月別アーカイブ: 2017年10月

日本版GPS衛星みちびき4号打上成功でどう変わるか

昨日、種子島宇宙センターから打ち上げられた日本国内でGPSと一緒に利用できる日本版GPS衛星「みちびき4号機」の打ち上げが成功したと発表されました。実際に運用されるのは表題の通り来年の4月からということになるのですが、これによって日本が上げている日本版GPS衛星の数が増えるため、日本国内での利用が更に便利になることが予想されています。

そもそも、インターネットの仕組み自体と同じく、GPSというものも本来は米国の軍事用に使われているものを民間でも利用できるようになっていますが、軍事用途ということで一つ問題がありました。というのも、技術的には十分自分のいる位置を正確に表示することができるはずなのですが、実際に米国のGPS衛星だけを利用して表示できる現在位置というのは数メートルずれて表示されるようになっています。

これは、世界的に使われる場合、米国がいつ敵対するかも知れない相手国にも同じように正確な情報を提供することを避けるためなので、軍事利用のおこぼれを使わせてもらっている日本としてもその事自体に文句は言えません。現在はスマホをカーナビに使う人や、歩きナビにも使っていたりする方もいることもあり、日本政府は独自の日本版GPS衛星の打ち合げを継続して行なっており、今回の「みちびき4号機」の打ち上げなどによって、2018年度からの日本版GPS衛星の数は1機から4機に増えることになります(常用は3機の予定)。

一般的に、安定した高精度測位のためには最低でも8個の衛星を端末の方で捕捉する必要があるということです。今まではきちんと測位をするためには米国のGPSを最低7個使い、日本版GPSは1機のみの運用だったため、何かのトラブルが起こると全て米国のGPSに依存することになってしまいます。そうなった場合、急に位置情報受信の精度が落ちる可能性をはらんだ状態で使っているのですが、日本版GPSの数が増える2018年度からは日本版GPS衛星を多く捕捉することで、スマホのような端末でも常に正確な位置を表示することができるようになることが期待されています。

さらに、正確な位置情報を測定することは今後の交通インフラにとっても重要になっていくことが予想されています。政府では2023年度までにさらに衛星の数を増やし、7機体制で回し常時5機にまで増やす計画になっているとのことです。最終的には米国のGPSに頼らなくても済むように日本版GPSの整備を行なっていくことは、マスコミではほとんどその重要性については報道されませんが、大変大事な事だと思います。

昨日から始まった衆議院選挙の結果によってこれらの方策はどこが政権を取っても変わらないと信じたいですが、この計画の通りに日本版GPS衛星が整備されていくことになると、夢の自動運転の車が実用になった場合、誤動作を心配することなく正確に日本国内をどこでも走るために必要不可決な技術になるでしょう。

私を含め、多くの日本に住んで日本国内のインフラを使っている方は、全てが日本国内のコントロールのもとにあると思って様々なものを使っているケースがほとんどだと思います。しかし、現状では米国からGPSの信号をストップされた場合、かなりの混乱に見舞われる可能性は十分に考えられます。電気・ガス・水道のように、日常生活で不可決なインフラの中にはGPSの情報もあるわけですので、まずは来年度からの日本版GPSの本格運用に期待したいところです。


理不尽な状況にも我慢することの大切さ

昨日何気なく新聞を見ていて驚くべきニュースに遭遇しました。2017年6月に東名高速道路でトラックが乗用車とワゴン車2台に追突して死者が出た交事事故のニュースで、単なる追突事故ではなく、それ以前に高速のパーキングエリアで2台の車との間にトラブルがあったために大きな事故につながった可能性があるというのです。

これはあくまで父母が亡くなったお子さんの証言に基づいた形での報道ではあるのですが、基本的にはその話を前提に書いていきます。東名高速下りの中井パーキングエリアの施設の前の通路に乗用車が停まっていて、証言したお子さんの話では通路を塞ぐように停まっていたといいます。テレビでのイメージを図式化したものを見たら、施設の前に横付けするような形の駐車のようでした。東名中井パーキングエリアはこじんまりとしていて決して通路は広くないので、トイレなのかちょっとした買い物かも知れませんが、すぐ動くからといっても一台車が停まっていると、少し幅の広い車が通りにくくなっている状況があっただろうと思われます。

とにかく、その後事故に遭ったワゴン車がその場を通り抜けにくくなっていた事は確かで、施設の前に乗用車を停めているドライバーに運転をしていない父親の方が注意をしたところ(この辺はその状況により判断が分かれるところで、かなり強い調子で喧嘩を売られたと相手が判断したのかも知れません)、ワゴン車が本線の方に走っていったのを注意を受けた乗用車もすぐに追い掛けるとワゴン車の前に出て、事もあろうに追い越し車線で車を停めて(この部分も実際に高速道路に出てからどのような経緯で追い越し車線で停まって車から降りてきたのかは当事者同士の意見は食い違っています)、あわてて停まった車に文句を言うために相手のドライバーらが高速道路上を降りて来たというのです。

そこで実際に注意した父親の胸ぐらをつかむなどの接触をし、その時には父親は平謝りだったそうですがからんでいる時に後ろからやってきたトラックが2台の停車しているところに突っ込んできて大事故になったとのことなのだそうです。結果ワゴン車の両親が死亡、乗用車に残っていた女性が腰の骨を折る重傷で、ワゴン車のお子さん二人は軽傷で済んだとのことです。

今後、この訴えが本当だとしたら追い越し車線で故意に停車したドライバーに対して危険運転致死傷罪での起訴の可能性も生まれてくるのですが、個人的には少し違う感想を持ちました。というのも、多くの人が集まる高速道路のSAPAや道の駅などでドライバー同士のトラブルが起きた場合、今回の事故のように逃げようとしても強制的に停止させられて車から引きずり出され、身体的な被害を受けたりすることも起こり得ることなので、こうした危険を回避するにはどうしたらいいのかという事についてです。

今回のケースの場合は、車が通り抜けられない時点で少し狡猾ならば何も言わずクラクションも鳴らさずにその場に停まり続けていれば、必ず後続の車が何事かと出て来ると思うので、文句を言わせるのを後続車のドライバーに任せるというやり方もあったと思いますし、そのまま争いを避けて一旦バックして、違う通路から出口を目指す方法もあったはずです。

車に乗って運転していて、あまりにもマナーを守らない運転車にカチンとくるような経験は私にもありますし、恐らくこの文章を読んでいるほとんどの人たちが感じる事でもあると思います。しかし、その感情を車の中だけで収めずに外に向かって放出してしまうことで、極端な話自分の命まで危険にさらされる可能性まで出てくるというのでは、やはりむやみに注意することもすぐにはやらない方がいいのではないかと思えてきます。

