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東芝充電ラジオ TY-JKR5の研究 その5 まとめと今後への期待

ここまで、TY-JKR5という小型の防災ラジオについて様々な面から見てきました。一般的には防災ラジオを選ぶ際には家電量販店で目に付くものを選んでしまう状況はあると思いますが、単にメーカーの名前を見て選ぶだけでは不十分な面があることがおわかりいただけたのではないかと思います。実際に災害にあった時に役に立つものはどれかと思いながら見ていくと、ラジオで有名なメーカーも手回し発電のラジオは出しているものの、TY-JKR5と比べると備蓄するには不向きであると思われるのではないでしょうか。

内蔵充電池にニッケル水素電池を使うことは悪いことではありませんが、内部のしかも交換できない電池が劣化してしまった場合はユーザー側では保証の無くなるのを前提にバラすしかなくなってしまいます。せめてエネループなど乾電池型のものか、コードレスホンの交換電池のようなコードのある充電池を内蔵電池が劣化した場合に交換できる設計にしてあるものが出ていれば、同じラジオを長期にわたって使い続ける選択もできたでしょう。メーカーもニッケル水素電池に固執するなら、交換可能なものをという風にお願いしたいものです。

現在、このTY-JKR5くらいの大きさのものしかコンデンサー内蔵のものでは作れないのは、技術的にもっと大容量の電気をためることができるコンデンサーが開発されていないということに尽きます。しかし、世の中には大容量を貯めこむことのできるコンデンサーを開発している人もいるので、その流れに大いに期待したいところです。

具体的な話では、今ある電気自動車も化学反応を伴う電池を使っており、何しろ充電に時間がかかりますし劣化すれば高額の負担をして新しい充電池に交換しなければなりません。もしこれがこのラジオと同じような仕組みで電気をためることができるコンデンサーで動くなら、化学反応を必要としない分充電は瞬時に終了できますし、耐久性も電池と比べるとかなりいいため、今のような電気自動車が普及するためには大容量の電気をためられるコンデンサーを開発し、安全に走行できるような周辺技術を開発できればという事はあるようです。

もちろん、コンデンサーは放電した場合に一気に電圧が下がるので、何らかの対応策が必要になる分実用化も難しいのでしょうが、ラジオを動かす分の電源としてなら、今後の研究いかんによっては数日間は使い続けられるようなラジオが出てくれば、かなり面白い分野だと言えるでしょう。

また、ラジオに太陽電池パネルを付け、数時間でコンデンサーに満充電できるだけのものが出たら、こうしたラジオに付きものであるハンドルを回す音についてうるさいとトラブルになることも減るでしょう。昼間曇り空でも外に出しておけば、夜通しラジオが聞けるくらいに太陽電池自体も進化してくれれば、容量の大きいコンデンサとあいまってコンデンサーだけで日常生活でも十分に使えるラジオが出てくるのではないかとも期待できます。今後はそんなラジオの登場を待ちながら、TY-JKR5を今は使っていこうと思っています。

※東芝の非常用ラジオ「TY-JKR5」について書かせていただいた記事を以下にまとめさせていただきました。興味がある方はどうぞリンク先の記事もご参照下さい。

その1 外観とその機能について
その2 コンデンサー充電についての覚え書き
その3 機種比較1 TY-JR10からの進化点
その4 機種比較2 KOBAN ECO-5との比較
その5 その5 まとめと今後への期待
その6 常時持ち出し時の電池問題
その7 ライトをランタン風に使うためのグッズ


東芝充電ラジオ TY-JKR5の研究 その4 機種比較2 KOBAN ECO-5との比較

ECO-5 大きさ比較

ここまで紹介している東芝のTY-JKR5が出てくる前までは、コンデンサー(キャパシタ)を充電池として使っている防災ラジオの中での一番のおすすめは、写真のKOBAN ECO-5が唯一だったように思います。この機種の後継機が出てくればTY-JKR5の正統なライバルになると思いますが、このECO-5もまだ十分防災ラジオとして通用する部分はあります。2台を比べてみればわかりますが、ECO-5の方が大きさと厚さが一回り小さくなっています。

ECO-5がTY-JKR5と比べて残念な点は、多少感度が悪いことの他に、FMワイドバンドをカバーしないことがありますが、さらにAMもカタログ上1600kHzまでしかカバーしないので、高速道路や国道の沿線で放送している交通情報サービスが聞けないということがあります。

さらに、電源スイッチを兼ねたボリュームと選局ダイヤルが昔のラジオのように少々出っ張っているので、カバンの中でスイッチが入ったり、合わせておいた放送局がずれてしまったりということがTY-JKR5と比べると起こりやすいという事があります。まあ、この辺は製作コスト的には仕方のない部分ではありますが。

