今年も本当にいろいろな事がありましたが、何とか無事にこのブログを書き続けることができました。こちら静岡でも大きな地震があったものの、やはり東北地方中心に大きな被害を出した東日本大震災後に連日更新してもいいのかという気持ちはありました。元々、様々な車中泊用グッズを紹介してきましたが、あらゆるものが入手しずらい状況の中、このブログで紹介してもしょうがないのではないかとも思ったのですが、毎日の情報の集約が役に立つ事もあるかも知れないと思って続けてきたという側面もあったように思います。
私のブログで「車中泊」といえば、数日間の旅の中で快適に過ごすための工夫といった感じて考えていることが多く、想定としてはプルートレインの個室寝台Bくらいの環境を作れたらと思いながらやってきました。具体的には軽自動車で一名か二名という少人数が仮眠するという設定でしたが、これが旅でなく災害避難のために車中泊するには厳しい狭い車の中で家族やペット・赤ちゃんまでも一緒に寝泊まりすることまでは想定していませんでした。しかし、震災後にはそんな人たちも多くいたことでしょうし、マスコミではそうした人たちの行動も「車中泊」と紹介されるとなれば、私のように車中泊をメインにして運営しているブログが検索をかけると出てきてしまう状況の中、書くことも変わってきたりしました。
シートをフルフラットにできない車や、一応平にしても凸凹が残るままで車中泊をしたいと思われる方は、数日くらいの旅では全く問題ないと言い切る事ができますが、それが避難行動を伴って数週間に及ぶという事になると、私は全く反対の助言をするでしょう。水が手に入らず、トイレにも行けないような状況の中ではなおさらです。体をリラックスできるだけのスペースが保てない場合はエコノミークラス症候群に陥る危険があるという事は今回の震災前からわかっていた話ですから、少しでも自分の車の環境に疑問を持った場合は車中泊を中止して避難所へ行くという判断が求められます。もっとも、それは私一人の考えではなく、いろんな所から入ってきたり問い合わせたりした情報を自分なりに咀嚼して消化した結果であったと言えるわけですが。
その他、車に積んでおくものについても震災前と後ではかなり考え方が変わりました。それまでは漠然とサブバッテリーシステムを組んで走行中充電で何とかなるのではないかと思っていましたが、ガソリン自体が入手できず電池もどこにもないというような状況が起こるとは考えられませんでした。ただそのおかげで、太陽電池を使ってのニッケル水素電池充電し、その充電池を使える機器について調べることになり、そんな貧弱な設備でもラジオと明かりくらいのものなら自分で何とかできることがわかったりしました。いざという時に本当に必要なものは何かというのは様々なご意見があると思いますが、常に持ち運ぶ事は難しくても車の中になら入れておけます。そもそも、災害時の避難行動と車中泊前提の旅というのはいくらか似ている部分もあると思いますので、今後も旅でも災害時でも役に立つような物を集めていければと思っています。
ただ、このブログは決して災害時の心得や防災グッズを紹介するためだけの所ではなく、あくまで楽しみとしての旅の方法論としての車中泊を提案する場所と思いながら書いています。来年もどんなことがあるかはわかりませんが、自分が楽しみながらグッズなどを紹介して行ける場として継続していこうと思っていますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。