こうした状況に対面してしまった場合の基本的な考え方としては、いくら頭に来る事をされたとしても我慢するのが後々の事を考えればベターな選択になると個人的には思います。その場合はとにかくその場から立ち去るということで相手との接触を自分の方から絶つことができます。問題なのは立場が逆の場合です。

どういう事かというと、自分が普通に運転をし、マナー違反をしているとは思ってはいないのに、自分の運転の仕方や車の停め方を注意されるような場合です。そのような非難を受けるケースの中には、相手が自分と他の車を間違えて、自分は全く動いてもいないのに怒りの矛先が自分に向かってくることも考えられます。私自身も同じような車が多く走っている一般的な車に乗っているので、そうしたリスクを避けることは完全にはできないでしょう。全く身に覚えのない場合には特に相手に対してカチンと来ることは当然あると思います。

私の場合、過去に自分にマナー違反があったのか今だにわからないものの、かなりの勢いで並走していた車に怒鳴られたことがあったのですが、その時にはとにかく頭を下げてわびたところ、いざこざまでには発展することなく、相手が先にその場を離れていきました。同乗者がいたこともあったので、とにかくその場を穏便にという感じで行なったのですが、せっかくの出先で何かあったらそれまでの楽しい気分が吹き飛んでしまうだけでなく、場合によっては同乗者にも迷惑がかかることも確かです。

自分に非があるかどうかわからないのに謝るというのは人によってはとてもできないと思われるかも知れませんが、その場で喧嘩だけなら自分と相手だけで済みますが、最初に紹介したように、続きを命の危険もある高速道路上でやるような輩と関わらないとも限りませんので、もやもやした気分の発散は後で考えるとして、その場では怒らず挑発にも乗らないようにすることが何よりも大事だということは肝に銘じておきましょう。


観光施設のシャトルバスを観光に組み入れると

私は静岡市に住んでいますが、静岡市の観光は11月初旬の大道芸ワールドカップというイベントがあるものの、駅周辺の観光以外でおすすめしたいのは国宝の久能山東照宮参拝といちご狩りというコースだったりします。いちご狩りは今は苗の生育期だそうで、年明けからいちご街道と呼ばれる久能山東照宮への道に名物の「いちご娘」が出始め、いちご狩り自体は5月のゴールデンウィークくらいまで楽しむことができます。

さらに、冬の時期は空気も澄んで晴れることが多いので、いちご狩りを楽しんだ後で富士山の全景を見ながら世界遺産の三保の松原まで足をのばすような予定を組むなら、1月から2月あたりのうち、正月休みの混雑も落ち着いた一月中旬から下旬あたりで静岡県地方が晴れている時に出掛けるのが最高ではないかと思います。

最近になって、久能山東照宮まで上る石段の下から若干静岡市街寄りの少し離れたところに、一日200円で停めることのできる駐車料金入れの置かれた無人有料駐車場があり、車で来る場合にはそこの利用がおすすめです。そこに車を置いた上でいちご狩りや久能山東照宮への参詣まで楽しんだ方が、石段の真下にある管理人のいる駐車場に停めるよりも安く時間を気にせずに観光することができます。

ただ、家族総出でいちご狩りに来たものの、石段を登って東照宮の本殿に歩いて登るのは体力のある大人でも大変なものです。石段は上まで行くと1159段もあるので、親子孫の三世代で観光に来たものの、祖母祖父世代は石段登りをパスしてゆっくり休みたいような人がいる場合、別の選択肢もあります。これは私が地元の方に聞いた話なのですが、東照宮近くなある大江戸温泉物語グループの経営する入浴施設「天下泰平の湯 すんぷ夢広場」(名称が長いので以下よりの名称は「すんぷ夢広場」とさせていただきます)では、無料シャトルバスのサービスを行なっており、施設利用者へのサービスの一環として「JR静岡駅南口」から施設までの路線だけでなく、施設から東照宮石段下まで路線を伸ばしているというのです。

「すんぷ夢広場」の駐車場は施設利用者については無料になっているので、一旦車を「すんぷ夢広場」に置いて、温泉に入るグループと東照宮へお参りといちご狩りのグループに分かれてシャトルバスで石段前まで往復するようにすれば、駐車料金を掛けずにしばらくゆっくりしたい人と目一杯観光したい人とを分けることができます。

また、どちらも楽しみたいという場合には、車で「すんぷ夢広場」に車を置き、シャトルバスで先に東照宮にお参りやいちご狩りを済ませてから「すんぷ夢広場」に戻り、石段の昇り降りで疲れた体を一旦リセットするために入浴して帰るというパターンも使うことができるでしょう。

シャトルバスの運行については施設側の好意ということなので施設を利用しないで乗るのはご法度ですが、JRを利用して静岡駅で十分に時間があるなら、新幹線の改札を出て左側が南口なので、そこから「久能山東照宮」→「すんぷ夢広場」というコースで観光とお風呂を楽しむプランもできるでしょう。

入浴料金は大人の場合、平日700円、土・日・祝日900円ですので、多くの場所を回る場合は乗り放題切符を買って入浴はしない方が安く上がる場合も考えられますが、こういうシャトルバスを有効利用する手もあるという一つの選択肢として活用されるのはいいのではないでしょうか。シャトルバスの時刻表については以下に「すんぷ夢広場」公式サイトへのリンクを貼っておきますので参考にしてみて下さい。

http://sunpu.ooedoonsen.jp/

この内容を見ると、営業時間は午前6時からなので、深夜のうちに仮眠を取って車で施設に入り、朝風呂と朝食を堪能した後シャトルバスで石段下まで行って午前中に観光を済ませてしまうという手もあります。車を使う場合はなかなか他の交通機関を利用する機会はないと思いますが、今回紹介したように大きな入浴の行なえる有料施設では、駅や周辺観光地までのシャトルバスを運行しているところもあるので有効に使えるものなら使った方がいいと思います。旅行に出掛ける先が決まったらその周辺にある観光施設や入浴施設などで独自にシャトルバスを運行し、その路線はどこまで行っているのかという事も確認してみるのもいいでしょう。


生中継にこだわらないスポーツ中継を行なうTV局って

世間では連休に入りましたが大雨でなかなか出掛けられない時にはついテレビを見てしまいます。昨日は未明から「DAZN」で欧州や中南米のサッカーワールドカップ予選の試合をネットの生中継で見ていましたが、もし見逃してしまった場合、ハイライトにして見る事が多くなっています。

というのも、今の世の中では録画や見逃し配信で見る前にはすでに試合の結果はテレビのニュースやネットの速報によってわかってしまうので、見ていてわくわくする感じがなくなってしまうからです。よほどプレーの内容が見たいほどのファンなら別かも知れませんが、「感動をもう一度」というようなことでなければ、録画中継をそのまま見るというのは、なかなか見ても感情移入ができないという個人的な気持ちがあるのは確かです。

