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降雪の中で車が動けなくなった時こそガソリン車のエンジンを掛け続けてはいけない

稀に見る大雪で国道上での立ち往生が続いている新潟県内で、また悲惨な事故が起こってしまいました。

新潟県柏崎市内で27才の女性が自宅前に停めていた車の中で一酸化炭素中毒を起こした疑いがあるそうです。その際の柏崎市内は停電が続いていて、その女性は外から帰宅しようとして車の中で暖を取っていたのか、自宅内ではまっ暗で暖も取れないので車内に移りエンジンを掛けてスマホの充電や暖を取ろうとしたのかはニュースの内容からはわかりませんが、恐らくエンジンを掛けたままの状態で車のマフラーが雪で埋まってしまい、排気ガスが車内に入ってきたのではないかと見られています。

こういう場合は電気自動車であれば良いのですが、排気ガスを出すガソリン車やハイブリッド車で夜を明かすならば、この場合は無理をしてでも自宅に戻り、ありったけの毛布や布団をかぶって寝た方が良かったということになります。雪が降り続く中でエンジンを掛けたまま車中で過ごしていると、いつマフラーが雪で塞がるかの確認が車内ではできないので、大変危険な状態にあるということは、例年こうしたニュースが流れるたびに明らかになっているのですが、それでもなおこうした事故が起こることは本当に残念でなりません。

過去には車内でカセットガスストーブを付けていて一酸化炭素中毒を起こしたりした事例もあります。雪国にお住まいの方でも、なかなか車の中で夜を明かすための準備まではしていないのかと思われますが、どうしても車内で雪の降りしきる中で過ごさなければならない場合に、何を準備すれば良いのかということについて考えてみます。

まず、雪が降り過ぎて車自体がすっぽりと埋まってしまい、自力で脱出が不可能になった場合に備え、常にスマホの電池を充電できる体勢を取っておくことが大事です。車内ではどうしても情報を得るためにスマホを連続して使いがちになりますが、その充電を車のシガーソケットだけに頼っていると、充電中にはずっとエンジンを回さなければなりません。充電中にうとうとしてその間にマフラーが雪で埋まってしまったらそこにはすぐ命の危険が迫ります。冬の時期は普通のお出掛けでも高容量のモバイルバッテリーを普段使っているものとは別に用意しておき、車から出られないとなった場合にはスマホで正確な位置情報をつかみ、消防などへのSOSを自ら発信できるようにしておきたいものです。

そして、車内で夜を明かすことになった場合、普通の自動車は車内の断熱が良くありませんので、外気温と同じくらい車内も冷えてしまいます。そんな中で寝るためには、できれば毛布よりも冬用の寝袋を用意しておきたいですね。また、電気も車のエンジンも使わずに身体を暖める方法として、使い捨てカイロを車内に常備しておき、できればその場合、手に持って冷たい場所を暖める一般的なものと、シールが付いていて身体に貼るタイプのものを両方用意しておき、低温やけどに注意しながら使うというのが一番現実的です。

車中泊旅行をしている場合にこうした大雪に見舞われた場合には、事前に天気予報などで最悪道路上で立ち往生が起こる可能性が高いと判断できそうな場合には、今は昔よりは手軽に電気毛布を長時間使えるくらいのポータブル電源が手に入るので、出掛ける時には電気毛布と電源をセットで持ち出すくらいの用意は大切だと思います。その際、電気毛布はタイマーで電源が切れるものにしておくと、寒くなったらまた付けることで同じ容量のポータブルバッテリーでも使える時間が長くなるので、電気毛布購入時にはそのような機能もチェックしておけば良いのではないでしょうか。

話を最初の事故の話に戻しますが、降雪時の車内での対応についての正しい知識があれば、亡くならずに済んだ命であると思うと、雪でマフラーが埋まってしまう怖さについてもっと広く知らせるべき情報であると言えるでしょう。エンジンを掛けたままにするなら、複数の人が交代で車外に出て、マフラー周辺の除雪をしながら使うなどの手間を掛けないと本当に危険です。大雪での立ち往生が予想される地域にお住まいであったり、その場所へ出掛ける場合には、しっかりとした準備をした上で非常時に備えていただければと思う次第です。


冬の時期は停電時の明かりの選択肢を増やしつつ安全性にも配慮するための準備をしよう

私の住む静岡県はまだまだ暖房の出る幕はないくらいの天気ではあるのですが、北海道では初雪が降るなど、徐々に冬の足音がしていることは確かです。そんな中で、大きな災害というのはいつ起こるかわからない中で、改めて何を準備すべきかということは改めて問題になってくるだろうと思います。