ECO-5は設計の割り切りによって乾電池での動作はできず、手回し発電によるコンデンサからの充電のみで使えるラジオです。ただ乾電池による利用ができなくなっているという事は悪いことばかりでなく、ある意味割り切りを感じさせます。その分本体が小さくて軽くできますし、長い間電池を入れっ放しにして液漏れを生じさせる心配もありません。

また、ECO-5には防水防塵機能はありませんが、イヤホン端子やUSB出力のところにゴムカバーがないのでいちいち開けたり閉めたりする手間はなくなり、直接コードが差せて便利は便利です。ただ、放送局を合わせるための同調ライトは付けてくれても良かったのではないかという気がします。

個人的には周波数をFMワイドバンドおよびAMの交通情報が聞けるよう改善し、同調ライトを付けて今の売り値である3千円前後をキープすることができれば更にバランスのいい製品になるような気がします。また東芝のブランドに固執しない人で、乾電池で使う事を想定していない人なら買いの防災ラジオになるでしょう。

ECO-5 ハンドルの比較

KOBANというブランドの「太知ホールディングス」という会社は早くから内蔵充電池にコンデンサーを採用した防災ラジオを販売していた実績があり、過去からの一定の評価はされてきたように思います。ある意味、この製品があったからこそTY-JKR5が出たとも言えます。何よりTY-JKR5がこのラジオの形であったり、写真のようにハンドルの収納方法が同じようになっていることからもその事は類推できるのですが、細かいことは抜きにしてもここまで紹介してきたように、TY-JR10からECO-5になり、さらにTY-JKR5まで進化してきたポケットラジオタイプの防災ラジオの状況というのはもっと多くの人にこういうラジオがあるということをわかっていただきたいなと思います。

TY-JKR5自体はまだ出たばかりで小型ラジオとしては高めの価格になっていますので、コンデンサーに充電するタイプの小型ラジオがとりあえず欲しいという方で、ワイドFMは現状では必要がないというならば、このECO-5を商品の名前通り備蓄ラジオとして手に入れておくのもありではないでしょうか。

※東芝の非常用ラジオ「TY-JKR5」について書かせていただいた記事を以下にまとめさせていただきました。興味がある方はどうぞリンク先の記事もご参照下さい。

その1 外観とその機能について
その2 コンデンサー充電についての覚え書き
その3 機種比較1 TY-JR10からの進化点
その4 機種比較2 KOBAN ECO-5との比較
その5 その5 まとめと今後への期待
その6 常時持ち出し時の電池問題
その7 ライトをランタン風に使うためのグッズ


東芝充電ラジオ TY-JKR5の研究 その3 機種比較1 TY-JR10からの進化点

TY-JR10正面

東芝の充電ラジオと言えば、私が今でも使っていてTY-JKR5にも通じる小型ラジオ、TY-JR10の存在を抜きに語ることはできないでしょう。写真のように大きさはほとんど同じですが、当時同じようなハンドル付きのラジオ「充電たまご」を意識したフォルムになっています。

このラジオはその大きさもそうですが、手回しハンドル付きでFMワイドバンド仕様(当時はアナログテレビの1~3チャンネルの音声を聞けるという事でその表示がありました)、充電池の他、単四電池2本でも動き、付属のケーブルを使って携帯電話の充電が可能という、ほとんどTY-JKR5の特徴に通じるコンセプトのラジオに仕上がっています。

TY-JKR5との違いという点では内蔵充電池がニッケル水素電池からコンデンサーに変わった事の他、携帯電話充電のための接続ケーブルが独自規格で、無くしたらこの機能ごと使えなくなってしまうということと、けたたましい音を立てるブザーが省略された事が挙げられるでしょう。

TY-JR10裏

また、ハンドルの収納部は写真のように作リが甘いので、ハンドルを折らないように気を付ける必要がありました。

実は私は今でもこのTY-JR10は車のダッシュボードに入れて使っているのですが、気が付いた時にハンドルを回すことで充電池の容量を空にしない事を常に気を付けています。残念ながら携帯電話充電用のケーブルを無くしてしまったのでハンドルはラジオの内蔵電池を充電するのみになってしまいましたが、きちんとメンテナンスをしていればすぐに内蔵電池がダメになるほどの事はないということも実証できています。

ただ、そうだからといって非常用持出袋に放り込んだまま5年も6年もそのままにしておいたらその時にも普通に使えるかどうかはとても保証できません。もし現在このラジオと同じような内蔵充電池にニッケル水素電池を使っている防災ラジオを使っている方は、普段も手回し充電をしながら使うことをおすすめします。

