企業がクレーム対応に苦慮する状況の中では0570から始まるナビダイヤルの利用は必要不可欠なのか

現代社会というのは様々な矛盾を抱えながら動いています。「オレオレ詐欺」という呼称から始まり、現在は「振り込め詐欺」というような呼び方に変わってはいるものの、詐欺を目的にした固定電話に掛かってくる迷惑電話は単なる迷惑電話ではないことが最近のニュースによってわかってきたのです。

主に昔の電話帳に載っている電話番号にランダムに掛け、言葉巧みに現金・キャッシュカード・クレジットカードおよびその暗証番号についての情報を手に入れ、一気に多額の現金を搾取するような犯罪が続く中で、過去に被害にあった被害者をまとめたリストを作ることで、同じように詐欺の相手先として効率よくといったら何か変な言い方になりますが、一度騙されている人の方がさらに騙しやすいだけでなく、まだお金を持っているのなら、回りくどい詐欺ではなく、自宅に置いてある現金を強奪しようという形に犯罪も変化してきているのは、本当に嘆かわしい限りです。

こうした詐欺の対象にならないためにも、このブログでは固定電話の方にたびたび営業関連の電話や、自動応答のアンケートまがいの電話が頻繁に掛かってくるなら、とっとと固定電話は解約して携帯電話に移行した方が良いと紹介してきました。そして、もし電話帳に登録していない電話番号から電話がかかってきた場合は、その番号からの電話には出ずに、まずはインターネットでその番号を検索し、その結果、お付き合いのある商店や役所など、自分の生活に関係する番号であれば、改めてこちらから掛け直すような形での連絡をすることを推奨してきました。そうすれば、もし相手が固定電話と同じように携帯電話のユーザーを狙って電話を仕掛けてきても、相手の土俵に登って話をしなくて済むからです。

携帯電話の通話オプションには通話定額のプランもあるので、特定の相手のみとの通話であれば、固定電話と比べても料金もかからないため、毎月の通信費を気にする方にとっても良いと思います。ただ、こうした一連の状況にヒビを入れるのが、携帯電話の通話定額の対象にならない、「0570」から始まる「ナビダイヤル」の存在です。

過去にもこのテーマで書かせていただいたことがありますが、基本的には今後企業はナビダイヤルのあり方について、携帯電話の通話定額の対象となる固定電話か、050から始まるIP電話の番号と併記してほしいと主張してきました。ただ、これも社会状況の変化により、以前よりかなり殺伐とした状況にあることは確かなのです。昨日たまたま出掛けた大型ショッピングモールで、このようなポスターを見掛けました。

今まで、このショッピングモールの問い合わせ先の電話番号は市外局番から始まる固定電話の番号だったのですが、今年に入ってからナビダイヤルに変更したということなのです。今後の事を考えると、こうした状況は増えることはあっても減ることはないように思います。

なぜなら、企業では今までも多くの問い合わせ、というかクレームを含む電話の応対を続けていたのだろうと思うのですが、人手不足で電話を受ける人間がずっと対応することで体調を崩したりするような激しいクレームの電話が多く掛かってくるような事もあるのではないかと個人的には思います。つまり、0570から始まるナビダイヤルを代表番号にし、その他の番号で受け付けないことで、通話定額を使って時間無制限に電話を続けるような人をシャットアウトしようとしている部分も無いわけではないでしょう。荷物の問い合わせの番号なども軒並みナビダイヤル化しているのですが、これも電話で長々とクレームを受けるよりも、謝罪する場合は企業の方から電話したいという、企業の気持ちに合ったサービスだからだと言えるのではないでしょうか。

私自身は企業に滅多なことではクレームは入れませんが、問い合わせをしたい場合にはメールアドレスがあれば電話でなくメールで入れるようにします。そこに、自分の電話番号を書いておくと、状況によっては企業の方から電話がかかってくるので、その時にはじっくりと話すことはします。企業にとってもメールで済むならそれで済ませたいし、どうしてもメールで済まない場合には電話にするにしても、問い合わせる場合にもそれなりの負担をお願いしないとどうにもならないところに来てしまっているのかとも考えることができます。

ただ、企業側にあまりにひどい仕打ちを受け、電話でクレームを入れたい場合、携帯電話から掛けるとかなりの電話代を負担しなければならないのは理不尽に思います(平日昼間で20秒11円)。それが、実は市内への電話であれば、固定電話で同じ市内の企業に掛けるなら、3分で9.35円とかなり安く済むのです。もっとも、遠方でも近場でも0570から始まる電話番号だとどこまで掛けているか実際のところわかりません。大手メーカーのコールセンターには、本社のある場所でなく専用の施設が沖縄にあるような場合もあります。実際の電話料金は安く済むという固定電話の場合でも、後からの料金明細を見るまでわからないという、恐さは固定電話でも付きまといます(県外の100km超の場合、平日昼間22.5秒11円)。