しかし、そういう意味でいうと、この文章を書いている期間に地上波で放送しているカナダで行なわれている「世界体操2017」の録画放送というのは、本当に見る気も起こらないほどの先に結果だけが入ってきてしまう状況になっています。というのも、後でこの文章を見た方のために書いておくのですが、テレビ局が一押しで男子個人総合連覇なるかと期待されていた内村航平選手が予選の段階で足に怪我をして棄権したことが、中継よりかなり前の段階でテレビや新聞・ネットニュースで明らかにされたことで一気に期待がしぼんでしまいましたし、男子の白井健三選手の個人総合3位と、女子の村上茉愛選手の個人総合4位というのは、どちらもテレビの録画放送が始まる前にその結果がわかってしまっていました。

これらの結果は結果として受け止めたいものの、生中継で予選から放送してくれれば、白井選手の歓喜や内村選手や村上選手の演技終了後の無念さというものをリアルタイムで見ることができたわけで、結果がわかっていて見るのとはまた違う感動を味わうことができたと思われます。

しかし3連休を網羅する形で予定されている地上波テレビ朝日系の中継は全て録画放送で、関連のあるBSやCSでの生中継も計画されていないようです。昨年にオリンピックがあり、生中継での最終種目が終わるまで金メダルの結果がわからないという、息詰まる男子個人総合での争いを堪能したからかも知れませんが、見やすい時間に録画放送するのは当り前としても、やはりスポーツは生で中継するものではないかと思うのはおかしな考え方なのでしょうか。

テレビ朝日と言えばサッカーのワールドカップ予選については深夜や未明であっても生中継をしていたことが記憶にあるのですが、競技によって中継形態が変わってしまうのだとしたら大変残念です。

最近ではDAZNやスポナビライブのような有料のスポーツ専門のネット中継サイトも国内にでき、多少のタイムラグはあるもののライブで楽しめるので、必ずしもテレビ局がスポーツの中継をやるものではないという状況も出てきました。現在でも贔屓のサッカーJリーグチームの試合を全てテレビでは生中継してくれないので、私は有料でDAZNを契約して見たい試合はネット中継を利用して見ています。今後もしテレビ局が放映権を獲得したにも関わらず、その試合を生中継しないような事が起こるなら、そのスポーツのファンを中心にして、もっと声高に生中継を求める声を挙げたほうがいいのではないかと、今回の一連の放送を見て思いました。

このブログではテレビの地上波放送のネット同時配信について書くことも少なくありませんが、現在はその開始時期についてNHKと民放が口論しているようなところがあります。ただ、そうしたゴタゴタした中でサービスを拡充してきたのが、様々なネットで動画を楽しむことのできるサイトの存在です。前述のDAZNもその一つですが、バラエティでも制約の多すぎる地上波からネット配信を楽しむような流れも起きつつあります。アマゾンプライムやネットフリックスなどは挑戦的な地上波でのコマーシャルを放送していますし、ネットでの配信というのは時間および視聴場所の制約を受けず、見たい人は生中継と録画(見逃し配信)を自由に選べる分、自宅に戻ってテレビを見るよりも利用しやすい点はあると思います。

今後の事を考えるとネットが使える方なら、今でも例えば海外で独自に生中継されているサイトを探して見ることができ、さらにスマホやパソコンの画面の動画をテレビ画面に映るようにするChromecastのようなハードもあります。もちろん最近のテレビではテレビをネットに繋げば直接ネット配信のサービスが使えるものも出てきていますので、さらに導入のハードルは下がってきていると思います。

今回の世界体操ももし生中継が海外のサイトから見ることが可能だということがわかっていて、具体的な視聴方法を多くの人が知り得た場合、そちらで見て後から放送される地上波テレビは見ないことも十分ありえます。今まで通りテレビだけでスポーツを見ている方には更に難儀な時代にもなっていきそうな感じもするのですが、そうなると様々な視聴手段を持っている人がネット放送やオンデマンドに移行することで地上波テレビを見なくなり、地上波のネットによる同時配信すら選択外になってしまう状況にもつながりかねないと思うのです。

さすがにオリンピックのような大イベントで録画中継をメインにすることは今後もないでしょう。ただ単一競技であっても世界の一流のプレイが見られる世界選手権については、たとえ生中継だと深夜から未明になってしまうにしても、ネットのないご家庭でもリアルタイムで見られる状況にして追いていただきたいです。もともとテレビというものはリアルタイムを大切にしてきたメディアではなかったかと思うのですが、今後の状況を見ながら、私自身も今後、どのメディアを選んでいくのかを考えていきたいと思っています。


自動車事故時の話し合いにスマホの自動翻訳を使う

Googleは2017年のクリスマス商戦の目玉として、新スマホの「ピクセル2」を発表し、さらにワイヤレスイヤホンの「ピクセルバズ」とのセットで利用する方法について紹介しています。ピクセル2とピクセルバズを連携させ、イヤホンの単独操作だけで多言語の中から相手の話す言葉を選び、マイクに話した日本語を特定の言語に翻訳した音声をスマホのスピーカーから出すことができます。相手はスマホに向かって話すことで、日本語に翻訳された相手の言葉をイヤホンから聞くことができるそうで、まさにスマホが自動翻訳機になっています。どのくらいスムーズに翻訳できるのかという事については、すでにスマホのアプリでも一部の翻訳機能は実現されていますので、新しい技術を使わなくても、お持ちのスマホでそれなりの翻訳機能を使うことができるようになっています。

ちょっと前のニュースで、普通のスマホでもアプリ「グーグル翻訳」の音声入力モードを使うことで日本語と他の言語の間でスマホを介して自分の喋った言葉(日本語)が英語など他の言語で音声出力されるようにできるようになったことを知り、自分でも試してみました。相手がどこの言葉を喋るかがわかればスマホのアプリを設定する必要がありますが、やり方さえ覚えればお互いスマホに語り掛けるような形でのやり取りをすることでコミュニケーションを取ることも可能なように思います。

その昔、キヤノンが例文を選ぶと本体に内蔵されたスピーカーから各々の言語で読み上げてくれる「流暢」という電子辞書がありましたが、文章を読み上げるという点ではその頃の仕組みと同じなのですが、飛躍的に進歩したのはスマホのマイクから人のしゃべる音声を拾い上げて、誤りのない言葉に変換してくれる能力です。こうした認識能力は100%正確にというわけにはいかないものの、ハードの進歩によってその精度および変換スピードは上がってきますから、現在の状態でもかなり実用的になっています。

Googleに限らず翻訳アプリを使う場合の注意は、だらだらと話し言葉で語り掛けないことだと言われています。語り掛け方次第では思わぬ変換ミスを起こして相手にこちらの意図が正しく伝わらないということもあるので、多少ぶっきらぼうでも必要なキーワード中心に意志をしっかり伝えることを心掛けたいものです。実際アプリを使って日本語をスマホに向かってしゃべると、自分のしゃべった言葉がまず日本語でスマホ画面に出てくるので明らかに自分の意図したフレーズと違った場合は翻訳を中止して吹き込み直す必要も出てくるかも知れません。そうなってくると極端な話、英語以外で全く習ったことのない言語であっても、グーグル翻訳のアプリを使って正しい日本語が画面に出るようになれば、アプリに登録されている言葉の範囲でコミュニケーションを取るための手段は現段階でも何とかなるという事になるのかも知れません。

このような機械翻訳が誰もが持っているスマホでできるようになると、生活の中で利用する機会があるのか気になりますが、日本で生活していて日本語が全くわからない海外からの旅行者と会話する機会などあるのかという疑問を持つ方も当然いると思います。しかし、先日このブログで紹介したように、2020年の東京オリンピック開催をひかえる中で海外旅行者が増え、レンタカーを使って日本国内を移動するようなケースが増えるに従って自分が運転している車と関わった事故が起きることも十分ありえます。そうなったら自分が嫌だと思っても話をするしかないわけで、そんな時のためにスマホの翻訳アプリを使うという選択も十分ありうるわけです。

具体的には相手が英語以外の言語を母国語としている場合に何の言語を使っているかということがわかれば、グーグル翻訳の機能を使って日本語とその国の言葉でコミュニケーションをスマホを経由して行なえるように、アプリの使い方について学習しておくということが大切になってくるでしょう。事故でお互いの感情が高ぶってしまっていることも考えられますが、とにかく相手がレンタカーを使っていた場合にその連絡先を聞くためだけにも対話のできるスマホによる自動翻訳は助けになることは十分に想像できます。

そうした状況を心配している方は、実際に自分の聞きたいことを日本語で喋った内容がスマホのアプリで正しい日本語として認識されているかを試してみるのがいいでしょう。例文としては以下のようなものがあります。

「警察に電話します」
「警察が来るまでここにいて下さい」
「救急車を呼んで下さい」
「怪我はありませんか?」
「保険会社に電話させてください」
「電話を代わりますので話して下さい」
「自動車事故の時の連絡先を聞いていますか?」
「あなたの車のレンタカー会社はどこですか?」
「レンタカー会社の電話番号を教えて下さい」

ここでは細かい事故内容についての話し合いをすることまでは難しいと思われるため、とにかく相手をその場から逃さずに保険対応してくれるレンタカー会社の連絡先を聞き、警察や救急車を呼ぶまでの対応ということで考えています。以上の内容を翻訳アプリを立ち上げてスマホに向かって喋り、正しく上記の内容が画面に出てくるか確認して下さい。もし正しく認識しない場合には正しく認識されるように話し方やスマホに対しての距離などを修正してみて下さい。正しく日本語が表示されるようなら、アプリで対応している言語に対応していざという時にこちらの意志を相手に伝える手段としてアプリを使うことができるようになります。

問題は繰り返しになりますが、相手が喋っている言葉が何かを把握することです。英語が母国語ではない国からの旅行者でも英語が普通に使える人は多いですが、話をしなければならない人に英語が通じるか通じないかということを最初に押さえておけば、もし英語が通じない場合に次の局面にスムーズに移行できます。基本ですが、

「Do you speak English?」(あなたは英語を話せますか?)

というフレーズはすぐ口から出るようにしておくと便利です。もしこの問い掛けに「No!」とか明らかにわからない素振りをした場合に次の事を考えましょう。多く日本にやってくる観光客が使う言葉としては、中国語・韓国語・フランス語・イタリア語・スペイン語・ポルトガル語・ドイツ語・タイ語・インドネシア語・ベトナム語・タガログ語・マレー語あたりまで押さえておけば何とか大丈夫なのではないでしょうか(グーグル翻訳のリストには以上の言語は入っています)。旅行者側でもコミュニケーションを取るためには多少の日本語はできるでしょうし、日本語が全くわからない場合も、国名を疑問形にして相手に聞いていけば、相手が話す言語が何なのかはわかってくるかも知れません。

今回想定するような事はめったに起こることではありませんが、今後は現実に起こってくる可能性もあるわけですから、もしもの時のためにスマホに入れるアプリについても色々考えておくことをおすすめしておきます。


アマゾンプライム会員の新特典「Prime Reading」

今回の内容については単に喜んでいていいのかという話も出てくるような、日本の出版業界に対する影響が直接出てくるような状況をはらんでいるような気もします。今回アマゾンが年会費を支払っているプライム会員向けの新特典として出してきた「Prime Reading」サービスがそれですが、規模こそ大きくはないですがそれほど注目が集まるサービスだと思うので、ここでその概要と今後への影響について考えてみたいと思っています。

まず、「Prime Reading」サービスとはどういうものかというと、アマゾンで販売される電子書籍を読むことのできるKindleアプリおよび専用端末を使い、アマゾンのプライム会員なら誰でも「Prime Reading」対象の書籍や雑誌を一定の期間無料(実際には会費の出費があるので追加課金なしという意味合い)で制限なく読めるというサービスです。プライム会員の会費は年間3,900円、月間400円(2017年10月現在)で、今まではビデオや音楽についてプライムサービスに加入している人向けに無料で楽しむことのできる作品が多数存在していて、中にはこの特典を目当てにプライム会員に加入している方も少なくないと思われます。

今回、膨大な数の電子書籍の全てではないものの、無料で読める本が一定の数出てきたことで、今まであまり電子書籍に興味がなかったプライム会員ユーザーがごっそりこのサービスを利用すると思うので、アマゾンが電子書籍販売の面でも一人勝ちをするのではないかという見方もあります。他の電子書籍陣営にとってはただただこうしたシステムが脅威なわけで、他の電子書籍サービスが先細りになってしまう可能性も出てきたと言わざるを得ません。

アマゾンの発表では、「Prime Reading」対象の書籍は数百冊と紹介されているので決して多くはありませんが、期間によって内容が変わり、本や漫画以外にも雑誌も複数の種類があるということを考えるとかなり実用的なメニューになっている可能性もあります。ちなみに、無料のサービスということもあり同時にダウンロードできる本の数は10冊までとなっており、読み終えたものについては返却処理が必要になります。返却することでまた改めて利用が可能になるという方式で、規模の小さい地方の図書館のようなものという風にも考えることができます。また、利用には専用端末でなくてもiPad、AndroidタブレットにKindleアプリを入れれば利用可能です。

