月別アーカイブ: 2016年4月

エリアフリーTV Plus SB-TV06-WRIP その4 モバイル環境での視聴を試す

ここまで、エリアフリーTV Plusを設置し、自宅内でテレビ放送を自宅にある無線ルーターを経由してスマホやタブレットで使えることを確認しました。ここまでは思惑通りの展開でしたが、実はここからが問題です(^^;)。

エリアフリーTV Plusの売りの機能として、外でのWi-Fiを使っての視聴はもちろん、LTEや3Gというモバイル通信のインターネットでも自宅のエリアフリーTV Plusにアクセスし、テレビ放送をBS・CSまで自由に見られるようになっています。安定した速度が保てるなら海外からでも自宅のテレビを見ることができるというのがこの製品の最大の特徴なので、果たして本当にそんな風にどこでも見られるのか、確かめなくてはいけません。

ここで一つ注意したいのが、実際に外でネット経由のテレビを見る前にスマホ・タブレットの設定が必要になるということです。自宅でテレビが見られる環境の中で、スマホのアプリの設定画面をまずは開きます。

「端末設定の画面」から「外出先から現在のチューナーに接続する」のチェックと「UPnPを有効にする」チェックを入れておかないと外からのテレビ番組視聴はできませんので、その設定をやらないままだといくら回線の状況が良くても外からテレビは見られませんのでご注意を。

さて、そこまで準備した上で自宅のWi-Fi接続ができない状態でアプリを起動すると、「接続モード選択」画面が開きます。使用場所を「外出先(すべての機能)」を選ぶと外でテレビ放送が見られるようになりますが、視聴画質のチェックもあります。

「高画質」(1,280×720)「標準画質」(720×405)「低画質」(320×180)に加え、「低速回線画質」(320×180)が選べます。まずは、iPadmini2をWi-Fiスポットでアプリを起動し、どの程度の画質までスムーズに見られるか試してみましたが、何しろ自宅のネット環境が上りが600kbpsしか出ないADSLのため、標準画質でも一部止まってしまいます。しかし低速回線画質まで画質を落とせば、スムーズに止まることなくテレビ放送を見ることができました。

これは、エリアフリーTV Plusの問題ではなく、自宅のネット環境の問題なので、最初からこういった結果は予想できました。光インターネットで上りのスピードが1Mbps以上確保される環境にあるなら、標準画質や高画質でもWi-Fiスポットでなら利用できると思いますので、Wi-Fiスポットがある所ではまず問題なくテレビが見られると思って大丈夫だと思います。

次に、いよいよLTE回線だけでどこまで見られるのか試します。ワイヤレスゲートの最大3Mbpsの高速無制限のプランを使っているので、このSIMで試します。まず、モバイル回線の場合は場所や時間により電波の状態だったり利用集中によりスピードが極端に落ちる場合があり、その時にはアプリがエリアフリーTV Plusへの接続すらできなくなる場合があるようです。

しかし、何回か試しつつ電波の状況が良くなるとエリアフリーTV Plusとつながり、テレビ放送を見ることができるようになります。しかし、低速回線画質でも状況によっては一瞬画像が止まることがあったりして、お世辞にも快適に見られるものではありません。しかし、後からスピードテストで1Mbps近くまでスピードが出ている状況なら、何とか番組の内容を把握できるくらいの品質で見られる事も確認しましたので、今後が楽しみになってきました(^^)。

また、流石に最大200kbpsの低速では満足に見られないことも確認しました。今後は例えば、中速と言われるUQ mobileの無制限プラン500kbpsや、WonderLinkの700kbpsの方を使って試した方がいい結果を出すかも知れませんが、とりあえずワイヤレスゲートの3Mbpsプランでもテレビを見る行為自体がファイルダウンロードのように規制されることはないことがわかったので、これで良しと納得するしかないです(;_;)。

ただ、あくまで私の場合ですが、今後安定して下り600kbps以上ののスピードが出るLTEサービスを利用できれば、低回線画質ならスムーズにテレビをどこでも見られるのではないかという期待が出てきたので、かなり今回の導入は収穫がありました。

今後、そのように中速でも安定するMVNOのサービスが出てきたら、旅先でのテレビ視聴用にSIMスロットのあるアンドロイドタブレットを購入して車中泊時の夜にテレビを見るために使うのもいいと思います。ただ現状でここまでできれば、例えばwi-fiスポットの近くに車を停めてそちらからテレビを見るようにすることで、いわゆるヘビーユーザーと判定されることを恐れながら使うこともなくなるので、しばらくはこのまま様子を見ようと思っています。