日本には四季があり、どの時期に災害が起きても厄介ではあります。ただしここでは11月以降の冬の時期にあった方が良いものという観点で考えていきます。他の季節であれば、停電時の明かりについては電池を使って広い範囲を照らせ、それなりに長く使用することができるLEDを使った電池式ランタンがあればいいと思うのですが、冬の場合には「明るさ」だけではなく「暖かさ」が求められます。灯油を使った暖房を使用している方であれば、普段は使っていなくても停電時に使うために石油ストーブを普段の暖房の呼びとして用意しておくだけでも、停電時には明かりとしての役目も一応は果たすので、それなりに役に立つと思います。

ただ、石油ストーブ自体は電気は使わないものの、ファンヒーターと比べると多くの灯油を消費するので、暖房の常用として使うには現在の灯油の価格が上がっていることも考えると、あまり得策ではないという気もします。最近では、一部のポータブルバッテリーからの電力供給で動く石油ファンヒーターもあるようですが、そのために停電時にポータブル電源の充電はできるのか? という問題もあります。

そうなってくると一軒家か集合住宅か、外から冷気が入るか入らないかというところも関係してくると思うのですが、石油ストーブで部屋を暖めないと動くこともできないような地域や環境であれば、とりあえず安いものでも石油ストーブを一台、普段でも使いながらいざという時に備えることをおすすめしたいと思います。私自身過去にはカセットガスを使った暖房器具を持ったこともありましたが、長時間安定して使える燃料としての灯油というのは心強く、特に毎年冬に灯油を購入しているなら、普段使っている燃料が使え、ゴミも出さない灯油が使える器具の方が良いと思います。

ただ私の環境の場合、部屋を閉め切れば外からの冷気をかなり抑えることができるだけでなく、日中は日の入る部屋で過ごしていれば(その日の天気が晴れであることが条件ですが)、暖房要らずの地域に住んでいるので、そこまで気を利かせて普段使わない石油ストーブを一台増やすということについては考えてしまいます。

停電になったら湯たんぽを作り、寝床やこたつの中に入れれば一応の暖は取れますが、夜に部屋の空気が冷えることについてはつらい場合もあります。そのため、非常用のキャンドルを用意し、実際にろうそくに火を付けることで部屋の空気を暖めるような事も考えてキャンドルは複数用意しています。ただその際、地震による停電である場合は余震によってキャンドルが倒れて火事になってしまうことが恐いので、倒れても火の回る範囲をコントロールできるように、金属製のバットの上に火器を置いて消火用の水も常に用意し、決して火から目を離さないような二次災害を防ぐ対策とセットでの利用が必要になると思います。

普段は石油ファンヒーターを使っていて冬の間はご自宅に灯油があるような場合には、そこまでの暖房効果は期待できないものの、「明かり」として使えるだけでなくそれ自体が炎で暖められて部屋の空気を暖めることが少しではあるもののできる、オイルランタンを使うのも十分有りです。ただ、その場合はローソクと違って、非災害時にも使っていないと、いざという時に満足に火も付けられないかも知れません。長期にわたって使うには替芯が必要になりますし、灯油でオイルランタンを使うと煤が出ますので、その対応もしながら使うということになると、お出掛け先でLEDランタンだけでなくオイルランタンも使って、その操作に慣れること自体が災害対策になります。

厳冬期には車の中に避難して、車内で石油ストーブを使って中毒事故を起こしたりすることもありました。それでなくても、アイドリングをしながら暖房を付けっぱなしにした場合も、雪でマフラーが塞がることによって排気ガスが車内に充満する恐れがあるので、車内泊をする場合には寝袋に入り、さらに湯たんぽを併用するような方法がおすすめです、LEDランタンは中毒事故を起こさないということもあるので、様々な状況に備えて、複数の種類の「明かり」を用意することを考えるということも今後必要になってくるでしょう。


ソウル・梨泰院での転倒事故に学ぶ危機回避能力の持ち方について考える

新型コロナによる活動自粛の空気が和らいだ中で到来したハロウィンの季節に、お隣りの韓国で大きな事故がありました。先日、日本でもリニューアルしてドラマが日本人俳優によりテレビで放送されたことで話題になった飲食店が立ち並ぶソウル・梨泰院におよそ10万人の人々が押し寄せ、150人を超える犠牲者が出た転倒事故が発生したのです。

当時の状況を高いところから撮影した動画を見ていると、日本の岡山県西大寺で行なわれるはだか祭くらいの密度で人々が接近していました。お祭りの方は屈強な男衆が褌一丁の状態でご神木を奪い合うのですが、裸なのでコスプレによる触っただけで痛いような服を着ていませんし、お祭りの参加注意事項としてメガネおよび飲酒の禁止という事がありながら過去に死亡事故は起きています。いかに今回の梨泰院の路地が危険であったかという事が映像を見るだけでもわかってきます。

