大きな災害に遭遇した場合、あっという間に生活必需品の入手が難しくなります。私の体験は大したことはないのですが、大雨で以前私の親戚の住んでいる地域で断水が起こったことがありました。
自宅周辺では断水もなかったのですが、その親戚のためにお水を買ったり、水道水を分けるための水タンクを買おうと近くのホームセンターやスーパーを回ったものの、見事に全て売り切れになってしまっていました。
結局、こちらでは何ともできず、その親戚の方が自らちょっと離れた地域にあるホームセンターで水タンクをゲットしてきたのですが、それまでは普通にスーパーに行けばペットボトルの水が安く置いてあったり、ホームセンターで水タンクを買うことも簡単だったのに、これが災害の恐ろしさだとしみじみ感じました。
そうした経験を受けて、備蓄用のペットボトルの水を備蓄するようになりましたが、他には18リットルの水タンクを備えていて、給水車が来た場合に一気に水をもらうことはできるようになっています。ただ、水だけではどうにもならないので、お湯を使って食べられるインスタント食品をローテーションさせているのですが、そもそも都市ガスが止まり停電になったら、調理どころか湯沸かしもできなくなってしまいます。そんな場合に何とかできるのか? というのが今回のお話しです。
まず、家庭内で備蓄して用意する熱源および調理器具として一番ポピュラーなものは、カセットガスコンロになると思います。私自身はカセットコンロは持っていて、一応使えるようにはできているのですが、最初に紹介した断水時の水と同じように、安いカセットガスはお店から一気になくなって、安定的に自宅での料理ができるくらいの量をストックしておくのも大変です。カセットガス自体も使用期限があります。岩谷産業のホームページでは、サビが無いことを確認した上での期限は製造年月日から約7年ということです。
頻繁に野外やキャンプでバーベキューや、冬の鍋を主にカセットコンロで使うなら、ストックしたカセットガスを使いながら一定数保存しておくことも一つの考え方ですが、缶の場合はどうしても不燃ごみが出てしまいますし、自宅の場合はその置き場所にも困ります。
そこで、私の場合は湯沸かしや炊飯をはじめとした簡単な調理ができるように、様々な燃料用アルコールを使えるバーナーを準備しています。ただ、気になるのは非常時に燃料のアルコールを入手できるのかということになります。
過去、少ない燃料で湯わかしや炊飯を試したことがあります。市販の製品では旅館の食事に出てくる鍋を温めるための青色の固型燃料1つで自動炊飯ができるセットが売られていましたが(今でもあるかも)、青色の固形燃料は便利ですがちょっと割高で、長期保存に耐えられないというディメリットがあったので、それなら同じ原理で燃やすことのできる液体のアルコール燃料を使おうと思い立って今に至ります。
問題は、ライフラインが復旧するまでにどのくらいかかるのかというところなのですが、今使っているアルコール燃料では、30ccでご飯2合の炊飯ができ、20ccあれば500ccの水を沸騰させられます。薬局で売っているアルコール燃料は主に500ccのものが多く、価格的には300円くらいですが、お米と水があれば、だいたい一週間くらいの調理には一本くらいあれば何とかなり、あとは別の燃料(牛乳パックの紙を細長く切って燃やせばお湯を沸かすことも可能)やソーラーパネルからの電気を使ってご飯を炊いたり調理をすることと併用すれば、何とかなるのかなとは思います。
問題は、ストックしてある分が無くなってもまだライフラインが使えなくなっているような場合、アルコール燃料の再調達は可能なのか? というところだと思います。恐らくそんな状況ではカセットガスの入手は難しいかも知れませんが、アルコール燃料はどうでしょうか。新型コロナウイルスの影響がある時には、消毒用を中心としたアルコールの入手が難しい状況がありましたが、燃料用と消毒用はそもそも使用目的が違いますし、何とかネットが使えてネットショップから入手することができるなら、何とかなりそうな淡い期待を抱いているのですが。
まあ、そうは言っても過信は禁物です。現在自宅では500cc2本分くらいのアルコール燃料を備蓄していて、単にお湯を沸かすだけなら先述の牛乳パックの紙を利用したり、冬であれば灯油を買って石油ストーブで暖を取っているので、灯油を使って調理したりもできるようになっています。もちろん、ポータブル電源に蓄えた電気を使うこともありえますが、自宅のソーラーパネルで発電できる電気はたかが知れていますので、主にスマホやパソコンを使ったネット利用を中心にする予定です。それでも、カセットガスを使わずに温かい飲み物と食事をできるような手段として、今後もアルコール燃料を中心にいざという時の備えをしていこうと思っています。