最後に、念の為に書いておきますが、無制限でない高速クーポンを使い切ると低速制限のかかる携帯大手三社とMVNOのプランでは、このようなテレビの視聴に高速クーポンを使うとあっという間に高速分を消費してしまいますので、LTEを使ってこの製品経由でテレビを見ようと思っている方はその点にも十分お気を付け下さい。


限られた量の水分を少量ずつ摂るのに適したボトル

普段当り前に蛇口をひねれば水が出ることに慣れていると、水を得ることに窮した場合に困ることになります。災害時に支給される水というのは給水車から直接受けるか、ペットボトルで渡されるようになるかでしょうが、そうしていただいた水をどうやって飲むのか、特に飲める水をみんなで分ける場合には考えなければなりません。

ペットボトルに直接口を付けて飲んでしまうと、それだけでもうその水は飲めないと拒絶する人もいます。また、季節にもよりますが口を付けたボトルを大事に飲むあまり、飲み口が不衛生になり感染症を引き起こす可能性も出てきます。専用のボトルでも直接口を付けて飲むタイプのものは、常に衛生的に洗える状況でなら便利ですが、災害の時には使い捨てできるペットボトルの方がまだましという状況も出てきます。

ペットボトルの小さな蓋をカップ代わりにして少しずつ皆で水分を補給したという話は東日本大震災の時にそんな話を聞きましたが、あまりに少量では口の中の渇きを潤すことも大変です。私はそうした状況を見越したわけではありませんが、少量ずつ水分を補給できる小さなカップの付いた象印の真空断熱ボトル「SS-PC20」「SS-PC25」のうち、私は大きい方を購入しました。

2つの製品の容量は「SS-PC20」は200mlで「SS-PC25」は250mlです。私の購入理由は、一人で時間を掛けてコンビニコーヒーを楽しもうと思ったからです。200mlならレギュラーサイズ(ホット)がまるまる入り、250mlだとラージサイズを入れるとほんの少し余ります。温かさを保ちながら少しの量を付属のカップで時間を掛けて楽しもうと思ったのですが、このカップの容量が口の中を潤すには絶妙のサイズであることに気付きました。

このボトルに水を入れて使う限りは内部の洗浄はいりませんし、カップの部分についてはウェットティッシュで拭きながら飲むようにすれば、一人で独占することなく回りの人とのシェアが可能になります。少量ずつ飲んでいくことで、少ない水を大切にしながら飲んでいけます。

さらに、避難所で500mlのペットボトルを支給された場合、大きい方のSS-PC25に移しても半分は他の人と水をシェアできます。ペットボトルに残った方の水は早めに飲む用途にして、このボトルに入れた水についてはエコノミークラス症候群が心配される夜間の水分補給に使うなど、飲みきりボトルでは一人で一気に飲んでしまうところ、工夫次第でいろんな用途に使えます。

加えて、真空断熱ボトルという事を生かし、もし白湯の形てボトルに入れていただければ、夜間に体が冷え切ってしまっている方に少しずつ分けてあげることで、多くの人と温かさを共有できるでしょう。

普段使いでも最初に紹介したように、喉が渇く前に少量ずつ水分補給をするということでは、こうした小さなカップ付きのボトルというのは重宝するように思います。昨今のマイボトルブームで挙げられるボトルとは一線を画す製品ではありますが、一つ常備しておくといろいろ便利に使える可能性のあるボトルとして、改めてここで紹介させていただきました。


エリアフリーTV Plus SB-TV06-WRIP その3 設定と自宅内での利用

エリアフリーTV Plusをスマホやタブレット端末で使うためには、ハード的にはもう一つの接続が必要です。本体にあるEthernet端子にLANケーブルをつなぎ、それを自宅のモバイルルーターに接続することでモバイルルーター経由でテレビ番組が見られるようになるのです。

自宅のテレビとモバイルルーターの位置関係はモバイルルータが一階にあり、テレビが二階にあるというかなり厳しいものなのですが、テレビ自体にもEthernet端子がありネットにつながるため、早い段階でLANケーブルを伸ばしていて、さらに他のネットワークを使えるように小型のスイッチングハブを付けていたので、付属のLANケーブルをスイッチングハブの空き端子に接続するだけで良かったので簡単でした。