人が集まることによる危険というのは今回の事故の動画を見れば明らかですが、それでも人は吸い寄せられるように人の集まる場所を目指すようなところがあります。花火大会で大きな事故になった明石市の歩道橋の時も、駅から次々に出てくる人がいて、事故が起こっているのに人の流れを止めることができずに被害が拡大するようなことがありました。

基本的には、自分の思った通りに歩けないくらい人が出ている場所に入り込んでしまった場合には、とにかくその場所から離れ、自分の意志で動けるぐらい余裕のある人のいない場所へと早めに避難することが大切だと思います。こうした状況はお祭りやイベントの時だけではありません。かの関東大震災の時には火事で焼け出されて避難した多くの人が逃げ場を失って多くの人の尊い生命が奪われてしまいました。その際は人の集まり方もすごかったと言いますが、何とかして家財道具だけでも持って逃げようと多くの荷物を持って出た人が多かったことも、その場から逃げられずに災害拡大の原因になったそうです。

今後国内で大きな地震や火事が起きたような場合、それが大都市であれば地震・火事そのものというよりも人があまりにも集まり過ぎることによる被害の拡大が心配されます。すぐ先に安全な避難場所がある場合であっても、そこへ行く途中に人の波に流されるような感じを持った場合は、安易に人の波に乗って進むことの危険性についても考えるべきでしょう。あえて危険な場所へ人の波の反対側に進むということもまた違うと思うのですが、とりあえずは自分の身の安全が保全できる場所に留まり、そこからどう動くかということを冷静に判断した上で動くようにすることを個人的には心掛けたいと思います。

今回の事故で被害に遭われた方に対してご冥福をお祈りすると同時に、このような痛ましい事故が起こることのないように、皆で考えていくことができればと思います。


100円ショップで買えるマグカップを簡単にコーティングするために米を炊く

先日このブログで紹介した、100円ショップで売っているステンレス製のマグカップを使った湯沸かしセットは、思いの他効率よくお湯を沸かすことができ、ほぼ全て100円ショップで買えるものでセットを組んでいるので、使っていても周りの人たちを身構えさせない(アルコールストーブには高価なものもあり、どうしても道具の自慢になりがちなので(^^;))というのも良い点だと思います。

今回は、湯沸かしした後の片付けを簡単にするために、カップの内側に皮膜を作ることにしました。といってもやることはお米を炊くだけです。今回は0.5合のお米をだいたい100ccの水に浸け、炊飯にチャレンジしました。ちなみに、これから紹介するステンレスマグカップでのお米の炊き方は、汎用の蓋が無いということもあるので、ユーチューブでグルーブストーブを製作している「りるびわ~くす」さんの炊き方を参照しました。

といってもやることは簡単で、0.5合の場合は約15mlのアルコールを使い、グルーブストーブクレセントの上にカップを載せ、簡易鍋蓋の小皿を載せたまま火にかけます。しばらくすると水が沸騰してきますので、その時点で蓋を取り、必要に応じてかきまぜながら蓋をしないで煮ます。泡が出ることを確認しながら火に掛け続けるとしだいに泡を吹かなくなってきます。さらに、同時に匂いも確認して、焦げ臭い匂いが出る前に火から下ろします。こうすると中の水を盛大に吹きこぼすことが無くなり、食感の良いご飯が炊けます。火から下ろしたら改めて蓋をし、タオルでくるんで15分~20分くらい蒸らすと以下のようになりました。

最近はほとんどアルミ鍋での炊飯だったため、ステンレスでなおかつ蓋をしない炊き方は慣れないものでしたが、何とか普通に炊くことができました。考えてみると、アルミ鍋を使っている「アルポット」のお米の炊き方も、沸騰した後は蓋を開けて炊くという方法なので、決して蓋を取らないということをしなくても大丈夫なのですね。

また、焦げ臭い匂いがする前に火から降ろしたこともありましたが、焦げることもなくうまく炊けたと思います。その代わり、目視したり匂いを感じたり、火を付けたらそのままというような自動炊飯というわけにはいきませんでしたが、それでも普通では火にかけて炊飯することなど想定されていないステンレスカップでも十分にご飯が炊けることについて試して良かったと思いました。
これで、カップ内部に薄い膜が付いたと思いますので、何もせず単に湯沸かしを続けているカップと比べ、お手入れがしやすくなるのではと期待しています。使っていくうちに効果が薄れてきた場合には再度お米を炊くようにすれば元に戻るということなので、今後ますますいざという時に備えるクッカーセットはこれで十分という感じもしてきました。

