もはや「周遊券」という言葉は鉄道では使えなくなっているので車の旅に「周遊パス」を活用する旅にシフトへ

昨日のニュースで、瀬戸大橋を走るJR四国の快速列車「マリンライナー」が朝7時過ぎにあろうことか瀬戸大橋の上で動けなくなり、乗客がおよそ6時間くらい車内に閉じこめられたというニュースを聞き、昨日が日曜日ということもあり乗客の多くは四国から岡山へ行く途中であったことが考えられる中、かなり大変な目にあったのだろうなと思い同情を禁じえません。

鉄道を使う長旅ということでは、先日発表された「青春18きっぷ」の改変の影響もあり、個人的にはもう仕事をリタイヤするまでは連続使用が条件のこのきっぷは使わないと思いますが、悪天候ではないトラブルで6時間身動きが取れなくなってしまったら、このような割引されている代わりに使用条件が限られるきっぷというのは変更が効かないので色々と大変だと思います。

鉄道に関して、現在は個人的に使ってみようと思えるものはないのですが、以前は18きっぷではなく遠方への旅行には「周遊券」を使っていました。このきっぷは、出発地から目的エリアまでの往復乗車券と目的地周辺の乗り降り自由なフリー区間のきっぷが付いているようなもので、当時はまだたくさん長距離列車が走っていた「急行」での往復ができるのが特徴でした。

上野発では内陸を通って早く目的地に到達できる青森行の「八甲田」と、日本海回りの「津軽」に乗れたので、東北の観光地はかなり回りました。当時は18きっぷでも青函連絡船に乗れたので、北海道函館までであれば、予約なしでもいつでも出発でき、さらに学生に対しては周遊券を学割価格で購入できたので、学生時代は18きっぷよりも周遊券の方をよく使って、四国にも周遊券で行ったことを今回の事故で思い出しました。

現在の旅はもうJRに固執することなく、私鉄や高速バス、LCC利用の飛行機、フェリーなど様々な交通手段を考えて行った方が良いと思いますが、現在でも昔の周遊券と同じような仕組みの交通手段はあります。それがNEXCO各社で出している高速道路をETCで利用する場合に使える「高速道路周遊パス」です。

かつての周遊券と比べるとそこまでのバリエーションもなく、関東在住の方と私のような地方都市在住者とでは出発地までの高速代が別にかかる(自宅近くのインターから乗っても定額な周遊パスの設定がない場合が多いので)という不便な点はありますが、出発地から目的地までの往復の高速代が入っていて(発着付きプラン)、フリー区間では高速道路を途中で降りてまた乗ってというまさに周遊券的な使い方ができます。電車と違って車であれば一般道も自由に走ることができるので、車を使って地域をくまなく観光したい場合には、むしろこちらの方が便利なのではないかと思いますね。

また、周遊パスにはフリー区間のみ利用できるプランもあるので、例えば、目的地まで一般道で行くとか、フェリーを使って目的地まで行くとか、さらに言うと現地まで公共交通機関を使って目的地からレンタカーを借りるような形で利用も可能です。その際、自分のETCカード(周遊パスに紐付けしたもの)を持って行くことが前提になりますが、現地の移動手段が少ないような場合、単にレンタカーを借りるだけでなく、高速道路の周遊パスをセットにすることで、うまく使えばかなり交通費を節約できる可能性があります。

目的地までJR(新幹線含む)を使う場合、同乗する人数が多ければ「レール&レンタカー」という仕組みを使うと、乗車券2割引、特急券1割引という特典が受けられる商品があります。申込み方が独特なので、手間はかかるかと思いますが、これだと過去の周遊券を使ったような旅ができるのではないかと思います。そうなると、まだまだ色々な旅行プランを立てる面白さというものはあるような気がします。

逆に言うと、旅行に行く時に自分もしくは同行者の中に運転免許証を持っている人がいるかいないかで、かなり旅の自由度が変わってくるということも言えます。運転免許を取得するにもコストはかかるので、なかなか取るのも今は大変だとは思いますが、車を今後所有する予定はなくても、免許を取得してレンタカーやカーシェアリングサービスを使いながら運転のカンは維持できるようにしておくと、これから旅に出るような場合には選択肢が増えます。

ただし、自分の車やレンタカーで移動するについて注意しなければならない事もあります。公共交通機関の場合、計画運休を含めて災害に見舞われそうな場合には運行自体が取り止めになります。車の場合は運転手の意志で出すなら、どこにでも行けるわけですが、進んだ先で冠水している場所に入り込んで車をダメにしてしまったり、無理に峠などを走り、土砂災害に巻き込まれて命の危険を生じる事もあります。新幹線が止まっていても高速道路の通行止が解除されたような場合だったら良いのですが、あらゆる乗り物での移動に危険が伴う場合には大人しく現地で宿泊できる場所を探すようにして無理に旅を続けない勇気も必要ではないかと思います。

カテゴリー: 旅行・交通関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

スポンサーリンク

もはや「周遊券」という言葉は鉄道では使えなくなっているので車の旅に「周遊パス」を活用する旅にシフトへ」への2件のフィードバック

  1. ケータイオタク

    少子高齢化人口減少社会に向かう中JRも収益確保に必死だと思います。従来は各種割引で集客を図り、収益増に結びつけてきましたがその効果も期待できないので割引策の縮小だと思います。
    さらにオンライン化に伴い旅客運賃システムの単純化も図る目的もあると思います。
    高齢者層は自分で動くのではなくツアーなどの利用も増えるでしょうし、従来の家族層は絶対数が減少する上に経済的にも家族で旅行と言う事は減っていくのではないかと思います。
    縮小均衡社会で旅のスタイルがどうなっていくか。

  2. てら 投稿作成者

    ケータイオタクさん コメントありがとうございました。

    JR東日本では運賃自体も値上げする意向のようで、これも物価の上昇による影響とは無縁ではないでしょうから、こうした状況を把握した上でどんな旅をするかということを考えていくことが大切になってくるのではないかと思います。

    ただ、今回紹介した高速道路の周遊パスなどというものは国鉄の周遊券があった頃にはまさに影も形もなかったものですし、飛行機のLCCについても然りです。ツアーの中では、「おひとりさま」専用のツアーなどもあるらしいですね。ある程度お膳立てされた同好の集まりを旅行会社がとりもつようなツアーに参加することで、それなりに楽しめる人たちも今後はそうしたツアーに参加するようになっていくのでしょう。

    最近はビジネスホテルも宿泊料金が高くなりましたが、ただそれも情報を色々仕入れていくとそれなりにリーズナブルに利用できるところも十分あります。旅行というのは日常生活から飛び出して非日常を楽しめるもので、気分転換という意味でも今の自分には大事なものです。今後も自分なりの旅というものを探っていき、このブログでも紹介させていただきたいと思っております。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA