東芝充電ラジオ TY-JKR5の研究 その2 コンデンサー充電についての覚え書き

このラジオを購入した方は、まず手回しハンドルを回してしっかり充電ができてラジオが聞け、ライトが付くのか確認したくなるでしょう。しかし、このラジオは充電した電気を貯めるために従来のニッケル水素電池ではなくコンデンサー(キャパシタ)を使っているために、少々戸惑うことも起こるかも知れません。

というのも、購入時には内部のコンデンサーには全く充電されていない状態になっていると思いますので、ハンドルが軽い状態で多少回したくらいではラジオをスピーカーから聞けるだけの電気をためられていない可能性があるのです。これを他の内蔵電池にニッケル水素電池を使っているラジオと同じような感じで使おうとすると、もしかしてこのラジオは内蔵電池に欠陥があるのではないかと感じてしまう事も起こり得ます。

かなり回したのにラジオが聞けないと思った方は、まずはハンドルの回した感じが軽いのかある程度重くなっているのかを感じてください。ある程度重くないと電気を貯められないということもありますので、重い状態でまず100回を目安に回してみましょう。ライトが付くぐらいまで電気を貯められたことが確認できればラジオも聞けるようになるはずです。

ここだけ紹介すると空になってから使えるようになるまで大変なので、いざという時に役に立つのかというような感じも受けるのではないかと思いますが、空になってしまうからこそいざという時には満充電まで電気をためることができるわけで、それゆえ災害用として使えるラジオであると言えるのです。ニッケル水素電池のような電池というのは化学変化の仕組みを利用して電気を発生させている関係上、ずっと充電させないまま放っておくと中味が不活性化してしまい充電しようとしても充電されない状態にまで中味が劣化してしまう可能性があります。それほど回さなくてもすぐに使える代わりに、満充電にいつなるのかというのは電池の状態によって変わってくることになってしまいます。

ニッケル水素電池を使った防災ラジオの説明書には、一定の期間ごとに手回しハンドルを回して内部電池の不活性化を防いで欲しい旨の記載があるのですが、このキャパシタラジオは何しろ購入時に空になっているのですから、放置して充電池が空になっていても大丈夫です。最初に紹介したようにコンデンサの中にラジオが聞けるほどの電気を貯めこむために時間はかかるものの、単に手回しハンドルを回すモーターが作った電気をコンデンサに物理的に貯めるだけなので、コンデンサ自体が壊れなければ長期にわたって使用していなくても最初に使い始めた時のように性能を復活させることができるのです。

このような特性があるコンデンサを使ったラジオであるだけに、長時間このラジオを聞き続けようと思った場合には手回しハンドルの充電池による運用よりも単四電池2本を使って安定して運用した方がいいと思います。ちなみに、私が使っているのはニッケル水素電池としては高性能を誇るパナソニックのエネループで、満充電したものを入れれば安定して動作します。

もし寝ながら放送を聞きたいという場合には、乾電池では朝まで鳴り続けてしまうので、電池を充電池に切り替えて手回し発電で使えば、内蔵電池が切れるまで数十分間ラジオが聞けるという、スリープ機能のようにしてラジオを使えます。このラジオの場合、最大充電量が少ないこともあり、延々とハンドルを回してもラジオが聞ける時間が決まっていますので消し忘れても安心です。

だいたい1分間に150~180回くらい(一秒に3回以内)回すとラジオもライトも約30分くらい連続して使えるようになるそうですが、満充電になるにはこの倍くらいハンドルを回せばいいそうです。最大でも約1時間のラジオを聞き続けられる勘定になりますが、ちなみにアルカリ単四電池2本ではラジオもライトも約40時間くらい使えるという目安の数字が説明書には掲載されています。

決して容量が多いとは言えない単四電池の1/40しか容量がないコンデンサーの能力というわけですが、それでも何とかラジオも聞け、ライトも使えるというのはラジオというハードの省電力性とともに、LEDの技術が進歩したことの証でもあるわけです。

ですから、手回し発電の能力だけで言えば、くれぐれもコンデンサーの蓄電能力に過大に期待はしないで必要な時に必要な時間だけ使うラジオということで評価されるのがいいでしょう。

※東芝の非常用ラジオ「TY-JKR5」について書かせていただいた記事を以下にまとめさせていただきました。興味がある方はどうぞリンク先の記事もご参照下さい。

その1 外観とその機能について
その2 コンデンサー充電についての覚え書き
その3 機種比較1 TY-JR10からの進化点
その4 機種比較2 KOBAN ECO-5との比較
その5 その5 まとめと今後への期待
その6 常時持ち出し時の電池問題
その7 ライトをランタン風に使うためのグッズ


カテゴリー: 充電池活用法ラジオ | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

スポンサーリンク

コメントを残す