逆に言うと、こうした手間がかからない分、TY-JKR5を買っておけばいざという時に役立つツールになるだろうと思えます。ラジオを多く持っているような方は、どうしても使う時と使わない時との差が出てくると思いますが、ある程度全く使っていなくても必要な時に活躍が期待でき、さらに充電用のケーブルも付属のものでなくても汎用のケーブルが使えるので、TY-JKR5はTY-JR10の正常進化でできた製品であることが改めて確認できました。

ラジオの形には好みがあると思いますが、TY-JR10はその形のせいかなかなか安定して置きにくいということがあり、TY-JKR5の直方体の形状の方がどこでもどんな風にでも安定して置けるので、私はこの点も正常進化をしたのではないかと思っています。

※東芝の非常用ラジオ「TY-JKR5」について書かせていただいた記事を以下にまとめさせていただきました。興味がある方はどうぞリンク先の記事もご参照下さい。

その1 外観とその機能について
その2 コンデンサー充電についての覚え書き
その3 機種比較1 TY-JR10からの進化点
その4 機種比較2 KOBAN ECO-5との比較
その5 その5 まとめと今後への期待
その6 常時持ち出し時の電池問題
その7 ライトをランタン風に使うためのグッズ


東芝充電ラジオ TY-JKR5の研究 その2 コンデンサー充電についての覚え書き

このラジオを購入した方は、まず手回しハンドルを回してしっかり充電ができてラジオが聞け、ライトが付くのか確認したくなるでしょう。しかし、このラジオは充電した電気を貯めるために従来のニッケル水素電池ではなくコンデンサー(キャパシタ)を使っているために、少々戸惑うことも起こるかも知れません。

というのも、購入時には内部のコンデンサーには全く充電されていない状態になっていると思いますので、ハンドルが軽い状態で多少回したくらいではラジオをスピーカーから聞けるだけの電気をためられていない可能性があるのです。これを他の内蔵電池にニッケル水素電池を使っているラジオと同じような感じで使おうとすると、もしかしてこのラジオは内蔵電池に欠陥があるのではないかと感じてしまう事も起こり得ます。

かなり回したのにラジオが聞けないと思った方は、まずはハンドルの回した感じが軽いのかある程度重くなっているのかを感じてください。ある程度重くないと電気を貯められないということもありますので、重い状態でまず100回を目安に回してみましょう。ライトが付くぐらいまで電気を貯められたことが確認できればラジオも聞けるようになるはずです。

ここだけ紹介すると空になってから使えるようになるまで大変なので、いざという時に役に立つのかというような感じも受けるのではないかと思いますが、空になってしまうからこそいざという時には満充電まで電気をためることができるわけで、それゆえ災害用として使えるラジオであると言えるのです。ニッケル水素電池のような電池というのは化学変化の仕組みを利用して電気を発生させている関係上、ずっと充電させないまま放っておくと中味が不活性化してしまい充電しようとしても充電されない状態にまで中味が劣化してしまう可能性があります。それほど回さなくてもすぐに使える代わりに、満充電にいつなるのかというのは電池の状態によって変わってくることになってしまいます。

ニッケル水素電池を使った防災ラジオの説明書には、一定の期間ごとに手回しハンドルを回して内部電池の不活性化を防いで欲しい旨の記載があるのですが、このキャパシタラジオは何しろ購入時に空になっているのですから、放置して充電池が空になっていても大丈夫です。最初に紹介したようにコンデンサの中にラジオが聞けるほどの電気を貯めこむために時間はかかるものの、単に手回しハンドルを回すモーターが作った電気をコンデンサに物理的に貯めるだけなので、コンデンサ自体が壊れなければ長期にわたって使用していなくても最初に使い始めた時のように性能を復活させることができるのです。

このような特性があるコンデンサを使ったラジオであるだけに、長時間このラジオを聞き続けようと思った場合には手回しハンドルの充電池による運用よりも単四電池2本を使って安定して運用した方がいいと思います。ちなみに、私が使っているのはニッケル水素電池としては高性能を誇るパナソニックのエネループで、満充電したものを入れれば安定して動作します。

もし寝ながら放送を聞きたいという場合には、乾電池では朝まで鳴り続けてしまうので、電池を充電池に切り替えて手回し発電で使えば、内蔵電池が切れるまで数十分間ラジオが聞けるという、スリープ機能のようにしてラジオを使えます。このラジオの場合、最大充電量が少ないこともあり、延々とハンドルを回してもラジオが聞ける時間が決まっていますので消し忘れても安心です。

だいたい1分間に150~180回くらい(一秒に3回以内)回すとラジオもライトも約30分くらい連続して使えるようになるそうですが、満充電になるにはこの倍くらいハンドルを回せばいいそうです。最大でも約1時間のラジオを聞き続けられる勘定になりますが、ちなみにアルカリ単四電池2本ではラジオもライトも約40時間くらい使えるという目安の数字が説明書には掲載されています。

