サッカーJリーグサポーターの悲哀

プロ12球団が常に安泰な野球と違って、プロのサッカーリーグであるJリーグのチームの昇格降格争いというのは考えようによっては大変恐しいものであり、しかし多くのプロチームにとっては全て平等にJ1への道が用意されているわけで、それだけサッカーというスポーツのすそ野がかなり広がってきたことの証でもあるでしょう。

こんなことを書こうと思ったのは、週末のJ2リーグで2位までに与えられるJ1への自動昇格チームの中に、長崎県を本拠とする「V・ファーレン長崎」が滑り込み、来季のJ1参入を決めたのですが、シーズン始めの下馬評としては決して高くはなく、それどころか財政的に不安があるとして、プレー以外のところで話題になったりして、せいぜいJ1昇格プレーオフ圏内の6位以内を目指すような感じになるのではと思ってリーグを見ていました。

それが長崎県内にある、とある優良企業の支援を受けたことでプレーに集中できる環境を手に入れたためか後半戦に好調を維持し、最終節の一つ前の試合で上位チームを逆転し、日程終了まで一節を残す段階で2位を確保することになってしまいました。長崎のサッカーと言えば、高校サッカーの島原商業や国見高校が思い出されますが、このV・ファーレン長崎は過去に島原商業と国見高校の監督として、自分で運転したマイクロバスで全国を回ることで全国制覇まで至る力を付けた小嶺忠敏氏の尽力によってチームの基礎が作られたことでも知られています。今回のJ1昇格によって、全国のチームに散らばっていた小嶺忠敏氏の教え子が集まってくるかも知れないので、普通に考えるとJ1昇格一年後からの活躍は難しいのではと考える方も少なくないと思いますが、意外にJ1に新しい風を吹かせるのではないかと期待することもできるかと思います。

ただ、長崎が自動昇格を決めたことにより、福岡・名古屋・松本あたりのJ1昇格を狙う有力チームのうち数チームがJ1に戻ってこられないということにもなってしまったことになります。特に名古屋は昨年衝撃のJ2降格から、今シーズンはスタッフも整えて余裕の1位でJ1復帰を考えていたと思いますが、プレーオフでは何が起こるかわかりません。また、私の地元チーム清水エスパルスがJ2からの自動昇格を果たした際、ぎりぎりまで自動昇格圏内の2位をキープしていた松本は、勝てば自動昇格が見えてくる試合で格下の町田に痛恨の敗戦をしたことでエスパルスに勝地点で並ばれるも得失点差による逆転を許し3位で日程を終了、そのままプレーオフで破れてJ2に残ってしまい、今季もまだ厳しい戦いを強いられています。

今季の清水エスパルスも状況によってはJ2への降格圏に入ってしまう可能性があるので他のチームのことをとやかく言えないのですが(^^;)、ここまで紹介してきたようにほんのちょっとしたきっかけで常に下部リーグに落ちてしまうという落とし穴は、今季では広島がその状況に陥っているように感じます。広島などつい最近J1で優勝したと思ったのに、実に厳しい世界だということですが、そうした厳しい世界をくぐり抜けて這い上がってきたチームが上位争いをすることもやはり長くサッカーを見ていくと楽しいところでもあります。

私自身は主にDAZNに加入して贔屓チームの試合を見るくらいのファンに過ぎませんが、ホームだけでなくアウェイでの試合も実際に見に行くほどの地元チームサポーターの方々にとっては、J2やJ3への降格争いは別の意味で大変な状況の変化をともないます。J1からJ3までのチームは全国に点在しますが、チームが上のカテゴリーに上がったりカテゴリーの中で良い成績をキープすることにより、たとえ遠方まで毎週末出掛けるようなことになってもむしろ楽しいものです。隔週で出掛けるにしても年間にしてはかなりの出費になりますが、そうした出費を抑えるために車中泊で観戦している方も多いでしょう。

そうしたサポーターの方々にとっては、チームの動向によって来年のスケジュールだけでなく回る場所も変わってしまう可能性も出てきます。昇格で回る所が変わるのはうきうきしますが、逆の立場になったら大変だと考える方もいるでしょう。でも、車での移動を単に試合を見に行くための手段だけととらえないで、行くまでの工程や着いてからの観光やグルメを調べた上で出掛けるように心掛けることで、贔屓チームをスタジアムで直接応援するためのテンションを落とさないようにすることも大切でしょう。どちらにしてももう少しで、来年の状況がどうなるかが全て決定します。それがどんな結果になったとしても、応援する熱意は冷まさずにいて欲しいですね。


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