先日、テレビでスマートウォッチの特集をやっていまして、私自身は単にスマホとのペアリングを行なって様々な情報をスマホの方に転送して使う安いスマートバンドを使っているものの、はなからスマートウォッチについて購入を検討したことはなかったので、多少は興味深く内容を見ることができました。
基本的には画面が大きかったり、アプリを動かすことで多くの情報を得ることができるということと、音声認識による処理が可能なため、両手がふさがっていても周りに気がねしなければかなり便利に使えることは理解できます。しかし、個人的に私がスマートウォッチに求めたいものは、現在は大手三キャリアのみでその設定がある、スマートウォッチ自体に通信機能を付けて(eSIMによる通信)、スマホと連携しなくても単体で通話やネット接続によるアプリの利用ができるような事がサブブランドやMVNOのeSIMでもできないと、話にならないと思うのです。ちなみに、番組でスマートウォッチの利用パターンの紹介で、料理をしながら音声・文字ガイドでレシピなど有効な情報を得たい場合には、スマートウォッチを使うよりもAmazonで安く売っているFireタブレットを使えば、タブレット自体がスマートスピーカーのように使えるだけでなく、ネット上のサイトをそのまま見られるので、スマートウォッチよりも使いやすく結果も見やすいのではないかと思います。
これは、先日も紹介した楽天モバイルがiPhoneを販売するにあたっての通話・SMS着信がiOS標準アプリでしかできないように変更したことにも関わってくると思うのですが、日本の通信キャリアはアップルの顔色を見ながら事業を推進しているような状況の中では、いわゆるアップルウォッチについては、SIMフリーで、格安でeSIMでのプランが使えるようになることはまず考えられないのではないでしょうか。
そうなると、大手三キャリアで専用プランを使えない場合には、スマホと連携してその範囲内での利用になり、せっかくの単体での通信機能があるハードの機能が制限されてしまう(大手キャリアでアップルウォッチ単体での通信を使っていて、サブブランドやMVNOに変更しようとする場合)ことになります。そこで大手キャリアに縛られて安いプランに変更できないような人もいるでしょう。
せっかく、技術的には腕時計大のハードで一昔前の通信機能付きのフィーチャーフォンのような事ができるような時代になっているのに、企業同士の話し合いのもとに、そうした利便性をなかなか生かせない状況になっていることは悲しいことではないかと個人的には思います。
今後、期待することがあるとしたら、アップルでない他のメーカーがスマートウォッチに参入し、アップルウォッチ並みの性能や信頼性のある製品が出て欲しいということになります。日本のeSIMを提供する事業者であれば大手キャリアとの専用プランの契約なしでもSIMフリースマホのように使えるものであれば言う事ないのですが。そうなると、例えば今で言うとLINEMOのミニプラン(月3GB/音声通話付)や、楽天モバイルのeSIMあたりで使い、あくまでスマホの補助として使うようならそのコストは月980~990円くらいで収まるような感じで行けるのではないかと思います。
私自身今は、スマートバンドの機能にある程度満足していますので、しばらくはスマートウォッチの動向を静観しているような感じですが、現状では日本メーカーは全く蚊帳の外で、スマートバンドと同じように中国・韓国メーカーという選択しかない現状は、小さい精密なデバイス開発が得意な日本企業は何とかして欲しいと思います。
今後、スマートウォッチの展開によっては、なかなかスマホを持ち出してくれないシニアの方に向けて、本体のみで通話ができ、さらにバスや電車もスマートウォッチをかざして使えるような事も今の技術で十分できるので、そうした製品が出たら、できるだけ荷物を減らしての外出にもつながります。スマートウォッチの便利さを感じ、自分から外出時にスマートウォッチを身に付けて外出してくれるようになれば、本人がつかまらない時には電話だけでなくGPSのデータから探すことも可能でしょう。
さらにシニア向けとしては逆転の発想で、スマートウォッチとペアリングして使える電話機能のみに特化した手になじむ、フィーチャーフォンのような通話デバイスとセットで売り出せば、そこそこのニーズはあるでしょうし、私自身がその組み合わせでメインの電話番号を入れたeSIMをスマートウォッチに入れて使いたいくらいです。データ通信用には動画を見られるくらいの大きさのスマホかタブレットに現在のmineoのパケット放題のデータ専用SIMで大丈夫なので(^^;)、「スマートウォッチ」「スマホ」の2台持ちが普通になれば客単価もアップして通信業者的にも美味しいと思うのですが。