月別アーカイブ: 2020年12月

Suicaにチャージできる楽天ポイントは

私が使っているモバイルSuicaは、ビックカメラSuicaカードと紐付けしているのですが、先日このブログでも書きましたが、楽天カードだけでなく楽天ポイントからもチャージできるようになりました。

ポイントということでは、ビックカメラSuicaカードでたまるViewポイント(現在はJREポイント)について、請求書をウェブ確認することでボーナスポイントが毎月50ポイント付いていたのが2021年にボーナスポイント付保が終了するため、メインカードでないビックカメラSuicaカードでJREポイントを貯めてSuicaにチャージするのも大変になる中、日々の利用で貯めた楽天ポイントを使えるなら、ポイントによるチャージの方法として楽天ポイントを使ってみようと期待していたのです。

具体的には「楽天ペイ」アプリから「ポイントチャージ」を選んでチャージするポイントを1ポイント単位で1円のSuicaチャージに使えるのですが、残念ながらポイントチャージ対象になるのは通常ポイントのみで、期間限定ポイントは対象にはなりませんでした。具体的に言うと、これから楽天モバイルで端末を購入したり、楽天モバイルのサービスを利用することでもらえるポイントは基本的には期間限定ポイントなのでSuicaチャージには使えないということになります。

ただ、私の場合には期間限定ポイントの使い方としては、近くの出光スタンドでポイントで(1ポイント1円)給油ができるので、結構便利に期間限定ポイントを使えています。期間限定ポイントを給油で使うと、必然的に通常ポイントが温存されるので、今回はガソリンで使う分と他の公共交通機関で使う分を分けて通常ポイントの端数をチャージしてみました。

当り前ですが、楽天ペイアプリでポイントチャージした金額について、改めておサイフケータイアプリを開いてSuicaの残高を調べてみると、楽天ポイントでチャージしたポイント分が加算されていました。通常ポイントしかチャージできないというのは確かに残念ですが、そもそも期間限定ポイントをいったんポイントチャージしてしまったらずっとSuica残高として残るようになってしまったら、期間限定ポイント利用の裏技として一気に荒らされてしまうことも考えられます。期間限定ポイントは何とか期限までに給油中心に使い切れそうなので、今後は常に通常ポイントをある程度残しておき、実はたまにしか使わない公共交通機関を使う際に必要に応じた分のチャージをするというパターンは十分にあるのではないかと思いますね。

今のところ、なかなか車以外の交通機関で出掛けることは感染症対策という面からすると難しいと思っているので、今のうちにポイントを貯めて、実際に必要な時にチャージ可能なポイントを増やしておきたいです。


調理中の緊急地震速報の入手方法

2020年はここまで、感染症への対応ということが問題に挙げられることが多くなることで、本来は備えなければならない問題への対処も遅れ気味になっている感じがします。その事を強く感じたのは、一昨日に静岡県内で出た緊急地震速報でした。

幸いにして緊急地震速報から時間をそれほど空けずに起こった伊豆諸島を震源とする地震については、特に大きな被害を出しませんでしたが、金曜の夜に2回も緊急地震速報が出たことで、かなりその時にはナーバスにならざるを得ませんでした。

この一連の地震はマグニチュードが低くて伊豆諸島でも最大震度5弱と、そこまで大きなものではありませんでしたが、やはり静岡県に近いところで何回も地震が起きるというのは気になります。そもそも、感染症の有無に関係なく、日本ではここのところ継続して震度4から5くらいまでの地震が起こってきています。東北や茨城県内を震源とする地震は未だに東日本大震災の余震と考えられますが、伊豆半島周辺を震源とする地震についてもいつ南海トラフが動く大きな地震の引き金になる可能性もあります。

ここのところ、自宅内でアルコールストーブを使った調理を試したりしているのですが、もしアルコールストーブの燃焼中にグラっときたら、自宅が火元になってしまう火事の危険性も出てきます。一応、小型のアルコールストーブということで、いざという時には小皿をかぶせることでアルコールストーブの燃焼を消す準備はしているものの、今後は消火用の水も用意しながら、野外で使うことも考えつつ、室内ではなくベランダに調理場所を移すような形で火の取扱いには十分気を付けようと思っています。

そして、改めて思ったのが常に緊急地震速報を意識した生活の大切さです。金曜日の緊急地震速報はテレビを付けていた時だったため、リアルタイムで緊急地震速報が出たことを認識した上で対処できましたが、少なくとも料理をしているような状況の中では、いつ速報が出ても良いように、テレビかラジオを付けながら火の管理をするということが必要かなと思います。

私自身、radikoでラジオ番組を楽しむことが多いのですが、もし地元の放送局でない放送局の番組をradikoで聞いていた場合、radikoから流れてくる速報はその地域における速報になってしまうため、自分の身の回りの情報を得ることはできません。さらに、radikoの場合は本放送より流れてくるタイミングが遅れてくるので、リアルタイムに速報を聞いて火を消すなどの対応をするためには、テレビもデジタル放送になってライブでも数秒届くタイミングが遅れてしまうので、小型ラジオを移動させながら流しておくことも緊急対応としては十分にありという感じがします。電池駆動のポータブルラジオの場合、停電が起きネットが切れても流れてくる情報が途切れることはありません。普段はradikoを楽しんでいても、普通のラジオも併用することもやはり大事かなと改めて思います。