決して容量が多いとは言えない単四電池の1/40しか容量がないコンデンサーの能力というわけですが、それでも何とかラジオも聞け、ライトも使えるというのはラジオというハードの省電力性とともに、LEDの技術が進歩したことの証でもあるわけです。

ですから、手回し発電の能力だけで言えば、くれぐれもコンデンサーの蓄電能力に過大に期待はしないで必要な時に必要な時間だけ使うラジオということで評価されるのがいいでしょう。

※東芝の非常用ラジオ「TY-JKR5」について書かせていただいた記事を以下にまとめさせていただきました。興味がある方はどうぞリンク先の記事もご参照下さい。

その1 外観とその機能について
その2 コンデンサー充電についての覚え書き
その3 機種比較1 TY-JR10からの進化点
その4 機種比較2 KOBAN ECO-5との比較
その5 その5 まとめと今後への期待
その6 常時持ち出し時の電池問題
その7 ライトをランタン風に使うためのグッズ


東芝充電ラジオ TY-JKR5の研究 その1 外観とその機能について

今回紹介する手回し充電ラジオ、TY-JKR5は、旧サイトで紹介していたラジオについての記事のコメントの中で紹介していただき、私自身も知ることとなりました。世間の評価についてはわかりませんが、まずは購入してみました(^^)。

個人的には国内メーカーが出した災害に備えるためのラジオとしてはかなりいいスペックを持っていて、いわゆるポケットサイズのラジオであることから、予算さえ許せば非常用持出袋に入れておくラジオとしてはこれが一番のおすすめではないかと思うのですが、それほどまだ注目されていません。ここでの紹介を機に多くの人に知って欲しいと思っています。

詳しい内容も見ないで買ったのにはこのブログで紹介しようと思った他に私の個人的な事情もあります。手元に置いているラジオはたくさん持っているのですが、その多くは単三電池で動くものです。最近になって単三よりも単四で動くグッズを利用し出したことがあり、単四2本で動き、小型のスピーカーを持つラジオを一台欲しいと思っていたところだったので、まさにピンポイントのニーズで購入に至りました。基本的には充電したエネループ2本で運用しますが、電池が切れた時には手回しハンドルでコンデンサに充電して使うことを想定しています。それでは、ここからはその概要を紹介していきましょう。

まず、大きさは幅110mm・高さ65mm・奥行き35mmと片手で十分持てます。付属品は本体に付くストラップと、microUSBでAndroidスマートフォンにつながる充電用のケーブルと、ガラケーを充電できる変換アダプタ(microUSBメス差し込み口付)が付きます。イヤホンは付属しないので、必要とされる場合は別途用意しましょう。

TY-JKR5正面

まず、本体正面を見てみましょう。ダイヤルはAMとFMに分かれていて、特にFMはワイドFMをカバーしているので、今後AM局がFMで再送信を行なうことが起こっても安心して使うことができます。本体の表示はもう2つあり、スイッチを入れると赤く点灯するLEDと、放送局を強力にキャッチしたら緑色に点灯する同調ライトがあります。

TY-JKR5真上

真上を見ると、FM用のロッドアンテナの他に、ラジオのバンド切り替えスイッチおよび白色のLEDライトのスイッチが付いています。過去の防災ラジオの中に付いていた機種もあった非常用のブザーについては付いていません。もっとも、こうした機能は誤動作が心配なところなので、これでも十分ではないでしょうか。

TY-JKR5左側面

そしてライトのある左側面にはゴムで蓋をされた端子類があります。イヤホン端子およびUSB出力の端子はここにあります。基本的に防水と防塵機能があるため、むき出しの端子では防水性能を保てないためこのような形になっています。

TY-JKR5右側面

反対側の右側面には選局および音量(電源スイッチも兼ねています)スイッチがあります。つまみの出っ張りは無く、かばんの中などで誤ってスイッチが入ったりすることを極力防ぐ仕組みになっています。なお、こちらの側にストラップホールがあります。

TY-JKR5裏面1

そして、手回し発電のギミックですが普段はこちらもハンドル部分が出っ張らないようにぴったりと収納できるようにデザインされています。ただ、爪を使わないとハンドル部分を起こせないくらいきっちりとはまっているので、最初にハンドルを取り出す際には注意しましょう。

TY-JKR5裏面2

ハンドルを引っ張り出すと、その中に電池の種別を選ぶスイッチがあります。ここで乾電池(単四2本)か充電池(コンデンサー、キャパシタとも言います)で動かすかを選びます。乾電池は説明書の記載によるとアルカリ電池での持続時間しか書いてありませんが、満充電したエネループでも十分ラジオを鳴らすことはできました。なお、乾電池を使ってLEDライトを点灯させることはできますが、ガラケーやスマホを電池で充電することはできません。

その他、説明書の中に書いてあることで紹介しておきたいことは、手回しハンドルの回転の向きはどちらに回しても大丈夫ということと、1分間に150から180回転で2分程度回し切れば満充電になるので、ラジオやライトのみ使うならばそう回す必要はないということです。ただ、充電をしていない場合はハンドルはかなり軽くなりますので、ある程度重い状態で回し続けることが早く満充電状態を作り出すコツとなります。

※東芝の非常用ラジオ「TY-JKR5」について書かせていただいた記事を以下にまとめさせていただきました。興味がある方はどうぞリンク先の記事もご参照下さい。

その1 外観とその機能について
その2 コンデンサー充電についての覚え書き
その3 機種比較1 TY-JR10からの進化点
その4 機種比較2 KOBAN ECO-5との比較
その5 その5 まとめと今後への期待
その6 常時持ち出し時の電池問題
その7 ライトをランタン風に使うためのグッズ


静岡ホビーショー2016 その2 1年越しで手に入れた折りたたみコンテナ

昨年の静岡ホビーショーに行った時に、旧ブログに書いた事が一年掛けてようやく実現することになりました。というのも、昨年ホビーショーに出店していた鉄道模型のショップ「ポポンデッタ」に参考出品という形で置かれていたJR貨物のロゴが入った折りたたみ式のコンテナが大変興味をそそり、市販されたら購入しようとその時は思っていたのですが、今年のホビーショーで売りに出されていたのです。

正確な商品名は「19D形式コンテナ収納ボックス(環境にやさしい鉄道貨物輸送)」です(^^)。定価は税抜5,800円と安くはありませんでしたが、この機会を逃すと恐らく私の手元には入らないと思い、ちょっと考えましたが購入してしまったのです。

19D形式コンテナ収納ボックス

パッケージはこのようにJR貨物の専用品のような説明書きが入っていますが、コンテナの形に組み上げると間違って荷物として持って行かれてしまうのではないかと思われる程の出来ばえになっています。サイズ的にも一般的なコンテナのサイズなので、部屋のインテリアとしても意外と合いそうです(^^)。コンテナ自体のスペックについては、以下の通りです。

・容量40リットル
・外寸 長さ530mm・幅366mm・高さ281mm
・有効内寸 長さ493mm・幅335mm・高さ251mm
・折りたたみ時の高さ 95mm

コンテナボックス

私の場合は車の中に入れておき、中に車中泊のためのグッズを入れておこうとハッチバックを開けた中に入れてみましたが、問題なく収納することができました。側面にJR貨物のロゴが入るので初めて見た方はびっくりされるでしょうが、ちゃんと上部の蓋ができますし、同じものを購入すれば積み重ねる事も可能です(4個まで)。

ただ、私の場合は車用のコンテナも積んでいるので、とりあえず一つあれば車から降ろして中のものを取り出したり整理してグッズを片付けたりするのに使うだけですが、一つだけでもかなり存在感が出たような気がします。

今回私が購入した商品の説明には「イベント限定販売」とありましたが、ネットからでも購入自体はできるようです。興味のある方は、探してみてはいかがでしょうか。


静岡ホビーショー2016 その1 熊本地震を忘れないために

毎年5月のゴールデンウィークの後に静岡市にやってくるのがプラモデルの見本市「静岡ホビーショー」です。過去はそれほど県外からの入場者はいなかったように思いますが、今年に限らず最近は特にすごい人が集まっています。

開場は9時からだということで、朝食を食べてから自転車で会場まで行ったところ、入場待ちの人の列がすごいことになっていました。入り口から開場を待つ人の列が延々と続いていて、会場の建物の外周にも列が続いていました。その列はまるまる建物の反対側にまで及んでいました。

開場は9時ということでしたがこの人数に開場時間を早め、8時45分から客入れをしたそうですが、全く列は動かず15分待って9時頃にようやく列が動き出す有り様で(^^;)、会場に入ることができたのはそれから10分くらい経ってからで、改めて人気の程を実感しました。

そこまでして朝からホビーショーに行ったのにはちょっとしたわけがありました。前の月に起こった熊本地震に関係して、募金を集める取り組みがある事をローカルニュースの報道によって知ったのです。

静岡のプラモデルは元々は木製の模型製造から始まった産業なのですが、そうした木製モデルの製造にこだわるメーカーが静岡市にあります「Woody JOE」です。ここでは船や木造建築の模型の他、売れ筋の商品が日本の城で、特に今回の地震の被害が熊本城に及ぶにあたり、自社が出している熊本城の木製の模型に注目が集まったということで、ブースで熊本城のための復興費用集めを行なっていました。

