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まさに浦島太郎の世界だった東名高速道路日本坂PA上り線のリニューアル

このブログでは度々紹介していた、東名高速道路の日本坂PA上り内にある、焼津のお魚を楽しめる「焼津さかな工房」について、新型コロナで全く出掛けることができず、ようやく先日になって買い物の帰りに訪れてみたのですが、まさかの「焼津さかな工房」および、今まで広い焼津の海産物を売っていたスペースを使って新たなテナントに変わっていることにちょっとショックを受けています。

写真のように、2022年1月から豚丼メインで養老乃瀧が運営する「豚肉専門 高速特急トントン」と、全国チェーンのカレー専門店「100時間カレー」が同じスペースで営業をしています。座席も多くなり、肉やカレー好きな人には確かに良いとは思いますが、新鮮な焼津のトロカツオのお刺身や、マグロを使ってのステーキやカツも定食のメニューにあった「焼津さかな工房」が消滅したのは正直言って悲しいですね。

元々、焼津港に近い日本坂PAは大きなSAやハイウェイオアシスのような施設に人が集まる中で、通り過ぎられてしまう宿命があったように思います。お昼時に行ってもスムーズに座ることができるという点は、裏を返せば集客が通常期間でも厳しいということも言えたかも知れません。そうした状況の中で新型コロナの流行によって県またぎの移動が自粛される中、経営が厳しくなってしまったという事は想像できるのですが。

それでも、多くの交通機関では「通過するだけの県」という認識をする人も多い、静岡県としては、車の移動中のちょっとした休憩時間であっても、その地域の名物の中で最高のものを提供する場所でサービスエリアはあってほしいのですが、それ以上に経済的な効率の方を向かざるを得ない今の社会の状況が恨めしくもあります。

高速道路を利用される方は、上りならもう少し走って富士川SA(道の駅富士川楽座が併設)まで行って食べれば良いのではと思う人もいるかも知れませんが、やはり焼津港と田子の浦港とは同じ静岡県であっても違いますし、最近は漁協のカツオ横流し事件でかなり印象が悪くなったものの、やはり焼津へ行ったらカツオやサバを高速道路を降りなくてもしっかり食べられるような場所はあって欲しかったですし、それが地方のSAPAの魅力なのではないかと思います。

こうなってくると、全国にあまたある地のものを売っている古めのSAPAも、売上げが思うように上がらなければ、その地域とは関係ないような新しいテナントに入れ替わり、結果として旅行に出掛けても通過するだけではその土地の名物は食べられなくなるような状況が来てしまうんだろうなと思います。

こうしたことは、私が思ったところで変わることはないでしょうが、最初に書いた通り多くの静岡県を通過するだけの人たちは、その土地ではどんな食べ物が美味しいのか、そんなことは全くわからないままただ通過されてしまうだけになってしまうでしょう。地元民であれば代替施設については色々と考えられますが、そうでなく私自身が遠方に車で出掛けた時にはそうした名物があることも知らずに通過になってしまうのは何か残念な気がします。


渋滞対策で高速道路の休日割引やETC周遊割引を利用できなくなっている矛盾

ゴールデンウィークは車を利用しての長距離移動をする方が多いとは思いますが、今回のゴールデンウィークも、ETC利用者に適用される休日割引を適用しないようになっており、それは今回だけではなく、お盆や年末年始も利用不可になっています。また、各高速道路会社が独自に行なっている、道路の周遊券とも言うべき「ETC周遊割引」もゴールデンウィークは適用できません。

高速道路会社の立場では、国土交通省からの依頼を受け、繁忙期等は全国を対象として休日割引を適用しないこととしているという事のようですが、これは「渋滞の回避」と言っているものの、それだけではないような気がします。
というのも、ゴールデンウィーク前に利用できた「Gotoキャンペーン」が使えないということもあるのですが、それと共通するのは、それだけお出掛けにお金がかかっても多くの人が割高なお金を払って高速道路を使い、宿泊施設を利用してしまう人がいるからです。

これは以前にも書きましたが、元はと言えば日本の休日というのは暦中心に決まる中で、政府が新たに祝日を決めていく中で5月の祝日が集中する時期をゴールデンウィークとして企業や学校が休みを集中させ、国民の多くが一斉に休むような習慣を作ってきたことが、そもそも行楽渋滞を生み出す原因とは言えないでしょうか。その政府が「渋滞するから」と高速道路の休日割引を止めさせるというのは、仕事や学校から解放されて気分転換にどこかへ行きたいと思っている人の行動を金銭面から圧迫するようなことになるのではないでしょうか。

これは、多くの企業(特に工場)が長期休みを取るお盆や年末年始にも当てはまります。どちらかと言うと個人よりも大企業の論理でこの国全体が回っていると言っても良いのではないかと思います。もし、そうした呪縛から解き放たれたいと思ったら、暦通りに出勤するような生活自体を止めるようにしなければなりませんが、自分は良くても学校に通う子供(学生)は卒業するまでその呪縛から離れることはできません。ですから、自営で自由に休みを決められたり、サービス業で観光的には繁忙期が稼ぎ時で代休を使えるような業種にいたとしても、子供が学校に通っているうちはそんなスケジュールを土日祝日休みの子供に合わせ、割高な料金を払って行楽に行かなければならなくなっているのです。