エリアフリーTV Plusでは設定を簡単にするためにネットとは有線でつなぐ形にしているので、もしテレビの近くにLANケーブルを引いていないという方は、ケーブルとスイッチングハブを用意して、テレビにもインターネットを繋いだ方が便利にテレビも使えるようになるのでおすすめです。
そこまでしてようやく、手持ちのiPad miniおよび、スマホのTORQUE SKT01、そして今までラジオ録音用としてしか使っていなかった10インチタブレットの初代dtabに専用アプリ「エリアフリーTV Plus」をインストールしました。チャンネル登録設定もアンテナ接続をちゃんとやったおかげで問題なく進み、無事に放送を高画質で見ることができるようになりました。

テレビのない寝室ではdtabをテレビ代わりとして使いつつ、防水防塵に優れた性能を発揮するもののSIMフリーのためワンセグの付かないTORQUE SKT01をお風呂に持ち込んで十分な画質でテレビを見ることが可能になりました。もちろんiPadmini2でも問題なく放送を見ることができました。エリアフリーTV Plusに登録できるモバイル機器は最大6台までとなっているので、今後は色々考えつつ使える端末を増やして行ければと思っています。


避難生活中に情報収集するための筆記具を考える

熊本地震の前震が起きてからそろそろ一週間が経とうとしていますが、まだまだ救援物資は行き渡っていないようで、現地で避難生活を続けている方は大変な思いをされていることと思います。

テレビやラジオについても特別編成での放送を全国で流していて、本日も私が生で聞いたNHKラジオの放送の中で、被災地の方に向けられた買い物情報が流されていました。避難所や車の中での生活が長くなると、充電が常にできないということもあって、いつもスマホを使ってお店の営業状況を調べることもできないということもありますので、地元の方にとっては有難い放送だったのではないでしょうか。

今回の地震の被害を受けなかった方でも、どのようにして非常時に生活情報を受け取るかということを考えておいた方がいいでしょう。そんな時の情報源として長時間使えるのは、やはりラジオが有効であることを多くの人が認識したのではないかと思います。

車に避難する方が多かったのも、車の中でカーラジオから情報収集できるからだと思います。しかしラジオのためにガソリンを消費するのはもったいないので、車で避難しようと思っている方でもガソリン代を節約するためには電池で動くラジオを用意し、車の中に用意しておきましょう。もちろん、手回しハンドルの付いている災害用のラジオでも構いません。ただ、その場合はより近くの情報を入手しやすいFMラジオ付きのものを選びましょう。

今回紹介したいのは、ラジオから得た情報をどのように活用するかという時に必要になるものです。どんないい情報でもラジオを聞き流しているだけでは左から右へ流れていくだけです。車の中でも非常用持出袋でもどちらでもいいですが、情報をメモできるノートやメモ帳を乗せておき、自分だけでなく周辺の人に有益な情報を仕入れたらノートに書いておくのです。例えばお店の開店情報というのは、知っていれば人より早く購入のために行列に並ぶことができます。

どうしても欲しいものがあるお店がいつから営業し、何時に開店するのかということはスマホと違って電気がなくてもいつでも見返せる文字として書いておくことで、その後の自分の行動を決めるための大事な資料になるでしょう。

個人的にはノートもメモ帳も車にのせておき、生活情報を日ごとにノートに書くことでまとめて管理できますから、その中のいい情報を人に教えたりするのに役立ちます。ノートに書いた情報を人に渡す場合や、メモ自体を現場へ持って行くためにメモ帳に書き写して使い分けるのがいいと思います。車でも避難所の中でもノートを見れば日毎の情報がまとまってノートに残っているというのは後で役立つことが出てくるかも知れません。

手作リノートとメモ帳

ノートがなくても、日ごろの生活の中で使えそうなものをノートの代用として作ってもいいでしょう。わざわざお金を出して買わなくても、使えるものとしては写真のように使わなくなったA4の紙を半分に折り、裏を使ってノート状にして使ったり、同じA4の紙の裏を4つに分けて切ったものを止めてメモ用紙として置いておくのもいいでしょう。問題は、避難生活をする中でも便利に使える筆記具をどうするかということです。

常に水平の机の上で書くことができる普通の時とは違い、野外でメモしたり車中で座ったままの状態でペンを使っていると、特にボールペンの場合は調子が悪くなったりします。ボールペンの原理が重力でインクを押し下げて書くものであるので、斜めだったり垂直だったりするとインクがうまく流れずに止まってしまい書けなくなることが多いのです。

