最近、私の使っている電話にも結構ワン切りの着信が入るようになりました。この現象は、掛けた先の電話が「生きている(契約があって相手に掛かる)」かの確認ではないかという話があり、そうしたデータを使って無駄なく詐欺電話が今後掛かってくる可能性もあると言えます。
基本的に自分のところに掛かってくる電話について、知らない番号であったり非通知でかかってきたものについては決して出ないようにしています。一応、通知で掛かってくる場合はスマホに番号だけ残るので、その番号をネット検索するとその番号がいかにも怪しい会社からなのか、さらには最初に「+」が入っているような場合は海外から掛かってくるいかにも怪しい電話だとわかります。
ちなみに、親族や友人で海外で生活している人は、ほとんど例外なくLINEのような通話料金がかからない電話を使うか、メールで連絡が来るので、海外から重要な電話が自分のところに掛かってくることはまずありません。もし、役所とか病院とかであったら、こちらから掛けるよりも大切な用件であれば必ずもう一回掛かってきますので、その時に受けるようにすれば良いでしょう。その際、電話帳に登録をしておけば、その後はスムーズに取ることができるようになると思います。
それでも、つい電話を取ってしまって相手と話してしまう可能性は0ではありません。私自身は家族が粗相をして賠償しろというような電話は幸い受けたことがありませんが、その種の電話を受けてしまった場合の強力な交渉アイテムについて今回は紹介しようと思います。過去にもこの件については書いたことがあったと思いますが、昨今はミャンマーから専門に日本人をターゲットにして詐欺電話を掛けているような事例もありますので、こうした情報は定期的に紹介していくのも悪くないと思っています。
詐欺電話の内容としてありそうなものの一つが、家族が外出先で粗相をしてしまい、大切な持ち物を壊したのでそれを弁償しろというようなものがあります。過去には妊婦とぶつかって妊婦が大怪我をしたのでその責任を取れというようなものもあったように思います。単なる物とは違って、それが本当だったら大変ですし、賠償するにもいくら位になるのか想像もしにくいと思います。それは、詐欺電話の対策だけではなく、私たちが出掛ける際には起こり得ることです。特に自転車に乗っている時には歩行者とぶつかっただけでもかなりの怪我を負わせてしまう可能性がありますので、もしそうした事への対処をしていない場合、お早めに対策を講じることが大事です。
具体的には、表題にある「示談交渉付き個人賠償責任保険」への加入です。実際はこの保険には単体で入るというよりも、「自動車保険」「火災保険」「自転車保険」にオプションでセットできるようになっている場合が多いです。自動車保険や火災保険、自転車保険に入っている方はネットで契約内容が見られるなら、個人賠償責任保険に入っているか、そしてそれが「示談交渉付き」なのかをチェックしましょう。個人賠償責任保険自体は安く入れますが、「示談交渉付き」のオプションがないと、自分で相手と交渉して賠償額を決めなければなりません。示談交渉のオプションが付いていれば、こちらが粗相をして相手に怪我をさせたり物を壊したとしても相手側との交渉は保険会社の担当者にお願いできます。これが詐欺電話対策としても有効なのです。
もし、相手が警察や弁護士を名乗ってお金を出せと言って来た場合、こちらの方に賠償する義務があると言われた場合でも、自腹で払うのではなく保険に入っていれば保険会社にその交渉と支払いをお願いできるので、「改めて加入している保険会社の担当に連絡をさせるので、本人か代理人の連絡先をお知らせ下さい」と対応すればOKです。もし本当にそうした事があれば、相手はちゃんと名乗り、連絡先を教えてくれると思いますので、改めて事故の届出をし交渉を依頼します。
もし、そんな事件などが無く、全くの詐欺のための電話だとしたら、「じゃあいいです」とは言わないと思いますが(笑)、こちらから金を引き出すことは無理だと思って電話を切るだろうと思います。こちらとしては、ごく正式な手続きをするので、決してハッタリではないことがポイントです。もしこちらの言う事はどうせハッタリだろうと思って本当に電話番号を知らせてきたら、こちらからその番号には掛けず、保険会社の担当者に電話をお願いしましょう。保険会社は本当に事故であれば保険金を支払いますが、架空の事故を偽装したことがわかれば、弁護士を入れて徹底的に追い込むこと場合によってはあります。警察とも連携し、相手に厳罰が課される可能性もあるので、社会のためにもなります。
というわけで、まずはご自宅の保険の加入について調べ、すでに掛けている保険に「示談交渉付き個人賠償責任保険」のオプションを付けられるのであればその手続きをしたり、もしそうした事ができない場合には、自転車運転中の賠償事故にも使える「自転車保険」に新たに入るというのも一つの手です。ここでは具体的な保険会社の斡旋は行ないませんが、ネット内で完結する契約もありますので、興味のある方はご自身で調べて「示談交渉付き」の「個人賠償責任保険」があるかどうか確認してから加入してみて下さい。