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防災ラジオについての考え方 その6 使用できる電源パターンにはどんなものがあるのか?

ラジオの電源は、前回紹介したような乾電池を入れて使うことが普通のラジオでは当り前ではありますが、いわゆる防災ラジオについてはそれだけでない聞くための方法が色々と考えられています。阪神・淡路大震災から2年度にソニーから発売されたICF-B200にも乾電池を入れて使えるのですが、何とも目立ったのが、大きな折りたたみハンドルが付いていて、そのハンドルを回転させることで内蔵の充電池に充電し、乾電池を使い切ったり電池の用意がなくてもラジオを聞くことができるというコンセプトでした。

この流れはまたたく間に広がり、もはや手回し発電のない防災ラジオはないとでもいう感じに防災ラジオは手回し発電による利用ができるようになっています。手回しの場合は、回す回数とラジオを聞ける時間の関係が当然乾電池よりも少ないので、あくまでも緊急用という感じにはなりますが、乾電池しか使えないラジオと比べると、使えるケースが増えるという点で、防災ラジオとしては使いやすくなります。

また、ちょっと大き目のいわゆるホームラジオの場合、ACアダプターやメガネ型のACケーブルをラジオ本体に差すと、家庭用のACコンセントから電源を使ってラジオを聞き続けることができるものがあります。こうしたコンセントにつながるラジオは、停電時には全く役に立たないと思われるかも知れませんが、最近になって状況が変わってきました。

というのも、防災意識の高いご家庭では、停電時でも家電製品が使える「ポータブル電源」を用意している場合があるので、ポータブル電源のコンセントにラジオを繋げば、電池の減りを気にすることなくラジオを災害時でも流し続けることができるようになったからです。

また、一部の防災ラジオには、本体上のほんの僅かなスペースにソーラーパネルを付け、そこから内蔵電池に充電できるというものがありますが、いくら消費電力が少ないラジオと言っても、太陽の力だけでラジオを聞けるようにするのは難しいと思います。そうした装備の付いたラジオを買うよりも、ポータブル電源およびそれなりの大きさのソーラーパネルをセットで用意し、晴れたら一気にポータブル電源を充電してしまうことで、かなり実用的に使うこともできます。もしすでにポータブル電源とソーラーパネルをセットで持っている場合、あえてAC電源で使えるラジオを防災用ラジオとして選ぶということもそう悪くない選択肢になるのではないかと思います。

また、私が先日購入したキュリオムのYTM−R100は、疑似ACアダプター(USB出力)が使える本体内蔵充電キャパシタへの給電機能があります。USB出力だけでなくUSB入力ができるので、USB端子の付いたACアダプターだけでなく、モバイルバッテリーを直接接続することでラジオを鳴らせるので、手回しよりも楽で早く使え、まさにスマホの充電をするようにモバイルバッテリーを使ってラジオを鳴らせるようになっています。

スマホ用のモバイルバッテリーをラジオの給電に使えるということになると、大きなポータブル電源は必要なくなるので、もしソーラーパネルから充電するにしても、バックパックに展開させるような小さなソーラーパネルでも何とか充電が可能になります。そうした機能のない防災ラジオを使う場合でも、本体にソーラーパネルが付いた防災ラジオよりも、別に購入したより大きなソーラーパネルを使って、あくまで自己責任にはなりますが、エネループのようなニッケル水素電池を充電して使うことも可能になるので、そちら方面への投資(USB接続で充電できるニッケル水素電池の充電器とソーラーパネルの組み合わせなど)を考える方が合理的だと私は思います。そもそも、本体内蔵のソーラーパネルから直接屋外で太陽光を当てるという行為は、ラジオの回路や内蔵電池へのダメージが出るほど本体が高温になってしまうのではと思うので、私などはとてもそういうラジオを買う気になれません。

実際にラジオを使う場合、乾電池でどのくらい使えるかということも大事ですが、手回しだけでなく、様々な外部電源を使っての利用が考えられている防災ラジオもあるので、今持っている防災グッズがあればそれに合わせて充電が可能であれば、その活用を考えてもいいでしょう。何もない状態で一からの購入の場合は、ここまで書いたことを考えた上で、できるだけ動かせる電源回りの数が多い製品を選ぶということも考えてみて下さい。

※今回の一連の投稿をリンク付きでまとめてみました。まとめて読みたかったり、前後の内容を確認したいという方がおりましたら、ぜひともお役立て下さい。

☆防災ラジオについての考え方

前説 なぜあえて防災ラジオについての知識が必要なのか
その1 そもそも小型ラジオには外部アンテナの有無が大事
その2 イヤホン専用ラジオよりスピーカー内蔵のものを買おう
その3 チューニングはアナログ・デジタルどちらにするべきか
その4 AMとFMのどちらが防災ラジオとしては大切か
その5 使用電池は「単三」と「単四」ならどちらが便利か?
その6 使用できる電源パターンにはどんなものがあるのか?
その7 内蔵電源は充電池よりキャパシタ(コンデンサ)
その8 電源回りの機能とその限界について認識しておこう
その9 使わなくてもイヤホンは一緒に持ち歩くことが大事
おわりに 時代とともに理想の防災ラジオのスペックは変わっていく

防災ラジオについての考え方 その5 使用電池は「単三」と「単四」ならどちらが便利か?

今回はラジオに使う電池(内蔵充電池でなく乾電池)について書いてみようと思います。この電池問題というのは、過去の大きな地震が起きた際に色々な問題があったので、その記録としても書いておこうと思います。

今から30年前の阪神大震災の時には、今あるような防災用のラジオというのは無かったのではないかと思います。ラジオ創生期にはテレビの代わりに家に置かれていたホームラジオの時代でしたが、第二次世界大戦後にラジオは一家に一台から一人一台という形に変化し、ラジオも乾電池で動く「トランジスタラジオ」が大いに普及しました。

その後、通勤ラジオとして電車の中でも聞けるようなものであるとか、ラジカセを持ち出すとかはあったものの、災害用ということでは、乾電池式のトランジスタラジオを災害用に流用するような形であったように思います。

それが、阪神大震災が起きそこでのラジオの重要性を感じたメーカーが出してきたのがまだ手回し発電がない頃の防災用ラジオでした。その歴史はソニーのラジオが時代を作ってきたようにも感じます。まず阪神大震災が起こった年1995年9月1日に出たのがICF-B100というモデルで、電池で動くのですが、電池ボックスの形状が変わることによって「単一」「単二」「単三」それぞれ2本あればどの型の電池でも使えるというものでした。さらに電池が切れた時のために、長期間性能を維持できるリチウム電池を常時セットできるようになっていて、4種類の電池が使用できました。実際、大きな地震が起きた場所ではお店から単三電池が一気になくなったということが起きていて、単三電池のみしか使えないラジオを持っていても使えなかったという意見をくんだ製品であったろうと思います。

翌年に単三電池しか使えないものの、別にリチウム電池をセットして使える後継機のICF-B50が出ましたが、さらに翌年(1997年)ついに今に続く手回し発電機内蔵のICF-B200が発売されたのですが、手回し発電のラジオについては改めて稿を設けることにして、今回は今主流となっている小型ラジオ用の電池の中で「単三」か「単四」のどちらを選ぶのかという点について色々と書いていきたいと思います。

災害時に備えるための乾電池というのは、以前であれば「単一」や「単二」を使ったラジオや懐中電灯が普通に使われていたのですが、今では乾電池を使うにしても「単三」か「単四」という感じに落ち着いてきている感じがします。かつては、単三はみんなが使っているので買い占められることによって非常時および、災害に不安を感じる人たちが買いに走る状況の中では手に入れるのが難しいという面がありました。実際、東日本大震災でも震源地から離れた私の住む場所でも普通のお店で単三電池が無いという話がある中、単四電池は入手できたので、支援物資として単四電池とそれで動くラジオ(手回し発電用)を現地で被災した友人に送ったりしました。そんな経験もあり、以前は単三と比べると比較的入手しやすい単四電池を使ったものの方が良いと考えていたこともあったのですが、今は水やポリタンクは無くなっても電池はそうそう無くならないという感じもします。

最初に結論じみた事を言ってしまうと、現代では乾電池については「大は小を兼ねる」ということが言えると思います。単四電池を使うタイプのラジオを持っている人のところに単三電池があっても、その電池はラジオを聞くのに使えません。しかし、単三電池を使うタイプのラジオを持っている人のところに単四電池が届いた場合は、あるグッズを利用すれば単四電池を使って単三仕様のラジオを聞くことは可能になります。

それが、単四を単三でも使えるようにする電池アダプター(スペーサー)です。こういったものは100円ショップでも見ることができると思いますが、私は家電量販店で購入しました。こんなものでも、一般的に2本の電池で動くラジオであれば、このスペーサーを2つ持っていれば、単三2本で動くラジオを持っていれば、単三電池が入手できない場合でも単四電池をアダプターに入れてラジオを使えるということになります。

もちろん、単四電池を使ったラジオの方が本体をより小さくできるわけですが、単三と単四と容量を比べると単三使用の方が長時間放送を聞き続けることができますし、いざという時に単四電池も使えるということになると、あくまで防災用という点で考えればその優位性は明らかでしょう。

過去には単一や単二を使って長時間鳴らすことができるラジオが主流ではあったものの、エネループが普及している状況の中で、電池といえば今は多くの電池は単三・単四電池に寄っているということもあるので、このブログでは防災ラジオで乾電池が使えるものについては、単三でも単四でもスペーサーを使えば使える可能性のある単三電池採用のものを推しておきます。

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☆防災ラジオについての考え方

前説 なぜあえて防災ラジオについての知識が必要なのか
その1 そもそも小型ラジオには外部アンテナの有無が大事
その2 イヤホン専用ラジオよりスピーカー内蔵のものを買おう
その3 チューニングはアナログ・デジタルどちらにするべきか
その4 AMとFMのどちらが防災ラジオとしては大切か
その5 使用電池は「単三」と「単四」ならどちらが便利か?
その6 使用できる電源パターンにはどんなものがあるのか?
その7 内蔵電源は充電池よりキャパシタ(コンデンサ)
その8 電源回りの機能とその限界について認識しておこう
その9 使わなくてもイヤホンは一緒に持ち歩くことが大事
おわりに 時代とともに理想の防災ラジオのスペックは変わっていく

防災ラジオについての考え方 その4 AMとFMのどちらが防災ラジオとしては大切か

ここまで、色々書いてきましてロッドアンテナ・スピーカー付き、アナログorデジタル(DSPラジオ)については個人の好みというところまで書いてきましたが、今回はラジオで聞けるバンドについて書いてみたいと思います。

多く販売されているラジオは「AM専用」「FM専用」なんてものもありますが、最初から結論を言ってしまうと、できればAMとFMの両方が聞けるラジオの方がどちらかが聞けなくなったような場合には別の放送で急場凌ぎができるので、ここは素直にAMとFMの両方が聞けるラジオを用意した方が良いと思います。

また、多くの人にはあまり関係ないとは思いますが、AM・FMとは別に「短波放送」も聞けるラジオというものもあります。短波というのは遠くまで届くので、海外から発信したものが日本でも聞けたり、その逆もできますので、海外旅行にラジオを持って行く際に短波の聞けるラジオと簡易的なアンテナをセットにすれば、NHKが海外にいる日本の方向けに放送しているラジオジャパンを現地から直接聞くことができます。インターネットのない時代は、ラジオからの情報が大切だったので、世界のラジオ局がどんな発信をしているかということを、短波の聞けるラジオを使ってニュースソースにする「ラジオプレス」という通信社もあります。かつては日本国内で短波放送を聞くことが趣味として流行ったこともありました。

ただ、今の時代はインターネットが旅行先でも使えるので、そこまで短波放送にこだわることはないと思います。国内用の短波放送としては、ラジオnikkeiが全国をエリアにした放送を行なっています。昔は株式市況か競馬が主でしたが、最近では他の放送もあり、Radikoでも聞けるので、興味のある方はどうぞ。

ラジオnikkeiは、もし地元の放送設備が全て天災で使えなくなってしまった場合にそうした広エリアで利用できる短波放送の需要もあるかも知れませんが、FM局なら災害中継車を出すことでも電波は出せますし、そこまで今の時代は短波放送にこだわることもないでしょう。ただ、海外からの放送を直接聞けるというのもラジオの醍醐味ですので、興味のある方は短波放送の聞けるラジオを防災用として準備するのも、ちょっと防災という観点からは逸脱しますが、短波の聞けるラジオは外部アンテナ端子も付いていたりしますので、小さなラジオではうまく放送局が入らないようなケースでは一つの候補にはなり得るのではないでしょうか。

話は戻って、AMとFMに関する話になりますが、昨今のニュースで見たり聞いたりされている方もいるかと思いますが、民放のAM局が将来的に維持コストのかかるAM放送を止め、放送をFM波に引っ越すことになっています。現在すでにFMでの同時放送をしていますので、もうFMラジオしか聞かないという人もいるかも知れません。NHKの二波は2026年に統合され一波での放送になるとは言え、AMでの放送はしばらくは残ると思いますが、設備の老朽化も激しいので今後もずっと続く保証はありません。そんなわけで、近い将来AM放送で聞ける局が激減し、FMに移行するのは確実だろうと言われています。そのため、以前はアナログテレビに割り当てられていた周波数に多くの民放AM局が入ることになったため、いわゆる「ワイドFM(108MHzまで)」が聞けるラジオを用意すべきです。古いラジオでもアナログ選局で「テレビの音声が聞ける」ことを売りにしたモデルは、アナログchの1~3まで目盛りが広がっているものなら、ワイドFMが聞けると思いますので、持っている方は試してみましょう。