このセットの基本はお茶を飲んだりカップ麺を作るだけのものですが、逆に災害時にこのセットを持っていて、最少セットでどこまでやれるか試すということも、今後の炊飯チャレンジはやって良かったと思っているところです。


アルミ缶を切って作る「グルーブストーブ クレセント」がようやく量産できるように

車中泊やキャンプ用に野外でも調理できる火器について、昨今ブームの焚き火ではなく、私はコーヒー沸かしに使う燃料用アルコールを使ったアルコールストーブをメインに使っています。

当然ながら、煮込むような料理には適さないので、その時にはカセットガスの使えるバーナー(カセットコンロ)を使いますが、野外で何をするかというと、炊飯と湯沸かしぐらいしか使わないなら、アルコールストーブが一番経済的に不燃ごみも出さないので、かなり前からアルコールストーブをメインに使用しています。

アルコールストーブは国産や海外産のものを購入して使っていたのですが、アルコールストーブは他の(ガス・ガソリン・灯油)ストーブより構造が簡単なので、アルミ缶を加工して自作している人が結構います。ただ、過去に紹介した100円ショップで販売していたアルコールストーブが、使用上の注意を守らない使い方をすると爆発するようなこともあり、自作するのは躊躇していました。それは、注入したアルコールが燃焼中に外に漏れ出さないようにしっかり蓋をしたりするようなタイプのものは恐くて作れないと思っていたということもあります。

しかし、底の部分から切り出したアルミ缶に、筒状に切り出して折り曲げ加工したアルミ缶を組み合わせるだけで市販品にも劣らない性能が実現できる「グルーブストーブ クレセント」の存在を知り、とにかく作ってみたのが、以下のリンクの記事ですが、作った当初は調整が難しく、作っても安定した性能を引き出すことは難しいものでした。

グルーブストーブ・クレセントの製作は手持ちのクッカーに合ったストーブになる

ただ、上のリンクにあるように、一度折り曲げたところをさらに溝を作るように加工するよりも、差し込んだ時の高さを調整するだけで、私の場合は安定した結果が出るようになりました。それまでは5mmから7mmくらいで作っていたものを、10mmを目安にして作り、あとは実際に燃焼させて上に乗せるクッカーから炎がはみ出さないくらいに調整してやると、本体加工は軽く折り曲げるだけで安定した性能が出せることがわかりました。上記リンクの追記欄に写真を付けたのですが、ここでも同じではありますが、出来上がりの写真を紹介しておきます。

これなら、手持ちの安定して使えるグルーブストーブの寸法をそのまま計って、寸法通りに作れば、作業にむらがあるとは言え、ほぼ同じものが完成します。小学校の図工の授業ぐらいの難易度で、カッター・工作用はさみ・定規・マーク用のマジックペン・紙パンチ・型紙取り用のコピー用紙・セロテープといった災害時の避難所に指定されやすい学校には必ずある道具とアルミ缶があれば作ることができます。

当然ながら避難所でアルコールストーブを使う場合は外に出て使用するなど細心の注意は必要なものの、焚き火のように地面をこがしたり大きな音を出したり、匂いや煙を出す心配のないアルコールストーブをピンポイントで使えれば、お茶を飲んだりカップ麺用のお湯を作るツールとして十分使えるのではないかと思います。写真のストーブは直にカップを載せられる「ゴトクいらず」のストーブであるということも、災害時には心強いと思います。

しかも事前にアルコールストーブ本体を用意することもなく、必要なだけどこにでもありそうなアルミ缶を使って作ればいいだけなので、作り方を知っている人を増やせば、冷たいお弁当と冷えたペットボトルを冬の避難所で食べたり飲んだりするような状況が変わってくると思います。今までは作っても性能がバラバラだったので他人に使ってもらうのにも躊躇するような感じだったのですが、今後は興味がありそうな人には作ってあげるというより、その作り方を教えてあげるようにしたいと思います。


スマホが使えない状況で公衆電話から正確に電話を掛けるためのアプリについて

昨日はまた夕方になってかなりの量の雨が降ってきました。自然災害というのはどんなところで発生するかわからず、様々な可能性について考えておくことが必要になるのではないかと思います。

先日の静岡県で長時間続いた停電がありましたが、自宅では停電はなかったのですが、停電している地域に住んでいる人のスマホに電話しようとしてもつながらず、それは停電中になぜかスマホが使えなかったという事があったようです。

もしそんな事が自分の身に降り掛かってきた場合、スマホの電源は入っているのに電話を使うことができなくなったら、連絡をするにも困ってしまいます。そこで一つの可能性としてあるのが、近くにある公衆電話のところまで行き、硬貨を使って発信することだろうと思います。大きな災害になると、出張の公衆電話が置かれたり、お金も掛からなかったりしますが、前にも書いた通り、最低限10円や100円という硬貨は持っておいた方が良いでしょう。

