楽天がfreetelのMVNO事業のみを買収しどう変わっていくか

今後に向けて格安SIMの淘汰が始まるのかと思わせるようなニュースに、関心を持つ方も多いのではないと思います。楽天は格安SIMの「楽天モバイル」を展開していますが、2017年11月1日にfreetel(フリーテル)のMVNO部門を買収することを発表しました。ただし、freetelのもう一つの顔である端末の製造に関しては譲渡せず、今後はfreetelは端末メーカーとして新たなスマホの開発を主に行なっていくのだとか。

楽天モバイルの方は今回の買収によって業界第三位のMVNOとなるとのことで、業界の最大手を目指しているのかどうかはわかりませんが、MVNOの大きな勢力として今後も拡大を狙っていくような意欲の見える今回の買収劇です。

格安SIMの勢力図についてそれほどご存じない方からすると、そもそもfreetelの格安データ通信とは一体どのようなものかということも詳しくは知らないという方もいるかも知れません。このようなニュースが出てくると「次はどこが淘汰される?」と思う方も少なくないと思いますので、まずは買収されるfreetelとはどんなMVNOであったのかについて紹介してみようと思います。

まず、freetelの料金には2種類の高速データ通信を利用するためのプランがあり、「使った分だけ安心プラン」は毎月利用する高速クーポンの消費量によって請求金額が代わってくるプランで、データ通信のみ(SMSオプションなし)の場合、月間100MBまでで高速クーポンを使わずに低速に切り替えて使っていれば月額299円(税別価格 以下の表記も同様)に通信費を維持しながら利用することもできます。もっとも、100MBという高速クーポンは意識していなくても使い切ってしまう量なので、あくまでも最安値で通信費を維持したい場合は、最初から高速通信を諦めて低速オンリーで使う覚悟がいります。

そうした事がわからないで、月299円からという表記を見て、よく内容を見ないで普通に使ってしまった場合、月額は使った高速クーポンによって請求額が決まり、10GB未満で2,480円/月、それ以上の設定がない最大のクーポン消費量20GBの場合は4,870円/月までかかってしまいます(20GBを越えた場合は低速に制限されます)。

また、そうして知らないうちに多額の請求が来てびっくりしないように、最初から上限の高速クーポンを決めることのできる「定額プラン」もあります。月1GBでデータ通信のみ(SMSオプションなし)の場合には月額490円で選べる月間の高速クーポンは最大50GB/月まであり、その場合の月額は11,800円になっています。ただしこうしたプランは他社も行なっていてそう目新しさはありません。あくまで「使った分だけ安心プラン」では不満がある人が、他社へ流出するのを防ぐプランではないかと思われます。

freetelが出てきたとき注目されたのは、前述の通り使い出す時に高速クーポンを利用しない設定にして、月額をできるだけ安くデータ通信のみなら299円で使えるということだったのですが、私が契約した時には低速だと最大200kbpsに近いスピードが出ることはなく、やはり価格に見合ったくらいのクオリティかと思いつつ、ほぼ同じ月額の298円で別のMVNOに鞍替えしました。

それが現在も使っているロケットモバイルの低速専用の「神プラン」で、こちらの方はOCN モバイル ONEの低速ほどのクオリティはないものの、カーナビや音楽をストリーミング方式で聞き流すくらいの実力を持ったデータ通信のクオリティを持っています。

そうなると、なかなか現状でfreetelは他社と違うプランやクオリティを誇ることが難しくなると思うので、そういう事情もあってMVNO事業を売却したのではないかと個人的には思っているのですが。

格安SIMの存在意義というものを考える時、まずは大手キャリアよりも安いことはもちろんなのですが、止めたい時に2年の契約が義務付けられることがない(音声通話SIMの場合にはほとんどのMVNOには12ヶ月の解約したときに解約金がかかる場合があります)という気軽さがあるのですが、ユーザーのニーズが多様化する中、安くても品質が悪かったりすると他社に契約が移ってしまう可能性があるので、今後も押さえておきたいポイントというものがあります。

・音声通話の品質、利用方法に応じたプラン
・低速での高品質化、利用パケットの無制限化
・特定のアプリ、サービス使用で高速クーポンの減らないカウントフリーオプション
・契約とセットで端末のアウトレット価格での提供
・ヘビーユーザーも利用に耐えうる高速クーポン容量
・公衆無線LANサービスの無償提供
・高速でない中速での無制限化

今具体的に思い付くままに、MVNO各社で提供をしている利用者のニーズに合えば使えそうな特徴を並べてみました。楽天モバイルについては、通話関連は最初にサービスを始めたこともあって品質も良く、通話無制限のオプションも用意されていたり、他のMVNOよりもアウトレットでは端末が相当安く買えるというめりっとがありますが、それだけでは今後の競争で必ずしも順調に契約者数を伸ばすことができるかは疑問です。

今回の買収劇によって、ここで紹介されていないような新しいプランやオプションを出してくることによって、業界の勢力図も変わってくるのではないでしょうか。他社の動向も見ながら、今後のMVNOの発展とユーザーの利便性の向上をお願いしたいと思います。

freetel

楽天モバイル


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