進みたい気持ちと安全確認との間で

今年夏の青春18きっぷを先日利用したのですが、台風も地震もなかったのに今回が一番のトラブル的なものが起きてしまいました。翌日たまたま早朝から仕事があるという特殊な状況がある中で、早く帰るようにと考えながらつい夕食の後に現地で少し知り合いと話し込んでしまい、横浜を出発したのが午後7時半頃になってしまったのでした。それでも普通列車を乗り継いで行けば、静岡駅に22時半ぐらいには着くので、駅に置いた自転車で速攻で帰れば何とかそれなりの睡眠時間をキープできるかなと思ったのですが、東海道本線の熱海付近までやってきたところ、何やら怪しい車内アナウンスが聞こえてきました。

東海道線は実は交通の要所である「さった峠」を通っていて、たまたまそのさった峠をまたぐ由比駅~興津駅の周辺の雨量計が既定値を超えたことで、午後8時半くらいから静岡と富士の間で在来線が止まっているということでした。これはもしかしたら静岡周辺も大雨なのかと思ったら、後から聞いた話だと全くと言っていいほど降っていなかったそうです。

つまり、なぜ停まっているかわからない状態で電車が動くのを待っている時間が続き、いつ動き出すかがわからないということで、「もしかしたら当日中に静岡までたどり着けないのではないか?」とも思いましたが、沼津駅で東海道線の運転はストップしたまま不安な時間を過ごすことになったのです。

その後の顛末については改めて紹介させていただきたいと思っているのですが、今回はそのように列車が止まってしまった時にどういう心構えでいればいいのかということについて考えてみたいと思います。

たまたま今回は列車に乗車中の熱海で状況を把握し、その列車の終点の沼津で足止めされたので外に出れば食料も調達可能ですし、全く身動きが取れなくなった場合でも最悪その夜の宿を確保することもそこまで難しくはありませんが、駅を出てもまるでお店が見付からない駅や、電車そのものが沿線上で止まってしまった場合の事を考えると、日常的なお出掛けにも何かしらの用意をしていくべきではないかと思います。

今回は、普通に行って帰ってくるだけの予定ではありましたが、出先での暑さを考えて冷蔵庫で冷やした水を保冷のできるボトルに詰めて持って行きました。行きには全く利用することはありませんでしたが、それこそ運転中断がわかった後に、また十分に冷えているお水をいただきましたが、改めてこうした用意というのは大切だなと実感した次第です。幸い、沼津駅では早めに静岡行きの車両をホームで待機させる中で車内を開放してくれていたので、出発できる時までホームでなく冷房の効いた車内で休むことができました。

今回は新幹線は動いているのに在来線が止まるということになってしまいましたが、この件について、「なぜ止めるのか?」と憤慨する方もいるかと思います。沼津駅では駅員の方に今後の状況についてしつこく聞いている方もいましたが、これだけ個人的にスマホを持つ人がいる今の世の中では、駅員の方に入る情報とJR各社がホームページやTwitterで出す情報のスピードというのはそれほど変わらなくなってきています。もし公式情報の意味がわからないようなら直接聞くこともいいとは思いますが、あくまで天候の都合であるので黙って待つしかないのが実情でしょう。

そして、今後青春18きっぷを使って東海道本線を横断することを計画している方のために、今回と同じような事は起き得るのか? ということに個人的な見解をしておきますと、今後もデータ的に雨量計の数値が一定の値を超えた場合、頻繁に止まることは十分にあると思います。というのも、今から5年前に恐らく同じような場所だと思うのですが「さった峠」でがけ崩れが起こり、しばらく東海道線の一部が不通になりバスによる代行運転が行なわれたことがありました。当時の様子については以下の内容でご確認いただければと思います。

JR興津駅から蒲原駅まで 原付で現状確認

その際は大きな人的被害にはなりませんでしたが、無理に大雨の中で在来線を動かして、その土砂が列車を直撃する大事故になったらと考えると、一定量の雨量が計測された時点で列車を止め、線路だけでなく周辺の山の様子についても確認する時間が安全な鉄道の運行を継続するためにはどうしても掛かってしまうことは間違いありません。

これから大風や秋雨前線の活発化によってまた同じような事が起こるかも知れませんが、何よりも人命を優先にJR各社は列車の運行を決めていると思いますので、そうした事情についても想像できるようにしておきたいものです。


カテゴリー: 旅行・交通関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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