私自身はすでにアマゾンのプライム会員になっているので利用が可能なのですが、ニュースが出た当初は本の内容をダウンロードしようと思ったらエラーが出て先に進めなくなるような事もあって、かなり多くの同じ事を考えているユーザーが押し寄せたことが想像できました。そんな騒動も落ち着いたようで、現在はしっかり対象の本をダウンロードすることができ、音声やビデオとは違って周辺に迷惑を掛けることなくタブレットを文庫本のように使って読む本の幅が広がったというのは有難いことです。

恐らくアマゾンとしては有料でKindleストアから購入してもらえる本を増やしたいということなのかも知れませんが、時間つぶしに読みたいくらいなら無料の本や雑誌だけでも十分に使えるようになると思います。

そういった感じでアマゾンプライム会員が楽しめるエンタメ系のサービスはビデオ・オン・デマンド、音楽、本の全てを網羅するようになったわけですが、深く全てを網羅するには当然足りず、必要に応じて電子書籍を有料で購入する必要があり、無料サービスはその呼び水となるものにしたいとアマゾンは狙っているでしょう。となると、無料とされたものとそうでないものと分けられた基準は何なのかということが気にかかります。ただ、今後もプライム会員を増やす手段として使うなら目玉商品が必要になるわけで、アマゾンが今後どれだけ魅力的な本や雑誌を無料で提供し続けられるかが、アマゾンが電子書籍市場で勝ち抜くためには必要になってくるのではないかと思います。

しかし、過去にアマゾンが定額料金による読み放題サービス「Kindle Unlimited」を実施した時にも、当初はかなり日本の出版業界から反発が出たことも確かで、このサービスでもアマゾンの思い通りの無料本を提供し続けられるかどうかは現時点ではわかりません。

ビデオ・音楽に加えて本も読めるからラッキーという感じでとにかくアマゾンが提供する無料本だけ読むという方なら今のサービス内容でも問題ないでしょうが、何が無料本になるのかならないのかという事が気になるような方は、しばらくはこのサービスが行き着く先を確認し、出版業界の対応が落ち着いてからプライム会員になるかならないかを決める方が後悔することは少なくなると思われます。もちろん、送料無料・お急ぎ便の利用が可能な他の特典もありますので、総合的に判断することが求められるでしょう。

ともあれ、始まったばかりのサービスですから、個人的には普段購入することのないジャンルの読書にチャレンジしてみようかと思います。なかなか読書習慣がない方や、地理的に本屋になかなか行けない方が本を読む習慣を付けるために利用する場合は便利な気もしますが、よく電子書籍を読まれている方が使えるかというのは良くも悪くも無料書籍の品揃えによるところが大だと言えるでしょう。

アマゾンには他にも30日間和書12万冊,洋書120万冊が読み放題での「Kindle Unlimited」が月額980円(税込)の有料サービスとして行なわれていますので、無料サービスだけでは足りないと思わせて、こちらのサービスへの移行を促す目的もあるのかも知れません。そうは言っても料金の部分でいったんプライム会員になってしまえば一定の数の本を読むためのコストは掛けずにそれなりに本が読めるサービスの開始というのは、正直言って有難いと思う人が多いでしょう。そうなると前述の通りかなり国内の電子書籍サービスにとっては脅威となることだけは間違いないので、専用端末ある他社の電子書籍サービスの動向も見ながら、利用できるものは有難く利用させていただくくらいに考えておいた方がいいのかなとも思います。

車や電車で旅行に行かれる際は、出掛ける前に「Prime Reading」の内容を確認してみて、面白そうな本があったら旅に持っていくタブレットなどにあらかじめダウンロードした上で持って行くのもいいかも知れません。LTEで一気に本の内容をダウンロードするのはきつい場面もあるかと思いますので、常に気にかかっている本を端末に入れておくことでオフラインでも読めるようになるので便利です。このようにいつでも読めるように用意しておくと、旅の途中で天候などの影響で交通機関や道路が利用できなくなり、急に足止めをくったような場合の時間つぶしとしても便利です。折角の特典なので、あくまで個人的には今後は十分に活用させていただきたいと思っています。


逃げれば更に状況は悪くなるという教訓

東京・渋谷のスクランブル交差点に信号無視で入り込んだ黒いワゴン車が逃げたというニュースは監視カメラの映像付きで日本全国の多くの人の目に晒されました。警察は運転者の特定を行なっていたようですが、警察によって逮捕される前に運転者本人が警察に自首してきたという事がまたニュースになりました。

運転者は52才というおせじにも若者とは言えない年代の方で、当時免許不携帯であったため、免許取り消しになると免停になって仕事ができなくなると思って逃げてしまったという話が警察から運転者の話として公表されています。

今回は実際のニュースから紹介していますが、渋谷のスクランブル交差点を人が渡っている中で飛び込んで、よく一人も怪我人が出なかったなと思えるほどで、恐らく今回のケースでも、冷静に考えればあくまで逃げようとするよりも自分から罪を認めて出頭した方がいいと判断してのものでしょう。だとしたらなぜ交差点に突入する前にその考えに至らなかったのかと多くの方は思うでしょう。私はその運転者ではないので本当のところはわかりませんが、厳しい事を言わせていただければ、ハンドルを握り車を運転する者としてこうした事は誰にでも起こりうるので、運転をするにあたっては常にこうしたケースについてその対処法を考えておくべきではなかったかと思われます。
以前のブログで、車に乗るための免許を取得した時点で、最悪の場合刑事事件の犯人として刑務所に入る可能性(運転者の過失による死亡事故のような場合)もあることを指摘しておりますが、それ以外にも数々の交通法規を遵守するという前提に基づいて運転をしているということもありますので、その点についても改めて確認しておきましょう。

私自身、様々な交通標語がある中で、心にしみたというか今でもその言葉が心に残っているものがあります。その標語とは、

「ハンドルで逃げるな まず停まれ」

というものです。これは、交通に関することだけでなく、生活の中でも実に役立つ標語です。何でも一瞬の判断でその場から逃げるのではなく行動や考えをストップさせて冷静に考えることで、それ以上悪くなることはないという教えを含んでいるように感じます。ごくまれな例外として今までは電車内での痴漢を疑われた時にはさすがに逃げた方がいいのではないかと昨今の騒動をニュースなどで見ながら思ったこともありましたが、最近は考え方を改めました。ちょっと本筋から外れますが、その事についてちょっとここで紹介させていただきたいと思います。