もし、ゴールデンウィークの渋滞を無くしたいと思うなら、休日割引を無くすよりもゴールデンウィーク自体を無くし、繁忙期・閑散期の区別が無くなるように国民がいつでも休みを取ることができるような休みのあり方を考えるべきではないかと思います。

休みについては、大企業の中には今までより一日多く休みになる「金・土・日」の週休3日制に踏み切ろうとしているところもあるようですが、いくら休みが増えても、今のように暦通りの休みがいくら増えたところで、行楽地の混雑やそこへ向かう車の列は変わらず、いくら割引を無くす政策を進めたとしても、混雑は変わらず、無理をして出掛けることでの事故は増え、無理にお金を掛けて出掛ける事での家計はさらに厳しくなっていくのではないかと思います。

今の状況を政府の方が変えることがないなら、むしろ週末は仕事をして平日に出掛けられるような家族を作るような方向で考えた方が、同じ場所に旅行するにしても、出掛けた印象はかなり変わってくるでしょうし、ストレスも少なくお財布にもやさしい旅ができるのではないかと思います。今後も、ガソリンなどのエネルギーや輸入に頼る食料品を中心にその価格は下がることはないと思いますので、私自身世間の人とは違った価値観で動くことも考えていこうと今では真面目に考えているところです。


ゴールデンウィークに出掛けざるを得ない人が多い現状こそ問題ではないか

先日、友人と少し2022年のゴールデンウィークの予定について話す機会がありました。友人は休みが暦通りなので、ゴールデンウィークにどこか家族で出掛けたいと話していたのですが、今年のゴールデンウィークも、出掛けたら主要な観光地は人であふれ(今のところ県またぎでの移動を自粛という流れにはなっていないので)、車で出掛けたら新型コロナが広がる前くらいに高速道路は渋滞するのではないかという話をしても、でも家族から遠くへ行きたいと言われると、どこかに行かなくてはならないんだよねというようなため息交じりの話が返ってきました。

私も、かつて暦通りにしか出掛けられない時期には混雑を承知で出掛けたものですが、政府からの補助が出る旅行割引きについては本来2022年4月末で終了と言っていたのが翌月まで延長されるものの、ゴールデンウィーク時期には適用不可になるということで、費用がかかることを理解した上で出掛けるような形になってしまうでしょう。

さらに、現在は20年振りの円安になっていて、今回のゴールデンウィークでは影響は少ないものの、夏休みに海外旅行に行く場合にはツアー料金や燃料サーチャージ、さらに現地での滞在費が跳ね上がることがほぼ決定しているような感じです。使うのに困るくらい稼いでいる人はいいでしょうが、今後生活に関わる費用が上がることが確実な中で、そこまでしてゴールデンウィークやお盆など、人が集中し旅行代金が高騰する時に旅行に行かなくてはいけないのか? という疑問も生まれてきてしまいます。

そもそも、就学しているお子さんと一緒に行く場合、両親の仕事に関係なく出掛けられるのは土日祝日に固定される場合がほとんどでしょう。仕事によっては土日祝日に稼ぐような仕事もあり、本来なら休日出勤する代わりの代休を使って旅行に出た方が、道はそこまで渋滞しないでしょうし、公共交通機関も混んでいなかったり料金が安くなっていたりします。宿泊についても平日の方が安いというのが定番の中、なかなか両親の仕事に合わせてお子さんの学校を休ませて旅行に行くというのは、難しいと考える方もいると思います。

一つの考え方として、学校で学ぶ生徒みんなが一日も休まずに登校するような事が良いという風潮は、私の学生時代にはあったものの、年間数日でも自由に平日休める(当然事前申告は必要だと思いますが)ような仕組みを作るだけでなく、その権利を全ての生徒が行使するのが当り前というように思えるような世の中になった方がいいなと思っているのですが、まだ私の回りではそういうところまでには行っていないようです。

その友人は、ゴールデンウィークが終わると、子供はテスト前ということで旅行へ行くことは難しいと言っていたのですが、そこまで学校が土日祝日休みが当り前というような感じでカリキュラムを組んでいるとなると、もはや家族全体が自分の好きな時に出掛けられないような状況に甘んじる事も出てくるでしょう。

ちなみに、私の場合はゴールデンウィークは仕事になりそうで、世間が連休気分になっている中で働き、連休が終わった後の代休でのんびりどこかへ行ければいいなと思っているのですが、これから2週間の天気予報を見たら曇りや雨の予報が多いので、混雑を気にせず出掛ける決断をしている人も、できるだけ無理はせずに楽しいゴールデンウィークであって欲しいと思います。


事前に旅の計画をする場合には予備日を設けるのと一緒で日常的な計画でも期限ぎりぎりは避けよう

先日、マイナンバーカードを使ってアプリを入れたスマートフォンから本人確認を行ない、カードリーダーなしにe-taxによって確定申告を終えたのですが、何と3月15日の前日になってアクセスが集中したのが原因なのかはわかりませんが、国税庁のサーバーがダウンして申告することができないような状況が発生したというニュースが入ったのを見て、改めて先にやっておいて良かったと思いましたね。