情報強者の方であれば、どうしてもナビダイヤルに掛けたい場合のみ、IP電話の「050plus」に加入してそのアプリから掛けると、通話料は全国どこへ掛けても3分8.8円で収まります。ちなみに、IP電話はデータ通信を使った通話方法なので、通話1分につき約250kbの容量を消費します。また「050plus」の月額料金330円が別途かかることになります。

本来は、料金の心配をすることなく企業への問い合わせ電話ができるようになれば良いと思うものの、本当に残念ですが今回紹介したように、新たに問い合わせの窓口をナビダイヤルにする企業は、今後の状況から考えると増えてくると思いますので、消費者の側も自衛としての対策の一つとして、こうしたIP電話の契約について考えておくべきではないでしょうか。ちなみに、携帯電話で月に10分ナビダイヤル宛に電話すると、通話料が330円と、「050plus」の基本料金と同額になるので、企業とのトラブルに巻き込まれた場合には事前にIP電話を申し込んだ上でアプリ上から電話をするようなやり方についても考えておくべきかと思います。

ちなみにですが、上記「050plus」はOCNモバイルONEと同時に利用することで、月額料金を半額の165円に抑えることができ、さらに050plusで発生したデータ通信は高速通信でも月のデータ量にカウントしない仕組みになっています。ちなみに、OCNモバイルONEで一番月額料金が安いプランは、音声通話が月10分まで無料になるデータ通信量月500MBコースが月額550円なので、050plusを付けても月額は715円になります。

迷惑電話に騙されないため、親戚や友人との連絡をLINE電話にまとめることができれば、どうしてもこちらから電話をしなければならなくなった場合でも、月10分以内に収まる使い方をするならこの金額以上はかからないので、ほぼ通話専用の回線について考える場合、通話定額オプションを付けるよりも良い選択ではないかと個人的には思いますが、この場合は「電話用アプリ」「LINEアプリ」「050plusアプリ」の三つのアプリを使いこなすことができないと格安での通話は難しいというのがネックですね。

逆に言うと、ここまで対策をしないと下手にナビダイヤルに携帯電話で掛けて長電話すると、60分で何と1,980円という、相当の金銭的負担になります。もし、親御さんなどでどうしてもナビダイヤルに掛けたいという状況にあった場合、現在使っていないSIMカードの入っていないスマホにでも「050plusアプリ」を入れた自宅内Wi-Fi通信でIP電話を利用可能な「専用機」を作り、「0570から始まる電話を掛けたい場合には自宅に戻ってこの電話から」というように家族内で話を通しておけば、何とかご自身のみでも利用は可能になるかとは思います。特に、ナビダイヤルに携帯電話から電話する家族のいるご家庭では、ある意味自宅に置きっぱなしの固定電話としての使い方もできますので、それは現在契約している固定電話を解約して「050plus」に置き換えるのも良いでしょう(この場合60分掛けても176円と携帯電話で掛ける場合の十分の一以下で済みます)。スマホの使い古しがない場合には中古スマホの安いものを改めて購入してしまうのも悪くない選択肢かも知れません。


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てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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企業がクレーム対応に苦慮する状況の中では0570から始まるナビダイヤルの利用は必要不可欠なのか」への2件のフィードバック

  1. ケータイオタク

    0570には原則かけないことにしています。ネットで探すと同じ会社の他部署で通常の番号がある場合があります。一旦そこにかけると転送あるいは一般番号を聞き出す事が出来る事が多いです。
    以前携帯を店頭で購入した時割引の条件でオプションを申し込むことが求められた時解約に0570しか見つからない時がありましたが、その時は店頭に行って解約しました。
    IP電話と言えばmineoのLalaCallもありますね。契約していないと申し込めませんが、解約しても継続使用は可能です。110円で維持できますね。
    自分は海外から国内に緊急連絡が必要な時の事を考えて先日取得しました。
    クレーム対応が大変なのかもしれないですが、解約の場合には0570以外の電話番号を義務付けてもらいたいくらいです。
    少なくとも郵送で解約義務を課すべきでしょう。

  2. てら 投稿作成者

    ケータイオタクさん コメントありがとうございました。

    私の場合も、もはや積極的に電話する気はなく、メールでの連絡先が併記されている場合には、まずはメールで連絡を試みて、そのままメールで話が進むならそれで完結させてしまいますし、業種によってはチャットでの受付を行なっているところもあるので、最近あったクレーム対応にチャットを利用して、機械対応でない生身の担当者とチャットで状況を訴えましたが、その時には何とか電話なしで解決できました。

    企業側が問い合わせ番号をあえて無料通話や通話定額では利用できない0570番号にするには、一部の掛ける側の問題もあるわけですが、今後はAIが最初に対応するような事でクレーマーや時間潰しに掛けてくるような人をはねるような仕組みを作ってくれれば、普通に固定電話で受けても大丈夫になるのではないかとも思います。ただ、自分に全くその気がないのにAIからクレーマー認定される恐れもありますのでなかなか難しいとは思いますが、こうしたことは社会全体の問題として、いろんな人がこうした問題について考えていただくことで、変わっていって欲しいと思います。

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