今後の日本を襲う地震については、私の住む静岡県を始めとして絶対に大丈夫という地域は無いと考えた方が良いと思います。基本的には自宅から何も持たずに逃げても車の中に車中泊用兼災害対策のための装備を揃えてはいますが、日頃から大きな地震に遭遇したらどうするということを考えておけば、必要なものは自宅から持ち出すことができたり、避難する際に怪我を防ぐような注意もできるように思います。これから年末年始にかけて、主に感染症対策から自宅にいる時間がさらに多くなるでしょうが、そうした生活をする中で、いざという時にどう自分や家族の身を守り、何を持って避難すべきかというような事も考えてみるのも大事なのではないでしょうか。


ドコモの「はじめてスマホプラン」と日本通信のプランを比較

NTTドコモが新たな格安プランを出してきたことで、今後の新たな料金プランがどうなっていくのか期待している方も多いと思います。先日発表された「ahamo」は従来のプランとは違うので、現在ドコモのプランに加入されている方にとってはドコモショップで契約変更できるプランがどうなるかが気になっていたところもあると思いますが、「5G」向けの大容量の料金プランを、2021年4月から1,000円値下げし、税抜き月額6,650円にすると発表しました。

さらにこのプランでは今後どうなるかはわかりませんが、データ通信量も無制限で利用できるということで、固定回線の代わりとして考えている人は、単純に安くなるのは嬉しいでしょうが、そこまでデータ通信を使わない方、特に毎月数GBのデータがあれば十分という人にとっては、オーバースペックのプランになります。

それと同時にドコモが出してきたのは、万人向きのプランではないのですが、現在3GのFOMAを使っている人が4G・5GにSIM変更をする人向けに作られた「はじめてスマホプラン」です。これはプラン名の通り、主にガラケーを使っている人をスマホに移行させるためのプランで、ある程度の割安感を出してきていると思うのですが、冷静に見ていくと、そこまでドコモは思い切った価格設定にはしてきていないのではないかと思うところがあります。ということで、ドコモから回線を借りて原価ぎりぎりで通話を主にしたプランを提供しているという触れ込みの日本通信のプランとこの「はじめてスマホプラン」を比較してみたいと思います。

まずドコモプランについての詳細について紹介します。「最安980円/月」ということなのですが、この料金というのは契約から一年間割引く「はじめてスマホ割」と、料金をdカードで払う「dカードお支払割」を付けた一年間の利用額です。一年経って「はじめてスマホ割」が終了すると月額1,480円となります。「dカードお支払割」は月170円引きということで他の契約と同じで、実際に他社の割引無しプランと比較すると月額1,650円となります。

これで何がどうなるかというと、高速クーポンが1GB付き(使い切った場合は最大128kbpsに制限)、通話については5分定額が付いています。通話を無制限にしたい場合には+1,000円となるので、月額は2,650円になります。dカードを作ってそこから支払うことに抵抗がなければ、「dカードお支払割」を付けた「はじめてスマホ割」終了後の価格は2,480円となるわけです。

そこで、改めて日本通信のプランの内容と価格を思い出していただきたいのです。日本通信で出している通話無制限の「合理的かけほプラン」は、同じく通話無制限で、高速クーポンを3GB付けた内容で(低速制限時の速度は最大200kbpsとドコモより早い?)ドコモの「dカードお支払割」を加味した価格と同額になります。さらにこの内容で足りない場合の高速クーポンの1GBあたりの加算額はドコモの場合は1,000円ですが、日本通信の方は250円と4分の1になります。

こうしてみると、月に1GB使うくらいなら、ドコモの高速回線の安定性云々というのはあまり問題にならないのではないかと思いますし、ドコモの回線を借りてサービスを提供している日本通信の方が安くて使い勝手が良い(ドコモの場合は4G契約からの変更は不可)という結果になってしまいました。電話のかけ放題まではいらないという場合には、同じ日本通信には5分定額の設定こそありませんが、月70分までの通話無料が付いて高速クーポンが同じく3GBまで使える「Wスマートプラン」が月1,580円で利用できますし、ahamo対抗プランでは月70分までの通話定額に16GBまで(ahamo開始時から月20GBに変更)使える「合理的20GBプラン」が1,980円で使えるので、ガラケーからスマホへの移行を考えている方は、とりあえず日本通信のSIMを契約してその使い勝手を見てからその後どうするか考えてもいいでしょう。

もちろん、スマホにしなくてもガラケーのような二つ折りタイプのガラホに日本通信のSIMを入れて使うのも有りです。ただ「合理的20GBプラン」を使う場合は、テザリングのできるガラホにすれば、Wi-Fi専用のタブレットと一緒に使うことで、通話もネットも十分に楽しめます。

ここまで書いてみると、それこそ3Gのガラケーユーザーを「はじめてスマホプラン」に移行させようと思うなら、何の制限もなく5分定額を付けてずっと月額980円くらいの設定にしないとインパクトがないような気もします。5分定額に魅力を感じるならあえて1年間はドコモのプランを使うのも悪くはないですが、割引が切れるタイミングで他社に移るのが良いでしょう。無制限に通話をしたい場合は、最初から「合理的かけほプラン」でもいいような気がします。

