電子機器がなくても会議の記録を取ることができる「速記」の存在が思わぬ形で紹介されることに

2025年春のNHK朝ドラは漫画家のやなせたかしさんとその妻である暢さんを主役にした「あんぱん」ですが、今週の放送で終戦直後の状況の中で就職するのに有利な資格として「速記」が紹介されました。

今の世の中はパソコンのキーボードやスマホでの文字入力が高速ででき、さらに先日ちょっと紹介したAIボイスレコーダーを使えばタイピング技術の習得なくしても、文章を口述してそれを電子ファイルに仕上げることもできるようになっています。

しかし、そのような技術がない時代には、人が言った言葉を記録するためにはメモが使われ、時代が下ってくるとテープレコーダーやICレコーダーが出てくることによって、音声を聞いての文字起こしが使われていたと思います。しかし、それ以前から使われていた速記を学習することによって、今のフリック入力やキーボード入力と同じくらいのスピードで文章を書くことは可能で、それを改めて普通の文字に起こすことも学習されている方であれば、むしろ音声ファイルからの文字起こしより早く作業ができていたのではないかと思われます。

裁判所や国会で発せられた言葉を書きとめて、それを文書化するという過程の中には、もう一つのアナログ機器が必要で、それが「和文タイプ」と呼ばれるものでした。英字用のタイプライターは今のパソコンのキーボードの配列と同じですが、和文タイプは全く違います。なぜなら日本語にはひらがなだけでなくカタカナもあり、さらには膨大な漢字も混在します。それだけに多くの文字盤にある中で目的の文字を見付けて早く文章を打つ技術というものがありました。和文タイプがどんなものかは別に検索すればわかると思いますが、和文タイプの技術も熟練が必要なもので、速記や和文タイプを使う技術は専門職として重宝された時代もあったのです。

速記自体、私はやったことはないのでそこまで詳しくはないのですが、かなを記号に置き換えるだけでなく、さまざまな略字のようなものもあるので、熟練の技術が必要になりますが、自分で書いて自分で普通の文字に起こすことをすれば、かなりスムーズに原稿の下書きは完成します。ドラマで主人公が就職する新聞社は、和文タイプとは別にこうした原稿を活字を拾って印刷に回す部所もあったので、今後はそうした「非デジタル社会」の中で、当時の人たちがどのように印刷物を作っていたのか? ということもわかってくるのではないかと期待しています。

今の世の中ではペーパーレスな環境も普通になっていますので、昔だと自分の考えを自費出版してまで世間に広めようと思ったら、自分で原稿を作ったとしてもそこから本として出版するまでには多くの熟練した人たちの手を通さなくてはいけなかったので、かなりの費用がかかったわけですが、今では私が今書いているようにブログにすればそれだけでも世間に自分の意見を出せるわけですし、さらに電子書籍という形にする場合にも、基本的には全てパソコンの中の作業だけで済んでしまうので、電子書籍の作成方法を学ぶことで費用を掛けずに出版することも可能になっています。

未来の社会は、さらに文章の作成の時点からAIの助けを借りることによって、書き手の訴えたいことをAIの力を借りて仕上げることもできるようになります。それこそ、速記によって形になっていたものも、音声データにAIを通すことでほぼ修正しなくても話し言葉で読める文章として成立することになるでしょう。その素材を、手書きで修正・編集するのかその後もAIで修正するのかわかりませんが、より人間一人でできることは増えていくでしょう。そんな事を考えながら、昔はどうだったのか? と考え、さらにはAIで出来ないことを私たちがどのようにして埋めていくのか? ということも意識しながら、今回の朝ドラには付き合っていこうかなと思っているところです。

カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA