月別アーカイブ: 2011年3月

車に常備するもの

昨日も関東地方や東北地方で震度4クラスの地震が続いています。私の住んでいる静岡県周辺で起こると言われている東海地震でも津波の被害が想定されているので、全く無駄に終わるかも知れませんが、車の中にいざという時のための装備をまとめるという事をやっています。私の車は軽自動車のワゴンRですが、後部座席や助手席には装備は置かず、荷物スペースに収まるように最低限の物を揃えています。参考までに主なものを箇条書きしますのでご覧ください。

・キャンプ用ウレタンマット
・シュラフ
・調理器具 食器類
・LED照明器具
・ポータブルラジオ
・ステンレス保温水筒各種
・ミネラルウォーター
・クーラーボックス
・ツーリングテント
・モスキートネット
・蚊取り線香
・組み立て式簡易トイレ
・雨具(傘 合羽)
・タオル
・インスタント食品少々

車の中を思い出しながら書いただけなので抜けているものがあるかもしれませんが、先日のエントリーで書いたように、最悪燃料がなくても火を起こして水が確保できればお湯も沸かせるだけの装備は用意しています。車の中では何とか2名就寝可能な分の寝具を用意していますが、車の中で寝るのが大変になる夏の事も考え、この時期としては季節外れのモスキートネットや蚊取り線香といった夏に寝るための物も一年中積んでいたりします。

以上のもので完璧だとは思いませんが、車の収納との兼ね合いもあるので、今のところこの程度の用意で、必要に応じて別のものと乗せかえるような感じになってくるのではないかと思います。災害時でなくても、何らかのトラブルに巻き込まれて車で進めず、車の中で寝るようになっても大丈夫なような感じです。もちろん、車中泊の旅に出る時も、これだけ揃えておけば出発前の準備も簡単でいいですね。自分でもこうした装備は新しく便利なものがあれば入れ替えするような感じで、日々進化していく感じになっています。できるだけシンプルで多機能なものを今後も紹介していければと思っています。


おサイフケータイの憂鬱

昨日の朝になって、いきなり携帯電話のキーライトが付かなくなりました。普通の携帯電話なら問題にならない不具合だと思いますが、私の携帯電話は縦横表示を切りかえられるように、ライトが付かないと何も表示されなくなってしまうので、少々やっかいなのです。

すぐにショップへ行って修理の受付をしてもらいたいところですが、私の場合はすぐにというわけにはいきません。実際に修理受付をされた方ならおわかりかと思いますが、トラブル防止のためおサイフケータイのデータを全て消してからショップから修理に出すようになるため、こちらでその対応をしなければならず、移行のための手続きが結構めんどくさいのです。

たまたま私が訪れたお店は、来る人来る人全て修理受付のための来店だったようで、代替機はかなり古いものが出てきました。しかし、個人的には代替機が出るだけでも有難いと思っているので、修理完了まではじっと我慢することにします。

それでも私の場合は携帯電話の操作自体はできたので、機種変更する時と同じように全てのおサイフケータイのサービスについて引継ぎのための作業ができました。こうしておけば、故障あけの携帯電話で再びセッティングすれば元に戻すことができます。問題なのは水没などで突然に全く動かなくなってしまった場合です。この場合のおサイフケータイの対応はさらに面倒になります。一つ一つのサービス提供先に連絡を取り、丹念に手続きを進めるしかありません。ネット上で調べることでだいたいの事はわかりますので事前にそうした手続きを済ませてから携帯電話ショップへ行けばスムーズに修理申し込みができますが、何の予備知識もないまま店へ行ってしまうと、改めて店頭でそのやり方について聞くことから始めなければならず、実際の修理を頼む前に結構な時間がかかってしまうことが予想されます。

以前のエントリーでおサイフケータイの有用性について書きましたが、電子マネーの残高をあまりためすぎても、面倒な事が増えるだけになる可能性があるということが改めてわかりました。車での旅において、電子マネーは全て用意しておけば安心ではあるものの、残高を本体に残すタイプのものは簡単にアプリをインストールして使うのは考えた方がいいかも知れませんね。取りあえず、電子マネーを普段使っていない方は、後払いのみのQUICPayだけにしておき(水没の場合は再申込になります)、EdyやSuica、nanaco、waonなどはカードで持つか、無理に持たないようにするのが無難です。特に携帯電話をよくなくしたり、水に落としたりすると自覚されている方は気を付けましょう。