熊本城

この写真はオープン当初には人が多くてうまく撮れなかったので夕方に改めて会場を訪れた際のものですが、かなり精巧に本物を研究して作られていることがおわかりかと思います。この会社では義援金のお礼の品として、最初の大きな地震で熊本城から落ちてしまった鯱(しゃちほこ)を木の台座に載せたマスコットを一個500円て販売していたのです。

熊本城のシャチホコ

ご覧のようにかなり小さなものですが、台座に貼られている「復興 熊本城」という言葉は、強く胸に突き刺さります。今はそれどころではないと思われる方も少なくないとは思いますが、今後復興のシンボルとして熊本城再建の話は遅かれ早かれ出てくると思われますし、最終的に熊本城の復興がなければ熊本の復興は成らないと考える方も多いでしょう。

あくまで現時点のことを考えると、熊本のために募金をするなら直接被害者に渡る義援金の方がふさわしいと思ってはいます。ただこれからいろんなことかあって今のように多くの人の関心が寄せられることが少なくなったとしても、本当の熊本の復活までは、支援する心を忘れることのないようにとこのマスコットをいただいたような気がしています。

これからも気が付いた時にこのマスコットを見ながら、熊本城の天守閣にこの鯱が乗るところを見られるように支援を続けていければいいと思っています。


災害時に使えるモバイル端末を考える その2 何を用意しておけばいい?

大きな災害が起きた当初はライフラインも一時的に使えない事も起きますが、災害からある程度時間が経つにつれ、ネットによる発信や電話のインフラが使えるなら、基本的にはスマホが一台あれば何とかなると考えている方は多いでしょう。電話もメールもネット検索も、さらにワンセグによるテレビまで見ることができるわけで、当然スマホ一台があればいいのですが、災害時においても平時と同じようにネットやメールを使いたい場合は、それ以外に持っていてもいいものはあるでしょう。

全ての通信を一台にまとめるというのは効率的なようでいて、電池が切れれば何もできなくなる不安と背中合わせでもあります。また、物理的にスマホが壊れた場合の代替機も用意できるか気になります。もし以前に使っていて今は使わないガラケーが余っていれば、いざという時にはSIMカードを入れ替えて使えるように準備しておくのもいざという時を考えれば有効な手段です。

ただその場合、スマホに入れてあるSIMカードのサイズとガラケーに入れるカードのサイズが合わない場合があります。多くのガラケーでは昔ながらの標準SIMが使われる場合が多いので、できればスマホからガラケーのSIMの使い回しができるように小さいnanoSIMカードを標準SIMやmicroSIMカードとして使えるようなSIMカードアダプタを用意しておくのがおすすめです。そして、実際に入れ換えて使えるかどうか、事前のチェックは行なっておきましょう。

非常時にスマホとガラケーのSIMカードを入れ替えて使う場合、どちらかを使わない場合には使わない方の電源を落としておけるので、ずっと電源を入れている場合と違って電池の総合的な持ちも良くなることが期待できます。入れ替え時にSIMカードを失くさないように気を付けつつ、賢く使い分けることも必要です。

もし、日常的に通話専用のガラケーと格安SIMを使ったスマホの2台持ちで通信費を節約している場合はそのまま2台を使えばいいですが、データ通信を使わない場合はスマホの電源を切っておくのは当然としても、災害時のいざという時の事を考えると、スマホの方にMVNOの格安SIMでもテザリングできる制限がないSIMフリーのスマホを選んだ方が他の端末でもネットを使えるようになるのでおすすめです。

そうした用意ができず、MVNOの格安SIMをドコモの白ロムのスマホで使っている場合、テザリング機能がMVNOのSIMでは使えないようになっている場合が多いので、もしパソコンでもネットがしたいと思うなら、安いものでもいいので、モバイルルーターを買っていざという時のために用意しておくという方法はあります。スマホにおけるテザリングは携帯大手3社契約のカードで行なうと、追加料金が取られる可能性がありますので、災害時だからとやみくもにスマホからテザリングをすることは、特にMVNOのデータ通信を使っていない方は、自分の今の契約が単体でのネット接続とテザリングが別料金のプランではないか、十分調べてから利用するようにしましょう。

さらに、いつもパソコンで行なっていたような事をいざという時にもしたいという場合には、もし用意できるだけの余裕があれば、Windows10の入ったタブレットを一台用意しておくのが賢明です。Windows10が入っていれば、キーボードとマウスをつなげばノートパソコンのように使うことができる上、充電がスマホと共通のケーブルおよびモバイルバッテリーでできる可能性があります。ただし大型のiPadと同じように、ガラケーでは十分な充電セットではとても充電ができない事が起こり得ます。モバイルバッテリーの出力および、ケーブルの品質にも気を使って、使用しながらでも充電する組み合わせを選びましょう。最近はテレビに繋ぐことで使えるスティックPCのようなものもありますが、やはり本体のみで動き、スマホより大きい画面のタブレットの方が役に立つと思います。

