月別アーカイブ: 2017年2月

TV番組「路線バスの旅」が魅力的に復活する可能性はあるか

タレントの太川陽介さんと漫画家の蛭子能収さんにゲストの女性という3人組で日本全国の特定の都市から都市へ、高速バス以外の路線バスで移動ができるかどうかという「路線バスの旅」において、主役の2人が番組から去ることになり、先日その25回目の旅をようやくBSジャパンで見ることができました。

この番組はかなり以前から楽しんで見ていたのですが、なぜ今回人気があるのにメインの二人が番組を去ることになったのかという点をめぐって二人の仲が悪いからではないのかというようなきな臭いネット記事も出ているものの、普通に見ていて思うのは、今のままでは遅かれ早かれ番組自体が成立し得なくなる可能性が高いことが挙げられます。第一回の旅は東海道の旅だったのですが、一回目から路線バスが現在の静岡市内で途絶える区間があったのですが、その区間であるJR由比から興津まで(さった峠の区間は路線バスが元からないのです)の区間は当然のようにタクシーを利用するという旅のルールについての緩さがあったものの、回を重ねるごとに出演者の体力的な限界とは関係なく「バスの区間がない場合は歩く」というルールを作ってしまいまい、このルールが仇となったと言えるでしょう。

番組としてのメリハリを付けるために少しぐらい歩く姿を見せるというのもいいかも知れませんが、バス旅も回を重ねるにつれて、路線バスの区間がどんどん閉鎖され、歩く距離はどんどん増えて行きました。中年というより高齢者に近くなっているレギュラーのお二人がバスがつながっていない区間を歩いて移動することが増え、路線バスの旅なのか歩く旅なのかわからなくなってきてしまい、笑うどころか見ていて気の毒としか思えなくなったというのが番組を見ていて変わってしまったと思う点でした。出演者の年齢の事もありますし、そこまで厳密なルールを作るべきではなかったのではと個人的には思うのですが。

さらに、番組開始当初から比べるとかなり増えたと思うものに、路線バスの代わりに移動手段として利用できる「コミュニティバス」の存在があります。日常の足に困っている地域住民のために路線が作られているもので、公共の乗り物には違いありませんが、こうしたコミュニティバスの中には時刻表があるものもあり、そうしたバスには番組出演者や普通の観光客が乗れるわけですが、全てがそんなわけではなく、電話で住民が呼び出した時だけ動かすというような形のものも結構あります。さらに平日と土曜日曜で運行スケジュールの差が激しく、本来番組を見た視聴者が同じコースを辿りたいと思っても、土曜日曜が運休ならどうにもなりません。その点でもテレビの旅をそのまま辿ることができない可能性もある旅というのはどうかという感じもします。ですから、テレビ東京でも新しいレギュラーを決めて路線バスの旅を再開するにしても、すでにスタッフが解いたバスルートを発見できるかというような興味でしか見ることができなくなるようなら、あまり続けても意味がないように思えるのですが。

今後も日本の人口は減少傾向にあり、過疎が心配される地域は今後もどんどん増えています。そんな中で、全国の道路を切れ目なく結ぶ路線バスの継続自体が難しく、自分で車を運転することができない人が気ままな旅に出るにも、きちんとした時刻表のある鉄道やバスが有る所までしか行けなくなるというのは寂しいことです。まだ自動車が運転できない学生や、免許を返納した人を中心に、行ける範囲が狭まることもあって多くの年齢層が自由に旅に出る機会がこれからどんどん減っていくのではないかと心配でもあります。

ただ、この番組続く可能性というのもないわけではありません。先日のニュースで、国土交通省が「道路運送車両の保安基準等改正」という発表の中でハンドルもブレーキもない自動運転の車が公道を走ることについて認めるという発表をしたことがニュースになっていました。その内容については短いので国土交通省のホームページから該当箇所を引用します。

(引用ここから)

・自動走行車の公道実証実験を可能とするための措置の実施
自動走行に係る車両について、公道実証実験を可能とするため、ハンドルやアクセル・ブレーキペダル等の保安基準を緩和できることとします。これにより、これら装置を備えない車両についても、速度制限、走行ルートの限定、緊急停止ボタンの設置といった安全確保措置が講じられることを条件に、公道走行が可能となります。

(引用ここまで)

恐らくこの種の自動運転車というのは今のところテーマパークを一周するようなそれほどスピードを出さない感じのもので、普通の車と一緒にすれ違いが難しそうな場所を走ることは難しそうな気がします。恐らく2車線以上ある道路のどちらかをゆっくり走るようなものになるでしょうが、それでもこうした試みというのは特定の地域だけやるということでなくて、全国で同じ乗車システムの同じような無人運転車が動くような仕組みを作り、公共交通機関のみでも県境を通過できるような路線づくりを行なってくれれば、主に公共交通機関がとだえた所を中心に、整備されていく可能性はあります。

全国でこうした交通システムが動くようなら、例えば全国で同一の乗車用カードを通すことで全国の同種のバスにも使えるようになるかも知れませんし、無人運転ということで定期運行が実現すれば、時刻表を調べまくって利用する交通機関のひとつとして、日本のいろんな所に行きたい若年層やシニアの旅行を後押しできます。そうして少しずつではありますが日本中に人が出掛けて動くような流れができれば、今まで減るだけだった場所でも新しい魅力を感じた人たちが訪れたり移住してくるような事も起こるかも知れません。もちろん路線バスの旅もかなりいろんな所へ向かえる可能性も生まれてきます。