まずはあるものの利用から

デマに惑わされるなとテレビは連日放送するものの、現実問題として放射能の影響が心配されていないはずの地域では、出荷を公には中止されていない野菜まで自主的に返品になり、結果として関東や東北全体の農業は大きな打撃を受けてしまっています。同じくテレビでは様々な有名人がこれでもかとばかり自分で募金をしたり、自ら街頭に立っていくら集めたかという事ばかり報道しているのを見るにつけ、このままこんなことをやっていていいのかと思ってしまいます。いわゆる著名人の方は一般人と違って、世間に大きな影響を持っているのですから、数千万単位のお金を出すよりも、風評被害が起きているもので摂取しても体に影響のない野菜を、テレビカメラの前で食べ続ける方がよっぽど被災地のためになるような気がするのですが。

かく言う私も被災地から離れた場所で生活をしている中、直接的・間接的に何ができるかを考えた時、無駄に買い溜めをせずに震災や今後起こるかもしれない停電に備える方法について考えを巡らせる中、以前から用意しているものを紹介することにします。

写真の、全体に黒みがかった物は、ホームセンターなどで万能蒸し器として売られているものです。大きめの鍋の中に入れて使うのが正しいのですが、私はこれを野外で焚き火をする時の焚き火台として使っています。写真はアスファルト上で撮りましたが、通常の場合、アスファルトやコンクリート上で焚き火をしたらどうなるかというと、当然ですが下が焼けるだけでなくかなり汚れます。現在は環境保護の観点からか、キャンプ場であっても直に焚き火をする事が禁止されていることが多く、専用の焚き火台を使わないといけない状況になっています。キャンプ用品は価格設定自体が高めで、車中泊の旅ではほとんど焚き火による調理をしない私としては、高いお金を出してまで焚き火のための設備投資をするつもりはなかったのですが、ネット上で万能蒸し器を焚き火台として利用する記事を見つけ、導入しました。

今後、被災地のライフラインは徐々に復活しているとはいえ、東北電力の計画停電も考えておかなければならないでしょう。停電時に調理する場合、ガスが使えない場合はカセットコンロの利用が増える事が予想されます。カセットガスが潤沢に供給されればいいですが、今の状況を考えるとできるだけ被災地の方優先で使っていただきたいですし、燃料がなくても何とかするための方法について考えておけば、騒乱的な買い占め合戦に参加しなくてすみます。何も山に薪を取りに行かなくても、いざという時にお湯を沸かすくらいの焚付けくらいは自宅で調達できるわけですし、安全に自宅周辺で焚き火をできるものを揃えておくことで、何より燃料がなくてもいいと思えるのは個人的には大きいですね。

重要なことは、こうした準備を被災地に影響を与えないもので揃える事でしょう。その点でも万能蒸し器の焚き火台としての利用というのは面白いと思います。これだけでも焚き火には十分ですが、写真のようにキャンプ用品で以前購入していた、テーブルのように立つグリルと丸型の五合用飯ごうを新たにまとめてパッキングして車の中に収納しました。万能蒸し器の中に薪や炭を入れて火を起こせば、これだけで調理が可能になります。丸型の飯ごうはご飯だけでなく、鍋ややかん代わりにも使え、惜しげなく焚き火の上に掛けられるので一つあると便利です。飯ごうは恐らくどこのご家庭にも使っていないものが眠っているのではないかと思います。飯ごうがない場合は使い古しの鍋でも十分です。新たにお金を出して購入しなくても、自分の身の回りにあるもので使えそうなものをピックアップするだけで、立派な防災用品になりますのでぜひ試してみてください。


使い回しのできる設計を

携帯電話の販売においてACアダプターが別売りになって結構な時間が経ちますが、それほど大きな問題にはなっていません。全くの新規購入なら仕方ありませんが、機種変更の場合はそれまで使っていたアダプターがそのまま使えるようになっているので、改めて増やさなくても十分だと言う事なのだと思います。

携帯電話会社によるコネクタの違いはあるものの、最悪アダプターそのものをなくしたとしても、代替のきく製品は多くあります。今回の震災で携帯電話の充電をサポートする動きは多くありますが、それも、少ない電力で簡単に充電できる携帯電話の電源回りのおかげであると言えるでしょう。

