郵便局での格安スマホ販売が開始 肝心の郵便局への影響は?

格安スマホを使いたいと思っていても使えない原因の一つには、身近な場所に有人店舗がなくネットからの購入に二の足を踏んでしまうということがあると思います。そうした状況をビジネスチャンスと捉えたのだと思いますが、いよいよ満を持して郵便局での格安スマホの販売が2016年8月1日から始まります。

とりあえずはまず東海地方(岐阜県、愛知県、静岡県、三重県)からサービスを始め、店舗にあるカタログを入手し、電話かカタログに付いているハガキから申し込み、申込が完了したら設定済みのスマホとSIMカードのセットが送られてくるという販売方法ということで、郵便局はカタログによる販売の仲介をするという感じで、郵便局が主体で店頭で販売するわけでも、アフターサービスの窓口になるというのでもないようです。

さて、郵便局で格安スマホを売ることのできる業者はIIJmioなのですが、その内容というのは、月々2,980円(税別価格 以降も同じ)でスマホが持てるということを売りにするようです。2,980円の内訳は以下の通りです。

・スマホ代(24回の分割払いの場合の月額) 1,380円
・音声通話SIM(高速クーポン3GB付) 1,600円

ちなみに、提供されるスマホは新しく発売になる富士通のArrows M03という個人的にはおすすめの機種で、防水防塵・ワンセグ・おサイフケータイが使えるので携帯大手三社と比べても決して引けを取りません。

また、端末補償オプションが欲しければ、2,980円にプラス月額380円が必要になります。契約時には初期費用が3,000円かかります。端末代は一括購入も可能で、その場合の価格は32,800円になりますので分割で購入するよりは少しお買い得です。なお、セット販売についての特段な割引もないようです。

この内容というのはMVNOの中でいろんなプランを見ている中で、きわめて冷静になって言わせてもらえば、プランが基本すぎてあまり面白味がないというのが正直なところです。上記プランではデータ通信についてはそこそこなものの、音声通話については30秒20円として紹介されているだけなのて、何の対策もなしに使っていると、通話分は使った分だけ青天井でかかってしまうので、通話をそれなりにしたいという場合には別の選択の方がいい場合があります。

というのも、スマホとセットで利用できるプランが楽天モバイルで「コミコミプラン」として新たにサービスされており、同じArrows M03を選んで加入する場合、データ通信の高速クーポンが4GBと多く使え、さらに5分間までは定額の「楽天でんわ」利用での定額プランがセットになっています。楽天モバイルのコミコミプランにスマホはArrows M03にして加入した場合の月額は端末代を一括払いすると(一括32,800円という価格は同じです)毎月の通信にかかる料金は2,613円となり、特に最初の1年間は1,000円引きで利用できるので(つまり、楽天のプランでは24ヶ月通しで利用することで12,000円端末代を値引きしてくれるようなものだと言えます)、開通してから12ヶ月間の月々の料金は1,613円となります。

24ヶ月の合計で比べると、電話の発信を全くしなければ郵便局のプランの方が安いですが、毎月の通話料が500円を余裕で超えるなら楽天モバイルの方がお得という結果になるでしょう。全国津々浦々に営業拠点のある郵便局の事業の中に入り込むことのできるIIJmioの営業力はさすがという他ないですが、郵便局での格安スマホの売り方だけを見るとスマホの使い方がわからないような人が直接郵便局の窓口に押し掛けてきた時の対応は郵便局内でどうするのかと思います。

元々郵便局のサービスは杓子定規的なものではなく、郵便局という場所自体が地域のコミュニケーションを担うこともあるので、無理を言ってスマホに替えてもらったお年寄りが職員の方を頼ってスマホの使い方を教えて欲しいと来た場合、無下に断わることもできないでしょう。そうした細い事が重なっていけば、結果的に現場で働く郵便局員の仕事を増やすだけなのではないかという心配もあります。

また、今回の郵便局での格安スマホはそれなりに売れるとは思いますが、売り上げにノルマを課したりしたら、以前に問題化した職員に年賀状のノルマ的な購入を強要したのではないか? という疑惑が出た時のような問題が起こるのではないかとも考えられます。2016年の年末にかけて、明らかに郵便局で購入したと思われるArrows M03の新品白ロムが市場に大量に流出するような事にはならないで欲しいと願わずにはいられません。

個人的に思う事で言うと、大きい郵便局の中に専用のカウンターを置き、窓口での受け渡しやアフターサービスの受付を専任の社員がやるような形でないと、ユーザーも困りますし、社員もお金にならないスマホの使い方説明に時間を割かれ、ストレスがたまるだけではないかと思うのですが。

民営化して利益を上げなければならないということで今回のMVNO参入もされたのでしょうが、あまり何でもかんでも手を広げてやり過ぎると、都市部の郵便局はまだしも、地方にある郵便局はますます大変になるのではないかと他人事ながら大丈夫なのかと思ってしまいます。


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