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津波注意報の発生と情報伝達の順番から必要な装備について考えてみる

フィリピン・ミンダナオ島付近で発生したマグニチュード7.7の大きな地震により、関東地方から沖縄に掛けて大平洋沿岸部に津波注意報が出ました(翌日の午前中には解除されました)。ちょうど寝ようと思っていたところだったのですが、まだその際は起きていたので、実際にどのような感じで情報が伝達されたのかをつぶさに確認することができました。今回はまずその状況について書いておこうと思います。

まず、自宅では地元自治体が販売していた災害用ラジオが鳴りました。今回のような津波注意報が出たら鳴るようにセッティングされていて、主に地域の広報で警戒警報や津波関連の情報が出た場合に鳴ります。

その後で自宅のスマホが鳴り出しました。この時にはたまたまテレビを付けていたのですが、同時に警報が入るのかと思っていたのですが、しばらくテレビには津波注意報が出たというような表示はされず、その時はもしかしたら誤った情報が流れたのではとすら思いましたが、自宅の外にあるスピーカーから広報のアナウンスが流れていたので、そんな事はないだろうと思っていたところ、ようやく日本地図のマークが放送中の番組に現われ、しばらくしたところでテレビの自動起動用の信号が鳴った後に番組が中断して津波注意報についてのニュースが始まりました。ただ、その際一瞬ですが画面が通常番組に戻ってしまったという不具合がありました。現場の方々も相当慌てていたのではないかと思われます。

ちなみに、NHKがずっと通常番組を中止させてニュースを流している時間でも民放は通常番組を放送し、津波注意報の出ている地図を出すという対応でした。通販番組ではいつもと同じように「注文集中しています」という表示を出しながら津波注意報というマークだけを出して「生放送」というテロップを入れて放送を続ける「ショップチャンネル」は、逆にすごいなと思ってしまいました。

とりあえず、自宅は海のすぐ近くにはなく、到達予想の高さ1mの津波が来ても届かないのではないかと思われたため、ここでテレビを消して就寝しましたが、テレビよりも地方公共団体の広報の方が早く津波注意報の発生を伝えたというのは私にとっては意外でした。テレビがあれば情報収集はそれで良いかと思っていたのですが、改めて防災用ラジオはあった方が良いと思いました。特に沿岸部に住んでいる方は、寝ている時でも起きてしまうほどの大きな音で、チャイムから津波に関する情報を流してくれます。一通り広報の内容を流すとラジオは切れますが、その後テレビ・ラジオ・ネットからもう少し具体的な情報を得るようにして逃げなければならない時には最悪何も持たずとも命を守るために外に出て逃げるようにできます。

今回の注意報を受けて、実際に日本に津波が到達した際の実際の高さについては予想の高さと比べると結果的には低かったですが、それでも情報が入ったら海岸から離れ、警報・注意報が解除されるまでは海に近づかないようにするということは改めて言うまでもない事でしょう。日本列島に震源がない地震で、前兆がなく津波に関する情報が出るというのは、特に海岸に近くにいる際には恐ろしい事ですから、少なくともスマホは手元に置いて早めの情報を入れることが大事です。


スマホを買い替えて他社とMVNOを利用しはじめた方には確認して欲しい緊急警報メール受信の如何

2023年の台風2号の被害が心配された沖縄県(主に本島)では台風通過とともにその影響は小さくなっているのではないかと思いますが、台風は直撃しないものの台風の動きによって連続した雨が降りやすくなっている国内の地域についてはまだまだ雨や風の影響は出てくると思うので、十分に警戒して下さい。外に出られる場合には十分配慮の上、危険を感じたら中止するくらいの気持ちでいた方が良いのではないかと思います。

先月に新しいスマホをメインにしての運用および、今まで使っていたスマホにも新しいMVNOのSIMカードを入れ替えたので、一つの事が心配でした。それが「いざという時にスマホの緊急警報メールは鳴るのか?」という事でした。
昨日は、台風の影響で私の住む地域でも長時間に渡って大雨が降り、私の住んでいる地区は大丈夫だったのですが、同じ地域の中においてかなり高めの避難勧告が出たりしていたので、家中のスマホがけたたましく鳴り、緊急情報を自動受信し、地元のコミュニティFM局からの地域情報を流してくれる防災ラジオもかなり鳴りました。

母親のスマホを含め、3台のスマホで緊急通報メールを受信するのが初めてになったため、今後もアラートを鳴らしますか? という表示も出ました。先日このブログて書いた「Jアラート」とはどう違うのかわかりませんが、Jアラートの場合にはそんな形での告知はありませんでしたから、Jアラートが鳴ってももしかしたら緊急警報メールが鳴らないというような事も起こるかも知れません。今後の雨や地震などでもきちんと鳴ることがわかった上で、やはりうるさいと感じてもテレビを付けていない時なども普通にありますし、そのままアラートを鳴らす設定にしました。合わせて、今回の一連の経験でJアラートを含む緊急警報メールを全てのスマホで受け取ることができることを確認できたことは、まだ自宅周辺の状況は予断を許さないところはあるのですが、しばらくはスマホを枕元に置いて寝ることも仕方がないのかなと思っています。