災害対応ということだけではなく、さまざまなデジタルデバイスの充電が携帯電話と共通に使えれば便利だと思われる方は私だけではないはずです。さすがにノートパソコンは携帯電話を充電する方法では無理ですが、個人的にはデジカメの充電くらいは携帯電話と共通化できるのではないかと思うのですが。

写真は、以前メインのデジカメとして使っていた富士フィルムのFinePix F31fdです。今となっては古いデジカメであることは否めませんが、電源回りに大きな特徴があります。100円ショップへ行くとゲーム機のPSP用に作られたUSB経由で充電可能なコードが売っていますが、このデジカメは本体で充電でき、プラグの形状もPSP用のものがそのまま使えるようになっています。つまり、充電用のケーブルとUSB出力の充電器(コンセントや車のシガーソケットから直接出力したり、リチウムイオン電池に充電する外部電源であったり、単三のニッケル水素電池を使ったものあるなど目的によって使い分えられます)を用意すれば、携帯電話と用具の使い回しができるのです。

最近のコンパクトデジカメは、同じメーカーのものでも電池および充電器が違うものが多く、デジカメの数だけ充電器を使い分ける必要性に迫られます。数日の旅ならまだしも、長期にわたってコンセントが確保できないような旅や災害時には、こうしたデジカメはいくら性能が良くても使い続ける事が大変になるため、携帯電話のカメラの方がましという事にもなりかねません。こういう状況は、私自身も停電すること自体が全くない生活に慣れてしまっていて、今まで想像することができませんでした。それでも、車中泊の旅ではシガーソケットに繋ぐインバーターを使い走行中に充電するという技が使えますが、そこまで大掛かりにしなくても技術的に本体充電が可能なら、汎用のUSB出力で充電可能なデジカメを出してくれれば、今盛んに売り出されているGPS搭載のものよりも旅に適したデジカメだと言えると思うのですが。


高速道路の今

昨日は、神奈川県内在住の友人に会いに行く用事があり、日帰りで東名高速を利用しました。別の用事で朝早く出発してしまったため、途中のサービスエリア・パーキングエリア全てに入ってきたのですが、そこで多く見受けられたのは荷台や後部座席にたくさんの物資を満載した、恐らく東北へ行くであろう車でした。

昨日は午前中で高速道路を降りてしまったのですが、それでも現場へたどり着くまでには相当時間がかかることだと思います。親戚や友人のために車を走らせるにしても、主に荷物を乗せている車の中で休むにはシートを倒すぐらいしかできそうにない感じの車が多かったですね。

震災関連で高速道路の無料化などとんでもないという話が出てくるのは当然としても、現状でETC搭載の車なら土曜・休日は特定区間を除いて1,000円で行けるということで、行きやすくなっているというこはあると思います。高速道路で行けばとりあえずは一本道ですから高速に乗りさえすれば早く確実に目的地に向かって進めますし、夜通し走る人にとっては、安全に体を休ませることのできるサービスエリアが完備しているというのは意外と重要なものです。まさか救援物資を狙った車上荒らしが頻繁に出てくることはないにしても、常に出入りがあり、人の目も光っているところでなら、さすがにあからさまに他人の車を物色するような輩が出てくれば目立つでしょう。やはり、何やかんや言っても計画停電で町全体が暗くなった下の道で移動することを考えれば、高速で移動し、サービスエリア内で積極的に車中泊する車が増えるというのも、これは仕方のないことだろうと思います。

今回は東名高速の一部しか乗らなかったということであまり参考にならないかも知れませんが、上りの足柄ではお風呂があり、下りの中井ではシャワーとランドリーの設備がありました。簡単なシャワーだけでも多くのサービスエリアにあれば、利用されればリラックス効果があるのではないかと思いますので、車中泊設備云々とまではいかないにしても、そうした設備を、特に単調で外灯もない道の続く高速道路ではサービスエリアに設置してほしいものです。

帰りの行程では、さまざまな運送会社のトラックと併走してきました。こうして夜中に走ってくれている方がいるからこそ、こちらも安心して荷物が出せるのだなあと今回ほど感じたことはありません。日本郵便の通常配送については、被災者の方でもちゃんと所在がわかっていれば直接の配送が可能になっていますが、それも夜中に走っている大型トラックがあればこそなのですね。単なる遊びで車中泊の旅に出ることはちょっと今は考えてはいませんが、これからは大型トラックが停めにくいような場所へ極力駐車しないような駐車位置決めについても考えていかなくてはと思います。