そんな状況でも書けるボールペンがあります。圧力をかけて寝ながらでも書けるボールペンは普通の文具屋さんでも買えますが、おすすめなのは普通のボールペンの芯を使いながらも本体に圧力をかける仕組みがあることで寝ながらでも書ける加圧式ボールペンのパイロット「ダウンフォース」です。

パイロット ダウンフォース

多少無骨ではありますが本体には首から吊るせるようなストラップホールがあり、いざという時にはひもで首から下げておけば無くすこともありません。車のドアや壁を下敷きにして書いても、寝ながら書いてもインクがかすれることなく安定して使えますので、いざという時だけでなく日常使いにするのにもおすすめです。できれば黒だけではなく赤のインクを入れたものと2本持ちをすれば、重要な事を目立つように書くことができるので、余裕があれば色違いのものを2本用意しておくとさらに便利です。

また、このような特別なボールペンを用意できない場合の代替手段として、最近は折れにくい太いシャープペンシルが安価に売られていますので、こうしたものを筆記用具として使うのもいいでしょう。何しろ、単にメモを取るだけでも日常とは違った状態の中でしなければならないので、メモをしたいのにボールペンのインクが出なくて書けないとなれば、それだけでもストレスになりかねません。細かいことではありますが、災害時に使う筆記具についても、きちんと考えて用意しておきましょう。


停電時に携帯やスマホの充電を可能にするグッズ

災害の後に避難生活が長期化すると、最初のうちは車のエンジンを掛けたままスマホの充電ができていたとしても、ガソリンの入手が難しくなるに従って充電がなかなかできないような事にもなりかねません。避難所に電気が通っている場合はスマホ充電用にコンセントが開放されている場合もありますが、ほとんど0のところから充電するとなると時間がかかりますし、後の人もつかえていると満足に充電もできないでしょう。

災害用ということで手回しハンドルの付いたラジオにスマホの充電機能が付いているものもありますが、手回しで満充電にする前に手首が腱鞘炎を起こす可能性の方が高く、いざという時の役には立ちますが、長期的なスマホ充電の役には立たないと見るべきでしょう。

用途をスマホ充電に限るなら、10W前後のソーラーパネルを使ってスマホに直接繋ぐのではなく、モバイルバッテリーに充電して電気をため、バッテリーからスマホに充電する方法がソーラーパネルで起こした電気を効率良く利用できます。

ソーラーパネルとしては折りたたみで持ち歩びが容易で、出力も太陽が出ていれば安定して充電できるものとして、以前に購入し私が持っているのはAnkerの折りたたみ太陽パネルです。

製品構成はパネルだけで、電気をためるバッテリーは付属しませんが、他社の製品では単三電池4本が入る充電器がセットされているものがあります。ただ、単三電池を四本満充電にするのは大変なので、できればリチウムイオン電池を使ったモバイルバッテリーを複数用意しておき、少しずつでもこうした太陽パネルから充電をしていくことがもしもの時に役立ちます。モバイルバッテリーは何でもいいとは思いますが、大は小を兼ねるというので、大きいものを一つと、とり回しのいい小型のものを2つ揃えておくとどちらかを充電中にももう一つのバッテリーからスマホの充電ができて便利です。購入時期により製品に違いはあるかも知れませんが、安くて高容量のものがあれば用意しておくにこした事はありません。

ソーラーパネルは太陽が出ない日には全く充電できないという弱点はありますが、黙っていても光さえ当てていれば充電を続けてくれる点が優れています。日常的にモバイルバッテリーを満充電させておいて、使った分をソーラーパネルから充電するようにすれば、消費量の方が充電量の方を上回る可能性は高いものの、避難生活の日中にとにかく太陽の光に当てるようにして過ごせば避難生活を続ける上での目的ができ、多少は気を紛らわせることもできるかも知れません。

また、単三や単四のニッケル水素電池を太陽電池を使って長期間充電できる製品もあります。コンセントから数時間で充電完了というわけにはいかず、満充電までには1週間とかかかってしまうかも知れませんが、単三2本で使えるラジオの電池を充電するくらいなら、ラジオの電池が消耗して使えなくなるくらいまでにそこそこの量の充電は光に当て続ければ可能になるでしょう。

こうした製品は災害発生時には一時的に品薄になることが予想されますが、定価より高い値付けになっていた場合は価格が落ち着くまで待って手に入れる方がいいでしょう。そして、単三電池2本で長時間の利用が可能なラジオの一例として、先日ソニーがリニューアルしたラジオ2品を紹介しておきます。スリープ機能がないのが残念ですが、その分単純な構造なので、防災用途は別にしてもどちらか一台、家に置いて使うには便利なラジオの一つです。