今後、2021年になるとauがドコモへの対抗プランを出してくるということもあります。私の使っている4Gガラホは2021年1月が更新月なので、auの新プランをすぐに契約することは難しいかも知れませんが、もし4Gから「はじめてスマホプラン」に変更可能だったとしても、今後出てくるプランが魅力的なものになるかというとやはり疑問です。多少高くても安定して早い通信ができる上位プラン契約でメリットを見出す場合以外は、他社の動向も見ながら移行も考えてみるのがいいようです。


車中サバイバルキット装備の必要性を考える

2020年の冬は、ずっと暖かい日が続いたものの、急に大雪が降ってしまうという、当該地域についてはスキー場には恵みの雪になったものの、日常生活をしている人からすると集落が孤立したり停電が起きたり、車道で立ち往生するような事例が多発しています。

恐らく、雪国で生活をされている方はタイヤチェーンの装着やスノータイヤへの履き替えをはじめとして、車が埋まらないようなスコップの用意、毛布の用意などまでされているとは思うのですが、暖房については車をアイドリングさせてヒーターを付けるという事でしのいでいるだけの方が多いのではないでしょうか。

それでも、常にガソリンを満タンに入れておけば、何とか立ち往生が解消するまでガソリンが持つかも知れませんが、ガソリンを燃やして走らない電気自動車・ハイブリッド車の場合は、ヒーターを入れることで電池に貯めた電気をかなり消費してしまい、ガソリン車より車内での暖を取り続けるのが難しくなっていくと思います。ただ、ガソリン車であっても、立ち往生が解消した後にちゃんと走ることのできる燃料を確保するためには、車のエンジンを止めても車内で暖かく過ごせるような装備を用意しておくことも考えておいた方がいいでしょう。

具体的には冬用の寝袋の用意など、火を使わなくても暖かく車内で過ごせるようなものを車に載せておくことと、あとは湯わかしのできるバーナー類の用意です。水もペットボトルのものを用意しておけば、お湯を沸かして体の中から温まることができますし、自販機があれば水も買うこともできますので、必要な時にお湯を沸かしてそのお湯を温かいままキープする真空断熱ボトルがあるとその後の展開も色々なことができます。

お湯は飲むという用途の他にも、真空断熱でないボトルや小さな湯たんぽに入れることでそれ自体が暖を取る道具になります。湯たんぽのためのお湯なら、水質うんぬんについて考えなくてもいいので、降り積もった雪をケトルや鍋に入れてバーナーにかけることで暖を取るためのお湯を作ることができます。その際、もし赤ガスを使うことのできるキャンプ用のバーナーを持っていれば、車に入っているガソリンを抜き、それを湯沸かしの燃料として代用できます。

立ち往生というのは事前にわかるものではないため、他の燃料を常備するということは難しいかも知れませんが、小枝や紙などを燃やして調理のできる「ネイチャーストーブ」を用意するとか、車内に置いても発火する危険のない木炭や木質ペレット燃料が使えるウッドストーブを燃料とともに常備するということも一つの方法でしょう。ウッドストーブの場合、周辺に燃やして問題のない木や落ち葉を発見できれば、それ自体で暖を取ることができるというメリットもあります。

あとは、夜になっても明かりが確保できるようにLEDを使用したライトや、車を停めていても情報を入手できるように携帯ラジオをエネループとともに車の中に置いておけば、夜間から深夜になっても心細さはある程度回避できるかも知れません。スマホは使い続けられればいいですが、そのためにはいざという時に備えて容量大き目のモバイルバッテリーを常に満充電させて持っているようでないと、いざという時にスマホが使えなくなる可能性があります。もしサブバッテリーを持たずに出てきてしまったら、とりあえずはスマホの電源を切って、必要な時に電源を入れて使うようにした方が無難だと思います。

今後、さらに大きな寒波がやってきた場合、たまたま出掛けた先で立ち往生してしまう可能性は多くの人にあると思いますので、特に車のエンジンを切った状態でも自分の身を守ることのできる装備について考えてみてください。


Gmailでさえもダウンすることを想定したデータ保存を

先日に2回にわたって起こったGoogleの各種サービスのダウンによって、影響を受けた人はそれなりに多いのではないかと思われます。You Tubeも見られなくなりましたし、そんな時はまずは自宅や自分のネット接続状況を疑うものですが、その時にGoogle自体が問題を起こしているということまでは考えなかった人もいるのではないでしょうか。

私の場合は、そもそも使っているスマホがAndroidなので、ID的に使っているのがGmailのアドレスになります。ネットを使って長いので、全てをGoogleに依存するようなことはしてはいないものの、メールの確認については別のアドレスに届いたメールをGmailに転送させた上でパソコンのブラウザ上やスマホアプリの上から読むことが多いです。こうすると、昨今問題になっている巧みにフィッシングサイトに誘導しようとする詐欺メールを自動的にごみ箱に送ってくれるので、割と安心して受信ボックスに届いたメールを開くことができるのです。

ただ、そうした事がしばらくできなくなってみて、いくら便利であっても一つのサービスに依存しまくることというのは、やはり気を付けなくてはならないということをしみじみ感じています。