ただ、その時に気を付けなくてはいけないことがあります。通常の場合は、スマホの電話帳を目視してその電話番号を直接手入力して発信すると思うのですが、もしボタンを押し間違えてしまったら、せっかく用意した硬貨が無駄になってしまいます。そこで、私が過去に使っていたあるものの存在を思い出しました。

それは、「オートダイヤラー」という基本電子メモリーに名前と電話番号を記憶させておく電話帳のような機械なのですが、本体の裏にスピーカーが付いているのが特徴です。メモリーした電話番号に電話を掛けたい時に、電話機の送信側のところにスピーカーを付けてボタンを押すと、プッシュホンで出るDTMF音が再生され、音だけで正確に相手につながるという便利グッズでした。

人々が携帯電話やスマホを持つようになったことで、こうしたグッズは過去のものになりましたが、今でもスマホのアプリとして、DTMF音をスマホから出すことのできるアプリが存在します。私のスマホはAndroidなので、Google Playで「DTMF」と検索すると出てくるアプリの中で、使いやすそうだったのが「Simply DTMF Tone Generator」というアプリでした。

このアプリは連絡先との連携が可能で、直接画面の数字ボタンを押してDTMF音を出せるだけでなく(他のアプリはこの機能しかないのでほぼ使い物にならない)、「RECORDS」というタグを選び、「ADD CONTACT」というボタンを押すと連絡先との連携が促され、OKを押すと連絡先の中から電話を掛けたい番号を選ぶことができるようになります。そうして一旦アプリに番号を記憶させた上でDTMF音を一気に発信することができます。

これを使うと自分のスマホから、連絡先に登録してある電話番号なら、固定電話でプッシュ回線を使っているもの(ボタンを押すとピッポッパという音が鳴るのですぐわかります)や、公衆電話からの発信をスマホの操作だけで一気に行なうことができるようになるわけです。普段は全く使わないと思いますが、自分のスマホから発信ができないような状況でも電話したい場合のため、お守り代わりに入れておいても良いアプリではないかと思います。iPhoneでも同じようにDTMF音を出すことのできるアプリはあると思うので、「DTMF」をキーワードにしてSimply DTMF Tone Generatorと同じように連絡先の電話番号データをそのまま使って電話が掛けられるアプリを探してみると良いでしょう。


Jアラートが当初間違った地域にも通知されたことからその対応を考える

昨日(2022年10月4日)朝に一部地域に通知された「Jアラート」の情報は、たまたまその時テレビを付けていなかったので、ツイッターの通知によって知りました。幸いにして私の住む地域への警告はされなかったものの、テレビでは全国放送の中でJアラートが出たことを中心に情報が流れましたので、かなりびっくりした方もいたのではないかと思います。

今回の警報については、本来は東北や北海道方面に飛んできたと考えられるので、最初東京の島(小笠原など?)への警報というのは、はっきり言って間違った情報であったと言えます。地震の場合は全国にある地震計が記録する数値を読み取って緊急地震速報が出るので、そのアラーム音にかなりやられてしまうということはあっても、大きな揺れが来る前に身がまえることで、対策らしきものはできますが、Jアラートについてはどうしたら良いのか、正直わからないということですね。

政府の説明では、もし日本国内にめがけてミサイルが発射されるようなことがあった場合、着弾する前に迎撃して空中でミサイルを爆破するというミサイル迎撃の仕組みがあるということではあります。しかし、国民へ向けたアラートを出す地域を特定できない時点で、今後も発射したことはわかるものの、その詳細を明らかにするためには時間がかかるということを覚悟しなくてはならないでしょう。

自宅や学校、職場など地域で生活をしている場合にはテレビからの情報を確認しながら、その状況を見守るしかないでしょう。改めて、今回はもし車での旅をしている場合にJアラートが出た場合、どうすればいいのかということを考えてみましょう。

自分の住む地域から離れて旅をしている場合、例えば音楽を聴きながら運転している場合で、Jアラートの対象地域ではない場合には、スマホのアラームも鳴らないので、そもそもJアラートが出たことすらわからないという状況は十分考えられます。

ですから、大切なことは、音楽を聴いているような時でも、道路上の電光掲示板(特に高速道路上の渋滞表示されているようなもの)には、通常時でも注目することが大切だと思います。もしJアラートが出たらそこから情報を入手するしかないわけで、もしそうした情報を得たら、音楽を消して地域のローカルラジオ(NHK・民放どちらでも良い)に切り替え、速度を上げないで次のSA・PAまで走り、そこで改めてどんな情報があるのか確認しましょう。

