いまだに東北地方の方々は眠れない夜を過ごされているのではないかと心配するほど、連日それなりの大きさの余震が続いています。当初は一ヶ月程度はという話だったのが、いまだに収まる気配がなく、しかも東北だけでなく関東・上越や甲信越までの広範囲で体に感じる地震もあるという状況になっています。
そんな状況の中、情報をできるだけ迅速に入手できるように自宅にいる時にはとりあえずテレビを付けておくことが多くなりました。こういうのは、ついだらだら見てしまうようで以前ならあまりおすすめできないことだったのですが、緊急地震情報を受けて即座に対策を取るためには必要な事だと思い、実行しています。ただし、一秒を争う緊急地震速報ではありますが、例の地デジの影響で、実際に出された緊急地震速報がテレビで出てくるまでには数秒のタイムラグが生じてしまいます。これは、地震速報が来てからすぐに大きなゆれがやってくるような場合は、デジタルテレビからの情報が全く役に立たないということを意味します。実際にどのくらいずれているかというのを実感する方法があります。プロ野球の試合などでテレビとラジオで同じ試合を中継している時に、地デジのテレビとラジオを両方付けていると、ラジオの実況を後追いするような形でテレビの画面が流れていくことがわかるでしょう。
ですから、厳密に言うとデジタルテレビを付けたままにしておくより、ラジオを付けたままにしておいた方がいざという時には役に立つということはあります。ただし、テレビでの速報は震源予想区域および大きな揺れが来るであろう地域を地図で一瞬のうちに把握できますので、とりあえず7月のアナログ波終了まではアナログでテレビを見ることをおすすめしておきます。
さて、改めて考えますに、車を運転している時にも、いざという時の事を考えて音楽プレーヤーやCDからの音楽ではなく、ラジオを聞く習慣を付けておくのをおすすめします。ただ、単にラジオを聞く際に気を付けていただきたいことがあります。
普段聞いているラジオがFMならば問題はありません。今自分が走っている周辺の情報をいざという時は放送してくれますから、情報が入ってきたら安定してラジオが聞ける場所まで車を移動してまずは情報収集につとめましょう。問題はAMを聞いている場合です。特に夜に走っている場合、AMの電波は遠くまで届く特性を持っているので、信号の強いところに合わせていると、知らない間に自分が今通っている場所以外の場所から発信されているラジオを聞いてしまっているような状況も起こってきます。たとえば東名高速道路を西に向かっていて静岡県を越えたあたりなら、夜間なら名古屋ローカルの放送局に合わせなくても大阪あたりの放送局に合わせておけば、ダイヤルを変更しないでずっと運転していても同じ番組を聞いていられるでしょう。長距離トラックの運転手さんがそうした方法でラジオ放送を楽しんでいるという話がありますが、今この状況ではそれが必ずしもいいかという問題が出てきます。
今、車に搭載されているラジオは、そのほとんどが自動チューニングできるタイプのものだと思いますが、それでいかに地元ローカル放送を聴き続けることができるかという事もこれから考えておいた方がいいように思います。道路によっては、地元の放送局の周波数を看板で表示しているところがあり、これが実に役に立つのですが夜間はそうした看板があっても見えない場合もあり得ます。周波数がわからない場合のダイヤルの合わせ方のコツとして、トンネルを利用するというのがあります。トンネルに入ったタイミングでラジオのチューニングを行なうと、トンネル内で放送しているラジオを聞くことができます。普通のトンネルの中ではラジオは入りませんから、これはトンネルの設備を使ってラジオ放送を送信しているということになります。トンネル内放送で地元エリア外の放送局を提供していることはありえませんから、トンネル内で受信した放送は外に出ても比較的良好に聞こえる地元放送だということになります。
昨日は茨城県で竜巻が発生したようですが、ローカル局ではこうした気象情報についてもきめ細やかに報道しますので、走行中の安全のためにも地元の放送を聞くための努力はしたいものです。もちろん事前に放送局の周波数を調べたり、携帯電話やスマートフォンでその都度調べるという事でもいいのですが、こんな時期ですから車の中では地元の放送局を聞くくせを付けておくともしもの時に役に立つかも知れません。