さらに、以前にも書きましたがより地域に身近な情報をラジオを通して提供してくれるのは、大きな民放ではなく地域コミュニティの中で発信している「コミニュティFM局」であり、災害時の生活情報はやはりコミュティFMを聞き続けることが大切です。ということで、あえてAM・FMのうちでどちらが大切かと問われれば、やはりFMをきちんと聞けるものが好ましいということが言えますね。

ただ、オワコンのAMについてもNHKが放送を止めるまでは聞けるようにしておく意味があります。AMは短波ほどではないものの、かなり広い範囲で放送を聞けるような特性を持っています。NHKの第一放送と違って全国同じ内容を放送する第二放送については、秋田送信所・熊本送信所(500kW)や大阪送信所(300kw)という大出力の放送がされており、場所にもよりますが、普通のラジオで昼間でもその内容を遠方からでも聞けるようになっています。NHKの一波統合後も高出力での送信は続くと思いますので、災害時の貴重な情報源として秋田や熊本からの電波を全国で聞くような事もあるかも知れません。

また、AM放送は複雑な受信回路を必要とせずとも聞くことができるので、古い技術である「鉱石ラジオ」(「ゲルマニウムラジオ」)でもアンテナを工夫すれば地元局ぐらいなら聞くことができます(注・FM用のゲルマニウムラジオも存在しますが、実際に聞くことを考えるとAM用のものの方が一般的なのでここではAM用のゲルマニウムラジオについて書きます)。このゲルマニウムラジオは電池を必要とせず、クリスタルイヤホンからささやくような音で電波が来ている限り聞くことができるので、これはもう究極の災害用ラジオだとも言えるかも知れません。もし以前に学習用にゲルマニウムラジオを作っていて、まだ家のどこかに眠っているという方がいたら、ぜひ探してみて改めて今使えるかどうかを試してみてはいかがでしょうか。

そんなわけで、改めて今回の結論ということで言いますと、防災ラジオとして使うのは主にFM局になり、将来のためにもワイドFM対応でAMと2バンドのものを用意すれば間違いないと思います。短波が聞けるラジオについては、趣味で使われている延長として使われるのが良いかと思います。

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☆防災ラジオについての考え方

前説 なぜあえて防災ラジオについての知識が必要なのか
その1 そもそも小型ラジオには外部アンテナの有無が大事
その2 イヤホン専用ラジオよりスピーカー内蔵のものを買おう
その3 チューニングはアナログ・デジタルどちらにするべきか
その4 AMとFMのどちらが防災ラジオとしては大切か
その5 使用電池は「単三」と「単四」ならどちらが便利か?
その6 使用できる電源パターンにはどんなものがあるのか?
その7 内蔵電源は充電池よりキャパシタ(コンデンサ)
その8 電源回りの機能とその限界について認識しておこう
その9 使わなくてもイヤホンは一緒に持ち歩くことが大事
おわりに 時代とともに理想の防災ラジオのスペックは変わっていく

防災ラジオについての考え方 その3 チューニングはアナログ・デジタルどちらにするべきか

ここまで、私が考える防災ラジオについてロッドアンテナがあり、スピーカーがあるものということで書いてきました。次に考えたいのは、チューニングをする場合の違いについてです。その方法については大きく2つに分かれるだろうと思います。

ひとつが、昔からのラジオではおなじみの、ダイヤルを回して表示されている周波数のところにダイヤルを合わせ、選局する「アナログ方式」で、もう一つが液晶画面があり、画面に直接周波数が表示される「デジタル方式」の二つに分類されます。あと、細かいことを言うと、デジタル方式の中でも、内部の回路をICチップにして全ての処理をデジタル化した「DSPラジオ」をデジタル方式のラジオとして紹介するこします。そこで、従来のアナログ方式のラジオとの違いについて簡単にまとめてみることにします。

DSPラジオは、アナログラジオのように複数の部品を組み合わせるのではなく、一つのICチップに全ての機能が入っているので、アナログラジオと比べて故障しにくく細かな調整が不要です。さらに、混信も少なく本体も小さく作ることができます。そして、選局もデジタル表示・オートチューニングができるので、ラジオ局の周波数がわからなくても、聞こえる局だけダイレクトに同調でき、よく使う放送局をプリセットしておけば、放送局をいちいち探さなくても一発選局できます。今まであまりラジオを使ってこなかった人にとっては、アナログと比べて使いやすいラジオになっています。

逆にアナログラジオは、長く使っていると部品の不具合が起き、故障する可能性があるとか、使い慣れていないとそもそも放送局の選局ができない(ちょっとでもずれているとうまく受信できないため)とか、デジタルと比べるとアナログの悪い面が際立つようなところがあります。ここまで読んで、「アナログラジオはめんどくさそう」と思った方は、素直にデジタルの「DSPラジオ」を防災ラジオとして選択するのが良いだろうと思います。

ただ、デジタルのDSPラジオにもウィークポイントはあります。まずアナログラジオと比べて電池食いであることです。これは、乾電池を入れて使っている場合には感じにくいかも知れませんが、容量の少ない内蔵の充電池(手回し発電でためるところ)で利用できる時間がアナログと比べて短くなります。同じ回数回しても、満充電に手回してして聞ける時間が少なくなり、それが実用に耐えないと思う方もいるかも知れません。

また、音量について、アナログではボリュームを微調整することができますが、DSPラジオはテレビと同じで音量を数字で示すような感じで変化していくので、無音(0)と鳴りはじめ(1)の間がありません。アナログラジオの場合は微調整することによって、0.5とかの音量を出すことができますが、DSPラジオの場合はそういうことはできません。枕元でスピーカーを使って聞いたり、イヤホンで聞いている時も、音量1でも大きいと思ったとしてもそれ以下の音量になるような調整ができないのです。

また、アナログラジオはDSPラジオと比べて少ない電力でも動きます。アナログラジオを使っていて、手回し充電で満充電にした場合の持続時間が長くなるだけでなく、充電池が空になる前に音量が小さくなったとしても、無理にボリュームを上げることで、電池の切れるギリギリまで何とかラジオを鳴らす時間を伸ばすことも可能です。特に手回し発電しかできないようになってしまった場合の使い勝手(電池持ち)はアナログラジオの方が良いと言えるでしょう。

選局についてはデジタル一発選局と比べると難しいですが、これは慣れもあると思います。旅行などで地方に行った場合、適当にダイヤルを回しながら良く聞こえる局を聞く(場所によっては全く予期しない遠方のAM局が聞こえることもあります)ような事はアナログラジオならではの楽しみだと私は思うのですが、これは個人差があるのでその事からアナログかデジタルかを選ぶ理由にはならないと思います。