今回の事で来年以降にあるかも知れないと思ったことがあります。Googleは世界中でスマホの基本OSとしてそれなりの覇権を握っていますが、こうしたアメリカ企業による独占を良く思わない国もあるでしょう。そういう国の中で、軍事的にはアメリカに対抗するだけの軍備を持たないながらもインターネット上からアメリカ及びアメリカに依存する日本のような国々を攻撃するためにはGAFAと呼ばれる企業を攻撃してそのシステムを一時的にもストップさせることができれば、多大な被害を与えることができるだけでなく、国同士の話し合いを有利に進められるのではないかという風に考えるところも実際にあるでしょう。そうなった時には一般ユーザーであっても便利なサービスが利用できなくなると思われるので、その時にどうするのかということも、今後は考えておかないといけないのかなとも思ってしまいます。

具体的には、ネットでは良くある「2段階認証」のためのワンタイムパスワードの送付先について、Gmailのアドレスにしていた場合、GmailおよびGoogleのシステムがダウンしてしまったらお目当てのサービスにログインできない状態が続くということにもなります。2段階認証自体はなりすましを防ぐための良い方法だと思いますが、多く使っているサービスをからめて便利に使っているともし何かが起こった場合には影響を受けますので、改めて自分が今使っているサービスの内容を点検し、過度なGoogleへの依存(サービス云々ではなくIDの利用など)については再考すべきではないのかと思ったりします。

それにしても今年は、GoogleについてはGoogleフォトの改定をはじめとして、様々なところでケチが付き始めた年だったように思います。かつてのマイクロソフトがそうであったように、今後Googleが今までと同じようにインターネット上の情報を牛耳ることができるかどうかもわからないので、そういった観点からも自分のデータ保護については改めてその方法について考えていきたいと思っています。


ニトリの新しい「超保温ボトル HEATEX」はキャンプ仕様?

先日、スチームアイロンが壊れてしまったので(^^;)、ニトリの安いスチームアイロンを買いに行ってきました。基本性能はちゃんとしていて千円そこそこで購入できたのですが、その際に近くの店舗では置いていなかったのですが、今ニトリの真空断熱ボトルがすごいことになっています。

過去のブログ記事で、750mlの2Wayボトルの保温性能が95℃以上のお湯を入れて6時間後に82℃をキープするカタログ値があることを紹介しましたが、その製品がラインナップから落ち、今後ニトリは同じようなタイプのボトルを出さないのかと思っていたところ、ネットニュースでは店舗では12月7日から新しい真空断熱ボトルを出すのだそうです。それが表題の「超保温ボトル HEATEX(ヒーテックス)」のシリーズです。

このボトルは、「冬のレジャーでも山の山頂でも」と商品の説明にあり、製品の写真を見ると本体底とカップの底に落下時の衝撃を和らげるゴムが付いているので、今までの日常用とは違ってサーモスの山専ボトルやモンベルのアルパインサーモボトルという一連の商品を意識して作られたものであると思われ、その性能は本当に大丈夫か? と思えるほどのカタログ値を叩き出しています。サイズは500mlから900mlまでの3タイプで、それぞれの保温・保冷性能は以下の通りです(保温は95℃±1℃から、保冷は4℃±1℃から)

・500ml 保温性能 84℃以上が6時間継続 保冷性能 6℃以下が6時間継続
・750ml 保温性能 85℃以上が6時間継続 保冷性能 5℃以下が6時間継続
・900ml 保温性能 88℃以上が6時間継続 保冷性能 5℃以下が6時間継続

ニトリのニュースリリースによると、中栓内部に断熱材(硬質ウレタン)を入れ、従来品と比べて中栓の部分から熱が逃げにくくなったとのことで、この仕組みはモンベルのアルパインサーモボトルと同じです。また、内びんに銅メッキ+銅ホイルをしていることでの保温効果もあるとのことです。また本体は他社のものより少し大きく重くなっています。500mlのものでカタログ値を比べてみると以下のようになります。

・ニトリ  直径7.8cm・長さ22.8cm・重さ約320g
・モンベル 直径7.0cm・長さ24.0cm・重さ約265g
・サーモス 直径7.0cm・長さ23.5cm・重さ約280g

ニトリの750ml・900mlの直径は8.4cmとさらに太くなるので、持っていくことを考えると躊躇するかも知れません。他社と比べるとかさばることはありますし、今の私の湯沸かしセットでは750mlの水を一気に沸かすのは厳しいので、購入するとしたら500mlのものになると思います。ちなみに店頭での税込価格(500ml)は2,990円で、750mlが3,490円、900mlでも3,990円と格安です。

ニトリの場合は、終売時にさらに値引きされることもあると思うので、個人的には先日購入してニトリではサイズ展開のないモンベルのアルパインサーモボトル350mlとセットで500mlを使い、今後の商品展開を見つつ(後継品が出ない可能性もあるので)、他のサイズについては、値が下がった場合には狙っていこうかなと思っています。それにしても、これも2020年に流行語大賞にノミネートされた「ソロキャンプ」ブームのおかげなのかと思ってしまいます(^^)。この製品については近くの店舗受け取りでネット購入(クレジットカード決済)すれば送料はかからないので、早速注文してみました。現品が届きましたら、改めてレポートさせて頂く予定です。