CASIO Bluetooth Low Energy対応G-SHOCK

今まで、様々なPDAと呼ばれるデジタルデバイスが登場してきましたが、個人的には腕時計型のものに憧れがあります。その昔、ruputerという独自プログラムを動かせるデバイスを安く購入し、普段の時計がわりにしようかと思ったのですが、さすがに普通の腕時計と比べると存在自体が奇異に映るらしく、常時携行はあきらめました(^^;)。

現状では、やはりスマートフォンがいろいろな面で完成されているといった感じで、これを腕時計の中に押し込んでもかえって使いにくいでしょう。ある意味、腕時計は腕時計らしく時間を見る事に重きを置き、メールや着信の確認や、スマートフォン本体の動作を制御する位の事ができれば十分だと思います。

実際、以前からそのようなコンセプトのもと開発された製品が色々ありましたが、それほど普及したわけではないでしょう。それは、腕時計サイズの中に全て集約する中、電池交換の回数が増えてしまうという決定的な問題があったからです。

今回、CASIOがスマートフォンと通信できるBluetooth搭載のGショックを今年中に出すという事でそのスペックに注目したところ、通常のボタン電池で約2年間と、普通の電池内蔵腕時計と比べても遜色ない省電力化ができたとのこと。今年中にまずGショックを出して、今後は他の腕時計のラインアップにも加えていくということで、期待する所は大です。と言うのも、今日本通信のSIMカードを差し、メインになりつつあるのはIDEOSよりGalaxy Tabの方だったりするので、いちいち取り出さずに手元でメールの確認や簡単な操作ができるなら、特に車が停まった時にさっとメールの有無だけでも把握できますから、無駄に車を停めてスマートフォンを確認しなくてもよくなるわけです。CASIOのニュースリリースによると、具体的に何ができるかということで紹介されている事には以下のようなものがあります。

・スマートフォンの時刻情報を腕時計に送信して時刻を補正
・スマートフォンの着信やメール受信・SMS着信を腕時計でお知らせ
・腕時計を軽く叩いてスマートフォンの着信音やバイブレーションを停止可能
・腕時計のボタン操作でスマートフォンのアラームやバイブレーションを作動可能

(以上四項目は2011年3月23日付のカシオのニュースリリースから引用しました)

もちろんその場合、事故に繋がるような手元の作業は決してやってはいけませんが、運転しながらスマートフォンが気になって仕方がないような方は、事故の要因を回避する意味でも、この種の製品には注目しておいて損はありません。個人的には普通の時計用電池で2年も使えるだけの省電力設計ができるなら、ソーラー発電で何とかこのシステムが動くようにならないかと現場の苦労も知らずに簡単な事を言いたいところですが(^^;)、とにかく期待して発売を待ちたいと思います。


SONY ICF-B100 の再販を望む

まだまだ時期は早いかも知れませんが、震災からの復興には経済を活性化する事が不可欠です。東北の産業というのは色々ありますが、SONYのラジオが東北で作られているという事をご存知でしょうか。主に高性能ラジオを中心に、秋田県小坂町に本社を置く十和田オーディオが作っているのです。

今回かなり気合いを入れて紹介する、既に国内生産を終了した災害用ラジオICF-B100もここで作られていました。被災地だけでなく、全国的にいざという時のためにラジオを持ちたいと思われている方は多いと思います。その際、あまり調べずに購入していまうと、実際に使っているうちにいろんな不満点が目についてきます。災害用ラジオとしてまず何に注目すればいいかというと、使える電池の種類と連続使用時間だと言えるでしょう。

ちなみに、ICF-B100は写真のように同じ電池が2本あれば、電池ケースの形状を変えることにより単一から単三までの電池が使えます。さらに非常用としてリチウム電池がセットされていますので、今回のような普通の電池が買えない状態でも動かす事ができます。カタログ値の電池持続時間(スピーカー使用時)について、以下にまとめてみましたのでご覧下さい。

単一マンガン AM170時間 FM160時間
単一アルカリ AM450時間 FM400時間
単二マンガン AM 79時間 FM 74時間
単二アルカリ AM210時間 FM200時間
単三マンガン AM 25時間 FM 23時間
単三アルカリ AM 65時間 FM 62時間
リチウム電池 AM 35時間 FM 33時間