もし、自分自身で全く痴漢を疑われた相手に接触した事はないと言い切れる場合には、まずは犯行自体を否認することはもちろんですが、スマホの中に会話全体を録音できるアプリを入れておき、ここからの会話については記録させてもらうことの了承を取った上で両手を相手だけでなく回りの人に見えるように上げた上で駅員や警察官が来たら自分の手に本当に相手の衣類片が付いているかどうか、正式に調査を依頼するようにします。同時に、回りに目撃者がいれば連絡先を聞いておいたり、もしいない場合でも、近くにいる人にその場での出来事について後で語ってもらえる人がいるようならその方の連絡先を聞いておくこともやっておいた方がいいでしょう。その結果、現場での相手の申告内容と自分の手に付着している物質がぴったり合ってしまえば逮捕起訴もやむを得ませんが、もし相手の供述に合うような結果が出なかったとしたら、調査結果だけでなくその場の録音や現場に居合わせた人の証言を合わせて、それこそやっていないことの証明として使うこともできるのではないかと思います。

その場から走って逃げるような事をすると、逃げた時点で犯行を認めたと相手に認識されかねませんし、線路に下りたりフェンスを乗り越えたりして逃げると別の犯罪行為に問われてしまいます。騒ぎが大きくなれば格好のニュースネタにもなるので、やはり痴漢行為を疑われた時でも冷静に対応することが大事だと思います。

話を元に戻しますが、今回例示させていただいた渋谷スクランブル交差点での信号無視暴走事件でも、免許不携帯だけでパニックになったのかはわかりませんが、点数の関係で今回の事で合わせ技的に免停になってしまうと思い、もし免停になったら今後の請け負った仕事ができなくなる(自首された運転者は建設業の方なので)事を恐れたからつい逃げてしまったのではないかということが想像されます。

もし、免停になって仕事が行なえなくなった場合、仕事自体を廃業しなければならないほど切羽詰っていたのかどうかという問題もあります。何とか代わりの業者にお願いして仕事に穴を開けることなく対応可能だったのか、冷静に考えればここまで運転者が追い込まれることもなかったのではないかと考えることもできます。もし、自分に懇意にしている工務店の方がいて、依頼していた作業があり時間をやりくりして立ち合いの都合を付けていたとしても、その方が免停になって来られないというなら、それは同じ車を運転する者として仕方がないなという風に思います。その際に大事なのは、代替の業者を紹介してもらうにしても、免停期間が終わってから改めてお願いするにしても、早めに連絡をして状況を説明することが大事なのではないでしょうか。

中には免停になるような運転をしている人とは今後付き合いたくないと切られるような状況もあるかも知れませんが、起こしてしまった原因が運転者にある以上、そうした非難というものは甘んじて受けなければならないでしょう。むしろ今回のような全国的なニュースになってしまったことで、運転者へ向けられた目はさらに厳しくなり、その信頼を回復するためにはさらなる努力が必要になるでしょう。そういう意味では今回の事件の中で、命を落としたり怪我をした方がいなかったということは不幸中の幸いだと思うので、事件を起こした運転者の方には大いに反省してもらい、信頼を回復するよう努力をしてほしいと願っています。

そんな悪い方悪い方に向かってしまわないためにも、「ハンドルで逃げるな まず停まれ」という言葉が改めて心にしみてきます。多くの方が日々の生活を余裕のない状況で過ごしているとは思いますが、事故や違反などを起こしてしまった場合は、起こした事実を無かったことにできないかと考えるよりも、まずはその先の事を考え、必要ならば他人に相談して「逃げる」以外の選択肢を見付けることができればと思います。


外でお茶する環境を作る その11 市販のティーポットの「フタ」を活用する

今回、さらにお茶セットを進化させようと思ったのは、買い物中にたまたま訪れた「無印良品」のフタ付きタンブラーのフタを見たからです。ステンレスのカップのようなタンブラーに付いていたのは、カップの中に収まるような黒いフタで、スノーピークがダブルチタンマグ用に用意している内フタのようなものですが、無印良品の場合は単なるフタとしての役割だけでなく、一部がスライドして注いだりストローが入るようになっているので、こうしたフタを自分の持っているコーヒーサーバーとしても使いたいと思っているカップにジャストフィットするなら欲しいと思ったのでした。

モンベルのチタンカップ600は普通の丸型カップなので、注き口がないためコーヒーを中に溜めて他のカップに注ごうと思った場合に下手をすると盛大にこぼしてしまう恐れがあります。野外で使うなら多少こぼしても大丈夫ということもあるのですが、せっかく美味しく淹れたコーヒーを大量にこぼすのは勿体無いですし、丸型のカップでも安全にコーヒーを他のカップに移すためには、このようなフタがあれば大変便利になります。そこで、まずはモンベルのカップを持って無印良品の店舗までサイズの確認に出掛けてみました。

カタログ上の口径はどちらも同じ8cmだったのですが、大変残念ながらぴったりとははまらず、カップの口径の方がほんの少し大きいという結果になりました。もっとも、フタの方が大きくて入らなければどうにもなりませんが、フタの方がわずかに小さいだけなら上から置けばしっかり外からのホコリをシャットアウトできますし、ストローを入れて飲むような場合も問題ありません。ただ、フタを付けたまま中の飲み物を注ぐような場合は、注ぎながらフタが落ちないように手で支えていないとフタと一緒に中の飲み物も一気にぶちまけてしまうので注意が必要です。恐らくこのフタを使ったらコーヒーを注ごうとして中味をぶちまけてしまう私の将来の姿が予想できたので(^^;)、今回はこのフタを流用することは諦めました。

話はそれでおしまいになるはずだったのですが、無印良品のフタを見付けた時点で、これは十分にお茶セットの中に入れられると思っていた分落胆が激しく、出掛けたショッピングセンターの他の売り場も回りつつ、何でもいいから口径8cmのモンベルチタンカップにしっかりとハマるフタはないものかと探してみたのですが、そこで奇跡的にしっかりはまったフタがあったのです。

それが、写真のハリオの出している紅茶用のポット、「ジャンピング リーフポットJPP-50W」という型番のガラスポットです。丸くなっているのは紅茶の葉がはねることで味が良くなるようになっているとのことですが、リーフポットということもあり、茶葉が出てこないように、フタに茶こしが付いているのも特徴になっています。

このフタを力を入れて押し込むようにセットすれば簡単には外れませんので、これは単にコーヒーを安全に分けるだけに役に立つだけでなく、モンベルチタンカップの中にお茶の葉を入れてポットのように使うこともできるのではないかと思うと、すぐ商品を手に入れてしまいました(^^)。ちなみに、ハリオでは部品だけでの販売もしていて、このフタ単体の価格は520円なのですが、送料が500円と高いため、通販で注文する場合も部品単体で注文するよりも、製品自体を注文した方がいい場合もあります。

ちなみに、今回のフタの流用によって余る形になるポット部分は、家でコーヒーを溜めて注ぐためには便利なので、普通に使おうと思っています。今まではマグカップに直接ドリップしていたので、ぼやぼやしているとマグカップからコーヒーが溢れて来る危険があったので、今回の購入はかなり自宅と出先でお茶・コーヒーをいただくには便利になりそうです。

