高知で観光バスの事業を行なっている「高知駅前観光」では、2025年3月から試験的に新たな高速バスで東京~高知のモニター運行を行なうことを発表しました。料金は片道7300円(東京~高知間)ということですが、このバスは今までどの夜行バスでも実現できなかった座席を変形させることで、フルフラットで足を伸ばして寝られる座席を高知県内の企業とコラボして作った特別なバスなのだということです。
上記リンクの「ソメイユプロフォン」とは、フランス語で「熟睡」を意味するということで、まるでかつての寝台列車のように就寝時にフルフラットのベッドスペースへと変身させられる座席を用意したバスということなのだそうです。
政府の安全基準もクリアし、落下や飛び出し防止のためのガードを用意し、二点式のシートベルトと組み合わせることによって何とか運行にこぎつけたということです。
こうした仕組みは特許を取得し、希望する他社にもこの仕組みを売っていくとのことですが、まずは自社運行でどのくらいのニーズがあり、実際に乗車した場合の乗り心地というのも普及には関わってくるとは思います。ただ、鉄道の夜行寝台が壊滅的に無くなっている中、気軽に乗れて、しかも一応一人一台のベッドを作ってそこで休みながら移動できるということになれば、高知の方々の利用とともに、東京の方が高知に旅行に行く場合の交通機関について大きな選択肢となり得るのではないかと思います。
私の場合は、いったん東京まで行ってから使うしかないので、すぐに使うというわけには行きませんが、今後の動向次第では他の会社のバスがソメイユプロフォンを採用したバスに変わる可能性もあります。仕組み的には個室を作るのではなく、座席を変形させるだけなので、通常のバスの座席を取り外して変えるという手間だけなので、大都市から地方への夜行バス路線にこうした装備の付いたバスが運行するようになれば、かなり選択の余地が増えるので期待したいです。