過疎地域は時代の流れととらえ、交通機関の消滅とともに限界集落はなくなっても仕方ないという考え方もありますが、今ある住居を利用して都市から地方に移り住むことで、お金を都会ほど使わなくても生活できるようになるなら、あえて今ある集落を消すこともないでしょう。地方には地方の良さもありますし、そうした都市でない場所で生活するにあたっての情報格差というものについてはすでにあるインターネット網を利用すれば良く、買い物についても送料無料のネット通販を利用する選択肢もあります。問題なのが、実際に人が移動する交通機関の整備だということをもっと多くの人に考えていただいて、今回紹介した無人運転車のシステムが全国共通のような形で広まっていくように、エールを送らせていただきたいと思います。


「DAZN for docomo」申し込みから視聴まで

2017年2月15日からドコモのサイトから申し込み受付開始とアナウンスされていた「DAZN for docomo」ですが、とりあえずは31日間は無料で試すことができるのでドコモから申し込むことにしました。

当日は午前9時を過ぎたあたりにようやく申し込み用のリンクの貼られたボタンが出現しましたのでそこを押して注意事項の細かい文章を読みながら申し込みをクリックすると、なぜか警告が出てきました。一瞬何が起きたかと思ったら、私が申し込んだdアカウントと紐付けした端末は一番安いドコモの3Gガラホ契約だったため、この端末ではDAZNの動画を見られませんよという念押しだったということがわかり(ドコモのガラホはプリインストールしてあるアプリ以外使えないという建前なので)、警告は無視してそのまま申し込みに進んで完了させました。料金の方はドコモの請求と同時に税別980円が追加されることになります。

申し込みの確認メールがその後来たのですが、その後のアナウンスはなかったのでタブレットにすでに導入しておいたDAZNのアプリを起動したところ、すでにdアカウントとパスワードを入力するようにできていたので、申し込んだガラホに紐付けしたdアカウントとパスワードを入れて、無事にアプリは起動するようになりました。

なお、タブレットにはOCN モバイル ONEの1日110MBコースのSIMが入っていて、今回あえて低速の最大200kbpsで動画が見られるかどうか試してみたのですが、何回かリトライを繰り返した挙句、このネット接続では動画を見られないというメッセージが流れてきました(^^;)。この端末にはWi-Fiを使えるように仕込んであるので、コンビニ周辺などWi-Fiが使える時や自宅のネットを使える時に利用することになるでしょう。

また、アプリを立ち上げる際、dアカウントを再入力しないよう記憶させることは可能ですが、ログインする際にはその都度パスワードの入力を要求されますので、パスワードは頭の中に叩き込んでおきましょう。

次に、今回契約した本来の目的である大型テレビでの視聴についての話です。この文章を書いている現状で利用できると発表されているAmazonのFire TV Stickにアプリを導入しての使い勝手を試してみました。アプリを起動すると「サインイン」の表示が出てくるのでそこをクリックして進むと、最初に表示されるという「シリアルコードの入力」画面が出てきます。この画面に表示されたシリアルコードについては別のパソコンやスマホで特定のウェブに接続するとシリアルコードの入力画面になりますので、テレビに表示されたコードを入力し、サインインします。

するとサインインが完了したところで自動的に画面が変わり、様々なスポーツの動画が見られるようになるというわけです。スマホアプリのようにパスワードの入力は不用です。ちなみに私の自宅のネット環境はADSLなので5Mbps以上10Mbps以下の低スピードですが、HD画質なら止まることなく見ることができました。今のところ見逃し配信のみで試していますが、画面は荒いものの止まることなく視聴できています。今後生中継や高品質画質の場合にどうなるかという不安は残るものの、しばらく様々な状態で試しながらJリーグ開幕を待ちたいと思います。


限られた時間の中で流す曲にも思い入れを!

本日、車を運転しながらラジオを聴いていたのですが、たまたま付けていたのがNHK第一放送で、午前中の放送は「すっぴん!」という帯番組でした。番組で一つテーマを決めてそれに沿ったお便り・メールの紹介や、それらしい曲を掛けたりするというバラエティー色の濃い番組なのですが、2017年2月16日木曜日のテーマは「不器用」ということでそれに関する話や曲が流れていました。

番組で流れている曲はテーマを基にして選ばれたものが多いのか、本職でなさそうな人が歌ったり、いわゆる下手ということで有名な歌手の方の歌が多く流れたのですが、時間的には午前9時半前、関東や関西では交通情報を流すバックグラウンドで流れる曲として紹介されたのが(交通情報のない地方都市ではそのまま曲が流れます)、私の大好きな「生活向上委員会大管弦楽団」の「A列車で行こう」でした。

「A列車で行こう」というのはゲームの方ではなく、ジャズの超有名曲であってそのメロディを聴けば多くの人がわかってくださるほどジャズとしてはメジャーな曲なのですが、恐らくラジオから流れてきたものは、もはや器用だとか不器用だとかいう以前に、どこが「A列車で行こう」なのかわからないまま終わってしまいました(^^;)。

個人的にこの「生活向上委員会大管弦楽団」の事を良く知っている身としては、あまりにもこの曲を「不器用」というキーワードの中で選曲されたこと自体が信じられませんし、曲の長さ的には9分以上あり、実際に聴けるのがさわりの2分くらいだけという状況の中、なぜこの曲を選んだのかという気持ちが沸き上がってきました。

恐らくこのバンド名をいきなり出してもすぐにわかる人などいないだろうくらいのマイナーなバンドで、せっかく全国放送で流れたのに、何やらわけのわからないでたらめな演奏を「A列車で行こう」と称して世に出したのではと誤解を受けるように多くの人に思われてもこちらがいやな気持ちになります。そこで、興味のない方がほとんどだと思いますが、具体的に今回放送された内容について紹介させていただくことで、いかにNHKのラジオ担当の人がいいかげんに曲を流したかという一つの例として紹介させていただくことにします。