最後に自分なりの結論として、アナログかデジタルかを決める目安について書いておきます。防災用という観点からすると、同じ電池を入れたり、同じように手回しした場合により長くラジオが聞けるアナログの優位性はありますが、そもそもいざという時にラジオを使えないと意味がありません。アナログのチューニングが難しいと思うなら、素直にデジタルのDSPラジオを選ぶのが良いと思いますし、日常的に使いながらアナログラジオの操作方法を自分のものにしたいと思えるのであればアナログラジオの方を選ぶとか、その人のニーズに合ったラジオを選ばれるのが良いでしょう。

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☆防災ラジオについての考え方

前説 なぜあえて防災ラジオについての知識が必要なのか
その1 そもそも小型ラジオには外部アンテナの有無が大事
その2 イヤホン専用ラジオよりスピーカー内蔵のものを買おう
その3 チューニングはアナログ・デジタルどちらにするべきか
その4 AMとFMのどちらが防災ラジオとしては大切か
その5 使用電池は「単三」と「単四」ならどちらが便利か?
その6 使用できる電源パターンにはどんなものがあるのか?
その7 内蔵電源は充電池よりキャパシタ(コンデンサ)
その8 電源回りの機能とその限界について認識しておこう
その9 使わなくてもイヤホンは一緒に持ち歩くことが大事
おわりに 時代とともに理想の防災ラジオのスペックは変わっていく

防災ラジオについての考え方 その2 イヤホン専用ラジオよりスピーカー内蔵のものを買おう

防災ラジオと言葉では言いますが、何をもって防災ラジオなのかという定義というものは実際のところありません。ということは、家に普通に聞けるラジオがあれば、それを災害時に使えるように準備しておくというのも立派な防災用ラジオの準備の仕方であると思います。ただここでは、最低限どんなラジオを防災用に用意すべきかということについて考えてみます。

前のエントリーで、ラジオにはアンテナが大事だと書きましたが、ラジオの大きさとアンテナの関係にはAMとFMで二つの考え方があります。AMの場合はラジオが大きければ大きいほど性能の高くなるバーアンテナが内蔵されていますが、FMについては、アンテナは伸ばすロッドアンテナにしろ、イヤホンをアンテナの代わりにするような形にしろ、アンテナが長くなればそれだけ色々な放送局が入る可能性があります。超小型でイヤホン専用のラジオなんてものもあり、片手で隠れてしまうような超小型のFM専用ラジオを防災ラジオとして常時持ち歩いていて、ウォーキング時に使っているような方もいると思います。

ただ、災害時のあらゆる状況を考えてみると、イヤホン専用のラジオというのはどうしても一人で情報を独占するということになるので、避難所で夜に一人で聞くのには良いのですが、複数人で同じ放送を聞くことができないので、その点が残念になります。さらに、ロッドアンテナの代わりにイヤホンコードをアンテナ代わりにするイヤホン専用ラジオは、それなりにコードを伸ばさないと良く放送局が入らないので、寝ながらイヤホンで聞こうとしてもうまく放送が聞けない可能性もあります。

ということで、防災ラジオとして用意するならイヤホン専用でアンテナの代わりにイヤホンコードを使うタイプのラジオよりも、短くてもロッドアンテナがあって、スピーカーもちゃんと付いているものの方が様々な場面で能力を発揮しやすいのではないかと思われます。もちろん、スピーカー付きだからと言って、イヤホン端子のないもの(あるのか?)を買ってしまったとしたら、一人で静かに聞くことができなくなりますので、そういうのは避けて、イヤホンもセットの中に用意しておくと良いでしょう。

スピーカーの場合、実際に出てくる音が自分にとって聞きやすいかどうかというのは、実際に聞いてみなければわからない所もあります。今の世の中ではなかなかラジオの試聴というのも難しいと思いますが、ネットの口コミなどでそうした点に触れているレビューを見ながら、普段遣いでも聞いていて疲れないようなものが理想ではあります。逆に家にあるラジオがあれば、それを聴き比べてみて聞きやすいものを基準に新しいラジオとの比較をしてみるのも良いでしょう。

イヤホンで聞ければいいと思っている方で、一人でしか聞かないという方でも、ずっとイヤホンを付け続けるというのは特に災害時にはストレスになる可能性があります。そんなわけで、災害用にラジオを用意する場合には、「ロッドアンテナ付き」「スピーカー付」のラジオをまずは選ぶようにしましょう。

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☆防災ラジオについての考え方

前説 なぜあえて防災ラジオについての知識が必要なのか
その1 そもそも小型ラジオには外部アンテナの有無が大事
その2 イヤホン専用ラジオよりスピーカー内蔵のものを買おう
その3 チューニングはアナログ・デジタルどちらにするべきか
その4 AMとFMのどちらが防災ラジオとしては大切か
その5 使用電池は「単三」と「単四」ならどちらが便利か?
その6 使用できる電源パターンにはどんなものがあるのか?
その7 内蔵電源は充電池よりキャパシタ(コンデンサ)
その8 電源回りの機能とその限界について認識しておこう
その9 使わなくてもイヤホンは一緒に持ち歩くことが大事
おわりに 時代とともに理想の防災ラジオのスペックは変わっていく

防災ラジオについての考え方 その1 そもそも小型ラジオには外部アンテナの有無が大事

ラジオはいざという時に目的とする放送が聞けなければいけません。しかし、以前の私のエントリーを含めネット上の多くの防災ラジオについて書かれたページには、一番大事なラジオの感度についての記述はあまりないように個人的には思えます。

インターネットのようにセットすれば鮮明な画像と雑音のない音声が流れてくるのに慣れている人から見ると、多くの防災ラジオは、雑音が入ったりうまく選局できないという事が実際に使っていれば起こってくるでしょう。「気軽に持ち運べる」「荷物にならない」小型ラジオというのは、ほぼそれほど感度が良く作られていないというのが実際のところなのだと思います。

普通、ラジオ放送というと「AM」と「FM」の二バンドを聞けるようになっていることが多いと思います。防災ラジオを含むポータブルラジオでは、AMとFMのアンテナが付いていますが、まずはその内容について書いていきたいと思います。

まず、AM放送を聞くためのアンテナは、本体の中に入っている棒にコイルを巻いた「バーアンテナ」が入っていることが多いです。このアンテナは、大きく長ければ長いほど遠くの放送を聞けるようになっています。さらにこのバーアンテナには指向性があり、放送局の方向に正しく向けることで感度が上がります。もし手持ちのラジオがあれば、AM放送を受信した時にラジオをぐるっと一周回してみると、その方向によって強く入感したり、音が小さくなることを実感できるのではないかと思います。AM放送を聞く時には本体内蔵のバーアンテナを使うしかないので、非災害時にラジオを部屋のどこに置き、どの方向に向けたら良く聞こえるかを試しておくと、いざという時に慌てずに済みます。