ほとんどの場合、今回と同じように日本列島を飛び込えてミサイルが着弾するようなことで、国内での影響は出ず、スムーズに自宅まで帰ることができると思いますが、もし本当に国内のどこかがミサイルで被害を受けてしまったら、かなり物々しい警戒がされることになると思います。交通機関および高速道路についても通行止の措置が行なわれる可能性もあります。ここでも大事なのは、そうした情報の入手です。通行止めを回避する形で帰ってこられるようなルートをナビ任せではなく自分で作ることも必要になってきます。

とりあえず、高速道路のサービスエリアには近隣の地図が入った高速道路ガイドが置いてあると思うので、最悪の場合にはこの地図を見ながらどこを通って帰るのかという検討が必要になることも考えておきたいです。ただ、地図は非常時には必要とする人によって一気にどこのサービスエリアに行っても品切れになってしまう可能性はありますので、通常時にもらっておいて、車のダッシュボードにでも忍ばせておくことも必要になるかと思います。

Jアラートに関係なくても、バッテリートラブルで車から電気を取ることができないままスマホの電池も切れてしまうようなトラブルも無いとは言えません。そんな時には電気を使わなくてもルート検索や調査ができるものが道路地図というところもあります。もし自分の車に道路地図を入れていないという方は、出掛けた際にでも無料でもらえる道路地図をもらっておくことをおすすめします。

あと、車の旅であれば多少荷物が増えても困らないと思うので、帰ってから人にあげるお土産を考えている場合には、できるならすぐ食べることのできるお菓子などをお土産にして早めに買っておくこともおすすめします。基本的に、よほど好きな人でないと、食べ物でないお土産というものは、もらった当初は有難がられても、いわゆる「捨てられないもの」として厄介なものになりがちです。いわゆる食べてなくなる「消えもの」というのは、手軽にその地方の名物を味わってもらえるというメリットの他に、非常時には非常食にもなります。これからの季節には、「新そば」「新米」をお土産として買っていく方もいると思いますが、キャンプをそこまでやらない方でも、最低限の野外調理キットを車に積み込んで出掛けることで、水からお湯を作れたり、お土産として買ったものを調理して食べることができるので、いざという時に役立つと思います。

雪で立ち往生した場合にエンジンを掛けずに暖を取るための一つの方法として、雪を鍋に入れて水からお湯を作り、簡易湯たんぽを作って温まるという方法があります。その場合には高温のお湯を入れても大丈夫で、熱が外にも伝わるようなナルゲンボトルとセットで持ち出すと、あとはそのボトルをタオルでくるめば、簡易湯たんぽになりますので、せっかく車で出掛けるなら、それくらいの準備をして出られることをおすすめしたいですね。


水くみの行列を無くし停電時やエレベーターのない場所にも水を届ける工夫

ここ数日静岡県は残暑で日の光がめっぽう強く、静岡市清水区では全国からの善意の水が届いているものの、給水車を待っている高齢者の中には熱中症になってしまった方もいるという話も出てきています。それにも増して大変なのは、水を入れてもらったあと、その重い水をどうやって自宅まで持ち帰るかということもあります。

車で運べる方は便利ではあるのですが、歩いて水を汲みに来ている人は、坂道があったり、自宅が高台にあったり、さらには停電した場合の高層マンションや元からエレベーターのない集合住宅にお住まいの方は、水を持ち帰るためには相当の体力的負担があるということを考えなければいけないと思います。

そもそも、給水所に来る方には色々な人がいますが、持って来る容器の大きさによって持って帰ることのできる水の量が決まってしまうので、大きなポリタンクを持っている人はいいですが、水容器が何もなくて使い終わったペットボトルしかないような方は大変になります。

そこで、一つの可能性として「誰でも運べるくらいの量に小分けして運ぶ」という過去の災害時に実行された方法にもう一つ工夫を加えることで、給水所での行列を無くす方法について、私の考えを書いてみたいと思います。

具体的にどこの場所で行なわれていたのかは失念しましたが、とある集合住宅で、給水塔の水が無くなり、停電だけでなき建物全体で水が出ない状況になった時、恐らく集合住宅の自治会の方が行なったと思うのですが、まず建物入口に500mlの水の入ったペットボトルを置いておき、自分が必要なら自分で運べる分のペットボトルを持ったり、リュックに入れて階上に運ぶことで、自分だけでなくそこに住む世帯みんなのための水運びができるという素晴らしいアイディアを実践しているところがあったと記憶しています。

500mlのペットボトルであれば、歩いて階段を登ることができる幼稚園児でも一本単位での運搬が可能で、持ってきたペットボトルを各階の共同スペースに溜め込むように置いておけば、必要となった時点で必要なだけ、住民の方が同じ階に取りに来れば足の悪い住民にも水を供給することができるようになります。