私が頼りにしているのは、古いものなので参考にならないかも知れませんが、LenovoのMii2 8という8インチのタブレットで、OTGケーブルという周辺機器を付けると充電しながらキーボードやマウスなどを併用することができるので気に入っています。もし手元にキーボードやマウスがなくてもタブレットモードで使うことができますし、幸運にも避難した先に被害により使えなくなったパソコンに接続されていたキーボードやマウスがあり、使用者の許可を受けてそれらを使わせてもらうことができれば、タブレットだけでもノートパソコンと遜色ない能力をいざという時には発揮できます。

もちろん、最初からWindowsの入ったノートパソコンを用意しておき、車のシガーソケットにコンセント出力のできるインバーターを付け、ノートパソコンを充電しながら使ってもいいのですが、ノートパソコンにはACアダプタが必要になりますし、何より大きくて重くなります。これがタブレットとケーブル類だけなら何より持ち出しやすいですし、最悪なくても汎用品で何とかなります。ただ、注意しておきたいことは、普段から少しでもタブレット端末を利用しておき、常にWindowsのシステムとウィルス定義は最新にしておいた方がいいという事です。

パソコンはスマホのようにすぐに起動する場合ばかりだけでなく、システムを読み込むことによってすぐには使えない場合も起きます。そこに大がかりなWindowsのUpdateがあれば、すぐに使えない状況を引き起こしてしまいます。基本的にはいつも使っているものの方がトラブルが起こった時にもその対処がしやすい事もありますし、災害に遭ってもパソコンを使いたいという場合には、それほど使う頻度が落ちた型落ちのWinタブレットでも、常に電源を入れて最新の状態にしておくことをお勧めします。

Miix2 8

ちなみに、私の持っているWindowsタブレット、Mii2 8は現在このような状態になっています(^^;)。この連休にたまたま入ったパソコン店で、恐らくデッドストックだと思われるUSB接続の東プレの英字キーボードがかなり安売りされていたので、急遽GW後半のお出掛けは中止し、とりあえず一台確保してしまいました。何に活用しようかと思った時、最近はあまり使っていなかったMii2 8の事を思い出し、つなげて据え置きノートパソコンのように使っています(^^)。


災害時に使えるモバイル端末を考える その1 モバイルバッテリーをまずは用意しよう

スマホやタブレット、ノートパソコンなどを外で使う場合、基本的には一日の終わりにコンセントから充電できるという前提がありますが、ひとたび停電になったら一気に困ることになります。

先日の熊本での地震の本震直後も、スマホの充電ができずに困った人は多くいたと思います。つくづく、コンセントに差せば安定して電力が供給される普段の生活の有難さを感じるわけですが、いざという場合に備えて何らかの準備をするには何を用意したらいいのでしょうか。

基本的な考え方として、今のところ乾電池で動くガラケーやスマホがない以上、直接USBにつないで充電できるアダプターやモバイルバッテリーを用意することから始めましょう。車がある場合はシガーソケットからUSB出力を得られるアダプターに容量の多いモバイルバッテリーを用意して時間がある時にはモバイルバッテリーの方に充電するのがおすすめです。これは、太陽電池パネルを使って充電を行なう時も同様です。

というのも、直接スマホやガラケーを接続して充電することはできるのですが、車のエンジンを掛けている時間に制限があったり、太陽の光が時間によって陰ったりすると充電が途中で止まってしまいます。また太陽光は時間によって当たる場所は変わるので、充電を続けるためには常に太陽の位置を気にかけていなければなりません。

とりあえずの充電先をモバイルバッテリーにすると、こうしたロスが発生するのは同じですが、バッテリー自体は充電しないと容量が減らないため、充電した分だけ電気を貯められるようになり必要な時に必要な分だけスマホやガラケーを充電できるようになります。

ただ、熊本での震災の後の状況を見ると、なかなか避難所から移って自宅に戻れないようなケースもあります。避難所でコンセントを使うのもあまりに長い期間では申しわけないという場合のために、急速充電のためにはコンセントが使えるカフェやレストランをリストアップしておき、一つのコンセントから多くのUSB出力を取ることのできる汎用アダプターを用意するのも一つの手です。どんなものかというと、以下の商品リンクのようなものです。