ちなみに、ネットで色々見ていたら、ネットの口コミの掲示板において、楽天Hand 5Gにpovo2.0のeSIMを入れている人が緊急警報メールが鳴らないという話が出ていました。その掲示板ではpovoのチャットでその件について聞いた人がいて、一応povo2.0では楽天Hand 5Gの利用については確認しているということで、緊急警報メールが使えないことはないという回答が掲載されていましたが、こうした情報というのは実際に起こってみないとわからない部分はあります。

私の場合は楽天Hand 5Gには楽天回線とLINEMOのeSIMを入れていて、SMSは両方受信できるようにしていますが、問題なく緊急警報メールは受信できています。今回の台風の影響では国内でもかなり広い地域で緊急警報メールが入ると思いますので、直近で回線やスマホを変えた方については、きちんと緊急警報メールが入るかの確認をしてみましょう。外が滝のような雨なのに何もスマホが鳴らないような場合には、スマホの動作および回線との関係をきちんと調べてみることが大切ではないかと思います。こうした場合には情報の有無によって命にも影響が出る可能性がありますので、心配になった場合には契約している回線を提供している通信業者の方にお伺いを立ててみましょう。


大雨など厚い雲による受信環境の悪化があるテレビのBS・CS放送についてその対策を考える

2023年のGWの最後は、雨の天気になりました。単なる雨ではなくかなり強く降ったこともあり、特に北陸地方の方々は地震の後でもあり、常に天気や災害に対する情報を必要としたことだろうと思います。

こちらでは午前中からMLBのロサンゼルス・エンゼルス対テキサス・レンジャーズの試合をBS(NHKBS1)で観ていたのですが、やはりというか大気の状態が悪く、南東の方向に厚い雲が出現した際には放送が途切れる現象に遭遇しました。

以前からわかっている事とは言え、やはり自宅周辺の天候によって全く放送が見られなくなるだけでなく、予約録画も失敗するような不確定要素があるというのは、衛星利用の問題だと思います。

翻って考えてみると、今後地上にある携帯電話用の基地局の代わりに衛星からの電波をスマホで直接受けて通信を行なう衛星回線の利用について、天候の影響はどのくらいあるのかということも気になります。現在日本でも利用可能な「スターリンク」でも天候の影響でスピードが遅くなることがあるようです。今はもう終わった技術ですがADSLも雨の日などは遅くなったそうですし、携帯電話の電波も同じ傾向があり、以前固定回線の代わりに使っていた楽天モバイル回線も雨の時には速度低下していました。

現在は光回線にしたことで、昨日のBS放送が中断した時にスピードテストを行ないましたが、天候の影響を受けることはありませんでしたので、通信インフラが動作している状況の中では光回線を引いている場合はNHK+やABEMAのようなインターネットの同時配信をうまく活用してネットを使った情報収集をする方法を併用することを考えておくといいでしょう。

また、私はすでにBSアンテナを設置したことで利用はしていませんが、多くの光回線の場合には月800円ほどの負担をすることによって、ネット配信という形でBS・CS放送を見ることができるサービスがあります(NTTのフレッツ光系のサービス)。自宅付近ではそこまで天候の影響による放送が見られなくなるような事はそこまではないので、あえて契約はしていませんが、台風が頻繁に上陸するような地域では、基本的にBSアンテナを使っていても、放送のバックアップ用にネット上からテレビ放送を見られるようにしておく対策も十分に有りだと思います。

残念なのは、地上波についても技術的には同時配信(基本的には東京で見られるNHKおよび民放)は可能だと思うのですが、せめてテレビ送信施設が利用不可能になった場合には地上波放送についてもネット配信を行なえるような形にして料金が変わらないなら、個人的には加入するのも有りかなとも思うのですが、この辺も台風の多い地域に対しては積極的にサービスの範囲を広げるところもあっても良いのにと思えるのですが。


お出掛け中の罹災が心配される石川県能登地方で発生した地震の状況とその場で心掛けたいこと

昨日の午後、GWの際中としては大きな地震が石川県能登地方で発生しました。最初の地震が起きた時には自宅にいて、テレビは付けていなかったのですが、スマホの画面で私の住む静岡県に関しても発生する可能性がある緊急地震速報が入ったので、すぐテレビを付けたところ、予想される震源域が北陸地方ということで、真っ先に観光地である珠洲市や輪島市の様子が気になりました。

今回の地震でびっくりしたのは、最初の速報から程なくして改めて能登中心に緊急地震速報が出たことで、その時の揺れは一回目より大きくはなかったものの、過去には後から起こった地震の方が規模が大きかった熊本地震のような事例があるため、現時点(この文章を書いているのは5日の午後4時前)でも大きな地震への対策はしっかりして、地震活動の推移を見守るべきだろうと思います。

地元の方々にとっては一部倒壊した家屋もあるという情報もあるので、被害への対応などをする必要が出てくるのではないかと思っていますが、今回の地震が起こった時期は何せ多くの観光客が能登地方を訪れている可能性があるので、今回はとりあえず、私たちが旅行先で地震に遭遇した場合、どうしたら良いのかということについて考えてみようと思います。

観光で訪れている人にとっては、不慣れな地域であるということはあると思います。できるだけ早く自宅に帰りたいという風に考えるのはもっともでしょう。今回の地震では、直後にはJRなどの鉄道は正常に動いているという報道があった後、新幹線(金沢~長野)や周辺の在来線が運転とりやめになりました。幸い今回の地震ではすぐにどちらも運転を再開できましたが、もし自分が金沢駅にいて東京方面に戻る予定だった場合には、不通の情報が出る前に電車に乗ってしまうような素早い判断をした方が良い場合もあります。そのためには適確な情報を収集することが大事ですが、そのために使って欲しいのが、スマホを利用した「複数メディア」の情報を得ることです。

災害発生時にスマホのニュースから情報を得るということは誰もが行なうことだと思いますが、スマホの利用はウェブから入ってくる情報だけではありません。アプリの「radiko」を使うと、現在位置でサービスをしている民放ラジオ局の放送をリアルタイムで聴くことができますので、イヤホンをスマホにつないで、まずはラジオからの情報を聞き続けるようにしましょう。もしメモ用紙があれば、ラジオ放送内で自分に関係ある交通情報の最新情報をチェックすることができます。

それとは別に、ウェブのニュースサイトだけではなく、鉄道の経路検索アプリの中には、路線の不通情報がとりまとめられている場合が多いです。ラジオとどちらが早いかというのは状況によって変わってくるとは思いますが、経路アプリの中にはユーザーの口コミをそのまま掲載している場合もあるので、駅の掲示板の情報などはそうした口コミ情報やTwitterの方が情報が早い場合があるので、常に複数のチャンネルにアンテナを張って、その内容をチェックすることで、その後自分がどう動けば良いのかということがわかってくるのではないかと思います。

車での移動の場合も、今回は高速道路に大きな被害は今のところ見付かってはいませんが、これは震源地がどこかということにも関わってきます。もし震源地が車で帰宅する際の経路にかかっているような場合は、念のためその地域を外して、多少遠回りになっても帰ることができるルートを見つける必要がありますし、さらに車の場合は電車のように簡単に不通にならない代わりに、危険な道であることが天候によって変わってくるような場合もあります。

車で帰る場合には、地震情報だけでなく天気予報もしっかり入手して、車で移動する途中で孤立してしまわないようにルートを決めることも安全に帰るためには大切になります。ルートがあるからといって、決して旧道の峠を使うようなことはしない方が良いと思います。その際のカーナビの経路検索結果については十分疑って、もし高速道が通行止めになったような場合には、食料などをあらかじめ買っておきつつ、最悪車中泊をしながら道路開通を待った方が良い場合もあります。どちらにしても、自分だけがスイスイと帰ることのできる抜け道というのはないと考えた方が良いでしょう。ただそれでも、積極的な情報収集につとめ、他の人のまだ知らない情報を利用すれば、本格的に人が押し寄せる前に行動を起こすことはできます。今回の地震についてもその状況を見ながら慎重に行動し、無事に帰ることができるようお祈りしております。


使わなくなったワイファイルーターはスイッチングハブとして再利用することに

今月末の光回線設置を待ちながら、徐々に自宅内の通信環境を整備しています。現在は楽天モバイルの回線を使ったホームルーターで自宅のインターネットを賄っているので、ホームルーターを窓際に置いているのですが、通常全てのネット接続を利用するためのWi-Fiルーターは日の当たりにくい別の部屋に置いています。そこから外からの視聴も可能なTVチューナーなどに接続しているのですが、そうなると、ホームルーターの置かれた部屋に大画面テレビなど、それ自体でもLAN経由でインターネットに繋がる機器も置いてあるので、今まではテレビにはあえて繋がないようにしていました。

今後は、家族が一緒に過ごすことが多いテレビのある部屋の方にIP電話を持って行こうと思っているので、「テレビ」「4Kチューナー」「IP電話」をできれば有線でつなぎたいと思っています。すでに窓際のホームルーターの回線をWi-Fiルーターで安定して使うために、長めのLANケーブルを部屋またぎで這わせているので、光回線が来たらWi-Fiルーターの置かれている場所にモデムを置き、そこからテレビ方面に今まで這わせてあったLANケーブルを接続する予定なのですが、その際にテレビ以外のネット接続をするためにスイッチングハブを必要とするのです。