一気に全てを揃えるのではなく、じっくりと安くて良い品をそれぞれ見付けていくのがいいと思いますが、こういうものが実際の避難生活の中で使えると思うと、ストレスの一つが解消されるかも知れませんので、興味のある方は今回紹介した品をもとに、さらに便利な製品を探してみて下さい。


車中泊をして生命の危機に陥る前に

ここ数日、マスコミでは「車中泊」という言葉をキーワードにした話が語られています。先日の熊本・大分県を震源とする一連の地震によって車の中で避難生活を強いられた人のうち、40代から70代にかけてのの男女がエコノミークラス症候群による血栓が見付かったという話が出てきています。

このブログでは手足が満足に伸ばせない状態での車中泊は推奨していませんが、避難所も一杯で屋内にいると建物が崩れてくる危険性があると判断した方の中には車の中て長期間の避難生活をしている方も少なくないでしょう。これを簡単にやめろという風に言うことはできず、自分だけで避難生活を何とかしないとしょうがない方が多くいる中でどうすればいいのか、考えていきたいと思います。

新聞報道の内容を見ていくと、亡くなった方の一人、51才の女性は17日夜から18日の朝にかけて車中泊をし、18日の朝に車外へ出たところで倒れ、そのまま帰らぬ人となったのだそうです。同じようにたった一日の車中泊でもこのような健康被害が出るということになりますと、安易に車中泊を選ぶというのは大変に危険です。重症になった方がどのような体勢で休んでいたのかを把握するとともに、無理な姿勢で一夜を明かすような事でも危ないという事については、現地で車中泊をしている人には徹底して知らせるべきでしょう。

予防のためにはふくらはぎを揉むことの他、寝られないと思ったら外に出て体を伸ばす体操をするなど運動をこまめに取り、水の確保が難しいとは思いますが水を我慢して飲まないことは避けることなどが挙げられます。幸いにして季節的にひどく冷えることはないので、昼間には手足を伸ばして休息を取れるような場所を作って欲しいと思いますし、昼間から車の中で体を曲げてすわっていることで、さらに症状が悪化することが予想されますので、昼間は外に出て散歩するなど、朝起きてから寝るまでの時間に車内に篭もらないような生活のメリハリを付けることも必要になるのではないでしょうか。

個人的に思うのは、今、被災地でない場所にお住みの方にはぜひ自分の目で確かめてみて欲しいのですが、ひとたび外に出ると、ゆっくりと手足を伸ばしてお昼寝ができるような場所があるかという事です。芝生のある公園は限られていますし、公園に設置されているベンチは、ことごとく一名が座ることができる幅で肘掛けによって区切られ、横になって寝られないようになっています。

これは、路上生活をしている人の寝床として占領されないためだと思うのですが、できればこの肘掛けの部分を特殊な工具で取り外し、今回のような災害時には簡易ベッドとして使えたり、背もたれの部分を長くすることでレジャーシートをかぶせて雨をしのげるようにも変えられるような形にできれば、その分窮屈な姿勢で寝なければならない人を誘導でき、かなりのエコノミークラス症候群になりかねない中高年の寝床として使うこともできるように思えます。

もし公園を最初からそのような場合を想定して作れば、レジャーシートを引っ掛ける金具を同時に設置し、遊具などと組み合わせることによって、一般的な大きさのシートを多人数の人が寝られるスペースに全てシートを張るようにもできるのではないでしょうか。

もちろん、日常的にレジャーシートを張って居座る人への対策として普段はシートを止める金具を利用できないように塞いでおくようになるかも知れませんが、今回の熊本での何もないところに多くの人が集まって夜を明かすような光景を見るにつけ、事前に今ある施設を使って青空避難所にも使える公園として整備しておいたなら、無理に車中泊をする人も減るのではないかと思えるのです。

エコノミークラス症候群は6時間以上同じ姿勢を続けることによって起こるとも言われています。精神的にも参ってしまってなかなか寝られない方は、夜も体のしびれを感じたらすぐ外に出て体を伸ばしたり回したり、そしてふくらはぎを揉んだりしてから車に戻るようなことを繰り返しながら体調の管理に努めて下さい。そして体調の異常を感じた時には早めに看護師や医師の診察を受けましょう。