このように、文字だけで音楽を語ったとしても、その曲を聴いた事がない人にとっては何が何やらわからないというのが正直なところだと思いますので、今回流れた「A列車で行こう」がたまたまYouTubeにアップされていたので、最後のところにリンクを貼らせていただきましたので、読みながら音楽を聴ける状況にある方はぜひ曲を聴きながら以下の文章をお読みいただけると幸いです。

この曲のポイントは複数ありますが、まず有名なメロディーに入る前に、当時はやっていたフリージャズの演奏家としても活躍されていた原田依幸氏のピアノソロがおよそ3分間に渡って繰り広げられます。演奏者の頭の中に浮かんだフレーズを、がむしゃらにピアノに向かって叩き続けるさまは、こうしたジャスが好きな人にはたまらない時間なのですが、ジャズと言えばスイングジャズというイメージを持っている人や普通の人が聴けば単にピアノをメチャクチャに弾いているとしか感じないでしょう。

この辺は抽象画の評価が人によって違うことにも似ています。ピカソの絵ならどんなにひどい絵だと思ってもそれなりにかいがいしく見るのが一般人の絵の見方なのかも知れませんが、名前も知らない日本人の描いた抽象画を前にしても、自分には全くわからないとそのまま通り過ぎるような形でラジオからピアノのアドリブが一通り流れてきたわけですので、後からこの曲が「A列車で行こう」と言われても知らない人は訳が分からないでしょう(^^;)。

しかし、この曲は原田氏のピアノソロが終わったとたん全く違った印象を聴く人に与えるものに変わっていきます。というのもバンドの名前が「生活向上委員会大管弦楽団」と称するように日本の当時のジャズ界でも有能なソリストが集まった集団であるので、まさにジャズのビッグバンドが演奏する体で、有名なメロディーの演奏が始まるのです。

その後、さらに日本の鉄道に乗って旅をしているのではないかと錯覚するほどに、きわめて日本的な情緒を持ったアドリブを挟んで、最後は実に格好良く曲が締まるように終わります。個人的には日本人のバンドが演奏した「A列車で行こう」の中では一、二を争そうくらいのアイデアが詰まった素晴らしい演奏だと思っているので、もしこの曲を「不器用」というキーワードで選んだ人がいたとしたら、がっかりしてしまいます。

さらに何よりも、最初の2分しか流れないのがわかっていて、全部で9分以上ある曲で、さらに中盤から終盤に盛り上がりのあるこの曲の最初の2分間だけを切り取って流すというのは、演奏する人の気持ちがまるでわかっていないことが悲しいです。お笑い芸人の出てくるネタ番組でさえ、同じように少ない時間で切ってはしまうものの、その時間の使い方は演者の考える余地があるわけであり、今回のように演者の意図をまるで考えずに単に面白そうだからとスタッフに好き勝手に切られるというのは、ラジオで音楽を流す資格すらないのではないかと、そこまで思ってしまったのでここまで書かせていただきました。よろしければ、リンクした曲の方を一通り聴いていただき、最初の2分でこの曲を切るのが有りなのか考えていただけると幸いです。


楽天モバイルが「かけ放題」を始めるかどうかの判断は一年後

昨日10分までの定額通話を実現したOCNの事について書かせていただきましたが、やはり先行して5分定額をはじめに行なった楽天モバイルは黙っていませんでした。

というのも、現在ユーザーであるかどうかは関係なく、2月15日から2月17日正午までに申し込んだ人の中で先着100名に2017年3月1日から翌年の2月28日の一年間限定で、時間と回数に関わらない「かけ放題」オプションを1,980円(税抜価格 以下の表記も同様)で提供するというアナウンスを出したのです。まだ楽天モバイルのホームページで申し込みはできるようですが、今から申し込んでも多量のキャンセルや条件に満たない申し込み内容での利用者がいない限り使うのは難しいかも知れません。

ただ本当に100人だけトライアルさせるのかどうかというのも利用者側の立場ではわからないので、もしこの書き込みをご覧になった後でも申し込みページが残っているなら、試しに申し込んでみるのもいいかも知れませんが、その前にとりあえずこのエントリーを最後までお読みになることをおすすめします。

楽天モバイルのページにはかけ放題の1,980円と、ドコモなど大手キャリアのスマホでのカケホーダイ(2,700円)を比べていますが、ガラケーでカケホーダイでいいならその料金は2,200円となり、差額は圧縮されます。さらに、注記として以下のような文がありますので引用しておきます。

(引用ここから)

「楽天でんわ かけ放題トライアル by 楽天モバイル」月額基本料金1,980円(税別)には、通話SIM月額基本料、その他のオプションサービス、楽天でんわアプリを使用せずに通話した通話料、ユニバーサルサービス料等は含みません。

(引用ここまで)

つまり、音声通話にデータ通信の付いた最安値の「ベーシックプラン」に1,980円が加わるということになるので、実際の支払総額は1,250円+1,980の合計3,230円に消費税とユニバーサルサービス料で、約3,500円でデータ通信は最大200kbpsで固定になります(高速クーポンのあるプランもありますがさらに月々の利用料は高くなります)。

もしすでに大手キャリアのガラケー用かけ放題プランを2,200円で使っている人がいたとします。楽天モバイルの最安値と条件を揃えるために、2台持ちでスマホを使うのに、高速は一切使えない低速のみというロケットモバイルの「神プラン」298円と併用した場合、おおよその差額は千円前後となってしまいます。MVNOには月額千円以下でも魅力あふれるプランはたくさんあるので、使う人の嗜好に応じてプランを選んでも、2台持ちの方が安く維持できるようになってしまうのです。