注文していた製品が届いたので、保温性能のテストを行なってみました。興味のある方は以下のリンクをご参照下さい。

https://syachu.net/2020122401


今後の電動バイクのバッテリー共通化に期待

今後の自動車は電気自動車にしても、燃料電池車にしてもすぐにガソリン車やハイブリッド車並の取り扱いは難しいと思いますが、バッテリー容量の少ない電動アシスト自転車はすでに自宅で充電したり交換用のスペアバッテリーを持っていれば日常生活には不自由しないくらいにまでなっています。私自身は古い非電動自転車ですが、電動アシスト自転車に乗った、明らかに自分より体力が無さそうな人が軽々と急な坂を上っていくのを見ると、今ある自転車を電動アシスト自転車に変えるだけでも、車を出す回数を減らしてCO2排出を抑えることに一役買っているのではと思います。

今後、自動車がなかなか所有することが難しくなる中で考えることは、レンタカーやシェアを主として自動車を使い、日常の足ということで電動アシスト自転車や、電動バイクを使うという考え方もあります。そんな時に耳にしたのは、ホンダが2021年の春から夏にかけて発売すると発表した交換式バッテリーシステムを採用した商用電動スクーター「GYRO e:」「GYRO CANOPY e:」のニュースです。

この「ジャイロ」シリーズは、ピザ屋さんの配達でお馴染みかも知れませんが、三輪のバイクでキャノピータイプのものは屋根やワイパーを装備し、恐らくオプションになると思いますが、座席後ろにピザ配達でおなじみの荷物用ボックスを付けることができます。個人的にはそれこそピザ屋さんで使わなくなったその種のバイクを安く買えたら乗ってソロキャンプに行きたいなと漠然と思っていたのですが、この車両は結構売出価格が高く、中古市場でも結構高いので、車とともに持つのは難しいだろうなと思ってしまったのでした。

しかし、今後のガソリン車の生産取りやめにより、新車自体の価格が上がってくるということになると、さすがに昔の安い軽自動車くらいの価格で買えるくらいに普及してくれると、今後は全く状況が変わってくると思われます。

というのも、今回のホンダの出すバイクだけではなく、他に川崎重工業、スズキ、ヤマハ発動機の国内バイクメーカー3社を加えた4社が、交換式バッテリーの標準化で国内の電動バイク普及を見込む「電動二輪車用交換式バッテリーコンソーシアム」を共同で発足したというのです。つまり、今後の状況によっては出川哲朗さんの番組のように交換式バッテリーがスッカラカンになった場合、お願いしてコンセントから充電を頼み、満充電できるまで時間をつぶすような事はしなくて良くなるかも知れません。

つまり、今後出る電動バイク(スクーター)のバッテリーが共有化されれば、自分で複数本の交換用バッテリーを持って出掛けることで走行距離を伸ばすという方向の他に、ガソリンスタンドやコンビニエンスストア、ショッピングセンターで満充電されたバッテリーと自分のバッテリーを有料で交換して走り続けられるようなインフラが全国に広がれば、念のためにスペアバッテリーを用意しつつ、一本のバッテリーが空になったら各地にあるバッテリーステーションで満充電されたバッテリーと交換しながら走り続けることも可能になるのではないでしょうか。

本当は、こういった「バッテリーの共通化」は、電気自動車でこそ行なわれて欲しいものですが、なかなか大型のバッテリーを軽自動車から大型自動車まで共通化することは難しいと思いますので、まずは原付タイプの電動バイクでバッテリーの共通化を実現して欲しいですね。そうすれば、電車の旅であってもレンタル電動バイクを使って公共交通機関が通っていない場所にも行けるようになりますし(要免許ですが)、新しい旅のパターンとして定着するようになれば、今回ホンダが出すような荷物が多く載るような電動バイクでツーリングキャンプを楽しめるような事もできるのではないでしょうか。

電動バイクは電気自動車と違って、集合住宅の場合でも交換式バッテリーを外して自宅内で充電することで毎日の通勤にも利用することができますし、充電を忘れたような場合に別途有料で充電済バッテリーと交換する事もできるので、自動車は必要な時だけ借りて、普段の足としては電動バイク(雨の中で乗るような場合は屋根とワイパー付き仕様のものを使えば天候の影響も最少限に抑えられます)にすることで、日本全体のCO2排出量を抑えるという事もかなり現実味のある話なのではないでしょうか。

今のところの問題は、現在の日本では駐車場や駐輪場はそれなりに整備されているものの、バイク駐車場については時間貸も月極もまだまだ少ないということがあります。ただ、電動バイクが普及するようになれば、普通乗用車の駐車スペースに複数台の電動バイクが駐車可能になるので、充電ステーションの普及の度合いによっては駐車場の整備も進むのではないかという期待もあります。加えて、原付専用の道路も整備されてくれば、事故の心配も減るのではないでしょうか。ともかく、この「電動二輪車用交換式バッテリーコンソーシアム」の成り行きには期待しながら状況を見ていきたいと思います。


ミニマム調理の基本クッカーは必ずしもメスティンではない?