さて、問題はこのフタをカップに装着し、本当に問題なくお茶やコーヒーを注げるのかということだと思います。実際にこのフタを付けて湯のみに注いでみたところ、見事にこぼれることなく注ぐことができました。まさに素晴らしいの一言です。さらに、先述の通りこのフタにはもう一つの特徴があってそれがこのお茶セットの利用範囲を広げてくれる可能性が出てきました。

フタの内部に付いている「茶こし」は取り外して洗えるようになっています。コーヒーやお湯を注ぐ場合は茶こしは外して使う方洗浄の手間を考えるとおすすめですが、茶こしを付けた状態でモンベルのカップに緑茶や紅茶の葉(リーフ)を入れてフタをし、しばらく待ってからカップに注ぐようにすれば、このカップが簡易的な急須やリーフポットとしても使うことができるようになるのです。実際のところリーフポットとして使うと使用後の茶こしの後始末が大変ではありますが、最少限の用意で葉からのお茶も楽しめるようになるとは、このお茶セットを作ろうと思った時には考えていず、いわば嬉しい誤算でした。それほど大きくないこのセットで豆から挽いたコーヒーと、茶葉を挽いた粉末茶の形で楽しめるだけでなく、茶葉から淹れる日本茶・ウーロン茶・紅茶についてもお湯さえあれば楽しめるようになったということで、いわば究極のお茶セットとして仕上がったのではないかと自負しています。

最後に、もう一つだけ確かめておきたかったことがあります。ここでも紹介したモンベルのチタンカップ600と同じくらいの口径を持つマグカップとしては、容量は少なくなりますが450mlのモンベル「チタンシングルマグ450」があります。今回紹介したフタをこのカップ(現在売られているタイプより一つ前のもの)にも付けてみたところ、モンベルのカップより気持ちゆるい感じはありますが、こちらのカップでもしっかりと外れないような装着が可能で、小分けして注いだ時にも問題なく飲み物を分けることができました。

私の使っているお茶セットは大体2人~3人前のお茶を外でもいただけるように作りましたが、純粋に一人用のセットを作るなら、「チタンシングルマグ450」をポットに使い、空いたスペースにポケットストーブや燃料に風防を追加すれば、お湯を自分で沸かしてお茶をすることのできるかなり実践的なセットになるのではないかと思います。

※外でお茶する環境を作るにあたり、一通りのセットが出来上がるまでの試行錯誤について書かせていただいた記事を以下にまとめさせていただきました。興味がある方はどうぞリンク先の記事もご参照下さい。

その0 究極の「お茶セット」を目指して
その1 お湯の用意について
その2 コーヒーと茶葉は両立するか?
その3 コーヒーお茶以外の飲み物
その4 コンビニコーヒーの限界
その5 ドリップコーヒーは豆か粉か?
その6 豆を挽く二人用コーヒーセット
その7 まとめ・どこでもお茶できる事の大切さ
その8 外出先で緑茶を簡単に飲むために
その9 ポーレックス お茶ミルIIを選んだわけ
その10 バッグに入り切らないものは入れ替える
その11 市販のティーポットの「フタ」を活用する


外でお茶する環境を作る その10 バッグに入り切らないものは入れ替える

自分なりのお茶用のセットも前回終了でこれ以上変わりようがないかなと思っていたのですが、実際にいつも飲んでいるお茶を粉末状にして飲む機会が増える中、一つの考えが出てきました。

現状でお茶セットの中に入れているカップ類は、メインがスノーピークの「チタンシングルマグ300ml」なのですが、その他というとコーヒーサーバーの代用として用意し、シングルマグがきれいにスタッキングできるモンベルの細長いカップ「チタンカップ600ml」の2つしかありません。基本的に大は小を兼ねるとは言いますが、さすがに熱いお茶を500mlも一気に飲むことはありませんし、できればもう一つ、手頃な大きさのカップがあればと思うようになりました。

実は、「チタンシングルマグ300ml」の内部にピッタリとスタッキングできるものとして、同じシリーズの「チタンシングルマグ220ml」があるのです。写真のような3つのカップが大きいカップの中に小さいカップを入れるような方法で全て収納できるのですが、現状のままではこのカップが収納バッグからはみ立してしまう問題をかかえているのです。

現在コーヒー豆を入れているナルゲンの250mlボトルは匂いも漏らさないほど密封できて、計量スプーンと一緒に入れられるので気に入って使っているのですが、チタンシングルマグ300ml単体の内部に入れる場合はスムーズに収まるのですが、300mlの内部に220mlのシングルマグを入れた状態だと写真のように微妙な大きさの差があるのでうまく入らないのです。ほんの数ミリでもどちらかのサイズが大きかったり小さかったりしたら言うことなかったのですが、このままだとコーヒー豆を取るかマグカップを取るかの二択になってしまいます。

今までこのセットでコーヒーやお茶をいただいてきて、必ずしも多くのコーヒー豆がなくても大丈夫ということがわかってきたので、今回はコーヒー豆を入れるケースを変更することにしました。もちろん状況によってはマグカップを我慢する選択肢も出てきますが、ここは利用実体に沿った道具にしようということで、用意したのが125mlと容量が半分になった同じナルゲンの角型のボトルです。

今まではインスタントコーヒーを入れるのに使ってきたので、中の匂いはあまり気にならないので、この中にコーヒー豆を入れてみましたが、入る豆の量は40~50gと言った感じで、外で楽しめるのは5杯分くらいということです。もしこれ以上飲みたい場合は別にケースに入れた豆を持って行ってもいいですし、基本的にカップを増やしても実際にコーヒーを淹れて飲む状況に変化はありませんので、しばらくはこのままで行くことにしました。

これで、バッグの中に入っているものだけでも最大3人分のカップを確保することができるようになりました。最初は、バッグの取っ手のところにカラビナを付けて、小さなマグカップのハンドルをカラビナに付けて持ち運ぼうかなとも考えたのですが、やはりはみ出すこと自体美しくないですし、旅行の際に持ち歩く場合にも余分なものがあるとじゃまになったりカップが変形してしまうこともあります。ですから、今後のお茶セットを進化させていく中で、新しいものを導入したいような場合は、今までバッグの中に入れていたものの中でそれほど必要がなかったり、他のもので代替が効くものは持ち歩かないように、とにかくバツグ一式に全てが入るようにしていくことだけは守っていきたいと思っています。

実は、今回はカップを増やすという事以上に画期的な状況に今のお茶セットを変えるためのトライをしているのですが、さらに長くなる可能性がありますので(^^;)、ここで稿を分けさせていただきたいと思います。一応次回でマルチに使えるお茶セットの完全を見ると思いますので、どうぞお楽しみに。