まだ多くの余震が続き、不安な夜が続くと思いますが、これ以上車中泊が原因で体調を崩す方が出ないことを祈っています。


エリアフリーTV Plus SB-TV06-WRIP その2 アンテナ配線のために必要なもの

今回、新たなチューナーをテレビ配線の中に組み込むわけですが、早速難しい問題をクリアすする必要が出てきました。

というのも、現状では自宅で見られるテレビは一台で、テレビのアンテナ端子は地上波とBS・CSが別になっています。アナログから地上波に変わった時に新たに2つのアンテナを自力で設置したこともあり、特に地上波の感度が悪いので、地上波に関しては地上波用ブースターを付けています。

エリアフリーTV Plusのアンテナ端子は地上波とBS・CSが一つになった端子一つのみなので、いったんアンテナを別の機器につなぎ、そこからテレビ用とエリアフリーTV Plus用に2つの出力を分けなければいけません。アンテナからの出力を分けると当然一つあたりの出力は弱まりますので、地上波用だけでなくBS・CS用のブースターを繋がないと、今まで普通に映っていたテレビが見られなくなってしまう恐れがあるのです。

TVブースター

私の場合は以前からテレビの映りが悪いことがあったので、この手のブースターを購入して持っていて、今回エリアフリーTV Plusを購入するにあたっても手持ちのブースターを使えばアンテナ入力をした電波を増幅して2つの機器に分けて出力できることがわかっていたので購入したということもあります。ちなみに写真のブースターは価格的には1万円くらいはするものなので、私と同じような電波状況の方はこうしたブースターや1つにまとめた電波をまた地上波用とBS・CS用にと分配する分波器とケーブル類の用意も必要になります。

そんな風に接続を終え、テレビの映りが悪いものはないか調べたところ、BS・CSは大丈夫だったものの、地上波のうち一つの放送局が全く映らないことに気付きました。ブースターで出力を上げても、2つの機器に分けたことにより信号が弱くなってしまったようです。

そこで、地上波のアンテナを新たに導入したブースターに接続する前に、今まで使っていた地上波用のブースターを接続し、さらに信号の出力を上げることにしました。今までより使う機器が2つ増えることになるので、一つのコンセントから3つのコンセントが使えるプラグを用意し、全てを繋いでもう一回試したところ、何とか全てのテレビ放送を映すことができるようになりました。

これでようやく、エリアフリーTV Plusを使う準備ができたと言えるでしょう。接続するアンテナを共用している場合、不具合が出ると他の人が迷惑しますので、まずは今まで見られていたテレビ放送が見られなくなることがないように、アンテナ対策は万全の準備で行なうようにしたいものです。


エリアフリーTV Plus SB-TV06-WRIP その1 テレビを持ち出すためのチューナー

過去のブログでも書いたことがあるのですが、車での旅行中にテレビを見たいというニーズはやはり根強くあるものです。スマートフォンでは最近はワンセグだけではなく通常のテレビ放送と同じでサブチャンネルも見ることのできるフルセグ搭載の機種もあります。

ただ、本体内蔵のアンテナでは場所によっては全く映らないことも多いですし、どこでも鮮明に見ることはできません。山の中でも鮮明に見るためには地上波ではなく衛星放送にシフトすれば十分可能ですが、車の中でBSやCSを見るためにはパラボラアンテナとテレビ、そして安定して電源を供給できるサブバッテリーシステムが必要になってしまいます。

個人的にはパソコンに接続して使えるチューナー(地上波・BSCS)をセットで使おうかと思ったのですが、パラボラアンテナにも電源を供給する必要があることもあり、そこまでの装備を持ち運ぶことを考えると大変なので断念した経緯があります。

そんな中、一つの可能性としてあるのが、インターネット経由で自宅のチューナーからルーターを介して外からでもネットでテレビ番組を楽しむという方法です。これまでいろんな製品の内容を見ながら、いろいろ考えていたのですが先日、ピクセラとソフトバンクが共同で出したTVチューナー「エリアフリーTV Plus」がソフトバンクのショップでディスカウントされているのを発見し、試しに購入してみることにしました。

エリアフリーTV Plus

この製品は、受信したテレビの地上波とBSCSの番組をiOS 7.1以降のiPhone,iPadと、Android 4.0以降のスマホ、タブレット(基本はソフトバンクの端末のみ動作確認されています)、Android 4.0以降のKindle Fireでテレビを見られるように出力できるチューナーになっています。

