ミャンマーの内陸部を震源にしたマグニチュード7.7の地震は、軍事政権下であるミャンマーでの被害が伝わりにくかったのに対して、震源からかなり離れたタイのバンコクにおける被害の方が大きく伝えられています。
報道されたデータによるとバンコクで今回の地震を体感された方は、恐らく震度3くらいだったのでは? という話が出ているとのことです。ただ、震源地から約1,000kmも離れているバンコクで深刻な被害が出たのには、長周期地震動が起こったのではと言われています。2011年の東日本大震災においても、東京都内の高層ビルにおいては、震源地から離れているにもかかわらず相当揺れて、その動画映像を見た方も少なくないと思います。
ですから、地震が起こった時にバンコクの高層ビルの中にいた人は相当恐かったと思いますし、さらに言うとタイは日本と違って頻繁に地震が起こるような地域ではないため、地面が揺れる体験自体が恐ろしいものだったことが想像されます。
私は生まれてからずっと日本に住んでいるので、震度2~3の揺れというのはこれまで数えられないほど体験してきているので、揺れた瞬間びっくりして生気を失ない、地震そのものと関係ないところで命の危険に当面するような事はないと思います。もしこれを書いている時に震度3~4くらいの揺れに見舞われたとしても、まずはその場から動かずに何が起こったのかを慎重に見定めるくらいの事はやれると思っています。果たしてこれが良いのとなのかどうかはわかりませんが、逃げるにしても冷静に自分の命が助かるために何をすればいいかということをまずは考えるようにしたいと思います。
地震がほとんど起きない地域と日本を比べた場合、社会的なインフラにも差がある可能性も高いでしょう。かつて、日本で関東大震災が起きた時、ある程度前の時代に作られた木造建築は太い梁が使われていて、関東大震災級の大きな揺れでも何とか倒壊は免れたところもあったと聞きますが、当時安普請で建てられた住宅の多くが倒壊してしまい、物だけでなく人的な被害が増える原因の一つとなったと言われています。日本国内では度々こうした地震が起きることによって、建物の耐震性に強化が図られていて、さらには建築中の建物においても、地震対策はそれなりに行なわれているように思います。今回の地震により、工事現場で建築中のビルが崩壊してしまったり、クレーンが倒れた映像を見ていると、やはりどこで大きな地震が起こるかによって被害の内容も変わってしまうということも強く感じました。
まだ、震源地近くのミャンマーにおける被害については断片的にしか伝えられていませんが、レンガで作られた家などが一気に崩れてしまう危険もありますし、現地の事が心配になってしまいます。ただ、ミャンマーは現在民主化がされておらず、軍事政権が統治しているので、海外からの救援隊をすぐに受け入れてくれるのかという事も同時に気にかかります。ミャンマーからすると他国である日本に住む私の言うことなど何の影響力もないとは思いますが、せめて自分たちだけで自国の国民を守ることができないような場合、あえて海外の優秀な能力を持つ救援部隊にお願いして自国民を守るような行動をミャンマー政府にはとってもらいたいです。
今後、時間が経つにつれてその被害の内容も徐々にわかってくると思いますが、個人的に気になるのが、地震自体の被害ではなく地震への体験が無いことによる人々のパニックが原因となるような事象が起こっているのかどうかということになります。小さな地震であれば普通に起こる日本国内では考えられないような事でも、巨大地震になってしまうとさすがに地震に慣れた日本で生活している人にとってもパニックになる可能性は起きます。過去にSNS経由のデマに振り回されてしまうこともありましたので、地震で罹災した人々の行動の中でできるだけそういった事がないように祈るとともに、自分の身に置き換えて安全に行動できるような行動について考える一助になればとも思います。
日本の海外援助についてとやかく言われる時代ではありますが、地震対応について世界の中でも日本の経験は大きいと思いますので、この点については積極的に被災国の援助をお願いしたいです。