過去の事例から旅の危険を予測する

バングラデシュのダッカにある主に外国人が利用するレストランの中で、イタリア・インド・日本国籍を持つ外国人が武装集団により殺害されるという大変ショッキングな事件が起きてしまいました。日本を離れた地で命を落とした方々については本当に無念であったと思いますし、悲しみを通り越すほどの感情がわき上がってきた方も少なくないのではないでしょうか。

私自身がそんな風に思うのは、今までは偶発的にその場に居合わせたことで犠牲になってしまう事件はあったものの、最初から日本人ということで狙われるということはあまりなかったように思うからです。日本人だから生命を狙われるという事がこれから起こってしまうのだとしたら、根元的なところで考え方を変えなければならないのかとも思ったりします。

ではなぜ日本人が狙われるのかということを考えた時、これは過去に日本政府が出した方針で、世界の中でIS(Islamic State)と対決するという宣言をしたことが改めて既成事実化しているのだとも思えてきてしまいます。国外に渡った日本人がこれからもISから狙われるということは良い悪いに関係なく仕方ないことだと思った方がいいのかも知れません。

私を含め日本国内で生活していると、海外で活動することについての危険をどうしても忘れがちになりますが、今後はもしかしたら自分も狙われるかも知らないという認識の上で海外へ出掛けるようにしないと、なぜ自分がこんな事件に巻き込まれるのかわからないという形で被害に遭う事が自分の身にも全く降りかからないとは言えないでしょう。

かつてアメリカが「ならず者国家」と呼んだ北朝鮮、イラク、イラン、アフガニスタン、リビアでさえも、ここまでひどく無差別にピンポイントでの攻撃を長期間続けることはなかったように思います。中東地域でない北朝鮮でさえもあからさまに犯行声明を出して継続的にテロ行為をすることもなかなかできないように思います。それは、攻撃した後にどんな報復を受けるかがある程度予想できるからではないかと思います。

今のISが直接的な心配なしに連続テロを起こし続けられるのは(もちろんピンポイントの空爆にさらされる危険性はありますが)自分達の事を国家と呼んでいても、実体がどこにあるのかわかりずらく、今までの「国家」というものとは違っている世界のどこまでつながっているのかわからない組識であるからと言えるかも知れません。さらに、今回の事件で特徴的だと思うのは、実行犯がバングラデシュにやってきた専門のテロ要員が起こしたのではなく、ISの思想に共鳴したバングラデシュの自国民の若者によって引き起こされたということです。

今回のような自国にやって来た外国人を狙った自国民によるテロというのは、実はそんなに昔でない日本において、逆の加害者という立場で行なわれていたことがあるのをご存知でしょうか。いわゆる「攘夷」というのがそれで、国内の攘夷派と言われる人たちは、数多くの外国人に対する事件を引き起こしています。一つの例として挙げさせていただければ、1863年には皆さんも大河ドラマでよく御存知の長州藩の武士による英国公使館焼き討ち事件が発生します。高杉晋作・久坂玄瑞・伊藤博文といったそうそうたるメンバーがこの事件に関係し、その後も様々な今の基準で見ればテロ行為に等しいのではと思われる攘夷を実行に移していました。

テロ活動の恐いところは、後の新政府において中枢を任される伊藤博文でさえも、長州という組織の中で決められたことがあればその流れに抗しきれず、暴力を使った非道な実力行使に実際に加担していたいうことがあります。今回のダッカにおける実行犯も高学歴で家も裕福なエリートであったということですが、もしテロをしても自分達の立場は悪くなるだけだとわかっているような個人がいても、その流れを止めてまで襲撃や自爆テロを止めることなど不可能な極限状況にあったのではないかと、今回の事件が起こった原因について考えることもできます。

このブログではそうした国際テロの深い闇の中まで検証することはできませんが、過去の歴史から学ぶことで、良きにつけ悪しきにつけ、こうしたテロ活動の流れを急に止めるのがほぼ不可能である以上、時の流れが解決してくれるまで何とかして自分の身を守るにはどうしたらいいかを考えることはできるのではないかと思います。

かつての日本がそうであったように、いかに現代の日本人がその国のために役に立とうと思って仕事をしていたとしても、外国人にでかい顔をさせてはおけないという攘夷の思想を持っている人はどこの国に行っても存在します。そういった人の純粋な心を利用してテロの実行犯に仕込むということが普通に行なわれている以上、現地に旅行する場合は物事を安易に考えず細心の注意が必要になるでしょう。

基本的にはイスラム教徒自体を敵対する事まではないと思いますが、イスラム教徒のいる所にはISの拠点が作られている可能性があることは確かです。そうした国を旅行する時や仕事で行く場合においては、日本人が大きな顔をして闊歩していると勘違いされそうな行動は取らないようにすることと同時に、外出する時にもできる限り欧米人と日本人しか来ないような場所の出入りには気をつけることで、外国人を狙ったテロの危険から多少は逃げられる可能性はあります。

ただ、テロの中には外国人でなくても群衆が集まる市場やモスクを狙ったテロもありますので、それで身の安全が保証されるということでもありません。ちなみに、日本で明治という元号が使われたのが1868年と先に紹介した英国公使館焼き討ち事件から数えて5年という歳月がかかっています。日本でも開国派と攘夷派が競った中でこれだけの時間と人間が無駄になったのですから、ISのテロが世界に及ぼす影響というのはそれ以上の期間は簡単には止まないと思って対策するしかないでしょう。

こうした危機回避のための行動というのは、国内を旅行する場合でも大いに役に立つと思います。単に表面上の情報だけを頼りにして動くのではなく、常に次にどんな危険が起こるかを考えながら運転することで事故を避けることができるかも知れませんし、最悪の事態は防げるかも知れません。

今まで、この日本の中でも多くの人が犠牲になった事故はありましたが、その事故を追っていくことでわかることがあります。というのも、事故になることは仕方がないにしても、その中で最善を尽くすことができた場合は被害を最少限に抑えることができるケースがあるのに対し、大きな事故の場合はポイントポイントで行っては行けない方に舵を切ってしまって大惨事に至るケースというのは意外と多いのです。これも、過去の事故の原因を突き詰めていくなかで明らかになっていくことが多く、過去をひもとくことで危険を回避できる可能性は高まります。

今後も国内外に関わらずさまざまな場所での事件や事故のニュースが入ってくると思いますが、あまり対岸の火事だという風に考えず、そうしたニュースを自分の身を守るために活用するような気持ちで考えていって欲しいと思います。梅雨が明ければ夏休みになりレジャーには適したシーズンになりますが、くれぐれも楽しい旅が悲劇へとつながらないように願ってやみません。


カテゴリー: コラム, 旅コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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