放送を見るためのB-CASカードが付き、アンテナプラグは地上波・BSCS一体の1つのみ、モバイルルーターの接続用には有線のLANポートが一つで、別に録画用のハードディスクがつながるUSBポートが一つというかなりシンプルなものです。

この製品では自宅のWi-Fiルータ経由でスマホやタブレットがあれば専用アプリをインストールすればどこでもテレビが見られる事の他に、3GやLTEというモバイル通信のネットでも自宅で受けたテレビ放送を見ることができるという事があります。つまり、自宅にこのセットを導入して出掛ければ、ワンセグやフルセグの電波が入らなくてもある程度速度が出るLTEや3Gの電波が入るところなら地上波だけでなくBSCSの番組もスマホかタブレット一台でテレビ番組が見られる可能性が出てくるのです。

ちなみに、私が今使っている回線はワイヤレスゲートの最大3Mbpsまで出るという無制限の回線ですが、単純なダウンロードでは規制のためかスピードは上がらず、早くても1Mbpsが出るか出ないかというシロモノです。さらに、自宅のインターネット回線がADSLなので、自宅で受信したテレビ番組をアップロードする速度は下りと比べると極端に遅くなり、そのスピードは600kbps程度とかなり環境としては悪いです。

一般的に標準画質の放送を見るにも1Mbps以上のスピードが欲しいところですから、うまくいったとしてもせいぜいワンセグ画質で見るくらいで、下手をしたら外では全く使えないかも知れないことを覚悟しながら購入したのですが、その点でいうとソフトバンクショップでの価格が5,980円とかなり安くなっていたので思い切って購入することができました(定価は16,800円で、安売りされる前の実勢価格は12,000円前後)。

もし外で見られなかったとしても、現状で自宅のテレビが一台しかなく(^^;)、先日テレビが故障した時にはひどい目にあったので、今ある中で最大の画面を持つ10インチタブレットをテレビ代わりに使えるなら、新たに小さいテレビを買うよりは安く済むのでだめならだめと諦めも付きます。これから、実際に私の環境でこの「エリアフリーTV Plus」がどこまで使えるか連続でレポートさせていただきますので、ご期待下さい。


給水をいただく時のボトルのサイズについて

災害に遭うことを想定しながら防災グッズを用意しても、着の身着のままで家から出てしまうと、折角用意した数々の品物が無駄になってしまう事も想定しておかなければならないでしょう。

特に水というのは、用意しておくべき量が多いですが簡単に担いで運ぶわけにはいきません。個人的にも水をどうして用意しようかいろいろ考えているのですが、今のところいざとなれば重い水を運ぶのは諦めて、給水用の空のボトルを用意しておいた方がいいかなとも思ったりするのです。

ホームセンターへ行くと水用の大きなボトルが置いてありますが:目に付くのは18リットルとか20リットルいうような大きいもので、これをいっぱいにできるくらいの給水を受けることができればかなりの安心感がありそうなものです。

しかし、現実の災害の現場というのは思ったようにいかないことも確かです。熊本の地震により給水が行なわれた一つのケースでは、いくら大きなボトルを持って給水に並んでも、一人に給水される量は6リットルに制限されたのだそうです。

同じ状況が実際に私たちが罹災した時に起こるかはわかりませんが、家族で給水をいただきに並ぶなら、大きな20リットルのボトル一つよりも10リットルのボトルを2人で2個持って並ぶ方が多くの水を給水できる場合もあるということです。家族が多い中ボトルが1つしかなければ、いかに大きなボトルがあっても少ない量しか給水できません。

また、水の重さは20リットルなら20キロあるので、一気に満水まで給水してもらったとしても、持ち帰るのに大変になってしまうことも考えられます。10リットルでも10キロなので、持ち帰る時のことも考えたボトル選びというのも必要になってくるのではないでしょうか。

そういう意味でも、よくスーパーで行なわれているアルカリイオン水のサービス用のボトルに給水して使うというライフスタイルを作る事はいざという時のためになると思います。一回の給水量はスーパーによってまちまちですが、周辺に同じようなサービスを行なうスーパーがあれば、一番一回の給水が多くできるところを選べばそのボトルを災害時にも使うことができます。

給水を受け水を持って帰るのに、慣れないまましっかり口の閉まらないボトルを使ったりすると、帰る途中で貴重な水をこぼしてしまうなど、残念な結果を生んでしまうかも知れません。こうした一連の行動をシミュレートするという意味でも、個人的には普段から給水する用のボトルをそのまま利用するというプランをおすすめしたいです。