ガラケー用のかけ放題プランは中に入っているSIMは同じガラケーに入れて使うのが大前提で、中のSIMをスマホに入れ替えて使うと利用料金が高くなってしまうディメリットもありますが、電話番号の前に特定の番号を付けるプレフィックス方式ではないので、電話専用のかけ放題を使いたい方はまだ大手キャリアのガラケー・ガラホで利用してMVNO利用のスマホと2台持ちをした方がリーズナブルに使えるという事は確かです。ただ、スマホ一台で電話もネットもしたいと考えた場合は今回の楽天モバイルのトライアルの方が安くなりますので、用途によってどちらと契約するかを考えて、十分に納得できるようなら楽天モバイルに申し込めばいいでしょう。

ただ、今から申し込んでも先着利用者の100名というワクに引っかかってしまい、トライアル経験ができない可能性の方が高いのではないでしょうか。このトライアルサービスがスタートした後には具体的なアクションは楽天モバイルからは起こってはこないでしょう。むしろ来るとしたら来年の今頃、トライアルサービスが終了する時点でこのサービスが誰でも契約できるようになるのか、トライアルはトライアルで終了してそのままになるのかははっきり言ってわかりません。

むしろその間にOCNを含む他のところが今回の楽天モバイルの発表を見て、それに対抗するようなかけ放題プランを作ってくる可能性だってあります。私の場合はとりあえずあと2年は大手キャリアのガラホを利用してかけ放題を使い続ける予定ですが、次回の更新月にはいよいよMVNOでも魅力的なかけ放題が始まる予感がしています。

ただ、今の楽天モバイルが出してきた金額から下がらなければ、ここまで説明してきたようにMVNOで一本化したとしても、現状でのガラケー・ガラホとスマホの2台持ちの方が安く使えるわけですから、2年の契約のしばりがあったとしても大手キャリアのガラホを選ぶという選択も十分に有りだと思います。というわけで、冷静に考えて10分までの定額で何とかなりそうなら別の通話し放題を提供するMVNOも選択肢の一つの考えるなど、くれぐれも先走らずに自分にとっての「かけ放題」についてこれから冷静に選ぶというのが大切になってくるだろうと思います。


OCNがMVNOに仕掛けた10分定額の「0035でんわ」の影響

格安SIMと言えば少し前までは電話番号を持てる契約をしても通話料は一律30秒20円(税抜価格 以下の表記も同じ)の通話すればするほど料金がかさむ内容しか選ぶことができませんでした。その状況に風穴を開けるかのごとく、オプション料金を払うことで5分までの通話が定額になるプランを発表したのが「楽天モバイル」です。それ以降、MVNOだけでなくそれまで時間無制限の定額プランしかなかった大手キャリアでも5分以内の通話が安く利用できる定額のプランを出してきて、一通り通話定額は5分以内回数無制限で横並びになりました。MVNOでの通話定額についても、最大で通話定額の時間は5分以内で落ち着くかと思われました。

しかし通話定額についてのサービス競争はここで終わりませんでした。定額通話時間を今までの倍にする「10分定額プラン」を出してきたのがMVNOの中でも「OCNでんわ」というプレフィックス通話の仕組みを使ったOCN モバイル ONEで、現在この10分定額回数無制限というのが、大手キャリアも含めて他社と比較すると一歩先んじる状況になっています。

5分定額のサービスが広がった時にはMVNOの多くがこの仕組みを提供するために専用のアプリを用意し、通話が5分を超えた場合にはそれまでの通話料の半額である30秒10円で利用できるような通話サービスを整備しましたが、今回のOCN モバイル ONEの「OCNでんわ」のように明らかに通話時間による優位性があるプランが出てきた中、すぐオプション料金も同じなまま10分まで通話定額を提供できるのかというのが今後の関心事であったことは確かです。そんな中、OCNは「OCNでんわ」の10分まで定額という仕組みを希望する他のMVNOでも使えるようにオープンで提供するのが今回新たに発表があった「0035でんわ」です。

「OCNでんわ」と「0035でんわ」は呼び名こそ違いますが、全く同じサービスで、OCN モバイル ONE以外のMVNOで利用できるように提供されるサービスに「0035でんわ」という名前が付いたということです。とりあえず2017年6月から、それまでIP電話の通話定額が主で、通常の電話番号を使った定額通話プランの面で遅れを取っていた「NifMo」がこのサービスを使って10分以内の通話を定額で提供することを発表しました。NifMoを運営するniftyとしても、自分たちが他社と同様の通話定額サービスを新たに開発しなくとも、OCNの提供するサービスをそのまま利用することで、通話品質およびサービスについて他社と同等か優位に立てるわけで、こうした決断はユーザーの為を考えた英断だと言えるでしょう。

今後、自力でプレフィックス方式の通話定額を開発して提供するだけの気がないMVNOによって、通話定額のサービスをOCNから提供を受けて展開し、ユーザーの流出を防ぐような所が出てくるかも知れません。というわけで、1年間の音声通話SIMの契約期間が満了していない方は、解約金を出してまでOCNに乗り換えるのではなく、契約開始時から1年間は我慢しつつ今後の状況を見極めて、次の乗り換え先を冷静に選ぶ方がいいような気がします。

それにしてもまさに一寸先は闇とでも言うべきか、プレフィックス方式による通話定額では先んじていた楽天モバイルが逆にOCNの後塵を拝するようになってしまったというのは本当にしんどい競争をMVNO同士でしているなと思います。ちなみに「0035でんわ」はドコモ回線のみのサービスなので、auやソフトバンクの回線を使ったMVNOやMVNOの提供するプランでは使用できません。この点についてもUQモバイルやmineo、IIJmioや日本通信のようにドコモ回線以外を提供するMVNOが今後どうするのかというのも、注目していく必要がありそうです。


真冬の静岡県横断は「東名」か「新東名」か?