これをもう少し大規模に行なうことはできないものでしょうか。給水車を派遣するだけではなく、空のペットボトルに水を詰めたものを大量に運び込み、大きなタンクがなく手ぶらでやってきた人でも、一人に渡す本数に制限を付けて持って行って貰えば(地方自治体の中には自分のところの水道水をペットボトルに入れて商品のように販売しているところもあるので)、現在のようにボトルを持ってきただけ人が給水できることもなくなります。また、少量の水で良ければ給水車の列に並ばずにペットボトルをもらって帰ればいいので、人の流れを分けることになり、結果として待ち時間を解消できます。

もう少し話を進めて、現在の状況でもできそうな事で言うと、自分で水をもらいに行けない人(時間の都合でなかなか水をもらいに行けない人もいる)のために町内やマンションの管理組合、小規模な集落の代表が給水所に行き、ペットボトルを地域の人たちが使う分だけ仕入れて地域に戻り、それを地域住民が自宅近くの水置き場まで取りに行くような仕組みができれば、足などが悪くて水を取りに行けない人への運搬は、集落の人たちでちょっと余力がある人がお宅の前まで持って行ってあげることもできます。

困った時というのは公的な援助だけでなく近隣の助け合いも必要なところがあるので、公的なところと、公ではそこまできめ細やかにはできない部分は自分たちで工夫し合うことで、状況は変わるのではないかと思うのですが。


直接被害がなくても断水が起こった場合にどんな不便が出てくるのか

一昨日降った雨によってだいたい14時間くらい(深夜2時から夕方4時くらい?)の長期停電が続いた静岡市内ですが、そんな中で一部の地域では今後復旧の見通しが立たないくらいの断水が続いています。

私の住む静岡市は、静岡駅から南の「駿河区」と同駅から北の「葵区」というのが昔からの「静岡市」で、それまでは別の市や町であった「清水市」「由比町」「蒲原町」は現在「静岡市清水区」として静岡市の中にあります。今回、断水になったのは清水区内を流れる興津川から取水して水道を送っている「静岡市清水区」でトラブルが起きました。

というのも、大雨によって大きな木などの瓦礫が興津川に流れてきて、水道水として通す場所に大量の瓦礫がたまり、すぐに撤去することが不可能になったのです。この対応について、私がこの文章を書いている段階ではいつまでに水道が復帰するかということについては全く見当がつかないということのようで、興津川から取水した水を水道として使っている清水区の世帯、およそ5万7千世帯で断水が今も続いているのです。

水が止まり、自由に使えなくなると飲料水だけでなくトイレの水、食器洗いや洗濯、風呂に使う水も使えなくなります。災害対策を取っていないご家庭では、飲める真水を手に入れるためには、ペットボトル入りの水を買うか、地域にやってくる給水車を利用することになるのですが、とにかく清水区の方はほとんど断水状態なので、昨日などは炎天下で相当の行列ができたそうなので、行列に並ぶだけの体力がない場合にはなかなか水を得ることはできません。

水の購入については、私の住む静岡市の駿河区や葵区にあるスーパー・ドラッグストア・ホームセンターなどでもすぐに水が売り切れてしまい、残っているのは炭酸水ばかりといった状況です。給水や知人で水道が使える人に水を分けてもらえるようにポリタンクがあれば便利ですが、それも近くのお店では売り切れています。さらに言うと、断水していない地域の銭湯や温浴施設は清水区でお風呂に入れない人が押しかけているらしく、入場制限を行なわないと人を裁ききれないということもあるようです。

これは、静岡市だけの問題ではありません。大雨はどこでも降ってきますし、家自体に被害はなくても、断水が続いて苦労することも考えてその対策を考えることは必要です。今回の断水からの一連の動きを見た上で私が言えることは、まず大切なのは日常的な水の備蓄の大切さです。罹災した直後はすぐに水を手に入れることができないので、ペットボトルのお水を買い、一定時期に飲んだり調理に使ったりしてローテーションする方法が一般的だと思いますが、家族の人数が少ない場合には、スーパーのサービスでやっているおいしい水の供給マシンから定期的に水を汲みに行く労力を掛けるのも一つの方法でしょう。

私が汲みに行くスーパーは2店舗ありますが、どちらも4リットルの容器2つを用意し、最大16リットルの水をすぐ飲める状態で置いておくことができます。そうして罹災直後の飲料水を確保しつつ、その水が無くなる前に新たなお水を手に入れるためにはネット通販の利用がポイントだと思います。これはそのままペットボトルのお水を買っても良いのですが、罹災してしばらくして、誰か近くに水道水を使わせてくれる人がいるなら(今回は断水した知り合いを私の方が助けるために水道水を分けてあげるつもりです)、大き目のポリタンクをネット通販で購入するようにすれば、近所のショップのどこへ行っても手に入らないものでも、全国的な規模で考えれば、数日でネット注文すれば届くと思います。