いざという時に野営できる環境を車の中に

熊本で地震に遭われた方は本当に不安な夜をお過ごしになったことと思います。余震は本震よりも大きくなることはなかったものの、震源の深さが約10kmと大変に浅い所だったため、地震エネルギーのマグニチュードの値は小さくても、実際に揺れる大きさを示す震度は5から6と高く、落ち着いて寝ることもできなかったのではないでしょうか。

翌朝の様子はテレビのニュース番組で見ることができましたが、避難所に集まっても建物に入ることはできず、グラウンドや駐車場にシートを敷いて集まっている姿が目につきました。もし自分があの場にいたと考えてみると、とにかく揺れが何回も続く中で上から物が落ちてくる危険性がある所には長く居たくないと考えるのは自然なことでしょう。

テレビではそれほど報道されてはいませんでしたが、車中泊をされていた方も多くいたようです。今後、熊本を含む九州地方では雨が降るのではないかと危惧されていますが、そうなると増々車の中で避難しながら寝るような人が増えてくることが予想されます。

限られた狭いスペースの中で家族全員が車の中で寝るという行為を続けることは、過去の事例から言っても最悪の場合命に関わるほどの体調不良の原因になるかも知れません。いわゆる「エコノミークラス症候群」と言って、体を伸ばすことができない体勢のまま長時間同じ姿勢を取り続けていくと血の流れが悪くなり、体の中に血栓ができてしまうことにもなりかねません。

車の中で休まなければならない場合は、フラットな空間が作れるか、このブログで紹介しているようなキャンプ用品を使って比較的安定した姿勢で寝られるようなら安心ですが、単に座席を倒しただけのところに人数分座りながら寝るような事はできる限り避けていただきたいです。

避難所の室内で寝ることが恐ろしければ、家族で交代で寝る人と起きて見ている人を分けながら室内で休むようにするとか、工夫の余地はあります。現地では、多少震源域から離れた場所に改めて避難所を用意したり、郊外の地震被害の少ない宿泊施設などに移ることのできる方法が模索されているようなので、こうした所に移れるような情報を入手するためにも自分たちだけで何とかしようとしないで、多くの人が集まる避難所から出される新たな情報収集に務めましょう。

改めて思うのは、もし事前にキャンプや車中泊の経験があり、テントや地面の凸凹を吸収できるマットがあれば、相当体に与える影響は違うのにと思います。テントは日よけにも雨よけにもなり、地面にしっかり設置すれば多少の天候の変化であっても大丈夫です。

ある程度設備の整った場所に移ることができるまではこうした事前の準備が大切であることは改めてはっきりしたような感じがします。私のいる場所をはじめ、こうした大きな地震は日本のどこで起こっても不思議ではないわけですので、もし車中泊に興味があっていつかはやってみたいと思っている方は、改めて自分の車の中で手足を伸ばして寝られるように工夫することを考えてみて下さい。

家族が多い場合は車に入れない人数分を収容できるキャンプ用のテントやマットの用意というものも必要になってくるかも知れません。テントは室内の避難所生活においても着替えや授乳時など、プライベートを確保できる空間になり得るので、できればペグを使わなくても自立するドームタイプのものを必要と感じる場合は入手されるといいでしょう。

そして、テントやマットは車の中に入れておくのがいいでしょう。今回の地震でも避難した自宅に入ることができない場合がほとんどなので、必要なものを家の中に取りに帰ることができなくなっています。それこそ、車の中にあるもので家族全員が車中泊およびキャンプができる装備を入れておくことで、防災にもレジャーにも役に立ちます。

(2016.4.16追記)

元発言で、本震以上の余震はないと書きましたが、実は本震と思われていた最初の大きな地震が16日未明に起こった地震の前震だったという気象庁からの発表がありました。

私自身が専門家ではないため、報道で発表された内容に基づいて書いたため、結果的に誤った情報を発信してしまい誠に申し訳ありませんでした。現状では当初の熊本を震源とする地震だけではなく周辺を震源とする地震も起こっているようですので、今まで起こった最大級の地震に匹敵するくらいの揺れに見舞われる恐れもあります。地震自体のエネルギーは小さくても震源の深さや場所によって大きな揺れに見舞われる恐れがありますので、頭上の安全を確保して今後に備えていただけるようにお願いします。

そして、雨の対策は身の回りだけではなく、土砂崩れの危険性も考えた上で行動するようにして下さい。