さて、今回改めて防災ラジオを使うために大事な点の一つとして、「アンテナ」というキーワードを挙げました。上記の通りAMを聞く場合には、アンテナの性能は内蔵バーアンテナの大きさに比例するので、小さなラジオではもはや感度を劇的に上げることは難しいのです。さらに、AMとFMにおける劇的な変化が今現在起こっていることをご存知でしょうか。送信設備に多大な費用のかかるAM放送からFM放送へ、多くのAMで電波を発信しているラジオ局は現在FM波での同時放送をすでに行なっています。つまり、今まではAMラジオでなければ聞けなかった放送局も、そのかなりの局がFMラジオで聞けるようになってきたのです。

さらに、FMでは地域全般をカバーする県単位の放送局だけではなく、自分の住む地域に根ざした「コミュニティFM局」が放送を行なっています。そして、もし大きな災害が起こった場合、自分の住む地域の事を事細かに発信してくれるのも「コミュニティFM局」である可能性は高まっています。AMとFMについて詳しくは別項目で改めて書きますが、大事なのは少なくともFMの聞けるラジオにおいて、住んでいる場所によっては聞きにくい小出力の「コミュニティFM局」を聞くためにはどうすれば良いかを考えることが大事だということです。

ラジオのFMアンテナは伸び縮みするロッドアンテナが多くの防災ラジオには付いていますが、このロッドアンテナを伸ばし、聞く場所を窓の近くにしたり、ロッドアンテナを回したりして何とか地域のコミュニティFMが聞ければ良いのですが、FMはAMと違って、何とか自分でラジオの感度を上げられる可能性のある「外部アンテナ」を接続することで、感度を上げる方法があるということがあります。

専用のアンテナ端子がなくても、ケーブルをロッドアンテナに引っ掛けたり巻いたりしたり、アルミホイルを巻いたりなど、ラジオの感度を良くするための方法がネット上では紹介されていますが、私は災害時だけでなく旅行時にも使えるように、専用の外部アンテナをわざわざ購入して用意しています。

写真の本体の中に巻かれているワイヤーを伸ばしてカーテンレールに吊り下げることによって、FMや短波ラジオの感度を上げるためのものですが、私の実感ではそこまで劇的に感度が変わるものでは実はありません。どちらかと言うと、地元の災害用チャンネルを放送するコミュニティFM局が最低限聞こえるくらいの感度アップがあれば良いと思いながら使っています。ですから、まずは手持ちのラジオで実際に色々と聞いてみて、不満点があるような場合に導入を検討しましょう。ただ、小型の手回し発電ラジオというのは、どうしても受信性能やアンテナが貧弱であることが多いので、うまく目的の放送局を捉えられずにラジオを投げ出してしまう方もいるかも知れません。

でも、簡単に諦めるのではなく、そのラジオだけでなく他のラジオに接続しても使えるアンテナを使えるようにしておくことが、いざという時に役に立つ可能性もあります。もし今自宅にある小型ラジオをとりあえず防災用として使おうとして挫折した方は、そうしたアンテナの導入を考えてみられてはいかがでしょうか。

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☆防災ラジオについての考え方

前説 なぜあえて防災ラジオについての知識が必要なのか
その1 そもそも小型ラジオには外部アンテナの有無が大事
その2 イヤホン専用ラジオよりスピーカー内蔵のものを買おう
その3 チューニングはアナログ・デジタルどちらにするべきか
その4 AMとFMのどちらが防災ラジオとしては大切か
その5 使用電池は「単三」と「単四」ならどちらが便利か?
その6 使用できる電源パターンにはどんなものがあるのか?
その7 内蔵電源は充電池よりキャパシタ(コンデンサ)
その8 電源回りの機能とその限界について認識しておこう
その9 使わなくてもイヤホンは一緒に持ち歩くことが大事
おわりに 時代とともに理想の防災ラジオのスペックは変わっていく

防災ラジオについての考え方 前説・なぜあえて防災ラジオについての知識が必要なのか

東日本大震災から14年が過ぎ、阪神大震災から30年が経過しました。現在、日常的な情報収集のグッズというのはインターネットを利用したスマホ一択というくらいに進化してきています。今後、低高度を飛ぶ通信衛星とスマホを直接やり取りできるような通信環境が当り前に使えるようになれば、もはやいかにしてスマホを使い続けられるようにスマホの電源を何とかすることによって、今回説明する「防災ラジオ」の出番はなくなってしまうことも考えられます。そしてそういう世界はもうすぐそこに来ていると実感できる時代に私たちは生きています。

今回は「ラジオ」というキーワードで色々と考えていきたいと思っているのですが、スマホの電波が安定して使えている状況であれば、ラジオを取り出して放送を聞くよりも、スマホアプリやブラウザを利用してインターネットラジオを聞く方が個人的にはおすすめだと思います。今回は防災ラジオとの比較で考えますが、持ち運びをすることを考えると、ラジオ自体のサイズはそれほど大きくは作れないので、感度があまり良くなく、さらにノイズに弱く近くの放送局でも全く聞こえなくなる可能性があるのが防災および携帯ラジオであるのです。

しかしインターネットラジオの場合、ノイズとは無縁で、本来はモノラル放送であるはずのAM放送の同時配信ではステレオで音質の良い状況で今放送されているラジオを聞くことができます。さらに、ラジコの場合、プレミアム会員(有料)になると地域の放送だけでなく全国の民放局を聞くことができます。こんなことはどんな優秀なラジオでも不可能です。昼夜関係なく全国の放送局を自由に聞けるのは、インターネット網の発達あってのことで、こうした事と同じことを防災ラジオに期待することは無理です。

しかし、それでも単体のラジオをスマホと一緒に持ち運び、情報収集の補助として使うというのは、テレビと違ってラジオはスマホと比べると極めて電気を使わないで利用可能だからです。手回し発電でスマホを満充電することはまず無理なのに、防災ラジオの場合手回し発電をすれば数十分から1時間くらい連続で聞けるというのは、ラジオというハード自体がそれほど電気を食わないで使えるからということで、電力を得ることが全くできない場合の望みになります。ただ、果たしてそこまで停電が続いて電気が使えない極限状況というものが起こるのかというのが、防災ラジオを用意するか否かの分かれ道になることは確かでしょう。

今回は、スマホ以外に防災ラジオを備える場合の考え方について、自分で忖度することなくまとめてみることにしました。長くなるので項目ごとに分けて書くようにしますが、ネットで「防災ラジオ おすすめ」と検索して出てくるサイトに書かれていないような事をたくさん書けるように構成してみますので、興味のある方はぜひ今後の内容をご覧ください。なお、全ての内容を書き終えましたら、全体を見られるようなリンクを改めてはらせていただきますので、どうぞよろしくお付き合い下さい。