ネットの混雑というのは、過去にはサッカーワールドカップのチケット争奪戦に参加した経験があり、多くの人が一つのサイトに集中してアクセスする場合にはトラブルが起きやすいということを十分わかっていたので、とにかく期限ぎりぎりに申告することは避けようと思いながら毎年やっています。今年は、e-taxが専用のカードリーダーを利用しなくてもスマホとパソコンとのセットで使うことで書類の提出がいらない電子納税をすることが可能になったので、もしかしたらぎりぎりになったらやばいかもと思っていたらその通りになってしまいました。

もちろん、今回のトラブルの原因はユーザーにあるわけではなく、サーバーを管理する方にあるわけですが、今回のトラブルで無駄にパソコンの前に張り付く時間が増えたり、申告が間に合わなかった場合にはさらなるストレスの原因になってしまいます。今回は実際にトラブルになってしまいましたが、そうならない場合でも、期限ぎりぎりではなく多少前に全ての手続を完了できるようにしたいものです。

こうした行動の計画については、旅行についても同じような事が言えると思います。来週も暦通りの休みの方でも18日(金)の夜から22日(火)の朝までに通常の仕事や学校に出られるのであれば、3泊から4泊の旅行に出掛けることは不可能ではありません。ただ、金曜の夜に出て火曜の始発で会社・学校へ直行というようなぱんぱんに詰まった計画を実行したとすると、もし帰りの電車・飛行機・道路でトラブルが発生した場合には日常生活への復帰が叶わなくなってしまいます。

交通機関が問題なく動いた場合でも、体力が有り余っている人であればいいのですが、楽しい旅行であってもあれもこれも足を伸ばしたりすると、非日常から日常への切り替えに苦労される方も少なくないのではないかと思います。特に旅館やホテルへの宿泊でなく車中泊で旅をされる場合には、ぎりぎりまで計画を立てての旅ではなく、連休最終日にはしっかり自宅の布団で寝て、さらに食事の時間からお風呂の時間まで、日常に揃えるようにした方が生活のリズムを日常ベースに切り替えやすくなるのではないかと思います。


「分散型旅行」「ずらし旅」というキーワードで新たな旅を考える

今回紹介する「分散型旅行」「ずらし旅」というのは観光庁のキャンペーンのようなもので、観光庁のサイトには「時間や場所をバラバラ(=分散)にして混雑を避ける旅」とあります。旅行会社にはこの「ずらし旅」というパッケージのツアーもあり、GOTO割引無しでも安く出掛けられるプランもあります。
今回のお話というのは、観光庁のキャンペーンに乗っかるのではなく、自分で考えてさらに人の行かない所を選んだり、人の少ない時期を狙って出掛ける旅について考えてみたいと思います。

学生の頃にはやはり暦通りの生活を送ってきたため、週末および学生の長期休暇に出掛けるのがほとんどで、それによって車で行っても道は混雑するし、電車などを使っても人が多過ぎて殺伐とした座席争い、特に青春18きっぷで西へ行く場合の米原ダッシュ(米原駅で乗り継ぎのため前の電車を降りたらすぐに次の電車の待つホームにダッシュすること)のような事は正直今はやりたくありません。また食事をするにも観光をするにも行列に並んででも体験をしたいことが優先して楽しみに行ったのか疲れに行ったのかわからなくなるような旅を繰り返す中で、やはり旅の志向というものも変わってきます。

いつの世でも旅の費用というものは限られてきますので、限られた予算の中、道中の快適さを優先するか、現地での食事中心にするか、滞在する観光地(宿泊地の選定を含む)に予算を掛けるかという事を考える中、どこまで他の費用を削るのかという事が問題になるでしょう。

ただ、旅の予算というものは、様々な工夫によって状況を変えることができます。宿泊もそうですが、繁忙期と閑散期のある公共交通機関ではネット上のクーポンを使ったり、特別な時期のインターネット割引を使えば、かなり安くなります。この安くなる期間というのが、他の人があまり利用しない期間ということで、「ずらし旅」の本領発揮ということになるのではないでしょうか。

こうして節約した旅行費用を現地でのお土産や名物を贅沢にいただくことに使ってもいいわけで、あらかじめ決めた予算の中でやりくりすることが、なかなか面白くもあります。ただ、先に書いた通り、いくら安く出掛けられたり泊まれるとは言え、かなりの強行軍をしなければならなくなったりすることは避け、それこそスマホの通信料金と同じように、あまり大変だと感じないで安く旅行できるプランを探し出すことができれば、自分なりの「ずらし旅」は成功に向かうのではないかと思われます。

今後私がもし遠距離の場所を目指した旅をするなら、現地までの交通機関については一つの手段ではなく、様々な交通機関を混ぜるということもありかなと思います。安く遠くに行くには「夜行バス」というキーワードを考えるのも一つの手ですが、3列シートでも大変で、4列シートで長時間同じ姿勢を強いられ、車内移動もままなりません。それなら、四国・関西方面であれば長距離フェリーを使って宿代を浮かし、さらに瀬戸内海のおだやかな海でゆったりとした船旅を楽しむのも選択肢の一つになり得ます。

また、安く旅行するために青春18きっぷは結構利用しているのですが、そうした学生休みのシーズンを外し、長距離バスでも安い昼行便の方を使って移動してみたりすれば、私がいつも見ているのとは違う景色が見られたり、違った旅になることも期待できるのではないかと思います。