過去のブログでも紹介しているいざという時に持ち運んで使うためのクッカーセットを整備しようと思ったきっかけは、ダイソーで500円の小型ハンゴーの「メスティン」を発見したことでした。標準的なトランギアのメスティンの中にすっぽり入るくらいの小ささで取り回ししやすいので、ミニマムセットにはダイソーメスティンを中心に作っていこうと思ったのですが、実際にメスティンを使い、他のクッカーとその使い勝手を比べてみると、ミニマムセットには必須の条件を満たすクッカーは他にもあるということがわかってきました。

というのも、クッカーひとつで湯わかしをするにも、野外でケトルの代わりにするためには、大切な水から沸かしたお湯をこぼさないでボトルに移せるかどうかが大事になります。炊飯をするにも、一合のご飯を炊くにはある程度の余裕が欲しいですし、吹きこぼれしにくいような構造であることも後片付けを簡単にする観点から抑えておきたいところです。

メスティンでの湯沸かしは、蓋付きのため問題なくできるものの、長方形の形状からのボトルへの移し替えは少々難しく、せっかく沸かしたお湯をこぼしてしまうようなことも、実際にメスティンで湯わかしを試している中で度々ありました。炊飯でも吹きこぼれるようなフタの構造になっていることから、思い切ってメインのクッカーをユニフレームの山クッカー角型(小)にして試してみることにしました。

実際の使い勝手として、まずフタの構造が外側ではなく内側にはまるようになっているというのは過去に紹介した通りですが、加えてフタにはプラスチックの取っ手が付いていて、熱い状態でも何とか素手でフタを開けられるようになっています。さらに沸騰したお湯をボトルに注ぐ場合についても、正方形の形状のおかげかどうかわかりませんが、メスティンと比べるとほとんどこぼすことなくボトルに移すことができました。ハンドルはメスティンと比べると熱くなると素手では触れませんが、100円ショップで売っているシリコンや革の持ち手を付けることで、安定して持てるようになります。

また、元々の価格が高いこともあり、同じアルミでもアルマイト加工されています。これにより、加工されていないメスティンより酸化皮膜を形成し耐腐食性、耐摩耗性、表面硬度が増すということで、やはり安心して使えるということはあるでしょう。もちろんメスティンにもアルマイト加工をしたり、内部にフッ素塗装をされた製品も売ってはいますが、その場合はとても500円では買えないわけで、どれか一つだけ持っていきたいミニマム使用のためのクッカーはと考えた時に、このくらいのクオリティはあったほうがいいのではないかと思えます。

また、単体でも火にかけても使えるチタンカップであるエバニューのEBY265Rという400mlのカップがすっぽり中に入るというのもポイントです。四角のクッカーに丸いクッカーを入れると四隅に無駄な空間が生まれてしまいますが、写真のようにパックに入ったゲル状の固形燃料のパックがその隙間に3つ分(ダイソーなど100円ショップで売っているパックはちょうど3個パックなのです)入りますので、無駄なスペースを生みません。このカップは、カップとしてもスープの温め直しに使うような場合でも火にかけて使えるというのがミニマム調理セットに入れる一つとして考えてもいいと思います。ちなみに、写真中央がメインのアルコールストーブになります。

さらに、先の写真では見にくいかも知れませんがEBY265Rの中にはベルモントのチタンシェラカップ深型250フォールドハンドル(BM-329)がすっぽり入ります。そこで角型クッカーと、その中にスタッキングできるカップ2つを展開してみました。この中で一番小さい深型シェラカップの容量が250mlということで、コーヒー一杯分の180mlを入れて飲むにはベストのサイズになっていますので、メインのカップの代わりとして使うには丁度いいのではないかと思います。

このように、3つのクッカー(カップとしての利用を主にするものも含む)が一つにまとまるので、この中にあえてメスティンを加える必要性が薄れてきてしまったというのが正直なところです。山用クッカー角型(小)は単体で一合の炊飯に便利で、ポケットストーブ+アルコールストーブとの組み合わせで自動炊飯が可能です。私の持っている手作りアルコールストーブの場合は相当燃費が良く、約20mlの燃料用アルコールで、風の影響がなく、気温が20℃以上であれば問題なく自動炊飯(約15分の燃焼)ができるので、炊飯でのアルコールストーブの利用が終わったら、少し冷ましてご飯を蒸らす間におかずをチタンカップの方で温めたり、缶詰をそのまま温めるような事をすれば、十分一人分の食事を作ることができます。

ちなみに、400mlのEBY265Rカップやシェラカップ深型250で湯沸かしをするような場合にフタが欲しいですが、EBY265Rカップの直径が約10cmのため、どちらのカップでも使えるようにセリアで入手した直径10.5cmのステンレス皿に、シリコン製のフタをかぶせて吸着させることで、やけどの心配なく火にかけたカップのフタの開閉ができるようになります。

ステンレス皿の内側にシリコン製カップフタを付けることで、写真のように出っ張った部分を挟んで持ち上げれば、やけどの心配をすることなくフタを開けられます。当然中の様子を見てすぐにフタをすることも可能で、本来のマグカップのフタとしての用途の他にも使えるということで、カップ調理には本当に便利です。なお、このフタは角型クッカー(小)の持ち手が触れないほど熱くなった場合の鍋つかみの代わりにもなります。ここまでは基本的にはすでに持っている道具を中心にまとめ、足りないところは100円ショップで買い足すことで、何とかミニマムセットを作ることができました。