※今回の一連の投稿をリンク付きでまとめてみました。まとめて読みたかったり、前後の内容を確認したいという方がおりましたら、ぜひともお役立て下さい。

☆防災ラジオについての考え方

前説 なぜあえて防災ラジオについての知識が必要なのか
その1 そもそも小型ラジオには外部アンテナの有無が大事
その2 イヤホン専用ラジオよりスピーカー内蔵のものを買おう
その3 チューニングはアナログ・デジタルどちらにするべきか
その4 AMとFMのどちらが防災ラジオとしては大切か
その5 使用電池は「単三」と「単四」ならどちらが便利か?
その6 使用できる電源パターンにはどんなものがあるのか?
その7 内蔵電源は充電池よりキャパシタ(コンデンサ)
その8 電源回りの機能とその限界について認識しておこう
その9 使わなくてもイヤホンは一緒に持ち歩くことが大事
おわりに 時代とともに理想の防災ラジオのスペックは変わっていく

防災ラジオの実力派キュリオムYTM-R100はあえて手回しや乾電池を入れて使わないようにする事で別の味が出る

インターネットでラジオを聞く便利さに今はどっぷりはまっている私ですが、それとは別に物としてのラジオも好きで、コレクションのようについ集めてしまっています。先日は防災ラジオの東芝TY-JKR6を購入してレビューしたばかりなのですが、先日またコレクションを増やしてしまいました。キュリオム(山善のブランド)のYTM-R100です。

私が手回し発電のできる防災ラジオを購入する場合の第一の選択は、ラジオやライトを使うために蓄電する電気を、10年間使わなくても利用可能なキャパシタ(コンデンサー)にためられるかどうかということです。内蔵のニッケル水素電池やリチウムイオン電池という「電池」に電気をためる防災ラジオの場合、化学反応で蓄電する電池の場合、数年使わないと蓄電が極端にできなくなる可能性があるので、残念ではありますが国内のラジオ製造では大手のパナソニック・ソニーの防災ラジオは私の購入の候補には全く上がっていません。

防災ラジオについては、先日購入したばかりで同じ国内メーカーの中で唯一キャパシタを内蔵している東芝の手回し充電ラジオ「TY-JKR6」を持っているのですが、今回購入の「YTM-R100」を含めてまずは2機種の比較をしながら、その性能の使い勝手について具体的に見ていきたいと思います。

まず、ラジオを扱い慣れている人といない人とで使い勝手に大きな差が出てくる点がその「選局方法」にあると言えるでしょう。スマホは画面上のものを含めボタンを押すことでアプリを動かすことが普通な人からすると、このYTM-R100が採用しているダイヤルを放送局に合わせる「アナログチューニング」というのは目的の放送局に合わせるのが難しいのではないかと思います。アナログはデジタルと違ってぴったり放送局の周波数に合わせることはできず、大体の周波数のところにダイヤルを合わせつつ、アンテナの向きを調整しながら一番良く聞こえる場所にラジオを置く必要があります。この選局自体が慣れないと大変なので、いざという時にアナログチューニング式のラジオを使える自信がないという方は、デジタル表示の一発選局ができるタイプのラジオ(今回比較対象のTY-JKR6はそのタイプ)を選ぶべきだろうと思います。また、アンドロイドのスマホを使っている場合、スマホ自体がFMラジオになるアプリと回路がスマホ内に入っている場合があります。その際の操作はアプリの操作でスキャンしてボタン一発選局できるので、全てをスマホ一台で済ませる方が良い可能性もありますね。

では、なぜ古くからあるアナログ式の選局方法のラジオを使うのかということですが、それはデジタル方式のものより同じ容量の電池で長く使えるという、防災ラジオの基本を抑えているからです。TY-JKR6で手回しでキャパシタを満充電した場合、スピーカーからラジオを聞ける時間は、AMでもFMでも連続約15分というカタログ値ですが、YTM-R100では、同じ条件でのカタログデータは、FMで約40分、AMだと約60分とTY-JKR6よりも最大45分も長くラジオを聞き続けることができます。また、電気が切れてきて音が小さくなっても、ラジオのボリュームを上げることによってまさに残った電気を絞り出すように聴取時間を伸ばすこともアナログ方式の良い点です。デジタルの場合、一定の電気がないとどうやっても絞り出すような電気の使い方はできないので、本当に困った時の防災ラジオとしては、アナログ方式のものの方が良いというケースが多いのではないでしょうか。

また、YTM-R100は東芝のラジオに採用されている単四電池2本で動くのではなく、より大型な単三アルカリ電池2本で動くようになっています。ちなみに、TY-JKR6にアルカリ乾電池を入れた場合、AMとFMともスピーカーから連続30時間聞き続けられるのに対し、YTM-R100はFM120時間・AM180時間と桁違いの持続性を誇ります。災害時に電池を入れて使える状況であれば、もう電池切れの心配をしないで聞き続けられるだけの体力をYTM-R100は持っています。それでいて大きさはそれほどTY-JKR6と変わらないので、こまめに手回し、電池交換をするのに問題がなく、一発選局に魅力を感じるならTY-JKR6を普段持ちのラジオにするのも良いでしょうが、災害時を考えると色々考えないで使えた方が私は良いと思うので、YTM-R100の方がより実用的だと思います。

ちなみに、メーカーの方ではエネループのような充電式の単三型電池の使用は感電や故障の原因になるということで、名確にその使用を禁止していますのでご注意下さい。ただ、このラジオは付属micro-Bケーブルとモバイルバッテリー(5V/2A以上・容量5000mA以上を推奨)を接続することで内蔵のキャパシタに充電できるだけでなく、疑似外付バッテリー、さらには疑似ACアダプター(USB出力のある汎用ACアダプターでの利用も可)でも使えるようになっています。

試したところ手持ちのエネループを入れても使えました。これはあくまで自己責任の上で行なうことなので、個人的にオススメできる使い方かどうかは何とも言えません。そんな感じでエネループを入れて使うことに躊躇される場合には、モバイルバッテリーを接続しての利用ができるのも実はこのラジオを使う場合の大きなポイントです。取扱説明書にある「5V/2A以上・容量5000mA以上」のモバイルバッテリーはスマホを充電する場合、比較的早く使い切ってしまいますが、ラジオの充電および連続使用に使うのであれば、乾電池以上に長く使える可能性があります。そして、価格についても安価に購入できるでしょう。

モバイルバッテリーを接続してこのラジオを使い続ける場合、過充電になってしまうのではないかという危惧を覚える方もいるかと思います。この点については説明書にそうした恐れについての記載がない事に加え、このラジオについてのレビューをネットで検索してほぼ唯一きちんとしたレビューとして出てきたブログ「もうこんな時間なの!?」では、外部電源orACアダプタで内蔵キャパシタを充電した場合、およそ3分でほぼ満充電、7分で満充電になるだろうというUSBチェッカーを使ったデータ込みの調査結果や、バッテリーやACアダプタをラジオとつなぎっぱなしにしても、恐らく問題ないのではという見解が書かれています。もちろん、外部から充電するため、バッテリーやACアダプタをつないだまま使うとノイズが乗る恐れもあるわけですが、私が使ってみた場合はそこまでナーバスにならなくても何とかバッテリーを接続した上で使えました。