また、今はLCCの登場により長距離移動には時期を選べば飛行機が一番安い移動手段になり得る可能性もあります。先に一区間の航空路線を確保し、帰りを飛行機にしたら行きを長距離フェリーにすれば、交通費も安くなり宿泊費が船中泊をする分安くなり、さらに早朝到着便なら現地での滞在時間を増やすこともできます。私の地元である静岡の富士山静岡空港にはLCCが乗り入れていないのが残念ですが、到着が成田空港でもそれほど静岡からは遠くはないので、何とかそうしたずらし旅のプランも今後立てられそうな感じがします。

コロナさえなければ、一月の正月休み明けから二月くらいの寒くて人が移動しない平日を狙って行程を組みたいところでしたが、それは来年以降の課題として、今後は脳内旅行の行程を考えながら、来年こそ実際の旅へとつなげていければと思っています。


新型コロナ緊急事態宣言解除後の横浜~静岡間の夜行バスを利用してみて

先日、横浜から静岡に帰ってくるのに、あえて夜行バスを利用したのは現地でかなり滞在時間を引き伸ばせることだけでなく、ネットで乗車券を事前に購入することでキャッシュレス決済の割引および早割を重ねて利用することで、ほぼ在来線(JR)と同じくらいの交通費で済むということもあります(割引がなくても3千円ほど)。もちろん新幹線を使うのが一番良いとは思うのですが、正規に買える中では安い「ぷらっとこだまエコノミープラン」でも通常期と繁忙期で料金は違いますし、購入は前日までで、静岡駅構内のJR東海ツアーズに行けない場合は郵送になるなどインターネットで完結しないというのが個人的にはネックでした。

ただ、問題があるのは夜行便と言っても東京から浜松までの路線の中で横浜駅~静岡駅の区間を利用するので、横浜駅発が23時55分とかなり遅いのに、静岡駅到着は翌日4時30分とかなり早いということではあります。静岡というのは自転車交通が発達していて、駅近くに有料だけでなく無料で停められる駐輪場もあり、無料だけでなく有料でも24時間開いている駐輪場もあるので、行きも帰りも自転車が使えるので、何とか早朝の4時30分でも比較的楽に自宅まで帰ることができるので、総合的に判断して夜行バスを今回も利用したという感じでした。

今回は新型コロナ緊急事態宣言解除後ということもあってか、いつもと違っていた点がありました。全体的に利用者が少なかったということもあったのかも知れませんが、乗車しようと事前にプリントしたQRコードを運転手さんに提示した際に、ちょっと待ってくれと言われました。私自身は座席を指定する場合、夜行で窓からの景色が見えない(実際のところは最初から窓はカーテンでしっかりと閉じられていて、かなり強引にカーテンをずらさないと外の様子すらわからないような事になっていました)ということもあるのですが、後方にあるトイレに行く場合や、休憩で車外に出る場合にいちいち隣の人に気を遣うのがいやなので、通路側を抑えます。ただ、今回の場合は私が予約した席の隣には別の乗客がいて、他の席を見ると一緒に旅行している人以外の一人客は全て四列あるシートの二列を独占するような感じで席が空いていたため、運転手さんが予約のない別の列の方に移動してくれと頼まれたのです。

私自身もできれば隣の人との接触はこんな時期ですから避けたいですし、恐らくすでに乗っている隣になるはずの乗客側としても同じ気持ちだろうと思います。席の予約をしたのはかなり前の席だったのですが、今回は後方にある席を提示され、そこは問題を感じずに自分が移ってくつろぐことになりました。こうした自由さが混雑具合にもよりますがあるのがバスの良さであると思いますね。

当日は日中はそこそこ暖かかったですが、夜になると風も冷たくなっていました。ただ車内の状況はと言うと、外気を循環させている関係上冷房の効きが悪くなるのか、じっと座っているとそれなりの暑さを感じました。その際、便利だったのは実はマスク会食を避けるために持って行ったプラスチック製の扇子でした。USB電源の扇風機がこの夏のトレンドでしたが、深夜の夜行バスの中で扇風機を回すことで、その音に不快感を持つ方もいるかも知れません。その点扇子は大きな音を立てませんし、自分で風の方向と強さをコントロールできます。やはり、ちょっとした移動ではあってもこうした用意は必要であることを痛感しました。プラスチック製の扇子はこの夏100円ショップで見ることができたので、食事の際に扇子で口を隠しながら食べるためにもオールシーズン用として一本確保しておいた方が良いように思います。

あと、この路線の魅力としては運行中に一回ある東名高速道路の足柄サービスエリア(下り)での休憩があります。到着は深夜1時過ぎなのですが、コンビニだけでなくファーストフードでは吉野家が開店していて、フードコートにも一部営業を行なっている場所があります(緊急事態宣言解除後)。さらに、おいしい水として知られた「足柄の水」を無料で補給できる蛇口が設置されているので、味のあるペットボトルではなく水を入れられるボトルを用意すれば、車内での水分補給にも役立ちます。あと、このバスにはUSB用の端子が一席ごとに付いていて、車内で利用できるWi-Fiも完備しているので、私は動画をタブレットで見ながら車内時間を過ごしていました。