ミニマムセットにはアルコールストーブとセットで使うエスビットのポケットストーブや、風の影響を抑えるための折りたたみ風防、主に100円ショップで揃えたカトラリーや点火用のライター・アルコール運搬用のミニボトルがありますが、その紹介については省略します。それを、昼食のお弁当箱が入る中がアルミ地の保温用のバッグ(保温用にしたのは炊飯したご飯を蒸らす際に保温するため)に入れれば、ミニマムセットが一丁上がりとなります。

このセットは自分で書くのも何ですが、単なる湯わかしに終わらず、一通りの調理もできるセットとして仕上がっているので、しばらくは自宅でその性能を確かめながら自分が食べる分のご飯を炊いたり、おかずを温めたり、お湯を沸かしたりしながら、野外に持ち出す場合のさらなる便利な使い方を模索していこうと思っています。


アメリカ発祥の「バンライフ」とは?

昨日、テレビの夕方のニュースを見ていて、アメリカで日本の車中泊のような事をやっている人に取材したVTRを見る機会がありました。アメリカでは、定住生活からバンタイプの車に乗って放浪しながら生活することを「バンライフ」と呼ぶのだそうです。

私が見たのはキャンピングカーやトレーラーハウスなどでなく、新型コロナウィルス関連で勤め先を解雇された女性が、失業保険から30万円を使って中古のバンを購入し、内装を自分で作って定住生活とおさらばし、放浪しながらの生活を送っていました。車の内部はベッドやシンクもそろっており、見た感じは日本で車の内部を改造したような感じで生活するためのコストは確かに少ないだろうなと思います。

日本と比べると例えばニューヨークで賃貸物件を借りると東京と比べてもかなり高くなるということですし、アメリカは日本と比べても車に関しての費用もガソリンも安いと思いますので、旅に楽しみを見出せる人なら、バンライフを満喫できるのではないかと思います。

ただ、バンライフをするディメリットというのは、日本の車中泊生活を続ける時と同じようなところがあります。取材を受けていた女性の方は、夜寝る時にはカーテンを閉めてドアのロックの確認を徹底し、いざという時のためにクマ用の撃退スプレーを用意しているとのことですが、明らかに日本と比べてアメリカの治安には不安な点がありますので、アメリカ国内を車の中で寝ながら放浪するというのは、それなりの覚悟が必要ではないでしょうか。

また、取材を受けていた女性は、アメリカ国内のリサイクルショップを回りながら、アンティークなどを購入し、それをネット上で売るというビジネスを行なっているようですが、日本以上にネットが普及しているであろうアメリカで、いくら安く済むといっても生活するための資金をしっかりと稼ぐことができているのか、今後も大丈夫なのかと思いますので、むやみに真似をするものではないと個人的には思いますね。

さらに、車上生活をする上での苦労ということでは、ポータブルトイレをバンの中に入れている場合はその処理や使用済みのシンクの汚水の処理をどうするのかという問題や、ゴミの処理の問題などは日本と同じで、その女性は公共のゴミ箱らしき場所にバンライフで出たと思われるゴミを捨てているのが放送されていましたが、さすがにそれはまずいと思いながら見ていました。彼女にとってはいつもの行動なのかも知れませんが、このニュースを見て彼女の模倣をする人が多く現われ、その人たちも同じようにゴミを捨てた場合、どこかでトラブルになってしまう可能性のある行動ではないかと思うからです。

こうしたライフスタイルに興味がある方は、まずは車で日本一周をされているような方も多くいると思いますので、日本での長期間の車移動についてのレポートを見るなどして、具体的にどのようにして車中泊生活を送る上での問題を解決しながら移動したのかを知っておく必要はあるでしょう。

さらにこの「バンライフ」はちゃんと定住をしている場所があって、そこから出掛けて車中泊をして帰るということではなく、帰る家がないまま放浪しているというニュアンスで放送されていたので、このままのやり方を日本で行なうような事を考えている方は、勢いで住居を手離すことのないようにした方がいいと思います。いざという時に帰ることができ、連絡先としての住所を置ける実家があるなら別ですが、国内で帰る場所を失くした状態でのバンライフというのは、ちょっと歯車が狂いだすと進めなくなるだけでなく自らの生活にも関わってくるかも知れないことも考えておくことも大事なのではないでしょうか。


強権的な指揮権発動には綿密な検討が必要

お隣の中国の政府姿勢というのは、共産党のみが政権を作っていて、その中では個人の意見というものは切り捨てられるところがあり、それによって中国は経済的に飛躍を遂げたものの、個人の人権がないがしろにされているという批判も起こっています。これは、中国に生きる人だけの問題ではありません。

例えば、現在起こっている香港の民主化を求めている運動家を香港当局が拘束している件について、日本からでも批判的な言動をブログで書いたりYou Tubeで発表したりした場合、もし香港や中国当局にその内容を見付けられ、個人としてマークされた場合、たとえ日本国籍を持つ人であっても、中国の権力が及ぶ場所に旅行に出掛けた際に中国の法律を適用して拘束・逮捕される可能性も0ではありません。中国当局のこうした状況に憤りを持っていたとしても、仕事で中国を往復する必要があるような人の場合、うかつに公的な発言をしたり、ネット上でだれでも見られるようなものを発信することが身を滅ぼすような時代になってしまっているということで、便利なネット社会の弊害というものも感じてしまいます。