写真のように、バッテリーと空になったYTM-R100を接続すると、モバイルバッテリーのランプが付いて充電が始まります。上記ブログで書かれている通り、大体3分ぐらいでモバイルバッテリーからの給電が終了しました。データ通りこれだけで手回しで充電しなくてもキャパシタにモバイルバッテリーから給電を繰り返せば普通に使うにはまず電源に困ることはないでしょう。このラジオは満充電された状態でラジオを聞いている時には、本体のバッテリーマークのLED(緑)と周波数の同調マークのLED(赤)が両方点灯しますが、そのまま電源に接続しないで使っていると、半分くらい使ったところで赤の同調LEDが消え、その後、ラジオは聞けるもののバッテリーマークの緑LEDが消えたら充電のタイミングになります。上の写真のようにラジオ本体とモバイルバッテリーを接続して充電するようにすれば、スマートに使い続けられるようになるわけです。

さらに、私が用意した持ち出し用災害対策グッズの中にリュックの中に入る小さめのソーラーパネルがあるのですが、ラジオを使わない時にそれを使ってモバイルバッテリーの充電ができます。ラジオ自体それほど大きな電力を必要としないため、モバイルバッテリーの電力使用量もそれほど多くありません。スマホをモバイルバッテリーで充電するのと比べると、ラジオだけならソーラー発電でも短時間で使用分の補給は可能でしょう。使わなくなったモバイルバッテリーをラジオ用として一緒に持っていれば、あえて乾電池を用意しなくても長時間停電の際でもラジオの利用が可能になりますので、このラジオを購入した方はそうした準備をして持ち出すことを個人的にはおすすめします。

実際、避難所でラジオを聞きたくても、夜間などは手回しで発生する音が周りの迷惑になるかも知れませんし、バッテリーに接続して3分で空のキャパシタが満充電されるなら全く周りに迷惑がかかりません。満充電の上スピーカー利用でも大体一時間くらいはラジオを鳴らせるわけですから、就寝時の自動スリープタイマー付きのラジオとしても日常的でも災害時でも便利に使えるようになりますので、応用範囲も広いですね。今回改めてモバイルバッテリーと直結しながら使っても、非接続時との極端な違いは感じなかったので、結論として乾電池も手回し発電も使わないで使うやり方で外に持ち出し用のラジオとして今後使ってみたいと思います。雨の時など、ケーブル接続を使えない場合に外で使いたい場合には雨が入らないように端子の部分のゴムカバーはきっちりすることだけ気を付ければ、十分実用になります。

今回は、製品の大きなポイントである手回し発電を使わないというやり方で、このラジオの使い方が相当化けるという結果になりました。昔の技術であるアナログチューニングの小電力消費と大容量キャパシタ、さらに疑似ACアダプタやモバイルバッテリーからの充電が可能という機能が合わさったことで、現代のスマホ回りの電源関係グッズと相性が良いという稀有なラジオになっていることはもっと多くの方が知って欲しいと思います。

東芝の防災用手回し発電ラジオTY-JKR6をあえて購入した理由とその他のおすすめ

2021年に販売を開始した、東芝の災害用ラジオTY-JKR6を改めて購入してみました。現在、手回し発電ラジオはTY-JKR6の前機種であるTY-JKR5を持っているので、同じようなラジオは必要ないと言われればその通りかも知れません。ですが、今回通常の価格より安く5千円弱で売り出されていたので、使い勝手などを比較してみることにしました。今後、防災用ラジオの購入を考えられている人の参考になれば幸いです。

まず、二台の大きさを比較してみました。JKR5の方が小さくて重さも軽いです。今でもJKR5に対する自分の評価は高く、個人的におすすめしたい防災ラジオであるのですが、JkR5は2016年発売で、ホームベージを見ると生寒終了になってしまっています。それは、2021年に発売になったJKR6という後継機があるので、今後は次第に新品が買えなくなるのではないかと思います。これを書いている現在、JKR5はそれなりに値段も高くなっていますし、そこまでお金を出すのなら、もっと別の選択肢もあります。

JKR5のJKR6との大きな違いは、大きさもありますが、ラジオがアナログチューニングで電池持ちが良い(JKR6と比較して)ということが挙げられます。今回購入したJKR6は、一つのICによって選局・検波・復調という動作を行なうデジタル方式のDSP方式を採用しています。部品が少なく調整も必要ないので簡単に組み立てられ、特にFMの感度が高いと言われています。ただ、従来のアナログ方式(JKR5や低価格のダイヤルチューニング式ラジオ)と比べて多くの電力を消費するので、同じ電池を入れても聞き続けられる時間が極端に少なくなります。以前もこのブログで紹介しましたが、JKR6を手回し充電でなく単四アルカリ2本でFM放送をスピーカーで聞き続けた場合の連続利用時間が30時間であるのに対し(手回しだと一回15分)、JKR5の方は40時間(手回しでは40分)と、デジタルとアナログで電池持ちはかなり違います。

もし、もう少し大きくして電池が単四ではなく単三2本であればと思いますが、単三2本でアナログ方式、しかも東芝の防災手回しラジオと同じキャパシタに蓄電するタイプのラジオが有ります。山善のYTM-R100がそれで、手回しでFM放送をスピーカーで聴ける最大が60分で、単三アルカリ電池を入れると驚異の120時間も聴けます。ですから、ホームラジオとして使いながら非常用としても使うなら、YTM-R100で良いと思いますが、今回は私がなぜTY-JKR6を買い足したかということについて書かせていただきます。

また、JKR5との比較になりますが、内蔵のロッドアンテナはJKR6の方が長くなっています。デジタルのDSP方式であるJKR6の方がFMの感度が良いと書きましたが、さらにFMラジオを聴く場合にはアンテナの性能に左右されますので、多少でも長い方が安定した受信ができるということになります。ラジオはAMに限るという方も当然いると思いますが、現在は多くのAM局がFMでの同時放送を行なっておりますし、私の住む市の広報を流したり大きな災害が起こったり、津波警報が出た時に地域の情報を流し続けるのは地域のFM局になりますので、FMの感度というのは意外に大きなポイントになります。

さらに、JKR6はデジタルチューニングで、AM・FM局それぞれ3局のメモリーができますので、自分の住む地域で何か大きな災害が起こった時、ラジオのスイッチを入れてボタンを押すだけで目的の放送局をピンポイントでつかまえることができます。この点が私には大切でした。JKR5でも同じことができるのですが、本体だけでなくチューニング用のつまみも小さいので、デリケートな作業が例えばこれからの季節、寒さで手がかじかんでしまった場合にはなかなかうまく放送局を受信できないというような事が起こるかも知れません。防災用手回しラジオの中では、デジタルチューニングのプリセット方式というのはこのラジオが唯一なので、デジタルラジオでの電池の持ちの悪さは我慢しても、外に持ち出して何かあった場合に外でもすぐにラジオを聞けるようになるというラジオの操作性というのは大切だと思います。