あと肝心なダイヤについては、このバスは足柄サービスエリアでの休憩の他に、何回か利用客を降車させないで停車する時間があり、時間調整を行なっています。事故などで全く動かなくなる可能性が高い場合は運休が考えられますが、多少の渋滞であればダイヤ通りに到着できそうな運行は可能なので、並走する鉄道の深夜運行がない現在、ほぼ鉄道なみに静岡駅に到着するこの路線はかなり貴重です。静岡駅到着の時間には始発も動きはじめるくらいなので、実は青春18切符のシーズンに東北・関東方面から西へ繋ぐ手段(カプセルホテル程度の費用でも夜間移動を続けられる)としても十分有効ではないかと思います。このバスを使うと、横浜に23時30分ぐらいにたどり着ければ、翌日は同じ横浜からではなく静岡発の始発に乗って旅を続けられるということになります。逆にこういうことを考えていくと、個人的には私が静岡発で長距離移動をしようと思う場合に、うまく終電後の時間をつなげそうな同じような短いルートの夜行バスについても調べてみたくなりました。


久しぶりの電車でのお出掛けをしてみて実感したこと 立ってパソコンが使えるカウンターの便利さ

個人差はあるかと思いますが、全国的な新型コロナの感染者数が減ってきたことによって県をまたいで移動する事も大目で見られるようになってきました。

私の場合はレジャーではありませんが、昨日ようやく隣県に電車で出掛けて、久しぶりに会う人たちとつかの間の交流および今まで会わないとできなかったことを話してきました。会場は横浜だったのですが、合流する前に観光らしい事をしようということで、横浜中華街を少しですがうろついてきました。平日でしたがそれなりに人はいて、有名店の前には少しばかりの行列もできていて、それなりに観光地は活気を取り戻しているような感じはしたものの、客引きをしている飲食店の従業員らしき人に聞いてみたところ、個人のお客が多く、あまりお金を使わないで帰ってしまう人が多いということでした。

実際、中華街は観光バスのコースとして食事の会場として使われることも多く、そうした活気というのは、まだまだ見られないというのが正直なところです。過去にオープン直後宿泊したことを報告した、カプセルホテルベースのドーミーインが関帝廟の前にあるのですが、2021年10月末の時点では営業を休止していて、再開の予定は未定となっていました。本当は仕事の休みをやりくりしてゆっくり中華街で泊まろうかとも思っていたのですが、安宿がそんな理由で閉じているため、当日の夜行バスでの帰宅となりました。

今回は、事前に予約した横浜駅から出ているJR東海の深夜バスを利用したのですが、とにかく乗車までの時間だけはたっぷりあるものの、深酒をして遊び回るわけにもいきませんので、ちょっと駅周辺をぶらつきながらお土産を探した後は、バスターミナルの待合室で持ってきたIdeaPad D330を広げて作業をしながら時間をつぶしました。この文章もバスターミナルの待合室で書いたものです。

私自身は普通の生活の中で電車通勤はしませんし、そもそも電車に乗ることもこの新型コロナの関係で全く無かったので、スマホに入れていたモバイルSuicaが凍結しており、電車で横浜を移動する時には事前に駅にある事務室で凍結を解除してもらって自動改札を使いました。電車の中では、平日ということもあり仕事で使っているような会社支給のノートパソコンを座席で広げている方に目が止まりました。女性でも13インチクラスのノートパソコンを開げていた人がいたのにはびっくりしましたが、その後で見た男性は15インチのノートパソコンを隣にも人がいる中で広げて仕事をしているようでした。ちなみに、私の持って行ったIdeaPad D330は10.1インチですが、もちろん移動中に広げることはしないでちゃんと落ち着いて操作できるところを選んで開きました。

ただ、昼間に普段よりもさらにウロウロと観光地を含む場所を歩いていたため、待合室の椅子に座り、膝の上にパソコンを置いて作業をしていると結構キツめの睡魔というものが襲ってきます。以前、別のノートパソコンを持って行った時には、つい膝の上から滑らせてノートパソコンを落としてしまったことを思い出し、別の場所に移動することにしました。

まず、バスターミナルと同じフロアにあるコンビニで頭に効きそうな「森永ラムネ」と無糖のペットボトルタイプのブラックコーヒーを買ってきました。そして改めてノートパソコンを広げた先は、正にパソコン作業をやるために考えられたと思われるコンセント付きのカウンターでした。

写真のようなレイアウトで電源を取り、パソコンだけでなくマウスも出して、隣にコーヒーを配置して眠気をシャットアウトして作業を行なったのですが、ずっと歩いていましたから足についてはきつかったものの、座って作業をした時のような眠気は嘘のように吹っ飛び、快適に作業をすることができました。

一部の企業では座って仕事をしないで、立って業務を行なうようなところもあるという話も聞きますが、確かに立った方が頑張れるという感じがします。そして何より、電源の心配もなく、この場所では大手キャリア系のWi-Fiやこの待合室独自の無料Wi-Fiが使えるので、私のようにモバイルインターネットをパソコン自体で利用できなくても、ネットを自由に使えます(ただしセキュリティの面もあるので、ドコモやauに登録してそちらのWi-Fiサービスを使った方が良いでしょう)。