一年で一番寒い時期は抜けたのではないかと思いますが、まだまだ雪が降ったり道路が凍結して危険な道路状況の元通行される機会は多いと思います。少ない休みを有効に使おうと夜通し長距離を車で走るような旅に出るケースも少なくないかと思いますが、今回は先日起きた高速道路の通行止めの様子を見た上で、特に静岡県を通過する場合に役立てるかも知れない話を書きたいと思います。

先週末に新東名の御殿場ジャンクション上りにおいて3台のトラックがスリップし、道路を塞ぐような形で止まりました。後から発表された情報によると、3台のトラックのうち1台のトラックがノーマルタイヤだったとのことです。その後、後続車も進めないまま高速道路会社は新東名の通行止めを決めました。それが午前1時過ぎのことです。

通行止めを解除するためには通行を妨げている車をどかすだけで済みそうですが、深夜から夜明けにかけてさらに気温は下がりますし、事故の起こった場所は雪が踏み固められて凍っているだけでなく風が通り高架だったため道路表面の温度は-6℃にも達したということで、全面開通したのは8時間後、さらに後続車全てが高速道路から出たのは止まってから10時間以上経ってからだったということです。

静岡県は一般的に雪も降らない温暖な土地というイメージがありますが、御殿場付近は標高が高く、そこだけは雪の心配をしなければいけないところです。ですから、今回紹介した通行止めの原因を作ったノーマルタイヤのトラックがもしきちんとスタッドレスを履いていたらとか、事前に天気予報で御殿場から東京へ向かう道の中で降雪の可能性が大きいという情報を入手していたらとか、たらればの話はありますが、今回の通行止めではもう一つ、ドライバーの選択肢がありました。それは、「東名高速」を走るか、「新東名(第二東名)」を走るかということです。

今回の通行止めがあったからということもあるのですが、もし御殿場の手前の清水のジャンクションで新東名から東名高速に道を代えていれば、ここまでの立ち往生に遭遇することはなかったでしょう。実は、道路の形態を見ていくと、東名高速に比べて新東名は内陸側の高いところを通っており、トンネルや高架が多い道になっていることがわかります。

ですから、東名高速と比べると道路表面の温度が低く、深夜から早朝に掛けて凍結が起こりやすいポイントが多いということも言えます。

基本的に凍結した道を通りたくなければ、深夜から日の出まではパーキングエリアで車中泊でもしながらやり過ごし、日の光の中を運転する方がいいのですが、そうもいかない場合もあります。その際は、サービスエリアには必ず周辺の道路状況を知らせる案内表示があります。そこを見ながら行き先の方面が渋滞になっている場合は単に交通集中しているための渋滞なのか(この場合はいわゆる渋滞の名所が先頭になっていることが多い)、何か事故があったことが予想されるものなのか情報を整理し、必要に応じて日本道路交通情報センターのテレフォンサービスを利用するなどして、そのまま渋滞の中に入っても大丈夫なのか確認した上で進むか留まるか、場合によっては手前で高速を降りて進むかの判断をする必要が出てくるでしょう。

真冬の事故による立ち往生は、たとえ自分が雪や凍結に関する万全の対策をしていても巻き込まれたら進めないというリスクを負うようになるので、進むことにナーバスになる必要があると思っています。ただ、こうしたリスクから逃げるという考え方だけではどうにもならないのが長距離輸送を行なうトラックドライバーの方々でしょう。

本来はこういう場合の運行については、各々のドライバーに任せるのではなく、運行管理をする方の指示に従うことで細かな進路情報を届先と共有しながら行なうのが安心だと思いますが、ナビによる最新の交通情報を基にした渋滞回避ルートの案内のような、技術的に立ち往生になる可能性のある道に向かわないような方法も考えるべきでしょう。据え付けのナビでVICSの渋滞情報を利用できない場合は、手持ちのスマホに無料のスマホアプリを入れて使った方がリアルタイムの渋滞情報を加味した道路状況を見ながら走ることができます。問題は渋滞情報として出てくる前にその場に遭遇してしまうことですが、その場合、もし進んでいる状態で高速道路の出口があったら思い切って出てしまうことも必要になってくるでしょう。

とにかく、台風・大雨の時や降雪・凍結のある時には慎重の上にも慎重を期して、さらに使えるものは何でも使って立ち往生する所へ入らないような努力が大切です。まだまだ夜間・深夜走行には危険が伴いますので、冬の高速道路を利用される方は十分に気を付けて走行下さい。


「キュキュットCLEAR泡スプレー」を外でのボトル洗浄用に試す

キャンプとは少々違う車中泊の旅というのは、自分達がいかに快適に過ごすかということと同時に、周りにいる人との間でできるだけトラブルを発生しないように気を付けて、特に公共の物を使わせてもらう場合には気をつかう方がいいのではないかと思います。

道の駅や高速道路のパーキングエリアなどで、食事をする事自体はいいのですが、自炊をするような場合はどうしても周りの目が気になりますし、後片付けをする場合にも専用の炊事場などはないため、まとめて洗い物をするようなことは目立ってしまいます。個人的にはどうしようもない非常時以外には自粛してレストランやお弁当など、現場調達をした方が他のユーザーに違和感を感じさせずに済むと思うのですが、そんな場合にも唯一問題になるのが、旅行時には便利なはずのボトルの旅行中の管理です。

最近では高速道路のサービスエリアにもスターバックスなどマイボトルに飲み物を入れてもらうことによって割引料金で提供してくれるコーヒーショップが設置されることが増えてきました。旅行時のマイボトルの利用というのは単にゴミを出さないというだけでなく、熱いものは熱いまま、冷たいものは冷たいままをボトルの種類によってはキープしたまま移動し、絶景の場所などで改めて楽しめるという利点もあります。