※外でお茶する環境を作るにあたり、一通りのセットが出来上がるまでの試行錯誤について書かせていただいた記事を以下にまとめさせていただきました。興味がある方はどうぞリンク先の記事もご参照下さい。

その0 究極の「お茶セット」を目指して
その1 お湯の用意について
その2 コーヒーと茶葉は両立するか?
その3 コーヒーお茶以外の飲み物
その4 コンビニコーヒーの限界
その5 ドリップコーヒーは豆か粉か?
その6 豆を挽く二人用コーヒーセット
その7 まとめ・どこでもお茶できる事の大切さ
その8 外出先で緑茶を簡単に飲むために
その9 ポーレックス お茶ミルIIを選んだわけ
その10 バッグに入り切らないものは入れ替える
その11 市販のティーポットの「フタ」を活用する


紙の手帳が今だに使われる状況

昨日、たまたまテレビを付けていて目にしたのが、糸井重里氏が社長をしている「ほぼ日」という会社が運営している老舗のウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」から派生した「ほぼ日手帳」を使っている方の様子でした。

会社組織化した「ほぼ日」の稼ぎ頭として多くの人に認知されている「ほぼ日手帳」は毎年一冊購入して利用している人だけでなく用途によって複数の手帳を使い分けている方や、スクラップブックのように押し花や紅葉、旅行の際に使った切符などまで貼り込んで、ものすごく分厚くパンパンになった状態で使っている方もいました。

ここで思ったのは、現代に生きる人たちがスマホなしでは生活ができないほど電子デバイスに影響されていながらも、まだアナログな紙の手帳を毎年使い込んでそれなりにいるという事実でした。糸井さんの会社の作る手帳は他の手帳と比べると高額に思えますが、使っている紙の質も良く、コストに見合った価格であると番組では紹介されていました。さらに手帳の欄外には過去のサイトに掲載された文章から厳選したフレーズが毎日見られるように違ったものが編集されて掲載されており、サイトのファンにとっては嬉しい情報であふれていて、それが人気の秘密であるとも思えました。

紙の手帳をあえて使い込む理由ということについて考えてみると、そこにはデータを電子化することの弱点に気付いて紙の手帳を選択したようにも思えます。自分で過去の事を振り返る必要に迫られた場合、具体的な日時に何をやっていたかということをひもとくためには、デジタル情報というのは読みやすくまとまってはいるものの、その時の雰囲気を改めて思い出すためには、やはり余白にメモを書いていたり色を変えていたり、ちょっとしたいたずら書きのようなイラストがあったりした場合、そうした細かなディテールとともに思い出すことがあるというのはアナログ情報の詰まった紙の手帳の強みです。

さらに一年一冊という形でその年の自分が行なったこと全てが一つにまとまっている手帳という「物」があることもしっかり保管できていれば電子データより便利な部分があります。何しろ起きた年がわかれば必要な年の手帳がすぐに取り出せますし、月と日付によってすぐにアクセスできる利便性さえ兼ね備えているのが紙の手帳ではないでしょうか。

文字や写真を電子データとして保存している場合は、すぐに目的のデータにたどり着くためには、検索に関するノウハウが必要になります。ただ、これは電子データ特有の問題として、そもそも古いデータがスマホ上には残っていなかったり、さらに古すぎて読み込めるアプリが見付からなかったり、画像の変換作業ができなかったりする可能性さえあります。紙の虫食いをメンテナンスする以上に、それまで使っていたアプリを変更した場合、新しいアプリやソフトで、過去のデータに同じようにアクセスできるのかということを定期的に確認しておかないと、必要な時に文字化けしてしまって見られないような事や、OSを乗り換えたり、OS自体の大幅なバージョンアップがあった後だと、そもそもファイルすら開けないような事も起こり得ます。

そして、多くの人が何となく感じていることであると思うのですが、手帳に日記や旅行記を書くのと、スマホのアプリで日記や日々の行事についての雑感を書くのとでは、長文になればなるほどスマホで日本語を入力するためには小さな画面上に現われるキーボードから入力しなければならず、書くだけでストレスになるからではないかとも思えます。

このような手書きでは発生しないものの、デジタル媒体を利用する場合に起こってくる問題として「デジタルストレス」と呼ばれるデバイスを使って書いたり保存することでのストレスがあることを理解し、その対策を考えた上で電子データの保存を考えないと、後になって困ってくることも出てくるでしょう。そうしたデジタルストレスに対しての対応ができないと思ったら、現状ではまだ紙の手帳をメインに使った方がいいのではないかとすら思えてきます。

私の場合を考えてみても、バソコンを使い始めた頃はマックで、その後Windowsに移行したことで、マックで使っていたファイルが使えなくなったり読めなくなったものが多くありますし、今後もしっかり考えた上で保存していかないと、読めなかったり使えなかったりするファイルが増えてしまう可能性は残ります。ただ、私自身はこのようなブログを始めたことで、各種パソコン・スマホのどれでも同じように過去の自分の状況を確認できるようにできました。なぜブログを書くかというのは、本当に自分の過去の事を思い出すためというところもあるのです。ブログに書いたものの他に、ごくプライベートな出来事は別に分けなくてはなりませんが、一部このブログは自分の手帳代わりということにもなっているのです。

ただ文章だけでなく自分で描いたイラストも保存しておきたいような場合には、キーボード入力の方が手書きより楽だと思っても、まだまだ電子デバイスによる記録だけでは満足できないところもあるかも知れません。タブレットの中には専用のペンでイラストが描けるくらいにクオリティが高いものも出ていますが、そうした機能が全てのスマホ・タブレットに装備されない限り、なかなか紙の手帳から乗り換えるだけの決断は下せないのではないかと思います。だから今でも紙の手帳には一定のニーズがあり、ヘビーユーザーはより一層紙の手帳を使い込むような形になっていくのだろうと思います。

そんなわけで、まだまだ需要もあり誰でも簡単に使える紙の手帳と、予定の30分前にアラームで知らせてくれるようなスマホのスケジュール帳や電話帳のような機能とを合わせて使うような形が、現状での記録の残しかたとしてはベストな方法かなと思わざるを得ません。ただし、そうして毎年たまっていく手帳を後でどうするのかという事を考えると、電子化もやむなしということに最終的にはなってくるような気もします。その前に、イラストを描いて残すことはすぐには無理だとしても、マックでもウィンドウズでも、iOSでもAndroidでも、同じように使えクラウドに写真や動画・音声、日記やスケジュールなどをまとめて保存できる画期的なアプリの出現を期待したくなります。それこそ「ほぼ日」の作った電子手帳サービスなんてものが出てきたらどうなるかと考えると、新たな展開も広がってきて楽しみです。