ただ、プリセット方式のラジオの場合、自宅のある地域から動かなければ良いのですが、車中泊の旅で地元でない旅先で災害に遭遇した場合には逆に放送局をオートチューニングで捉えにくい(特に山の中では電波が弱くなるので)、かえってアナログチューニング方式の方が出力の強い放送局を見付けやすいということはあります。ですから、今回購入したJKR6は通勤バッグの中に忍ばせて、ローカル局をプリセットしておき、いざという時にはピンポイントで情報を得るためのラジオとして活用しようと思っています。基本的にはエネループでも動くので、手回しはしないで電池駆動で使うことを想定しているので、デジタルDSPラジオ特有の連続使用時間が短い点もそこまで気になりません。

ただ、これはあくまで私の場合なので、あくまで手回しにこだわりたくないのなら安くて性能の良いラジオを防災用として使うのも良いですし、いざという時に電池がないのが怖いということであれば、手回し機能の付いたここで紹介したラジオも参考にしていただけると幸いです。

いざという時に備える「防災ラジオ」について「手回し発電ラジオ」以外の入口から考えてみると

昨日、YouTubeの動画を色々見ていたところ、恐らくYouTuberの方でしょうか、防災ラジオについての動画があるのを見付けました。興味ある内容だったので見てみたところ、今まで自分で考えていた結果とはかなり違ったアプローチをしていました。

そこで、改めて「防災ラジオ」と検索をして出てきた動画を色々見てみたのですが、多くの動画で「防災=手回しラジオ」という感じのものが多く、その手回しラジオについても、手回しで発電する電気でスマホを充電するような形の紹介もありましたが、ガラケーの時代なら通話やメール用の電気をためようと思ったかも知れませんが、スマホのバッテリーを充電するにはかなり気の遠いくらいハンドルを回さなければならず、現実的ではないような気がします。

ちなみに、いわゆる全部入り防災ラジオとして売られているものは、手回しハンドルとともに小さなソーラーパネルも装備されており、色んな形での電源が取れるので安心といった論調で紹介している動画もちらほら見受けられました。ただ、本格的にソーラーパネルを使ってポータブル電源を充電されている方は、小さなラジオの僅かなスペースにソーラーパネルを置いたとしても、緊急時にはほとんど使えない可能性が高いと私は思います。さらに、普通の手回しラジオを非常用持出袋に長く入れていても、いざという時には内蔵のニッケル水素電池が劣化してしまっていて使い物にならない可能性が高いと思われます。手回しはあくまでラジオを聞いたり、本体に付いているLEDライトを光らせるためだと割り気った方が私は良いと思います。

では、お前はどんなラジオを防災用とするのか? という疑問はおありかと思います。ただその前に、手回しラジオの呪縛から離れてみると、違ったものが見えてきます。

まず、多くの防災用をうたった多機能ラジオというのは、本来のラジオとしての性能については疑問を持ってしまいます。当然、今後は日本の民放AM局は無くなる方向で進んでいますので、「ワイドFM」対応(古いラジオでもアナログテレビの1~3chを聞けるものであれば大丈夫です)のラジオを揃えるという点については異論はありませんが、現状での手回し発電ラジオの中では、電源として劣化しにくいキャパシタを内蔵していてニッケル水素電池搭載機よりかなりマシな東芝の「TY-JKR6」、「TY-JKR5」や、太知ホールディングの「ECO-5」でも、FMロッドアンテナも短いので、ラジオの受信感度はかなり低いと言わざるを得ません。

大きな地震でラジオ局の送信設備がだめになり、遠方からの放送局が出す電波の受信が命綱になるような場合は、手回しして充電してもいっこうに放送が聞こえないというような事も起こり得ます。私は、そういう場合にはニクロム線をロッドアンテナに付け、そのニクロム線を家の窓際にあるカーテンレールに垂らすことで簡易的なアンテナを作ることで、多少感度は改善するものの、ラジオ自体の感度が低ければ、雑音の奥から放送された情報を引き出すことは難しくなるのではないかと思います。

だとしたら、まず考えたいのは、ロッドアンテナが長くて感度もよく、単三乾電池あたりで動くアナログチューニングのできる機種、例えばパナソニックのRF-P155(横型)かRF-P55(縦型)あたりで十分だと思います(ソニーの同型機は高額になってしまっているので今回紹介は割愛します)。両方とも単三電池2本で動きますが、電池は入れっ放しにせず、そもそもアルカリ乾電池を使わないようにすることで、防災用としてのメリットが多く出てきます。

どういう事かというと、アルカリ電池の代わりに充電式の単三型電池であるエネループを使うのです。エネループは購入してすぐ使えるように充電されており、長期間使わなくても電池の残量が結構残っているという特徴があります。メーカーホームページによると、スタンダードタイプであれば、一年後の残量は約90%、十年後でも70%が残っているということです。ちなみに、上記ラジオの仕様では、マンガン電池を使ってスピーカーを鳴らしても、24時間以上連続で使えるくらいの消費電力なので、スタンダードエネループの4本パッケージを買って、電池を入れないラジオと一緒に非常用持出袋に入れておけば、一緒に入れた非常用食料の賞味期限切れのタイミングで動作テストをしつつ、エネループを充電しておけば、次の非常食のリセットのタイミングでは余裕で使える状況だろうと思います。

エネループはラジオ用だけにしてはもったいないです。メーカーではUSB経由で充電が可能な充電器も売っていますので、いざという時にはモバイルバッテリーやポータブル電源を使ってエネループの充電が可能になるので、非常用のランタンや懐中電灯、ヘッドライトも単三で利用できる(単一仕様のランタンの場合、単三を単一として使えるスペーサーがあるので、その利用が便利です)ものに統一しておけば、情報以外に明かりの問題も解決します。

実際、私のところではかなり多くのエネループを持っているので、いざという時には手回し発電ラジオを使うより、より高感度で聞くことのできるラジオから安定した感度で情報を聞くようになると思います。もちろん、手回しラジオにも良い点はありますが、外に出ていて夜に罹災し、電池の購入が不可能なケースには役立つでしょうが、その場合(地震直後)にはスマホから情報を得ることができる可能性も大きいでしょう。でしたら、小さなスピーカー付きラジオとイヤホン(スマホ用の有線イヤホンでOK)、さらにエネループをかばんの中に入れておき、いざという時使うようにした方が合理的です。同時にライトの電源として使い、使った分はローテーションさせながら常に満充電されたエネループを持っていれば、単三が使える別の家電にも使える可能性があるので、手回し発電で何とかするよりも緊急時には役に立つと思うのですが。防災ラジオの機能に注目するのではなく、実際に何か起こった場合にすぐ使えるか、きちんと放送を聞くことができるか、という観点から考えた方が良いのではないかと思います。