昨日で高校野球が終わりました。試合を中継していたNHK総合テレビでは野球中継終了後に夕方の情報番組に入ったのですが、その番組でいきなり紹介していたのが楽天モバイルの記者発表で、かなり詳しく「スーパーホーダイ」というプランの内容について説明していてびっくりしました。
たまたまその番組を見ていたこともあり、楽天モバイルのホームページで新しい料金プランとは何かと思って詳しく見てみました。すると、そのプランはやはりというかデータ通信だけのプランではなく、音声通話とセットで、さらに音声通話のオプションとして設定されていることの多い「楽天でんわ」の5分定額も込みのプランでした。
ですから、このプランの最大のポイントである高速クーポンを使い切っても最大速度が1Mbpsの速度が出る(スマホなら十分動画サイトを見られるくらいの速度)ということに興味を持っている方でも、すでに通話用の契約は確保しているようなことがあったり、データ専用の回線を探している場合には無駄に通話用の回線を増やすことになり、料金もその分割高になってしまいます。
かく言う私も、通話専用にガラホを契約しているので、楽天モバイルの新プランには興味はあるものの、すぐに飛び付くことはないと思います。
ただ、公式サイトによると、かなり具体的なスピード制限として低速でも1Mbpsより7割もスピードを落とし最大300kbpsに制限する時間帯を表示しています。一般的に多くのアクセスが集中すると言われているお昼の12:00~13:00、さらに夕方の18:00~19:00の時間となっていて、深夜は一応適用外です。この通りにスピードが安定すれば、確かに魅力はあると思います。
しかし、このようなそこそこ高速で上記の時間さえ外せば、本当に安定して1Mbpsというモバイル環境では十分な速度を使えるのかという疑問は現時点では残ります。個人的にもぷららのLTE無制限プランや、ワイヤレスゲートの同様のプランを使ってきたもののサービス開始直後はそれなりのスピードが出ていても、ユーザーが増えるにしたがって平均的なスピードが落ちていった経験があるので、楽天モバイルの回線の運用が試されるという部分はあるでしょう。
ここで問題になるのは、新プランは最初に紹介したように、090などの番号から始まる音声通話回線とデータ通信のセットプランであるため、最低でも12ヶ月間までの間に解約しようとすると、解約金として9,800円が請求されます。サービスは9月1日から始まりますが、もし最初の数ヶ月で多くのユーザーの期待に反するような低速制限時のスピードしか出なかった場合に1年間は解約を待つか、解約金を払ってでも即解約するかという判断を迫られる場面も出てくるかも知れません。
もし新プランを2年契約や3年契約にしてしまった場合、初年度の解約金は19,800円(2年の場合)、29,800円(3年の場合)の解約金になり、一年経過ごとに1万円解約金が安くなるようになっています。もちろん、長期契約を行なうことでキャッシュバックなどの優遇措置があるからこその価格設定なのですが、現状ではまだスピードや安定性に関しては不確定要素が多いので、人柱覚悟で契約をされる場合は長期契約を控えた方がいいのではないかと個人的には思います。
ただ、楽天モバイルで新規契約をする場合、新品のスマホが普通ではありえないバーゲン価格で購入できるようになるキャンペーンが開催される場合があるので、そうしたキャンペーンをうまく活用し、ポイントバックがなくてもスマホ代を安く購入し、12ヶ月は使うつもりで契約するというのが、おすすめになるかと思います。
ここまで、かなり楽天モバイルに批判的なスタンスで書いてきたのではないかという感じもしますが、むしろ当然のように低速で1Mbpsが安定して出るならば、MVNOの歴史からしても相当のおすすめプランになることは間違いありません。さらに他のMVNOが平気で実体とかけ離れた実測値を公表することもなくなるのではないかと思います。
とりあえず年内いっぱいに楽天モバイルの新プランを契約した方が、ある程度満足できるような回線品質を提供できるとしたら、もはや大手キャリアを使い続けなくても、自由にスマホでインターネットを使うためにMVNOに移る人も増えるでしょう。ということで、楽天の新プランについては、今後もその回線状況を見守っていきたいと思っています。