恐らくこうしたスペースについては首都圏には多くあると思うので、今後はじっくりと座って作業するところよりも、立って作業をすることのできるカウンターのある作業スペースに注目して使おうかなと思いました。はっきり言って、パソコンでの作業というのは外で普通にこなせるなら、自宅に帰ってから改めてパソコンを開して行なわなくても済みます。実は、お昼にお会いした人たちとの話の中で、うろ覚えで言ったことについて改めて調べ直してメールで送ることを約束していたのですが、その作業の一部もバスを待ちながらできてしまったので、帰りのバスの中では音楽を聞いたり動画を見たりというかなり楽な気持ちで過ごすことができました。

今回のお出掛けではノートパソコンは持って行くつもりだったものの、マウスまで持って行くべきか少し悩んで持って行ったのですが、最初からこういうスペースが有ることがわかっていなくても、持って来たことでそれが活用でき、本当に良かったと思います。今後皆さんも電車などの公共交通機関を使って移動する場合、どうしても待ち時間というものが発生してくると思いますので、大きな待合室があればビジネスマン用に作られた場所がないかまずチェックされることをおすすめします。


キャンプブームでも屋外で行なう調理のリスクと片付けの手間を最初に理解しよう

先日のニュースであったのですが、東京の居酒屋で店主およびお客さんの気分が急に悪くなり、救急車で搬送される事故があったとのことでした。炭火を室内で使うというのは、十分な換気を行なうことが必要ですし、屋外のキャンプであってもテントの中で一酸化炭素中毒事故が起きるケースもあります。

今後の状況はどうなるかはともかく、緊急事態宣言の都市が無くなった現状で、再びキャンプを行なう人達が増え、同時にキャンプを始めた人のマナーの悪さというものも問題になりかけているようです。スピーカーで大音量の音楽を鳴らすようなことや、バーベキューを行なった後の片付けが甘かったり、そもそも片付けをせずにその場を後にするような人もいるようで、こうした傾向が続くと、今までバーベキューでの利用ができていた場所でも全ての利用が禁止されてしまう可能性もあります。

なぜこんなことになるかと考えると、テレビやネットではお肉を焼いたりキャンプめしを作るところまでの動画が多く見られているものの、片付けをどうしていくのかまで含めたものには注目が集まりにくく、焚き火や炭を使ってのバーベキューの後片付けの手間が知られていないということはあるでしょう。中にはマナー違反だと気付かずにマナー違反をされている場合もあるのかも知れません。

確かに、キャンプの夜に薪をくべながらその炎をじっくりと見つつ、湯沸かしや調理を行なうことは実に贅沢な趣味ですが、火起こしもそれなりに経験が要りますし、焚き火を直火で行なうことを禁止されているところがほとんどです。多くの焚き火愛好家は事前に焚き火台を用意して、燃え残った灰もそのままにせず、キャンプ場で有料で処理してもらうか持って帰る方がほとんどです。

私の場合は、薪を燃やした際に木が出すウッドガスに再点火して燃やし尽くすウッドガスストーブを持っていますが、燃えカスはかなり少なくなるものの、それでも灰は残ります。さらに、焚き火を使って調理をすると鍋やヤカンに大量のススが付きます。ススが付いた調理器具自体に味があると思って鍋を「育てる」人もいますが、よくわからないで自宅で使っている鍋やヤカンをキャンプに持ち出して大量のススを付けてしまったら、その処理も大変です。

結局のところ、とにかく気軽に外で調理をしたい場合にはカセットガスコンロを使うのがとにかく手軽です。焼き鳥や焼肉をしたい場合にもカセットガスを使った専用器具があるので、家でも使う事を考えると専用品を揃えて使うのが一番いいと私は思います。

焼肉と焼鳥はわかると思いますが、リンク先左のカセットコンロは風防が付いているだけでなく五徳が頑丈なので、ダッチオーブンを乗せての調理が可能になるので、家でも外でも使え、災害時の備えになり得ます。もちろん普通に売っているカセットコンロでキャンプをしてもいいのですが、その場合は大きな天ぷらガードを固定して風防にしないと、鍋にまともに火が当らず(風が強い場合)、かなりストレスが溜まるのではないかと思います。

ただ、カセットガスでもゴミに出す時にはなかなか神経を使うので、そうした扱いに慣れない方が使うと、せっかく購入してもなかなか使わなくなってしまい、結局は屋外で調理をするよりも室内で電気を入れれば使えるホットプレートが一番使うというような事になってしまう可能性もあります。

私のキャンプ道具は、とにかく片付けに手間を掛けたくないというところからスタートしていまして、先述のウッドガスストーブをはじめ、ガスバーナーも複数持っていますが、現在は手軽に使えてゴミも出ない、アルコール燃料を使った火器を中心に使っています。

私の使っているものは一人で使うことを前提にしているものなので、家族で使うには全く合わないのですが、液体燃料を燃やしてススも付かないことから、とにかく後片付けが楽です。鍋やフライパンにテフロン加工のものを持って行けば、汚れはキッチンペーパーで拭き取ってしまえば、多少汚れは残っても家へ帰ってから再度洗ってそれで終わりです。ゴミは燃やしてしまうよりもしっかりゴミ袋に入れて持って帰り、自分の住む地域のゴミ収集に出した方が現地での手間はかかりません。