コンセントが少なく充電したい人が多いという場合、USB出力が多く取れるものの方が多くの人と充電利用をシェアできますので、充電用のコードとともに揃えておくといいでしょう。コードについては、ガラケーを充電するくらいなら100円ショップのケーブルでも大丈夫ですが、大きなタブレットなどそれなりに電力を食うものを充電する場合は、ケーブルもタブレットの充電が可能な2A以上の電流にも対応するものを選んだ方がいざという時に充電できないというトラブルを回避できます。

ここまでのまとめとして、今使っているガラケー、スマホ、タブレットについて、どの端末も使いながら充電できる専用ケーブルと大出力のモバイルバッテリーを用意した上で、さらに車のシガーソケットを付けて使える充電器や、コンセントからUSB出力のできる充電用アダプタ、そして余力があれば太陽光バネルを使った充電セットを用意しておくというのが個人的にはおすすめです。

また、これもいざという時のために備えている方がいるかも知れませんが、手回しハンドルの付いた災害用ラジオではとてもスマホやタブレットを使いながら充電できるだけの発電はできません。基本的には端末の電源を切った状態で充電することをおすすめします。ただこれも、雨の時などは少しでもモバイルバッテリーを充電しておくという気休めにはなるかも知れませんが、あまり回し過ぎると手首が腱鞘炎になるかも知れず、避難所の中で回していると不快な音を出すので回りの迷惑になるかも知れませんので、利用できるケースは限られるのではないかと思われます。

こうした状況を冷静に受け入れつつ、節約しながらガラケーを主に、使う時だけスマホの電源を入れて使うなどの利用方法の工夫も大切になるでしょう。


非常用の保存食を捨てないために

このブログも前のブログを始めた時から5年以上が経過し、その間にいろいろな事がありました。東日本大震災の後はいよいよ自分のところに大地震がやってくるのではないかと思っていたところ、熊本で現在も地震が続いています。そうした時の流れの中にあり、ずっと自宅に置いてあったのが、いざという時にひもじい思いをしないで済むようにとそろえた非常用の食料保存缶でした。

災害用非常食

これはその一部で、長らく車の中に入れっ放しになっていたのですが、もうすぐ賞味期限を一気に迎えます。改めて購入した時のことを考えると、ちょっと復雑なものがあります。当時は東日本大震災についての報道が多く、何も食べるものがないのは切ないと思っていろんな種類のものを買い込んだのですが、ピンポイントでいざという時というのはそうそうあるものではないということを噛みしめることになってしまいました。ただ、もし熊本のような地震が起こってしまったらこの備えが役に立ったわけで、こうした準備が無駄ではないと改めて理解しつつも、また同じように用意すべきかということを考えてしまいます。

もしこうした非常食を車の中のすぐに取り出せる場所に置いておけば、ドライブしている中でちょっとお腹が空いた時につまむようなことはあったと思うのですが、写真の車の中に入れていた保存食はすぐには取り出せない所に入れておいた事もあってか、全く手つかずの状態でおよそ5年そのままになってしまいました。それでこそいざという時に役に立つわけですが。

賞味期限がやってくるものから消費していく中で思ったのは、味のないカンパンの缶詰を選ばなくてよかったということです。定番の「リッツクラッカー」なら朝食の代替に食べられますし、ビスケットやキャラメルはおやつ代わりとして一回缶を開けてしまえばついつい食べてしまいます。
でも、間食の増加というのは体にとってはあまりいいものではないため、食べないまま賞味期限が迫った時の事を考えると、やはりつまらないと言われようとクラッカーが保存食の王道なのかなと思ったりもするのです。今後、朝食代わりにさらにふさわしそうな保存缶が出てきたら実際に食べてみて判断することにします。

それとは別に考えることに、今回紹介したような最長5年間保存できる保存食ではなく、普段から食べ慣れている缶詰をローテーションしていくことでも十分非常用の食料としてはまかなえるのではないかと言うことです。これはすでにいろんな所で言われていることなのですが、缶詰でもレトルト食品でもいいのですが、食事の用意ができなかったり、毎日の食事の中でもう一品欲しいような場合の定番食品を揃えておき日常的に食べていれば、何も苦労することなく非常食のストックが出来るだけでなく無理に消費する必要もなくなるというわけです。

日々の買い物の中で、お惣菜や冷凍食品などを沢山買ってしまう場合はよくあると思いますが、特に冷凍食品のストックがいくらあっても冷蔵庫を動かす電気の供給が止まればすぐに食べられなければ多くの食材をダメにしてしまう可能性は高まります。冷凍食品自体がだめという事ではなく、まずは冷蔵庫の中の食品がダメになる前に中味を食べていき、同時に用意したクーラーボックスの中に冷凍食品を保存して次に食べ、それも食べたら常温で保存できる食品を食べるようにするなど、数々の保存食品とのバランスを考えながら様々な食べ物をストックするようにこれからは気を付けていきたいと思っています。