当初、新しいものを買おうと思っていたのですが、考えてみると、少し前まで現役として使っていたものの、無線接続が不安定だったので新しいものに変えて使っていたためお蔵入りになっていたWi-Fiルーターがあったのを思い出しました。スペックを見ると有線LANについては全て1,000Mbps対応のLANポートになっているので、設定で利用形態をアクセスポイントモードにし、さらに混信を防ぐためにWi-Fiを使わない状態にすれば、わざわざスイッチングハブを購入しなくても十分に自宅で有線LANが使えるポートを増やせるとわかり、早速設定および設置をしてみました。

たまたまですが、テレビ台の下に設置していた4Kチューナーの横幅とぴったいサイズが合ったので、例えばインターネットはつながっているものの無線の調子が悪い場合など、テレビのある部屋ではパソコンを有線接続して使うこともできるようになりました。ほとんどの場合、無線で大丈夫なのですが、てっとり早くつなげる場合には、やはり有線が使えるようになっていた方が心強いですから、しばらくぶりに現役復帰ということになったわけです。

この他、現在楽天のSIMを入れているホームルーターについて、今まではサブ回線としてpovoのアクセスポイントを設定していたのですが、それに加えて、いざという時に使う頻度が増えるだろうと思われるdocomo回線のmineoのapnもついでに登録しました。

来月からは待望の夜間フリーが利用できるようになりますし(「ゆずるね。」で権利獲得から翌々月の1日から利用可)、深夜と平日お昼の時間以外は低速でも最大1.5Mbpsで使えるような形で契約しているので、光回線のトラブル対策として、つなぎ直して電源を入れればすぐにネットに繋がるような設定ができました。光回線のトラブルということで言うと、NTTのフレッツ光の回線は2023年4月3日の朝から、NTT東西の一部の地域で数時間利用できなくなり、光でんわも不通になったというニュースが有ったばかりです。自宅のIP電話はそんなトラブル時でも、ホームルーターにつなぎ直せばすぐに電話はできるようになるので(緊急通報は元々利用できないので、その場合は携帯電話から掛けることになります)、トラブルを見越して、やはりこうした用意は必要でしょう。

光回線が開通するとホームルーターはいらなくなり、すぐにネットオークションやフリマに出せばてっとり早くお金にはなるものの、いざという時に改めて新しいハードの買い直すよりも、今まで使っていたものを引っ張り出してきてすぐに使えるなら、その方が私としては良いのではないかと思います。

今回は、同時に大型テレビに付けているFire TV Stickを有線化できるケーブル・アダプターの導入も考えたのですが、これについては実際に光回線を使ってやってみて、それでも頻繁に画面が止まるなら(現在は状況によって画面が止まることがあるのです)、新しく買うのも良いかな? と思ってはいるものの、早くFire TV Stickの電源がmicroBでなくType-CのUSB端子になってくれないかなと思っているので、端子の形が変わるであろう、次世代が出るまで待ちたい気持ちもあります。

どちらにしても使いたいハードがあった場合、すぐに注文ではなく、自宅にストックしてある過去のもので代替できないかという事を考えることも大事ではないかと思います。それこそ、回り回って配送業の方々の労力を削減するには、ネット注文を必要以上に行なわないことも大切なのではないかと思います。


Amazonの衛星通信サービス「Project Kuiper」は2024年にサービススタートか

たまたま前日、BS放送について色々書いてみましたが、もし今広い地域を大きな災害が襲い、正確な情報かテレビやラジオからも無音のような状態になったら、私たちはどこから情報を得ればいいのかということも考えておくべきなのかなと思います。

一つの答えとして、かなり広範囲で全てのインフラが使えなくなってしまった場合、現在の日本で国内を広くカバーする通信というと、ラジオの短波放送(ラジオNIKKEIとNHKが海外向けに発信しているRadio Japan)か、AM波を使ってNHKが送信設備が使えるところから大出力の放送を行なうことが考えられます。さすがに、短波放送が聞けるラジオを常に持って使っている人は余程競馬や株が好きな人か(こういう考え方はもはや古いかも知れません)と思うのですが、これからあえて短波放送が聞けるラジオを買わなくても、AM放送であれば普通のラジオでも聞ける可能性はあります。