このリチウム電池はCR123という型番です。リチウム電池全般に言えることですが、長期保存に強いという特徴があります。10年放置しても電気は10%位しか減らないとも言われています。写真のように、外から見える場所に収納場所があり、コインなどを使って回せる、通常の電池との切り替えスイッチの他、収納部取り外しのねじがあります。乾電池で通常運用し、今回のような特別な災害で、電池の供給が長期間できないような状況でもラジオを聞くことができます。

ちなみに、私は単三のニッケル水素電池で運用していますが、容量を単一アルカリと比べて仮に四分の一と仮定しても、連続100時間は持つでしょう。少量の電池残量でもこのラジオは動きますので、単三のニッケル水素電池を充電できる太陽電池のバッテリーチャージャーでも実用になりそうです。充電池が手に入らない状態でも、懐中電灯で使用した電池など、電池容量を使い切っていなければこのラジオは十分に動きます。例えば被災地で使用済の電池の所から電池を拝借可能な状況なら(ゴミ集積所から黙って持ち出すのは窃盗罪に問われる場合がありますので注意)、その電池だけでも十分に運用可能でしょう。

電池残量は乾電池でもリチウム電池でもボタン一押しで確認が可能です(写真の赤色LEDの数で容量が確認できます)。まさに電池の中味を空にするまで使えるという事です。なお、このスイッチでリチウム電池の定期点検をし、残量が少なくなっていた場合は速やかに交換するということが、いざというときの対策になります。

その他の機能についても簡単に触れておきますと、ダイヤルを照らすライトは光量が強めで、手元を照らす明かり代わりにもなりますし、非常用のブザーも付いています。さらに、防水仕様ですので安心して外で使うことができます。

ラジオの事を知っている人ほど、このラジオの生産終了は残念だと思いますし、これほどのラジオがなぜ今の日本で店頭にないのかと個人的に思ってしまいます。最初に書いた通り、東北の復興には現地の雇用を守り、現地企業の売上げを伸ばす事が不可決です。まだ全体の被害状況も分からないうちからこんな提案は不謹慎かも知れませんが、十和田オーディオが従来のように企業活動ができるメドが立ったら、ぜひICF-B100を改良して再販して欲しいと思います。実際問題、これからも計画停電でラジオからの情報が必要になるわけですから、そうした特需を東北に積極的に流していくため、災害用に真面目に作られたラジオを全国に向けて東北から出荷してくれれば、全国的な品不足が解消された暁には、私は予備にもう一台買います(^^;)。今では中国製や、中国メーカーの躍進がすさまじく、日本製ラジオは風前の灯火とでも言える状態です。日本が世界に向けて売り出したトランジスタラジオの伝統を消さないためにも、日本を代表するメーカーの英断を期待します。

(2018.2.28 追記)

このエントリーを書いてからもう7年が経とうとしていますが、実際自宅での野外用・お風呂用として今までも、そしてこれからも十分使えるラジオとして重宝しています。中波放送がいったんアナログテレビ放送の一部で使っていた周波数を使って同時配信を行なっているため、このラジオがあればAMの感度が悪いような場合、FMのワイドバンドに合わせればかなり高音質でラジオの音を聞くことができます。

さらに、電池の面でもエネループの基本である単三電池2本で動くことから、充電したエネループを2本単位で用意すれば電池代もかからずに聞き続けることができるようになったのも画期的でした。もし災害時に使おうと思っても使えない単二や単一電池があった場合でもマルチに使えますし、今だに手回し充電ラジオや太陽電池パネルで充電させるラジオよりも、災害用のラジオとしてはこのラジオが唯一の利便性を誇ることを信じて疑いません。

ソニーはICF-EX5を「Mark 2」として出し続けているわけですから、ICF-B100のFMワイド部分だけ替えて出せば、今でも一定の需要はあると思うのですが、そう書いて7年、企業側からの動きがないのは本格的に日本の物作りの心が失なわれたのかという風にも考えることができます。ラジオの性能とコスパを考えると中国のラジオの方が良いところもあるわけで、このまま日本のエレクトロニクスの技術が、中国企業に移ってしまうのかと考えるのも悲しいものがあります。