翻って日本の場合でも、今後国際的な競争に打ち勝つために「挙国一致」で物事にあたることが必要であることは確かです。最近ではNTTとドコモが一体化したというような通信に関するニュースもありましたが、今後どうなるか気になるのは、このブログの肝でもある「自家用車」が今までのように普通の人々に使える存在であり続けるであろうか? という事です。

政府は今後の目標として2050年までに、自動車の製造から廃棄・リサイクルまでのライフサイクル全体で二酸化炭素(CO2)排出ゼロをめざすことを発表しました。2030年にはガソリン(ディーゼルも?)だけで動く新車の販売を終了させたいというような発表もありましたが、世の中で売られるのが非化石燃料車のみになって20年でそれまで走っている中古車が全てCO2排出0の車に置き換わるのか? と思うのですが、これについてもどこまで「挙国一致」で回していけるのかという点にかかってくるでしょう。

ガソリン・軽油で動く車がなくなると、恐らく日本にあるガソリンスタンドは今のままでの経営が成り立たなくなる可能性は高いでしょう。今後の非化石燃料車が、充電する電池による電気自動車になるのか、水素を使って電気を起こし車内の電池に貯める燃料電池車になるのかわかりませんが、後車がメインの流れになるなら、ガソリンスタンドは水素ステーションに変わることで事業自体は存続可能ではないかと思われます。この場合、車が故障したりパンクしたりした場合の駆け込み寺的な状況も維持されると思うので、爆発の危険の大きい水素を安全に貯蔵・運用できる設備投資ができないところは廃業も止むを得ないでしょうが、流れに対応できるところは生き残り、燃料電池車の価格および、燃料の水素の価格が安くなれば、一般庶民でもガソリン車から燃料電池車に乗り換えることはできるのではないかと思います。

しかし、燃料電池ではなく充電が必要な電気自動車がメインになった場合、現在のガソリン補給時間で満充電はおろか急速充電することも難しいと思います。さすがに車はスマホのように充電をし忘れても外部バッテリーを接続して使いながら充電するようなわけにもいかないでしょう。瞬時に急速充電ができるようなかなり革新的な技術の改革がないと、一部の人たちはガソリン車に比べるとかなり使い勝手が落ち、結果として自家用車を諦めなくてはならないような人も出てくるかもしれません。そうなったら庶民は車を所有するというよりも、シェアリングで借りることが当たり前の社会になるのかとも思えますが、すべて借りて済ますのも、それはそれで気苦労が出てくるのではないでしょうか。

充電時間について気にしない人であっても、いくら家庭のコンセントから充電ができると言っても、一戸建てに住んでいる方はいいのですが、古い集合住宅の場合、アパート・マンションの駐車場を電気自動車が充電可能になるようにコンセントなどの設備を作ることがどこでもできるとは思えません。さらに、住宅内の駐車場が使えず、青空駐車場に車を置いているような人は、そもそも駐車中に充電自体が難しいようなことも考えられます。今は電気自動車が少ないので、買い物や移動の合間に公共の場所にある充電スポットを利用することも可能でしょうが、電気自動車が増えれば増えるほど、そうした場所の取り合いになってくるので、常に自宅からは満充電の状態で出発したいところです。そうなると、自宅で充電が十分にできない場合にどう充電するのかということも課題になるでしょう。

さらに、充電メインの電気自動車が普及し、充電ステーションが充実すればするほど、ガソリンスタンドはその存在意義を失い、ほとんど残らないではないでしょうか。そうなると、旅先で事故や故障をした場合には、どこかでそのアフターケアを引き受けることが必要になってくるでしょう。民間企業の場合、さすがに損をしてまで事業を広げることはできないでしょうし、現在あるロードサービスの会社も、車の台数が少なくなれば会費などを値上げするか、事業自体からの撤退もありえます。となるとメーカーの方でなんとかしないといけなくなるかもしれません。

そこまで考えていくと、問題は日本の車メーカーが日本国内ではなく、海外にどれだけ新型の電気自動車を売って利益を上げ、国内のユーザーの需要に応えられるのかということにかかってくると思うのですが、そうなると「電気自動車」か「燃料電池車」かという判断は、ここで紹介したような国内の事情よりも、海外(特に人口の多い中国などアジアの国々)でどちらの方式が主流になっているかというところの方がポイントになってくるわけです。

ただどちらにしても、このままの流れで進んでいけば、最初に紹介したような中国の政治・経済体制にも文句を言わずに従い、国内メーカーの利益を上げることが日本にとっての生き残る道というふうになってしまいかねません。個人的にはそこまで海外の事情に忖度して国内の状況が決まってしまうようなやり方よりも、多くの国内で生活をしている人にとってより便利に車を利用できる方向を見出していくことが大切なのではないかと思います。

もしこのままの予定で進んでいくとしたら、当初は新しい電気自動車や燃料電池車に乗り換えられない人が続出し、同時に車関連の仕事をしている人にも多大な影響が出るのではないでしょうか。強権的に制度を作り、それを実行していくことは状況によっては必要になるときもあるかもしれませんが、あまり急激に推し進めてしまうと、社会的には相当の影響が出るのではないかと思うので、今後の有識者会議では、そうした影響も考えてきちんとした話し合いが行なわれることを期待したいものです。