一昨日の昼に買い物に行ったところ、昨年見たお米の置いてあるはずの棚の風景をまた見ることになりました。一切のお米が棚にはなく、テレビでは最近スーパーのお米の動向については報じられない中でお米が買えないというのは、今年の新米が出回る時期までまだ相当ある4月の段階ではちょっと不安を感じることになりました。
自宅では最近は毎日お米を炊くことはせず、パンや麺類などと合わせてお米の消費量は減らしてはいるのですが、ちょうど前回購入した分のお米が切れてしまったので買いに、仕事が休みの日を利用して普通のスーパーが開く前の時間にでも開いているスーパーに出掛けてみました。
ただ、残念な事にそのスーパーでもブレンド米でいつも山積みになっていたはずのお米がなく、あっても高額なブランド米だったり、いかにもいつもあるブランド米よりも良くなさそうな感じのお米が高値で出ているだけでした。恐らく、その日の午前中くらいには、多少の高値なら仕方ないと思った人に買われてしまうと思うので、それならばここで多少高くても無いよりはましなので買ってしまおうかとも思いましたが、もう一店舗のあてがあったので、そちらの様子をまず見て来て、そこでも買えなかったら戻ることにしました。
そのお店は農協の直売所で、私が入店した午前9時半頃には(開店は8時半)まだお米の販売はしていました。ただ、籾殻付きのお米を精米して販売するのでちょっと時間がかかります。価格の方も山形のお米でしたが、5キロで4千円弱と前のスーパーで精米から時間が経ったブレンド米を買うよりも安くておいしい食事ができそうということで、注文することにしました。
大体30分くらい待ってから受け取りに行ったところ(時刻は平日の午前10時)、もはやその日の販売分を完売していたのにはびっくりしました。お店では今の状況を受けて1人あたり10kgまでという制限を付けても売れていくのですね。今後、備蓄米放出があればもう少し買いやすくはなると思うのですが、それも農協が買い入れた在庫があるうちのみで、今年の新米が出回る前にはどのような事になってしまうのか、不安でしかありません。
今回のエントリーは、単に日本の米流通の状況を憂うだけの話ではありません。表題のように、最近になって、近く起こることが予想されている東南海地震の被害想定について見直しがされたニュースがありましたが、この「見直し」に、今のような米の入手のしづらさを考えているかということが気になるのです。
私のところでは、災害用にということで、お米というよりはカップ麺や乾麺を備蓄しておいて、災害時に備えているのですが、災害時の炊き出しということになるとお米が手に入るかどうかというのは大変大きなポイントになるのではないかと思っています。多くの小麦粉があっても、そこからパンを焼ける人は少ない代わりに、お米であれば電気がなくても水と鍋があれば炊くことは可能なので、お米は日本にとっては主食であると同時に普段から何気なしに食べ続けることで、非常時にも役立つ備蓄食料として機能します。
さらに、カップ麺はお湯を入れて出来上がったら早く食べないと冷めたり伸びたりしてしまいますが、お米の場合は冷めてもいただけますし、先日終了したNHKの朝ドラのテーマになった「おむすび」にすれば、災害時には器も必要なく型崩れの心配もなく、多くの人に提供することができます。
大きな災害時に外からの支援が受けられなくても、各家庭にあるお米を持ち寄って大きな鍋で炊くことで、みんなの分を一気に作ることもできます。今の家庭には米びつはないにしても、5キロないし10キロ単位でのお米が普通に用意されていましたが、今の状況では逆にそうしたお米の争奪戦が被災地で起こってしまいかねない状況にあると言わざるを得ません。
今の状況で大きな災害が起こった場合、今まではそんな事を考えなくて良かった食料についての争いが起こることも十分に考えられるので、まずは最初に紹介したような、「買いだめではなく自宅の在庫が切れたらその分を買う」ような消費者が普通にお米が買えないような状況は、もし何か大きな災害が起きた場合にパニックを引き起こす可能性があることをまずは農政を司る方々には認識して欲しいと思います。
米作りについての政策を変えるといってもすぐにできることではないので、それまでは緊急避難的な対応も必要になるでしょうが、せめて災害時に米不足で問題が起こることのないようにすることが、正しい南海トラフ地震への対策ではないかと思います。
個人的には、そうした対応がされるかどうかすらわかったものではないので、米が手に入りにくいうちは米以外の備蓄食料になりそうなものを備えることで何とか生きのびられるような方法を考えることにします。