ちなみに、日本のAM局で500kw以上の出力を持つところは全てNHKの第二ラジオで、東京(693kHz)、札幌(747kHz)、秋田(774kHz)、熊本(873kHz)がそれぞれ500kw、大阪(828kHz)が300kwとなっています。ちなみに第一ラジオでは東京(594kHz)が300kwですが、大都市が災害に巻き込まれてしまうと、その地域では放送を出せない可能性もあります。地域にもよりますが、こうして出力と周波数を列挙していくと、アナログのダイヤルのあるAMの聴けるラジオであれば「6」から「7」で全く反応が無い場合には、さらに範囲を広げて「7」から「9」あたりを探ってみましょう。感度の良いラジオで、さらに周辺のラジオ局が全滅しているような状況であれば、むしろ高出力局は昼間でも聞きやすくなります。

さらに、AM放送の特性として、夜間は長距離受信が可能になる事があります。実際の距離とは関係なく、広範囲に受信できるので、例えば関東地方からでも秋田より札幌の方が聞きやすいというような場合もあり得ます。

ここまでの話は、かなりひどく通信インフラが破壊された場合について考えているのですが(当然携帯電話もつながらない前提)、実はもっと簡単な方法もあります。地上が災害に見舞われていても、放送のために打ち上げられているBS放送はもしかしたら生きているかも知れません。その場合、停電にもなっているだろうと思いますが、少ない電力でも動くBSチューナーとモバイルモニターの組み合わせを使うと、ポータブルバッテリーを利用してBSアンテナを正しい方向に向け直せば、テレビのニュースという形で情報が入ってくる可能性があります。ちなみにこれは、大きな災害で地上波放送が視聴不能になった場合の対策としての話です。

基本的にお金がかからず、少ない準備でも何とか情報を入手するには、今の世の中でもラジオということになるのですが、時代の流れとともにインターネットも通信衛星を経由して利用できるサービスが始まりつつあります。最新のニュースではAmazonが2024年にサービス開始予定という「Project Kuiper」の概要を公開しました。

興味深いのは、そのスピードが超小型モデルは最大100Mbps、標準モデルは最大400Mbps、法人や政府向けの最大モデルは最大1Gbpsの速度という風にアナウンスしています。個人利用であれば「超小型モデル」でも十分そうで、その際の装備(アンテナ)も写真公開されていますが、平面アンテナっぽい18センチ角の大きさのものを三脚のような足で固定し、その重さは500g弱ということです。

もし、こうした装備が一般化すれば、それこそ全国どこにいても衛星をとらえてのインターネットが可能になるだけでなく、BSやAMの電波を出すためには設備の維持や点検が大変ですが、ネットでの中継というのは極端に言うと放送局でも何でもない一般の人間がスマホ一台だけでも行なうことができます。いざという事になれば、災害被災地にあっても、そうした装備を放送局が持っていれば、送信設備が潰れてしまったとしてもその場から中継や連絡が可能になるということです。

こうした機材を個人で持つかどうか? というのは提供される利用金額次第ではあるものの、今後最少のパッケージでこうした衛星通信利用の可能なインターネットシステムを含めた中継システムが普及すれば、情報を受けるこちらとしては、地デジ(ワンセグ放送含む)かBSチューナーを利用したテレビ放送もそれなりに利用が可能になるのではないかと思います。

本来は、日本が打ち上げをした衛星によって国内サービスの発展を期待したいところですが、先日種子島宇宙センターでの打ち上げが失敗に終わったこともあり、海外のサービスを使わざるを得ないのでしょうね。日本の産業を元気にし、新たな通信衛星インターネットサービスを広げて欲しいと思いますが、とりあえずはラジオを確保することと、ポータブルバッテリーに簡易アンテナでも使えるテレビをラジオとは別に持っておいたり、できればBSをポータブルバッテリーを使って停電時でも見られるような事も考えておいていいかも知れません。そして、今回のAmazonを含む地上の設備を使わないネットサービスについても、一般的に使えるようになるのか、この点については今後もその動向については注目していこうと思っています。


災害時に一番重要な準備とは実は「トイレ」でありそのために揃えておきたい道具は

昨日はずっと東日本大震災についての報道を見ながら過ごしていましたが、その中でもほとんど語られないことにちょっと不信感を持ってしまっています。というのも、避難生活の中で「震災関連死」というキーワードまでは出てくるものの、長くなる避難生活の中で一体何がストレスになるのか、その根元のところが語られていない気がするからです。

私たちは、新型コロナに感染しないため、多くの場合自宅から出ないで過ごすような経験をしていますが、外に出られないことで運動不足になるようなことはあっても、基本的な生活自体に困ることはありませんでした。というのも、感染症に備えるような場合は、自宅や職場などでライフラインが不通になることはないので、自宅に帰ってできることはほぼできるという事はあったのです。

ライフラインが寸断されると色々な場面で不具合が出てくるものの、体調を崩すほどストレスになってしまう一番の問題は、自分が行きたい時にトイレに行けなくなるということではないでしょうか。水や食料の入手はできても、人間は食べれば時間を置いて出すことをしないといけませんので、地震の影響でしばらく自宅のトイレが使えず、避難所の仮設トイレは溢れて使うことすらできないような状況を聞くにつけ、まずは災害時のトイレ対策をしないと、体自体に変調が出てしまう事を考えて、用意をしておくべきだろうと思います。

もし自宅に住み続けられる場合、トイレの水は流せないものの、いつも利用している便器にビニール袋を掛けて用を足し、終わったらそこに携帯トイレの凝固剤を振りかけ、そこに水を掛ければ、汚物は固まって多くの自治体では可燃ごみとして出すことが可能になります。

しかし、このように携帯トイレだけでなく、終わった後に水を掛けるのに大事な水を無駄に使ってしまう事は避けたいものです。トイレ用の水は飲用ではないので、どこか水を汲むことができる場所へ行ってトイレ用の水は別に確保しておいても良いですが、それでも避難生活中には水は大事です。そこで、このブログでは再三紹介しているペットボトルに装着する便利グッズを持っておくことをおすすめしたいと思うのです。

装着するペットボトルは500mlのもので、炭酸飲料の入っていたロケット型のものがおすすめです。最近の薄いものだと水を出すために握ったらかなりボトルにダメージがかかりますが、炭酸飲料用のペットぼとるはそれなりに強いので、避難生活用に数本、飲み終えた空のペットボトルを用意しておくのが良いと思います。

この商品は基本的には海外などおしり洗浄便座がない場所で使うものですが、当然ながら水をシャワー状にして掛けられるので、直接ペットボトルから水を掛けるよりも水を節約することができます。トイレでしたら本来の使い方をするだけで汚物にも水がかかっていますので、その後使う水も少なくて済みます。そして何よりも停電時でも水でおしり洗浄ができるという事は、日常の生活に近いトイレを使うことができる事にもなり、ストレスの軽減も期待できます。

また、この道具を複数用意して、汚れた手を洗ったりする場合にも使うことができますし、飲水以外に水を無駄遣いしないための決定的な道具であると私は思うのですが。トイレ対策として携帯トイレを揃えるのと同時にこの手動おしり洗浄用具を持っておくことで、かなりのストレスは抑えられるのではないでしょうか。

なお、屋外やトイレでない室内で利用可能なダンボールで作るトイレについて、あえて市販品を買わなくても、災害対策用の2リットルペットボトル6本入りダンボール2つあれば利用可能であるとの情報を三重県の桑名女性消防団のブログで見付けましたので、リンクを貼らせていただきました。災害対策として2箱分の水をキープしておき、賞味期限が来るぐらいでもう2箱注文するような形でも良いですし、「飲料水2箱」「賞味期限切れでもトイレ用として使える水2箱」という形で計4箱を使いながら回していくようにすれば、あとは携帯トイレの使用期限に気を付けながら管理すれば、非常時のトイレ対策としては万全ではないでしょうか。

https://kuwanafw.exblog.jp/29166072/


大きな地震に襲われて自宅から避難する場合に何を持って行くのかを改めて考えてみる

昨日と一昨日、NHKの南海トラフ巨大地震を題材としたドラマを中心とした特集は、色々と考えさせられるところがありました。想定ドラマでは、まず和歌山県沖で大きな地震が起こった後で、静岡や関東地方に大きな被害をもたらす地震が一週間くらい時間を置いてから起こっていましたが、実際のケースでは西ではなく東の方が先に大きな揺れが来ることもあるので、やはり常にそうした事については考えておくべきでしょう。

生命を維持するためには、食料などを優先して持って行くというのは普通に考えることではありますが、今の世の中ではいかにデマに惑わされずに正確な情報を入手することも大事だと思うところもありました。

静岡県に大きな被害があった場合、日本国内を行き来する東海道にある国道一号線・東名高速道路、鉄道の東海道本線、東海道新幹線の路線が集中する静岡市の興津~由比間において被害が出ると、私のいる静岡市には、主に東からの救援物資がやってこなくなる可能性が大きいです。そんな中で長い間の避難生活を続けるためには、外からの補給を受けることなくいかにして通信(テレビ・ラジオ・スマホなど)を確保し、長く使い続けるようにできるのかということと、これは災害の起こる時期にもよりますが、お湯を沸かしたりお米を炊いたりする場合の熱源をどうするのかということについては色々と考えます。

外からの援助物資が期待できないということになると、熱源については災害時でも手に入りやすい、木材などを燃やして熱源を確保することになると思うので、コンパクトなものでも、火を炊いて外に延焼する可能性の少ない焚き火台やかまどなどの装備については考えておいた方が良いと思います。私の場合は、薪を燃やすためのウッドストーブと、そのウッドストーブを収納することのできるステンレスクッカーのセットを持っているので、いざという時には使えるようにしておくことになるでしょう。当然、火を付けるためのライターも必要になります。これらは100円ショップでもキャンプ用のものが手に入りますので、セットで用意します。非常用のろうそくを付けるにもライターは必要で、ろうそくだけでも部屋を暖かくすることはできますので、調理だけでなく「明かり」「暖房」という点をクリアするものとしてこうした装備はまとめておくと良いでしょう。

そして、長期停電が続いても何とか情報を入手することができるように、スマホおよびラジオをその電源とともに使えるようにしておくことを考えることにします。まず、ラジオについては、手回し発電ができ、さらに乾電池でも動くタイプのラジオで、できればAM放送とワイドFMの両方が入るようなものであれば、それを普段の生活でも使いながらいざという時に持って行けるように準備するのが良いでしょう。

ラジオの場合、国内で大きな被害が出た場合、ラジオ局自体が放送を続けられないような事もあるかも知れませんが、例えばNHKラジオの場合、秋田と熊本にAMの高出力局を持っています。地域周辺で電波が止まったとしても、高感度受信のできるラジオであれば昼間でも遠距離受信ができる可能性があります。

自宅には防災対応のラジオも、そうではないものの高感度のラジオもあるのですが、乾電池式のラジオであってもエネループのような充電池を太陽電池パネルで充電できるようなものがあれば、僅かな充電時間でもラジオを聞けるくらいの充電は曇っている場合でも可能なので、持ち運びのできる太陽電池パネル及び、USB経由でエネループを充電できるような充電器を用意しておくことで、他者に頼らず情報を入手し続けることは可能ではないでしょうか。

そして、近くのラジオ局が放送不能になるような状況では携帯電話の基地局自体もどうなるかわかりませんが、移動式の簡易基地局など、多くの人が頼りにする携帯電話については、いつ電波が復旧しても良いように用意しておくことは大事でしょう。恐らくパソコンなどの大きな電気が必要なものだとなかなか満充電にはできないと思うので、スマホを充電するためのものを第一に考えた方が良いと思うのですが、基本的にはラジオのところで述べた太陽電池パネルを使い、直接スマホでなくモバイルバッテリーを充電するような形で一日中パネルを太陽に向けておくような事をしておくべきでしょう。

その際、果たしてどのくらいの大きさの太陽光パネルを用意すべきかということを考えると、自宅で避難できる場合にはどれだけ大きなパネルでも大丈夫でしょうが、持って逃げることを考えると、15~20Wクラスの背負って逃げるバックパックに取り付けられるくらいの大きさの折りたたみ式のパネルがそれほど大変でなく持ち運びできるのでおすすめでしょう。

最後に、一昨日のドラマで慌てて逃げる中でスマホを置き忘れてしまうようなシチュエーションを出していましたが、手に持って出ても夜間に落としたりすると、せっかくの用意が無駄になってしまいます。私自身はスマホにはネックストラップを付けるようにしています。これだと首に掛けて胸ポケットに入れて出れば、まず落とすことはありません。色々言われるかも知れませんが、やはりデータを集めるだけでなく安否確認や連絡をするためにはスマホは大事ですので、まずは日常生活の中でのスマホの持ち方についても考え直してみるのも良いかも知れません。


冬の緊急用食料の準備は定期的に少しずつ行ない単体で食べられるカップ麺は便利

テレビのニュースではここ数日、日本にかなり強い寒波が襲い、最悪の場合車の立ち往生や停電が起こることが心配されています。比較的寒波に対しての影響が少ないのではと思われる私の住んでいる地域でも、水道管の凍結に備えるための方法などをニュースが伝え、台風の襲来時までとは言わないものの、かなり緊張感を視聴者に持たせるような報道が目に付きます。

果たしてここ数日でどのような影響が出るのかはわからないものの、あまり性急に危機感を煽られてしまうと、スーパーから生活必需品が無くなったりすることも考えられますので、今後の事を考える中で日々の生活の中で天候の急変に対応できるようなやり方について考えておいた方が良いような気がします。

やはり、普通に考えると当り前のように使っているライフラインが使えなくなった場合に困ることは確かなので、その対策について考えておく必要がありそうです。今回の寒波については、空気も乾燥しているので停電で明かりが必要になった場合、できればLEDランタンが使えるように準備しておいた方が良いでしょう。常に火を使った明かり(ロウソクやオイルランタンなど)を利用している方であれば、それが原因で火事を起こさないような準備ができるだろうとは思いますが、慣れない人が火を使い、その使い方を誤ったり火の付いたものを倒してしまったりして火事になるような事が心配される場合には、暖房には安全装置のしっかりとした石油ストーブを使うようにしたいものです。

石油ストーブがあれば、時間はかかるものの、天板の上にヤカンを乗せるなどすればお湯をわかす事ができます。その際、できれば貴重なお湯について、沸騰したお湯をストーブに乗せたままにせず、真空断熱ボトルに入れることで電気を使わずに常に利用できるように準備しておくと便利です。我が家では、日常的に1L以上の真空断熱ボトルを常に複数用意しておいて、朝沸かしたお湯を昼に使いつつ、容器が空になったらまた沸かすというようなことを繰り返すことで、手間と燃料の節約を行なっています。冬の時期はお湯には色々な使い方があります。食事やお茶のために使うことの他に、湯たんぽ用のお湯があれば、暖房を付ける時間を短くして暖かく寝ることも可能です。また、翌日の洗面用に湯たんぽのお湯の残りを使うことで、新たに湯沸かしをする必要もなくなるでしょう。

お店に行くと真空断熱のポットもありますが、同じ容量であればカップ付きの水筒タイプのものの方が保温性能は良いので、そうしたものの中から備えておくことが良いでしょう。個人的なおすすめは、ニトリの超保温ボトル「N-HEATEX 900mL」です。価格は四千円弱ですが朝沸騰したお湯を入れておけば、夕方でも熱々のお湯をキープできるだけの性能を持っています。

そうして、明かりと暖房、お湯を停電時でもキープすることができれば、お湯だけで食べられる食材についても考えておけば良いのではと思います。基本的にはお湯を注ぐだけで食べられるもの、さらに言うと食べた後の食器洗いについても水道が凍結していたりするとなかなかできない場合もあるので、スーパーで安く販売された時にカップに入った麺類や最近ではご飯物(カレーメシのようなもの)を一気に買うのではなく、普段より安く売っている時に買い溜めておくようにすると、もし停電が一日ないし数日で復旧するぐらいであれば、何とかその間を逃れることができます。

アウトドアでの調理を日常的に行なっている方であれば、例えば固型燃料やアルコール燃料を使っての炊飯も簡単にできますが、これも慣れないとうまく炊けないばかりか、火器を倒して火事の危険性があります。ですから基本的には停電時でもお湯を沸かせるようにして、そのお湯は長くキープできるようなボトルを揃え、そのお湯を使って温かい食事ができるようにある程度のストックを日常的に行なっておくことが大切ではないかと思います。今後の天候の状況によって、日本のどこで大きな影響が出るかわからない状態ですので、安全に注意しながらもしもの時に備えましょう。


新型コロナには感染した方が良いという価値感もある中で今後の行動をどうすべきか

テレビニュースで、中国国内で日本のテレビ局が取材したVTRを見る機会がありました。私自身は、症状の出ない中で新型コロナに感染したかどうかはわからないものの、熱が出たり症状が出るような形での感染は今までありません。

ワクチンを打ったことによるものなのか、マスク手洗いおよび外出を控えることが功を奏しているのかどうかはわかりません。ただ、今までインフルエンザや風邪を含めて体調を崩して仕事に穴を開けたことはないので、その点では良いと思っているのですが、状況が違うとそうした認識についても変わってきてしまうのだということを、中国国内での取材内容を見ていてしみじみ感じることになりました。

ニュースの中では、今まで一回も新型コロナに感染していない人が外出してお店に入ろうとしたら、お店の方では入店を断るというような事が起きていることを紹介していました。中国で予防の為どのくらいワクチンを打っているのかどうかわかりませんが、中国国内での市民感覚では、ワクチンを打つよりも実際に新型コロナに感染して免疫を獲得した方が安心であるというような価値感の方が大きいのだろうなと思いました。

それはそれとして一つの考え方ではあるのですが、軽い感染で済み、すぐに社会復帰できれば良いのですが、重症化したり重い後遺症になってしまったり、それこそ命を落としてしまうようなリスクを新型コロナに感染することで持ってしまうという事もあります。中国の場合、人口の比が日本とは比較にならないので、もし感染力が強い変異株や、重症化しやすい変異株がこれから生まれてきてしまったら、軽く感染した方が良いという今までの価値観自体が崩れてしまう可能性があります。

中国では旧正月に国民が大移動することが知られていて、日本への海外旅行を希望する人たちも少なくないと聞きます。個人的にはそうした人の来日を闇雲に恐れる必要はないとは思うものの、気がかりなのがあれだけ多くの人が中国本土で感染しているにも関わらず、死者が1名とか極端に少ない数字が発表されていることですね。残念ながら現在の中国でどの変異株が流行しているか知らないのです。本来はそうした現状を解明し、透明にする中で恐れる事は恐れ、過度な対応を抑えることが大切だと思うのですが、今後海外から新たな変異株が持ち込まれてさらに国内での感染が増えるのか、そうではなく段々と感染者が落ち着いていくのかは俄には判断できないので、気になさる方は今月末から来月はじめにかけて、自身の行動についてじっくり考えてからにするようなことも必要になってくるのかも知れません。