災害対策としてのポータブルバッテリーの用途を限定させることで購入費用を抑えられるか

現在、自宅で用意しているポータブルバッテリーは実質2台で、どちらも容量は200Wh程度の、セール価格で約2万円くらいで購入できるものです。基本的にそれで使える家電製品は上限300Wくらいのもので(出力の高い家電をブースト機能を使って使えるようにする機能はあるものの容量が少ないので連続稼働時間が短くなってしまい実用的ではないため)、そんな出力が制限されたものが、いざという時に役に立つのか? と思う方もいると思います。

夏場にエアコンを付けて、さらに照明を付けながらテレビも見るというような状況を考える方がいたら、かなり容量の大きなポータブル電源が必要になり、数十万くらいの費用を考えなければいけないでしょう。

しかし、停電ということになると何も用意がなければまっ暗な中で生活をしないといけなくなります。少なくともリビング内を明るく照らし、テレビは無理としてもスマホを使ってネットとの同時配信のテレビを見て、クーラーは無理でも扇風機を付けて、汗をかいたらお風呂に入りたい(ガス湯沸かし器を使っている前提)というぐらいの事をやるなら、小さなポータブルバッテリーを用意しておけば何とかなるのではないかと思います。

今年に入って大きな地震が起こったことで、同じような災害を想定する方も多いと思いますが、ここでは自宅には影響がないものの、雷や大雨の影響で送電が止まってしまい、水とガスは使えるものの電気だけがずっと止まってしまうような状況を想定することにします。この状況であればトイレの使用については普通にでき、IH調理器は動きませんがガステーブルであれば料理も普通にできますが、電気が止まってしまったら困ることについて考えてみました。

・冷蔵庫が動かなくなり中のものが痛む
・クーラーが使えず暑い
・部屋の明かりが付かないので夜になると真っ暗になる
・テレビが付けられないので情報が入ってこない
・ガス給湯器が動かないので台所のお湯が出ず風呂にも入れない
・光回線のインターネットおよび固定電話(IP化しているもの)が使えない

まず、肝心なのは夜間での明かりを確保することです。この場合はあえてポータブル電源を使わなくても、レジャー用で上からつり下げて使うようなLEDランタンがあれば、普段よりは多少暗くはなるでしょうが、リビングを明るくできます。吊り下げ用のものと、手に持って移動できるものを2つ以上用意しておけば、調理やトイレ、お風呂などの用事で移動する時にもその場所が明るくなります。私は安いアマゾンの単三型充電池を入れてLEDランタンを使っていますが、内蔵充電池のものの方が、それまで全く使っていないような場合でもポータブル電源のUSB端子から充電できますので、お好みで用意すれば良いと思います。私の場合はリビングに吊るすものには1000ルーメン以上の明るさがあるものを使って、移動させるものについてはそれほど明るくなくても大丈夫だと思っています。

次に、停電時の冷蔵庫の対策ですが、大きな冷蔵庫を使っている方については、普段から保冷剤を凍らせておくことをおすすめします。それと同時に大き目のクーラーボックスを用意し、冷凍庫の食材から食べて、すぐに食べられないものや調味料類を保冷剤を入れたクーラーボックスに移します。車で出掛けられてスーパーで氷がもらえるなら、そうしたもので補充しつつ早めに冷蔵庫の中味を食べ切ってしまうようにしましょう。私の場合は出力30WくらいのDCから電源を取れるミニ冷凍冷蔵庫をレジャー用に持っていますので、それを冷凍庫として使い、保冷剤をそこで凍らせて、クーラーボックスに入れる保冷剤をローテーションすることによりクーラーボックスを冷蔵室くらいの温度に日常的にキープしています。自宅の冷蔵庫が小さいので、大きくて入り切らない飲み物類を今は入れています。夏に停電になった場合、冷たい飲み物が欲しいという方は、飲み物を入れられるくらいのモバイル冷蔵庫を用意しておくと便利です。私のようにシガーソケットから給電するものだと、電力の変換ロスが起きず、小さなポータブル電源でも比較的長く使うことができます。

部屋の暑さ対策については、ポータブル冷蔵庫が使えるなら氷枕を冷やして扇風機と一緒に使いながらしのぐ事くらいしか、電気を節約しながら使う場合には考えつきません。ちなみに、扇風機の使用電力はDCモーターのもので比較的強い風を起こした場合は30Wくらいで、これも十分夜を明かせるくらいは使えます。もっとも冷蔵庫と扇風機を同時使用する場合には利用時間が少なくなりますので、もう一台のポータブルバッテリーの購入を考えましょう。

停電時のインターネットは、スマホからのテザリングに頼るのが良いと思います。スマホを充電するにもポータブル電源のUSB端子から直接少ない電力で充電できるので、効率的にスマホを使って情報収集しながら充電もできます。スマホの小さな画面では見ずらいと思う方は、私も持っている「モバイルモニター」を使うのはいかがでしょうか。これに「Amazon FireTV Stick」を繋いでスマホのインターネットを共用することで、各種ウェブサイトや、民放のTVer、NHKのNHK+というネット配信の地上波テレビを省電力のまま利用することができます。私の場合、モバイルモニターとAmazon FireTV Stickの組み合わせだと5~10Wくらいの電力消費量しかありませんので、200Whクラスのポータブル電源があれば、同時にスマホを充電していても(さらに扇風機を使っても)、十分に余力があります。

また、お風呂に入りたいがガス給湯器が動かないような場合も、屋外にある給湯器がつながっているコンセントをポータブル電源のACコンセントに接続すれば、ちゃんと動きます。自宅のガス給湯器の定格電力は40~50Wくらいで、厳冬期にヒーターを付けても125Wということで、瞬間最大でも200Wを使うことはないと思います。お風呂に入るためお湯を出す時間というのは限られますので、これも十分小容量のポータブル電源でカバーできると思います。こうしてみると、300Wくらいまでの家電しか使えないポータブル電源でもかなり停電時には役に立つと思えるのではないでしょうか。実際、夏場はシャワーを使って汗を流すだけでもずいぶん涼しく感じますので、給湯器を動かすことは夏の暑さ対策にもなるのではないか? と思います。

今回想定した水とガスは使えて停電だけという状況は、それほど長くは続かないと思いますので、停電したその日の夜だけ何とか凌ぐというコンセプトで考えてみました。基本的には1つポータブル電源を用意しておけば何とかなると思いますが、リビングでスマホの充電などもろもろをしながらお風呂にも入りたいような場合には、大きな容量のものを1つ買う予算があるなら、小容量のものを2個以上用意しておくと、使い分けができて便利でしょう。

冷蔵庫の中味はいざという時には用意した保冷剤と一緒にクーラーボックスに入れ、部屋の明かりはLEDランタンで照らし、情報収集はラジオとスマホで十分だけど、風呂には水とガスが使えるなら入りたいぐらいなら、小容量のポータブル電源を1つ導入し、利用可能にして置いておくだけで十分安心感を持てると思います。ちなみに、小容量のポータブル電源はソーラーパネルだけでなく、車のシガーソケットからも充電可能で、走行充電であれば2~3時間で空の状態から満充電にできますので、ポータブル電源を買う場合、自家用車があるなら、同時にソーラーパネルよりもシガーソケット経由での充電をするための部品が揃っているかにも注目しておくことが大事です。

ソーラーパネル自体は100W~200Wくらいのものがあると、日光がありさえすれば何もしていなくてもポータブル電源に2~4時間くらいで空の状態から満タンにできるので便利ですが、今回の想定ではそこまで停電長びくことはないと思うので、あえて必要な装備とまではおすすめしませんでした。ただ、もし備蓄用としてだけでなく日常的に使いたい場合には購入を考えるくらいに考えておいた方が良いかと思います。


カテゴリー: 防災コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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