのプレッシャーの他、荷物の届先からのプレッシャーもあり、到着が遅延することで仕事に大きな影響が出る可能性がありますが、今回の事例のような最悪のケースにはなり得ません。ちょっとした油断で死亡事故を起こした場合にはどうなってしまうのか、様々な報道を見るだけでもその後のドライバーおよび運送会社について、相当なダメージを受けるということをまずは理解しましょう。

昔と違って今では外で移動していてもスマホを使っての緊急連絡は可能ですので、ドライバーの方々にはまずは自分の命および他人の命を危険にさらさないような事を第一に考え、年末年始の業務にあたっていただきたいと切に思います。


古い車をずっと乗り続けるのは本当に環境に悪い事なのか伊藤かずえさんのケースから考える

過去にこのブログでも書かせていただいた、女優でタレントの伊藤かずえさんが20万キロ以上乗り続けてきた日産シーマについて行なわれた大規模なレストアが終了し、彼女の誕生日に引き渡されたことがニュースになっています。車の中だけでなく、内装や外装なども一新され、彼女自身がまるで新車みたいと言ったということがニュースの中では語られていました。

当然、伊藤さんは今後も30年以上前に製造されたシーマに乗り続けるでしょうし、インタビューでは自分の娘にも乗り継いで行って欲しいという希望を語っていたと言います。ただ、こういう話というのは、「物を大切に使う」という面では素晴らしい話ではあるものの、「TYPEⅡリミテッド」というこのシーマの燃費はかつて乗っていた方のホームページでの記載を参考にすると、レギュラーガソリンを入れた場合、リッター6キロ前後くらいではないかと思われます。ハイオクを入れればもう少し燃費が良くなるようですが、どちらにしても高速走行をしなくては燃費はリッター10キロを超えないぐらいの燃費だということはわかります。

3リッターのガソリン車であれば、それくらいの燃費でも仕方がないとは思いますが、世の中がハイブリッド車はおろか、ガソリン車を排除するような状況で動いている中で、こうした古い車に乗り続けるライフスタイルはどうなのかという考え方もあるでしょう。二酸化炭素を出さない事が大事であるということで、自動車の税制も古いガソリン車には厳しい内容になっているのですが、新車を購入する場合はまだしも、そうした社会事情になる前から車に乗っていて、メンテナンスをしながら長く乗っていたい人も存在します。また、家回りしか乗らないので、古い車でも動くうちは車を変えることでのコストがかかってしまうので、買い替えるより乗り続けることを選ぶ人もいるでしょう。

どちらにしても、そうした人の総数は少なくなる一方で、伊藤かずえさんの場合はメーカーである日産が動くくらいに、同じ車を長年乗り続けている人への敬意を表わしていることは確かです。車を一台作るのには膨大なエネルギーがかかります。燃費の悪い古い車に乗っている人も、人間年を経るに従って長距離走行が少なくなり、近所への買い物などに終始するように変わっていくなら、ガソリンの消費量はそこまで多くならないのではないでしょうか。まだガソリンスタンドが全国にあり、日本全国どこでも普通に給油ができる状況が維持できるうちは、もう少し車のユーザーの事を考えていただきたいものだと思います。

燃費が税金に直結するというなら、重量税・自動車税は同じにして、燃費が悪い分ガソリン税(環境税でも良い)を徴収するようにすれば、車の燃費と乗り方に応じた税収が入るようになると思うのですが。車の買い替えを促すような新車と古車との税金の違いは、結局のところ車を頻繁に買い換えることのできる人とそうでない人との格差を生みやすく、中古車市場も今後停滞する可能性も考えられます。

そもそも、今ある車が全てガソリンを全く使わない電気自動車や、水素燃料を使って発電する燃料電池車に置き換わった場合、その普及度の違いにもよりますが、コンセントから充電するタイプの車を維持するには、住宅環境により充電設備を自宅および集合住宅で用意できない場合、購入自体ができず、まだ価格的に高い燃料電池車を選ぶしかありません。ハイブリッド車やガソリンで発電器を回すタイプの電気自動車も世界情勢の中で売れないということになると、当面の未来では車は所有するものから「借りるもの」という風になっていくのかも知れません。それほど現在の燃料電池車(現在のガソリン車と同じく全国に水素ステーションができれば同じように使える可能性が高い車)が普及してなく、価格も高い状況では、なかなか一般庶民は手を出しにくいでしょう。

さらに、今後の自動車の主流が燃料電池車になるかというのはまだまだわからず、アメリカや中国、ヨーロッパの影響を受けることは必然となります。完全に二酸化炭素を出さない車の主流が決まるにはまだ時間がありますので、そこまではガソリンスタンドは延命するのではないでしょうか。そうなれば古いガソリン車もまだ安泰だと思います。

逆にハイブリッド車やガソリンを使った電気自動車は、どうしても車に搭載された電池の劣化問題というのが出てきます。伊藤かずえさんのシーマは部品をオーバーホールすることで新車同様になりましたが、ハイブリッド車はどれほど部品をオーバーホールしても、車を動かす車載電池は新品に交換しないと購入時の性能を発揮できず、燃費も変わってきてしまいます。そして、車載電池を交換する費用は相当高額になる可能性があります。そういう意味では、電気自動車には今後、車載電池の完全リサイクルが安価にできるかどうかという問題もあるので、そこの問題も解決しないと、今のように普通の人が当り前に自家用車に乗るような社会というのは続けられないのではないか? と私は思っています。とりあえずは、今ある車を大事に乗りながら、程度のいいガソリン車の中古車を探すというのも一つの考え方ではないかと思います。