ただ幸いに、ICF-B100は以前から全く変わらない音を出してくれているので、これからも大切に使っていきたいと思っています。


知りたい情報

普段からの生活リズムが大きく崩れ、昨日から始まった選抜高校野球の開幕でほっとした方も少なからずいるかも知れません。なぜ高校生の中でも野球だけが特別扱いなのかという議論は置いておいて、季節を感じるイベントが軒並み中止に追い込まれている中、識見を簡素化し、極力電力需要を抑えるようなやり方で行なわれている事には一定の評価を与えてもいいのではないかと思います。

ただ、昨日の第三試合の終了間近になって、東電の福島原発から煙が上がったというニュースが飛び込んできて、結局高校野球中継はそこで終了してしまいました。たまたまその時に中継していたのがNHKのメインチャンネルである総合放送だったこともあったのですが、現状でNHKは地上波2波、衛星で3波持っていて、地デジでもサブチャンネルを持っているのですから、サブチャンネルの方で野球を終了まで続けてもいいような気もしました。

ここまでの衛星放送を含めたテレビ局の放送する番組を見て、特に衛星放送の存在意義とは何かと思われるような事例が多く見受けられました。以前、地デジについて、わざわざUHFのアンテナを立てるよりBS17で東京ローカルの地上波が見られるようになっているのなら、それを開放すれば済むだろうということを書きましたが、今回の地震報道について地上波と同じ番組を垂れ流すBS民法各局のやり方に個人的には大いに失望しました。どのチャンネルを見ても地震情報ひとつとっても横並びの報道が目立ちました。BS専用のテレビというのはないわけですから、よほどの難視聴地域でない限り、わざわざBSで地上波と同じ内容の放送を見なくてもいいわけです。BSの中でもとある局などはニュースすら流さず環境映像を垂れ流していて、実際私たちの必要な情報というのは一切流れてきませんでした。

災害情報にラジオが見直されているというのはここで何回も書いたことですが、特に衛星放送の場合は停電になればほぼ見ることができないということを考えると、インターネットに全く劣るような感じがしてなりません。インターネットの場合は無線局を利用していれば、そちらの電源さえ確保できていれば携帯電話やスマートフォンで情報を入手できます。特に車で移動中の場合は、ワンセグ放送でさえ受信することは難しい場合が多いので、私の場合はラジオでの情報とインターネットのニュースを使いわけるような形で情報収集をしています。話は元に戻りますが、昨日の高校野球を中止までして伝えているニュースは、原発から煙が出たというものでしたが、それを何度も何度も繰り返し伝えるだけというのでは、通常番組を潰してまで伝えるべきものなのか、個人的には判断に苦しみます。

結局のところ今のテレビは情報をこちらに押し付けているばかりで、まだ新聞からの情報のほうがこちらに主導権がある分イライラしないで済みます。特に、移動中に情報がほしい場合でも、なかなかこちらの知りたい情報が入ってこない状況がありますので、やはりそうした事を考えると、ネットによる情報収集ができるような環境を作っておくというのも、これからの車中泊の旅に出るにあたって必要な事なのかなと思います。


車の中で暖かく過ごすために

今車中泊という言葉が主も身近に感じられているのは、様々な理由で避難所や自宅で生活できず、車の中で過ごさざるを得ない方々だろうと思います。車というのは基本的に鉄の塊であるため、夏は暑く冬は寒いのはどうしようもありません。そんな中、何とかして車内であたたかく過ごすための方法について考えてみることにします。なお、私自身が被災地から離れた場所でこの文章を書いているということで、もし現地での実情と合わないような内容があるかも知れません。その際はどうかご容赦下さい。

普通のお宅では室内での熱を逃がさないため、断熱材を使っているのですが、車にはそうした装備はないのが普通です。冬の車中泊をする人たちはどうやって対応しているかというと、登山用に作られた氷点下にも耐える寝袋で対応している方が多いだろうと思います。毛布や布団を重ねることで同様の効果を得られるわけですが、毛布自体の数が足りない中、十分な寝具を確保できるかというと大いに難しいと言わざるを得ないのではないでしょうか。

もし回りに使っていないダンボールがあれば、断熱材のように窓や天井、底冷えする場合は自分の寝床にも、冷気が押しよせて来る所に固定すれば、多少ではありますが冷気の侵入を抑えることができます。ダンボールがなく新聞紙が使える状態であれば、自分の下着と上着の間に入れて防寒対策としましょう。特に寝床に敷くもので、発泡スチロールがあればベストです。ある程度発泡スチロールがあれば、くりぬいてスリッパのようにすることで足先の寒さが和らぎます。くれぐれも車内で火やガスなどを使った暖房器具の利用は避けて下さい。最悪の場合、一酸化炭素中毒を起こし危険です。