ここまで書いて、当然ながら大変な後片付けをすることになっても、やはり焚き火での調理をやりたいし、焼肉には炭火が外せないと思う方は、火起こしをして調理可能にするまでの手間と、調理が終了し、焚き火や炭火を消した後の後片付けまでを含めて楽しめるかどうかというのが鍵になるでしょう。キャンプ用の道具を集めるのは楽しいものですが、いかにキャンプで活用するかということも考え、何をメイン火器にして選んだ火器の片付けまで含めて許容できるかということを考えてキャンプグッズを購入するようにした方が後悔しないで済むような気がします。


旅の定番だった場所が消えていくと 旅をする習慣そのものも無くなる可能性も

長期にわたって外出自粛の雰囲気が続く空気の中、観光で盛えていたところも一気に窮地を迎えるケースが少なからずあります。京都タワー大浴場が2021年6月に営業を終了するというのもそうした流れの中で起こったことで、これは今後コロナ渦が収まり、電車や夜行バスか元通りに走るようになっても無くなったままで変わらないわけですので、多くの旅人の行動に影響が出てくるのではないかと思います。

京都駅から出てすぐの京都タワー地下3階にある銭湯ですが、朝7時から夜10時までやっていたので(現在は新型コロナウイルス下で短縮営業)、早朝に夜行バスで京都に着き、汗を流してさっぱりしたい時や、夜にバスや在来線・新幹線に乗る前にリフレッシュするために多くの旅人が使ってきただろうと思います。

今後は別のサウナ店を探して入りに行くか、ネットカフェに併設されたシャワー室を使うかということになると思いますが、京都の町全体が経済的には厳しいと思いますし、大資本のところは残るにしても、そうでない場所で知る人ぞ知るというような所はこれからも厳しい状況が続いていく中、いったん休業してしまった施設が元通りに営業を続けていけるのかどうかもわかりません。

もちろん今回の京都タワー大浴場の代替施設はどこかにはあるわけで、無くなって本当に困るということはないでしょう。しかし、私の場合京都に行くとなると、自家用車以外の交通手段では、まず目的地が京都駅前になりますし、京都駅前からすぐに行ける京都タワーの利便性はそれなりに感じていたので、主に安く旅をしたいと思っている人の中でも移動時間の関係で、できれば最寄り駅からすぐに利用できる施設を重宝している人にとっては代替を探すのも大変でしょう。

こういった事が京都だけではなく全国で起こっていくことも、現実には考えなければなりません。かなり残念ではありますが、そういったつもりで旅に出なくてはならなくなるような時代がコロナ渦明けの状況でやってくるようだと、今まで以上に最新の情報に更新されるスマホからの情報収集の必要性は高まってくるのではないでしょうか。

今回の京都タワー大浴場は、設備の古さはさておき、その抜群のアクセスの良さからそれなりに人は入っていて、今回の新型コロナウイルスの感染症が広がらなければ、今後も同じように営業はできていたのではないかと思いえるだけに、改めて感染症の恐ろしさを感じざるを得ません。施設が老朽化したり、経営者が高齢になっての閉店というのは寂しさを感じつつも仕方ないと思えるものの、今回のような突発的な状況に巻き込まれてしまうと、観光業・飲食業や、直接生活に関係ない物を売ったりするようなお店はそれなりにファンがいたとしても、存続が一気に難しくなります。

今後多くの人がワクチンを接種して観光に人が戻るまでそうしたところが持ちこたえられるのか。また、逆に今まで旅行に出掛ける楽しみの一つだった数々の施設が閉鎖になった中、以前と同じように出掛ける人は一気に戻るのか、そうした点も不確定要素として残るので、まだまだ自分たちだけではどうしようもない状況はまだかなり長い間続くと見なければならないでしょう。

個人的に不安なのは、感染症の脅威が無くなっても、旅行に出掛けなくなるような人が増えてしまうのではないかという点です。全国の味はネット通販で注文することが一般化すると旅出つ理由の一つが減る場合もあるでしょう。またコロナ渦で生活が大変になり、マイカーのない生活を指向したり、鉄道会社が終電を早めたダイヤを継続することで公共交通機関を使った旅も不便になってくると、今までのように人は旅行に出掛けようと思えなくなるのではないかという想定も考えられます。

話も京都タワー大浴場に戻すと、この施設は深夜帯を移動に使う夜行の高速バスを利用されていた方にとっては打撃だけに、今までは夜行バスとセットで使われてきた施設が無くなることで、選択肢として夜行バスを使っての京都入りを敬遠し、新幹線に移行するケースも出てくるでしょう。そうなると旅の形も変わりますし、観光客が落とすお金の額も変わってくるかも知れません。どちらにしてもワクチン接種が終れば徐々に前の状況に戻ってくると考える中で、人々の意識の中で、コロナ前・コロナ後で何が変わってしまうのかについても、十分な検証のもと人々を観光に戻すための社会的な工夫が必要になってくることだけは確かでしょう。


印象的なアナログ予約システムについて考える かつての「赤福」の「朔日餅」の販売における恨みっこなしのシステムとは?