逆に言うと、ネット通販で水やポリタンクを購入して、何とか自前で水を用意することができるぐらいになるまでの水の備蓄が必要だということになります。また、この騒ぎが落ち着いたところあたりで、20リットルくらいのポリタンク(水用)を買って置いておくことができれば、少なくともどこかからお水を分けてもらえる目処が付けば、かなり状況は楽になります。多少並んで給水車から水をもらうつもりの場合には、ポリタンクを乗せるための台車やキャリアを用意するか、タンク自体にコロコロ転がしていけるタイヤが付いているタイプのポリタンクを選ぶようにすれば、特に帰りの水運びが楽になります。

基本的に、私自身が長期の断水に見舞われた場合、恐らく殺気立って買えない人と買えた人との間のトラブルにもなりかねない、近所のスーパーでの水争奪戦には参加したくないというのが正直なところです。広域で大きな災害が起こってしまった場合は難しい部分もありますが、地域限定のトラブルの場合にはネット注文をした方が安く欲しいものを確実に買える可能性が高まりますので、そうしたことも考えながら日常的な備蓄ということについても考えていきたいものです。


次第に報道されなくなってくる新型コロナへの対応のために心掛けたいこと

世間ではもはやマスクも必要ないのではと言われる新型コロナ対応ですが、実際に感染してしまったらそんな事は言っていられません。昨日、ついに身近なところで感染者が出てしまいました。

実は本日、ある友人と食事をする約束をしていたのですが、その方の配偶者が新型コロナに感染してしまった可能性が高く、その方は濃厚感染者になる可能性があるため食事会は中止になりました。それはそれでいいのですが、その方にはお子さんがいて、お子さんも濃厚接触者になってしまう可能性があるので、今後個人的には何をサポートしていけば良いのか? という事を今回は考えてみます。

すでにその方の配偶者は熱が出ているということなのですが、もしその方がコロナ陽性になってしまった場合、恐らく自宅待機になると思います。今では無症状の場合は買い物くらいは仕方ないという流れはあるので、友人に症状が無ければ外出は可能という見解に今はなっています。ただ、やはり万全を期すためには診断結果が陽性であればしばらく自宅から出ない方が良いのではないかと思います。

まずは、発熱外来へ行くということですが、これは住んでいる地方自治体のホームページから連休中に発熱外来を開いている医院を掲載しています。ホームページでは、まずかかりつけ医に連絡して、どうにもならない場合に当番の発熱外来にという流れで考えればいいでしょう。

濃厚接触のみで無症状なら買い物は行けると思いますが、もし体がだるいなど自分も無症状でないような状況になった場合、最近は外食を提供する普通のお店も配達サービスを提供していますので、弁当の類であれば注文して届けてもらうことで、さしあたっての食事については問題はないと思います。しかし、日数が伸びてしまうと普通にスーパーに買い物に行きたいところですが、そうもいかないとなると、食料の調達が必要になるでしょう。

地方自治体では食料配達のための相談窓口を開いているところもあるので、そうしたサービスを利用することが基本だと思いますが、すぐに必要な時にサービスしてくれるかという問題はやはりあります。もし友人がどうにもならないと連絡があれば、私が買い物代行をしようとは思っているのですが、もし自分だけで何とかすることを考えた場合、ネットから注文して自宅まで届けてくれる「ネットスーパー」についてその友人には伝えました。ちなみに、私の住んでいるところでは大手ではイオングループかイトーヨーカドーでネットスーパーのサービスを行なっています。クレジットで事前決済すれば、配達員と直接の接触はなく買った物を受け取ることができます。

また、ネットスーパーでは配達してもらう場合に手数料がかかりますが、無症状で買い物に出る場合の一つのヒントとして、店内の専用ロッカーに注文した商品をまとめて入れてもらい、商品は自分で取りに行くというやり方で買い物をすれば、スーパー内をうろうろすることなく(他人と接触する可能性は減る)、しかも手数料0円でネット注文した商品を受け取ることができるサービスを行なっていることも覚えておくといいでしょう。

今回のケースでは、そうした感染と台風の直撃か重なってしまいそうなので、個人的に友人には外に出ないで何とか今の状況を乗り切って欲しいと思っています。新型コロナはもはや恐れる事はないという意見もありますが、やはり感染したら色々気を遣って大変なところもあります。他の自然災害と二重の大変さを味わうこともあると思うので、これを読んでいる方々も、台風への準備と同時にご自身の健康にも十分にご留意下さい。