新聞紙であればなおいいですが、大きいサイズの書類や紙袋のようなものがあれば、こんな事はどうでしょう。周辺でたき火などをしている人がいたら、片手で持てるくらいの石を中に入れさせてもらいます。あまり長時間入れておくと、どんどん高温になってしまうので適当な頃合いを見て外に出します。その石を新聞紙や紙袋で包み、短時間持続のカイロの代わりとして使うのです。冷え切った手や足の先だけでも焼き石カイロで温められれば、あとは寝具や家族同士で抱き合ってその上から毛布を掛ければいくらかは寒さ対策になるだろうと思います。

飲み水でなくとも、近くで水が手に入り、たき火でお湯が沸かせるなら、蓋の閉まる耐熱性の容器を探し、湯たんぽを作りましょう。ホットドリンク用のペットボトルでも、多少お湯を冷ましてから使えば、同様に利用可能でしょう。身体の具合が悪くて外へ出られない場合は安静にしていただきたいですが、ある程度身体を動かせる方が一日中車の外へ出ないと精神的にも負担がかかってくると思いますので、何か外にあるもので使えるものがないか、健康状態が許せば出歩いてみるということも大事な事ではないかと思います。

以上、さしあたっての防寒対策について書かせていただきました。車の中や大勢の方々と一緒の避難所での生活には大変な困難があると思いますが、今後も真剣に考えていこうと思っております。


OSRAM LEDライト DOT-it Waterproof

こちらでも懐中電灯の類は全くと言っていいほど手に入らない状況なのですが、昨日近所のとある大型スーパーで、写真のLEDライトだけ全く売れず(^^;)沢山残っていたので一つ買ってきてしまいました。自分のために一つ確保しておきたい所ですが、写真の一台は被災地で生活をしている方に発送予定なので、パッケージは開けないままの紹介になります。

以前のブログで、単四電池で使えるLEDライトとして紹介したタッチ式の白色LEDライトで、防水性能が加わったモデルですが基本的な性能は変わりません。光量も少ない補助光的なものではありますが、いつ終わるとも知れない停電対策には打ってつけのライトだと私は思っているのですが、世間の評価とはちょっと違っているようです。

今回の震災に限って言えば、これだけ品不足が言われている電池、単一や単二用の懐中電灯をこれから手に入れたとしても、継続して使うのはほぼ不可能でしょう。となると、新品の電池を入れてどの程度連続で使えるかどうかというのもポイントになります。単三電池を使用したLEDランタンをこのブログでも多く紹介してきましたが、現在出ているものの中で単三3本使用で燃費のいいLEDランタン、GENTOS EX-837NXのLowモードでもカタログ値で連続60時間(アルカリ電池の場合)です。このLEDライトは単四3本タイプですが、同じくアルカリ電池での連続使用時間は100時間となっています。単三電池もなかなか入手しずらい状況になっている今、EX-837NXと比べてしまうとLEDも白色で、明るさも相当劣るとは言うものの、暗闇での明かりを何とか確保できる物として貴重なものだと思います。実は私は同じようでいて少し違うバッタモンのライトを持っているのですが(^^;)、上から照らす事ができれば、それなりに使えるという印象を持っています。

このライトにはマジックテープと吸盤が付属しており、洋服などに付けて懐中電灯代わりに使ったり、車内で使う際にも頭上にセットをし易いようになっています。特に今、車の中で寝泊りをされている方は室内のライトを極力切り、こうしたライトを車内でのメインライトにする事でバッテリー上がりを防ぐのが理想でしょう。実際のところは、早く単三のアルカリ電池を潤沢に提供してもらい、明るさも申し分ない暖色LEDランタンや、電池の持ちのいいラジオとともに使って欲しいですが、それまでのつなぎであるとかサブ的に使うものとしても有用だと思います。それにしても、大型の懐中電灯よりよっぽど役に立ちそうなこのライトが、直接的には停電と関係ない地方でなぜ全く売れていないのかと考えると、単一電池は大きいから容量も大きく、懐中電灯も明るく長く持つと考える人が多かったのだろうかと思えてきます。となると、今回の買占め騒動の向こうにある狂乱的な心理的行動がなんとなくわかるような気がします。