ただ、問題なのが飲んでから後に洗う場所がないということです。細かい部品の多いボトルを洗うには今までは専用のスポンジと洗剤を用意しないと匂いや汚れがボトルに残ってしまいがちになります。そこで、テレビコマーシャルでスポンジを使わなくても洗えるという洗剤「キュキュットCLEAR泡スプレー」を試してみることにしました。

スプレーからは洗剤が泡で出てきて、細かい汚れのところにスプレーして一分待ってから流せばいいということでしたが、とにかく水道がある場所でならボトルの中味を飲み終えてからスプレーし、簡単にすすぐことでそれほど目立つことなく一通りのボトル洗浄を終わらせることはできそうです。

すぐにすすぐことができる場所がない時には、先にスプレーしたボトルの中に別に用意した水を入れて振りながら水道の使えそうな所に移動し、そこですぐにすすぐようにすれば旅先でも清潔なボトルの状態を保つことができるのではないかと思います。

なお、スプレーの蓋を閉めておけばそれがロックになって中味が出ないようにはなっていますが、車の中でひっくり返ってしまったりすると漏れる危険性は0とは言えないので、立てた状態で固定して持ち運べるように車の中でのセットをちゃんとしておくとともに、すぐに取り出せる場所に置いておくのも忘れないようにしてください。ずっと車に入れておくのではなく、普段は家で利用しているものを、旅行に出る時に持って行くような感じでおくのがいいのではないかと思います。

ただ、ひどい汚れについてはさすがに飲み終えたボトルにそのままスプレーするよりも、少量でもいいので水を入れて一振りした状態でスプレーする方がいいでしょう。そういう意味では、車で移動する際には普通の水をペットボトルでも自宅の水道水を入れて持って行くタイプの水容器とともに車中泊の旅のお伴にするのもいいでしょう。車中泊の旅でマイボトルを活用したいと思っている方は、全国のスーパーでも売っていると思いますので、ボトル洗浄の必要性を感じたら、その場で買って使うという手もあります。


ディーゼル車で「冬の車中泊旅」をする場合の注意

春の新生活に向けて車を買い替えようと思っている方は多いかと思いますが、新車を購入する場合、各メーカー一押しの車というのは普通のガソリンエンジンの車ではなく、ハイブリッド車や電気自動車のような環境性能に配慮した車が多数を占めています。

ただ、電池を搭載している車というのはスマホのように毎日使っていればどうしても電池が劣化していくことになるので、長く乗っていると燃費性能も落ちるのではないかと心配する声もあります。ただ、一般の方が新車購入から次に買い換えるサイクルで考えれば、メーカーの方でもディーラーが中古でもチェックして販売しているハイブリッド車を含め、電池の劣化についてはほとんど考えなくてもいいような設計で作っているとは思うのですが、車を手放す時に査定が落ちるのではないかという事や、そもそもハイブリッド車や電気自動車を中古で買ってそこから長く乗れるのかなど、心配しだしたらきりがないのですが、個人的にはそんなことも心配になってしまいます(^^;)。

そこで、日本の車のメーカーの中でも違った方向からエコカーを作っている車に注目してみました。それはガソリンではなく軽油で走る「ディーゼルエンジン」の車種があるマツダの車です。具体的な車種では、大きいのは私の用途では必要ないので、デミオの1500ccディーゼルターボ(XD)が良さそうな感じがしました。カタログに掲載されている燃費はJC08モード燃費ではありますが、6速MTで「30.0km/L」、6速ATで「26.4km/L」とハイブリッド車に迫る数値になっています。

車中泊もコットを乗せれば何とかできそうですし、ハイブリッド車と違って将来自分の車を買い替えたいと思った時、年式が古い車であっても走行距離の少ない中古車を選べば上記のカタログ値に近い燃費性能を維持しているのではないかと思えるので、今後は中古市場での価格をチェックしながら、こうしたディーゼル車に乗っても大丈夫なのかということについて考えてみることにしました。

その中で、ちょっと不安に思ったことがあったので1つ紹介します。これから書くことはディーゼル車に乗っている方なら常識の範囲の基本的なことだと思われる方も多いことを承知の上で書きますが、特に冬に普段雪道など走ったことのない人が雪国へ行って車中泊するような場合にはしっかりと対策してから出掛けないと大変なことになる可能性があるので、あえて書かせていただこうかと思います。

というのも、ディーゼル車に入れる軽油というのは氷点下を下回るように寒くなると流動性が落ちてきてドロドロになる傾向があります。そうなると円滑に車の中を回らなくなり、エンジンがかからなくなる危険性も出てくるのです。

ただ、冬になって雪の中て立ち往生するような事例も多くある中、トラックの多くは軽油を使っているのに軽油が凍結して立ち往生したトラックなんて話は聞きません。それはなぜかというと凍結防止のために対策された軽油を入れているからです。一日中気温の低い寒冷地では、軽油に添加剤を入れて容易に凍結しにくいものが売られています。逆に私の住む静岡県のように一年を通して温暖な気候で雪も降らないような場所にあるガソリンスタンドではコストの関係もあるのでしょうが、寒冷地で売られているものより凍りやすい軽油を売っているのが普通です。当然軽油が凍結するリスクが少ないところだけで車を使っている分には何の問題もないのですが、問題は雪の降らない地元で満タンにしてから出発し、車中泊先として定めた場所が雪の降り積もる場所だった場合です。

紹介したマツダのディーゼル車は燃費がいいので、高速道路を使って長い距離を走っても、満タンに入れた燃料を使い切るまでには20km/L以上の燃費があるとして、デミオのタンクは44Lなので、880km以上給油した軽油を使い切りまで走らなければなりません。もし半分以上凍結しやすい軽油を入れた状態で雪の中で車中泊をしたとしたら、翌日車を出そうとしても軽油が凍結してしまいエンジンがかからず、身動きが取れなくなってしまいレッカー車のお世話になる可能性が高まります。