新型コロナウイルスの接種予約は、利用できるならインターネット(スマホ)からの予約がおすすめです。自宅でインターネットを使える環境があれば利用することができますし、受付をする先方の事務的な負担も軽減されると思うからです。ただ、どうしてもインターネットを使えない方はいつの世の中でもいるものです。多くの人が集中するとわかっていても、アナログ的な予約システムは0にすることは難しいのではないかと思います。

また、様々な事で行列を作るというのも日本国内では良くあることで、行列を見たら購入する気が失せるような人がいる一方で、我慢強く行列に並ぶことを選択する人もいます。かつてテレビ朝日系列で放送されたバラエティ「いきなり!黄金伝説」のコーナーで、現在も活躍している漫才コンビのU字工事さんが、あらゆる「行列グルメ」の一番乗りを目指すというロケがあったのですが、その中でどうしても一番を取れなかったものに、伊勢神宮参道にある「赤福」で毎月一日に販売になる「朔日餅」(月に一度季節に合ったお餅の詰め合わせが販売される)がありました。この行列システムは単純に早く行けば良いというものではなく、かなり複雑な仕組みになっているという話を聞き、今回改めて新型コロナウイルスの騒動前に発動されていたその仕組みについて、ネットで色々と調べてみました。

ワクチン接種の順番も、偉い人優先を止めて全て同一のシステム上で行なえば恨みっこなしになるのではと思いますが、これから紹介する赤福の仕組みについても、時間が有り余っている地元の人でないとトップを取ることは難しいのですが、当時は行列をすること自体が楽しみという部分もあったのでしょう。というわけで、当時の予約システムについてネットで調べた結果というものを紹介することにします。

改めて書きますが、赤福の朔日餅は1月を除く毎月1日の午前4時45分から販売されます。しかし、これだけだと前日前々日からではなく一週間以上前からお店の前に並ぶ人が出現する可能性があり、赤福自体の営業に支障をきたす恐れがあることから、整理券を配ることにしたそうなのですが、その整理券をもらうために何日も前から並ぶ人が出たということがあったそうで(^^;)、整理券自体を持っていても「朔日餅」とは交換(もちろんお代の支払が必要ですが)できない仕組みになっという話を聞いています。

その仕組みとは、朔日餅販売前日(前月の月末)の午後5時から配布される、「列整理券」をもらうための「受付番号票」がまずは配られます。この「受付番号票」の1番をU字工事さんはどうしても取れなかったというのですが、この「受付番号票」は整理券をもらうための整理券というもので、早く買いたい人はまず「受付番号票」をもらうことで、長時間の行列待ちを避けられるということだそうです。恐らくトップの人たちは地元の方で何日も前から「受付番号票」をもらうための行列を作っていて(赤福の方でも営業に支障のない場所を行列の場所に指定して、テレビでもその場所で行列をしているところが映ったはず)、当時から売れっ子だったU字工事さんは、どうしても「受付番号票」の1番を取るためだけに何日も行列のためにその場に居続けることはできない事情があったように記憶しています。

「受付番号票」をもらった人は、1日の午前3時30分までに店の前に集まり、すでにもらっている「受付番号票」と引き換えに、「朔日餅」購入のための列に並ぶことができる「列整理券」をもらうのだそうです。「受付番号票」ではもちろん、「列整理券」でも朔日餅は購入することはできません。ここまで苦労しても列に並ぶ権利を得るだけということになります。

そして、それから約1時間後、1日の午前4時40分から「列整理券」の順番に列に並びます。そして午前4時45分から販売が始まるのです。もっとも「列整理券」を持っていなくても、早朝に赤福の前に出来た行列の後ろに並べば、普通の場合は「朔日餅」を購入することができましたし、私は早朝に行かなくても「朔日餅」を店頭で購入することができました(材庫があれば)。さらに、確実に買いたい場合には、事前に予約をして赤福の本店および支店から(高速道路の御在所SAのお店でも大丈夫だったはず)受け取ることは可能でした。こうした仕組みというのは、あくまで早く手に入れたり、行列に並ぶことを楽しむために集まってくる人に対してのイベントという意味あいもあるのだろうと思います。

もし新型コロナウイルスのワクチンについて、インターネットが使えず、電話も繋がらないので直接予約がしたいと思う人のためには、抽選がベストな選択だとは思うのですが、こうした何回にも分けた「予備整理券」を配ることで最後まで残る人をふるい落とすシステムを導入するのも、列に並ぶ人の熱意をくみ取ると全く否定すべきものでもないのではないか? とふと思います。もちろん、健康に影響が出るかも知れない泊まり込みを禁止し、予備整理券を得るために抽選を行なう(用意できるワクチン分の整理券を発行するとか)方法もあるでしょう。一連の手続きの中での行列は密にならずにソーシャルディスタンスを保つ必要がありますので現実には難しいでしょうが、今回のワクチン注射には当日キャンセル待ちの設定も出てくるので、ある程度の行列は避けられないのではないかと思います。地域の中で接種が必要だと考えている年代の人の中で、インターネットも電話を使えない人の不満を解消させるため、キャンセル待ちの受付の一部でこうした整理券配布方式を検討する余地はあるのではないでしょうか。

あと、これは余談になりますが、新型コロナウイルスの感染の恐れが去り、普通に出掛けられるようになったら、どこかの月の1日早朝に伊勢神宮に行き、その頃には予約の仕組みも戻っているであろう「朔日餅」を買いに行きがてら、「列整理券」の1番を持っている人はどんな人なのかを見に行ってみたいです(^^;)。