ですから、私の場合だけかも知れませんが、もし今後ディーゼルターボ車を購入した場合、冬に車中泊の旅に出掛ける前には現地に到着するぎりぎりくらいまで燃料を使った状態で出発し、容易に凍結することのない軽油を寒冷地にあるガソリンスタンドで給油することが大切になるのです。このことを忘れてつい出発前に軽油を満タンにして出発してしまった場合は、真剣に旅行の中止も検討した方が良くなるかも知れません。

そのように考えると、同じデミオの場合でもガソリンエンジンの13S(1300cc)とXD(1500ccのディーゼルターボ車)との新車での差額は約30万円ほどなので、あえてガソリンエンジンモデルの方を購入する方がめんどくさい事を考えなくても済むという点でもいいかも知れないとも思うのです。ただそれですと、何しろ今乗っている車が同じ1300ccのフィット(ガソリンエンジン)ですので、現行のフィットのガソリン車も選択肢に入るなど、今と大きな差を感じることはできないかも知れないのです(^^;)。

ちなみに、今の車は車重が1トン以下ということで重量税が安く済む次回の車検を通すまでは乗り続けようと思っているので、今後もいろんな車の特徴を見ながら、現行車よりもさらにいいものを安く買えるように、さらに車中泊のしやすい車が見付かるように、チェックは続けて行こうと思っています。


月額500円の「LINEフリープラン」で「LINE Out Free」を使う場合の注意

主にLINEでのコミュニケーションを主体に使い、家族や友人も同じようにLINEを使っているという条件の上でならば、お子さんがストレスなくスマホを使えるための格安SIMの中で一番安いのはSMSオプションは付きませんがデータ専用SIMが月額500円(税抜価格 以下の表記も同様)で使えるLINEモバイルの「LINEフリープラン」ではないかと個人的には思っています。

このプランはLINEの「トーク」だけでなく通話やビデオ通話を使っても、月1GBある高速クーポンは減らずに使い放題にできることが大きなポイントになっています。LINEモバイルには他にもtwitter、facebook、Instagramにまでカウントフリーの幅を広げた「コミュニケーションフリープラン(高速クーポン3GB SMS付き 月額1,110円)もありますが、スマホで撮る写真をアップしたり、文字によるコミュニケーションだけならそれほど高速クーポンを使うこともないので、「LINEフリープラン」で必要十分だと思う方も多いのではないでしょうか。

ただ、最安プランで利用していると、LINEを使っている人同士だけで使う分にはいいでしょうが、どこかに電話をしなければならないような場合に困ることにもなりかねません。「LINEフリープラン」では後述のIP電話を使っても110番の発信は無理なので、スマホからどうしても緊急通報を使えるようにしたい場合には音声通話付きのプランを付けた状態で入らせるしかないわけですが、ただその場合は通話した分の通話料が青天井的にかかったり緊急番号に誤発信で掛けてしまわないかというような事も、お子さんにスマホを持たせるにあたっては逆に気になったりもします。

ここではあえて月額500円の「LINEフリープラン」でどこまでできるかということを考えて行こうと思うので、もし緊急通話をしたいというような場合は事前に公衆電話の位置を記載したマップ提供サービスを利用するなどして、自力で公衆電話を探し、そこにある緊急ボタンを押して110番や119番に連絡する方法を打ち合わせすることも可能なら試してみてください。NTT西日本のサービスエリアなら検索ページが用意されていますし、地方自治体でも用意されている場合がありますので、マップという形で地域別に作られているものがある場合には、スマホでそのマップを撮影していざという時に見られるようにしておいてもいいでしょう。

もし、近くに公衆電話がない場合、LINE電話が使える友人や家族にいったん連絡し、その相手の方から改めて緊急番号に掛けてもらうという手も使えます。しかし、LINE通話をそれほど利用しないという人もいるので、何かしら普通の電話番号に掛けられる手段は確保しておきたいところです。

そこで利用したいのが、LINEアプリの中から利用することができる「LINE OUT Free」という無料で携帯電話や固定電話に電話が掛けられるIP電話のサービスです。このサービスには通話料を払って利用する有料版のプランもあるのですが、今回想定する緊急時や限られた状況だけで利用するのみであるならば、制限のある無料プランでも十分使えます。

無料の場合の制限とは何かというと、通話回数が一日5回までに制限されることと、携帯への通話は1分、固定電話には3分経過後強制的に切れてしまう仕様になっています。さらにもう一つ、電話を掛ける前に最大30秒の広告動画を15秒間は強制的に見なければならない(15秒を過ぎると動画はスキップできます)という条件があります。また、データ専用のSIMからの発信になるので、相手の電話に番号を通知させることはできず特に携帯電話からだと誰から電話がかかってきたかわからない中での通話になります。そういう意味では普段あまり番号通知を意識することのないナンバーディスプレイサービスに非加入の固定電話への利用を考えた方が良さそうです。

広告動画についてさらに説明すると、LINEを使った通信が全てカウントフリーになる「LINEフリープラン」でも恐れることはないように感じますが、この動画広告についてはLINEモバイルのカウントフリーの対象にならないとのことなので、高速クーポンがあるうちはスムーズにやり過ごせるものの、高速クーポンを使い切り、低速になった状態では動画の再生がなかなかできず、緊急の電話がすぐに電話が掛けられないというような事が起こりかねません。

そこで一つ、覚えておいて欲しいことがあります。今の世の中公衆電話を見付けることはなかなか難しいと思いますが、コンビニを見付ける方が簡単かも知れません。現在の日本のコンビニでは専用のアプリを導入することでセブン-イレブン・ローソン・ファミリーマートで無料のWi-Fiが使えるようになっているので、手持ちのスマホを公衆Wi-Fiに接続することができればデータ通信の事を気にすることはなくなりますのでスムーズに相手の電話番号に連絡することもできるようになります。

この技は、LINE Out Freeだけでなくその他のカウントフリー以外のサービスを外出先のスマホで使うためには覚えておくと便利です。安いプランでもそうして自分の行動範囲内で使う場所を決めるなど工治することで便利に使えるようになります。単にお金の節約ということもありますが、災害時やドコモのネット回線のみがストップしてしまったような場合、頼りになるのがこうした外で使えるWi-Fiスポットであるわけですから、日頃からこうしたサービスを使いこなすことによっていざという時も慌てずにWi-Fiを外で使えるようになり、LINE Out Freeを使って使えないはずのスマホから連絡を取ることもできるようになるのです。

こうした事をいつでもできるくらいに使いこなせればしめたものです。契約はLINEフリープランにし、スマホの通信料が月額500円のみでやりくりできるようになれば、他の事にお金を使うことができるようになるため、家計を圧迫しないで気軽にスマホを使わせることができるようになるでしょう。もし余裕があるなら、本来考えていたスマホの月額料金と比べてみて、お小遣いを増やしてあげられれば家族みんなが喜びます。

LINEモバイルの場合は他のMVNOと違ってLINEの年齢認証も使え、ID検索もできるようになるため、大手キャリア利用の友人に対しても違和感を感じさせることはありません。この点だけでもLINEモバイルを使うメリットはあると思いますし、データ専用SIMはすぐ解約しても解約金を取られませんので、いやなら止めてもいいと思ってまず使ってみるのもいいでしょう。もっとも、家族のだれかがそのSIMで十分だと思えばSIMを入れ替えて使い回すこともドコモの白ロムやSIMフリースマホ同士ではできますので、あえて使い続けるのもいいでしょう。

LINEモバイル


ドコモのガラケーのみ最安契約でもOK「DAZN for docomo」の衝撃

このブログではMVNOの格安SIMを多く紹介してきましたが、どうしても大手キャリアが行なっている通話無制限サービスを使う必要に迫られて、先日ドコモのガラホにMNPで乗り換えました。本当はMVNOに通話無制限サービスを行なってもらいたいと思っているのですが、現状で10分までの通話について定額通話サービスを行なっているOCN モバイル ONEは頑張っていると思いますが、プレフィックスサービスではない方法でどんな電話も(一部に例外はありますが)時間に関係なく定額にするというのは大手でなければできない芸当だと思いますし、将来的に電話を全くしなくなるような生活の変化が生まれるまではドコモとの契約は通話専用に残しておこうと思っています。

で、そういう形で唯一ドコモと今年に入ってから2年縛りの契約しているのですが、そのドコモから大きな発表がありました。2016年まではサッカーのJリーグの試合を全試合中継していたスカパーが放映権を獲得することができず、海外資本のネット中継を行なう「DAZN」が2,100億円でJリーグのJ1・J2・J3全ての試合の放映権を買い取ったのですが、ドコモの契約者ならスマホでパケット定額を付けていないとダメというような制限は一切なく、私のように通話のみの契約を持っている人にも格安で「DAZN」のサービスを2月15日から提供することになったのです。

「DAZN」のサービスは月額1,750円(税抜価格 以下の表記も同様)と、Jリーグを見るために月額約3,000円かかっていたスカパーより安く料金を出してきたのですが、ドコモの契約者なら月額980円で利用できるというのは、ドコモユーザーでJリーグを見たいと思っている人にとっては観戦費用が3分の1になるわけで、大いに歓迎すべきことでしょう。

さらに、ネット配信されるということになると、外でも生中継の試合を日本全国どこにいても見られる環境が整ったということになります。もちろん、Wi-Fiや大容量の高速クーポンが必要になるかも知れませんが、データ通信についてもドコモで利用しなければならないということもなく、高速クーポンをMVNOで揃えてもいいわけなので、できるだけ安く外でも見られるように考えるのも面白そうです。

自宅でテレビの大画面で見たいという場合でも、Amazon Fire TV/Fire TV Stick、Xbox Oneもサポートし、今後はChromecast、ひかりTVチューナにも対応予定だそうです。私はFire TV Stick持ちなので問題なくどのテレビでも見られそうですし、スマホ・タブレット・パソコンの画面からも見られます(同時に見られるのは2台まで)。結局のところJリーグの試合を全て見て楽しみたいという方なら、中継が重なった場合でも見逃し配信で見るようなこともできそうなので、十分に加入して損はないような内容になっています。

ただし、漠然と色々なスポーツが見られるのは面白そうという感じで、さらにJリーグやサッカーが好きではないという方には、月980円だけでも負担が増えるだけなので自重することも大事です。また、普通にDAZNに加入する場合よりドコモ加入者がDAZN for docomoに入る場合770円安く使えるわけですが、このためにドコモに加入しなくても、MVNOで格安SIMを利用している方がよっぽど安くスマホ代を払っていると思いますので、あえてドコモに入ることを先行させなくてもいいでしょう。

たまたま私がドコモに縛られる契約を持ち、Jリーグのシーズン開幕を待ってDAZNにも加入しようかなと思っていた矢先の発表だったのでぴったりとはまったような形になりましたが、私と同じようにドコモのガラホが欲しくて手に入れた方でJリーグ好きの方は無料でお試しできる期間もあるので、ネット経由での生中継が地上波のテレビ並に見られるかどうか試されるのもいいのではないでしょうか。